不動産投資コラム~投資利回りを考える~

不動産市場が活況になると、昨日まで表面利回り8%だった物件が6%に変化しているといった物件が非常に増えます。この市況の変化は売り手側にとって好機です。
こういった利回りの差は市場の好機により発生しますが、不動産投資を行ううえで、利回りの分析は非常に重要です。
投資利回りの説明
以前、投資利回りはリスクの大きさというお話をさせて頂いておりますが、多くの方がどの様な意味かわからないと思いますので、今回は投資利回りの説明をさせて頂きます。
例えば年間家賃収入1,000万円の物件があったとします。
この物件、市場では1億円であったり、2億円であったりします。
利回りで言うと表面利回り10%と5%の物件ですね。
1,000万円/1億円=0.1
1,000万円/2億円=0.05
この5%の差はなんでしょうか?
築年数、立地、構造、間取り、路線価などなど
さまざまな要因がありこれがリスクの差です。
では皆さんはどちらの物件を選びますか?
- 「築年数は新しい方が良い・・・」
- 「駅から近く、都心に近い方が・・・」
- 「耐用年数が長い・・・」
- 「銀行評価が・・・」
と、あれもこれも希望があります。でも現実はそういきません、多くの方が金融機関から借り入れを行いますが、その場合、5%の物件を購入してもさまざまな経費を引いて手元に残るお金はほとんどありません。そのため10%の物件を購入される方が多くいらっしゃいます。
昨今の不動産投資市場はアベノミクスや東京オリンピックの効果が影響していると思われますが、物件自体の価値が大きく変わったわけではないのに、市場の盛り上がりでなぜか利回りを変えても売却ができていくわけです。この部分の変化は景気だけですので、実態がない利回りの可能性が非常に高くあります。
実体がないと言ってしまうとわかりにくいと思いますが、皆さんが将来的に不動産価値が上がる、安全だと思っているから、少しでも利回りが低くても購入をしてしまう、といった心理が利回りの変化を作ります。(金融機関による融資態度の緩和もあります)
つまり不動産自体の実態価値(収益性)が変わっているわけではないのに投資利回(リスク)が変化してしまうわけです。
もちろん売却益が出るとお考えの方もいらっしゃいますが、最初から売却益を得るためにと明確に投資をしている人はほとんどいませんし、今までのお話の中で売却益を出すことはよっぽどのことがない限り難しい事はお分かりだと思います。
利回りの差を生む要因
少し話は脱線しましたが、5%という利回りの差は
- 築年数
- 築浅の方がリスクが低いため利回りも低い
- 構造による耐用年数の違い
- 耐用年数が長いと資産価値が高い(運用期間が長いため賃料収入が大きい)
- 運用時の経費率の違い
- 新築よりも中古の方が修繕費もかかる可能性が高い
- 立地による不動産評価の違い
- 何かあった際に立地による売却のし易さしにくさ
稼働率に影響する人気のあるなし
等の要因です。
個々の要因のリスクを0%にするのは人によって違います。(地元で物件を買いたい、古いけどリノベする、安い管理、自主管理できる)
とはいえこうした要因の大小が物件価格に反映されていない事があります。
リスクが大きい割に利回りが低かったり、リスクが小さい割に利回りが高かったり、こうしたリスクを見極める事で割安、割高を見極めるわけですね。
リストとリターンのバランス
見た目の数字だけでなく検討されている物件のバランス(投資リスクとリターンのバランス)を見る事ができると思います。どんなことでもやはりバランスは重要ですね。
くれぐれもその場の気分で割高の物件を安易に購入すること避けましょう。気分はすぐに変わってしまう可能性がありますが、買った物件は残りますので。

(どうした よう)
日本AMサービス代表。
不動産の賃貸・売買仲介業務から高級不動産の管理業務、不動産ファンド業務を経て日本AMサービスを創業。
宅地建物取引士や不動産証券化協会認定マスターなど数々の資格を有する。
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