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不動産売却時に古家の解体は必要?

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不動産売却時に古家の解体は必要?

古家付きの土地を売却するとき、解体してから売りに出したほうが買い手が付きやすいことがあります。しかし、解体には当然費用がかかるため、慎重に検討しなければなりません。

この記事では、解体することのメリットとデメリット、解体費用の相場について解説します。

売却時に古家を解体するメリット

不動産売却時に古家を解体することには、以下のようなメリットがあります。

  • 早期に売却できる
  • トラブルの防止につながる
  • 土地が大きい場合は売れやすくなる
  • 管理が楽になる

早期に売却できる

日本人は不動産において、新築を求めるという国民性があります。

そのため、古家付きではなく、更地から探すという行動心理になり易いのです。更には解体という面倒が省けることが心理的負担を減らします。

土地を探している方は更地を優先的に探します。古家付きだと購入希望者の目に留まりにくくなるのです。

トラブルの防止につながる

古家があると物理的に土地の瑕疵を発見しにくくなり、トラブルにつながることもあります。

解体すると作業過程の中で埋設物が発見されたり、地盤強度に問題がないかなどがわかることもあります。

売却したあとに土地の瑕疵が見つかり、契約不適合責任を問われるというトラブルが発生しにくくなります。

土地が大きい場合は更地のほうが売れやすい

土地が大きい場合は、自宅建築以外も考えられるため、更地のほうが売れやすくなります。

大きい土地を探している買い手は土地の有効活用を考えます。たとえば、2世帯住宅やアパートの建築、その他にも設備設置や倉庫建築、事業用としての施設などです。

立地にもよりますが、大きい土地は必ずしも目的が自宅建築とは限りません。ターゲットを自宅建築以外も想定する場合に検討の余地はあります。

更地だと買い手にとって土地の有効活用がイメージしやすく、計画もつくりやすいです。大きい土地では、古家も大きかったり、複数の建物があると有効活用のための調査の邪魔にもなりえます。

管理が楽になる

相続した不動産が遠方にあり、空家になっている場合などでは、更地にすることで管理しやすくなります。

不動産には所有者責任があります。建物管理が行き届いていなくて火災が発生した・屋根瓦が落ちて周囲に損害を及ぼした・古い塀が倒れて通行人がケガをしたなどです。

空家は犯罪集団に利用されるという事件もあります。これらは、所有者による管理不足が原因とされると所有者責任を負うことになります。

不動産管理のために、定期的に遠方を行き来するのは大変な時間と労力が掛かります。このリスクを避けるために、たとえ費用を掛けても解体するメリットはあります。

解体せずに売却するメリット

解体をせずに古家付きのまま売却するには、以下のようなデメリットがあります。

  • 選択肢が増える
  • 時代的需要が見込める
  • 費用と無駄を節約できる
  • 買い手がイメージしやすい

選択肢が増える

解体する、しないには一長一短があり、売り手の考えや買い手の希望もさまざまです。

どちらがいいか決められない場合は、条件次第でいつでも解体できるという状態にしておくことで選択肢が増えます。

解体は費用がかかりますし、いつでもできます。しかし解体すると元に戻せません。これは売却に時間的余裕がある場合に有効です。

時代的需要が見込める

日本の不動産需要は変わりつつあります。再利用の拡大です。

古民家ブームは典型例ですが、セカンドハウス利用や、副業として事業用施設へ改築しての経営もあります。立地や建物の状況によっては有効な検討材料です。

不動産への需要は多様化しています。経済的価値と再利用への期待値は必ずしも一致しません。また、新築希望の買い手でも、立地条件がよければ土地の価値に注目して、土地を抑えるために古家の存在にこだわらないことも多々あります。

費用と無駄を節約できる

解体しない場合は、解体費用がかからず、さらには固定資産税の値上げを防げます。

居住用建物に利用されている土地の固定資産税は大幅に安くなっています。一度解体してしまうと元に戻せません。

手元資金が少なくて不安がある場合には有効です。また、状況によっては売却を取りやめる可能性があるときは、しばらく解体しないほうが無難です。

買い手がイメージしやすい

古家があることにより、不動産のよい点と欠点の発見ができます。具体的には、日当たり・眺望・風通し・騒音・湿気などがあります。

これらは、不動産の有効活用の調査や新築設計に重要です。新築する前のサンプルとして、古家を活用するという考え方です。

解体費用の相場

ここでは、解体費用の相場を確認してみましょう。

一般的な費用の相場

解体を業者に依頼した場合の費用は、建物の広さと構造によって変わってきます。頑丈にできている建物の方が多くの人数や重機が必要になり、その分解体費用が高いです。

一番解体しやすい木造住宅の場合、1坪あたり約3万〜5万円で解体できます。つまり30坪であれば、約90万〜150万円が相場です。

木造より解体がしづらい鉄骨造の場合、1坪あたり約4万〜7万円が目安です。さらに解体しづらい鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造だと、1坪あたり約6万〜8万円が相場です。

しかしこれらの金額はあくまで相場です。耐震性を高めるために頑丈にしていたり、デザイン性をよくするために複雑な構造にしていたりする場合があります。そのような場合、相場以上の費用がかかることもあります。

構造別の解体費用
構造 1坪あたりの費用(万円)
木造住宅 3〜5
鉄骨造 4〜7
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造 6〜8

相場より解体費用が高くなるケース

構造と広さ以外にも解体費用が高くなるケースがあります。

重機が搬入しづらく、隣地が近い

土地の間口や周辺道路が狭くて、重機が搬入しづらい場合にも解体費用は高くなります。重機が入れられないとその部分は人力になるため、その分人件費がかかるからです。

閑静な住宅街に建っている場合や、隣接する土地との距離が近いケースでは、防音対策や養生に細心の注意が必要です。さらに、足場の確保が難しく、重機で作業できない箇所が増えるため、費用が高くなります。

特殊な建材が使用されている

使用している建材によって、廃棄代や壊し方が異なるため、費用が変わります。

特に1975年以前に建てられた建物はアスベストが使われている場合があるので、事前に確認した方がよいでしょう。

アスベストとは以前使用されていた建物の材料です。人体へ悪影響を及ぼすことが発覚し、現在は使用されていません。

地下がある

地下部があると特殊な重機が必要になったり、地下部分を埋めるたりするのに余分な費用がかかります。

解体費用を安くするコツ

少しでも費用を安く抑えたいのであれば、家財道具は自分で処分しましょう。庭木なども自分で処分しておくとよいでしょう。それらをリサイクルショップに持ち込めば、解体費用の一部をまかなえるかもしれません。

また、解体業者ではなく、不用品回収業者などに依頼したほうが安くなる場合もあります。

自治体によっては、解体工事に補助金や助成金を用意している場合があります。地元の解体業者に確認するとよいでしょう。

解体を検討する前に知っておくべきことは?

最後に、解体を検討する前に知っておくべきことについて紹介します。

住宅ローンを完済しておく

住宅ローンが残っていると、建物が担保になっており、抵当権が設定されています。この抵当権を外さないと建物の解体はできません。

抵当権を外すためにはローンを完済する必要があります。また、ローンを完済していても、抵当権を外す手続きをしていないと、抵当権が外れていないため注意が必要です。

築古物件の需要は上がっている

不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向」によると、ここ10年間で中古戸建住宅の成約件数、取引価格ともに右肩上がりになっていることが分かります。

中古戸建住宅の成約件数と取引価格
  成約件数 取引価格(万円)
2010年 1万745 2,999
2020年 1万3,348 3,110

古い建物の需要が上がっているのは、住宅を安く手に入れたい人や、リフォームやリノベーションをして住みたいという人が増えてきているからです。これには近年の古民家ブームやDIYブームが背景にあります。

売主としては価値がないと思っている住宅でも、買主は掘り出し物と感じている場合があります。見つけてもらうまでに時間はかかるかもしれませんが、見つけてもらえれば思わぬ高値で購入してもらえる可能性もあります。

そのため、安直に建物が古いからと解体をするのではなく、中古物件としての価値があるのかどうかを確認しましょう。

解体業者選びは慎重に

解体業者は慎重に選ぶ必要があります。解体業界は専門用語が多く、担当者の言っていることを理解するのが困難です。そのため、業者からすると適当なことを言って不当に高い金額を請求することも難しくありません。

解体業者を選ぶ際には、下記のような点に注意します。

  • 見積もりや契約書の内容が分かりやすいか
  • 領収書やマニフェストの発行ができるか
  • 連絡がスムーズにできるか
  • 坪単価が安すぎないか
  • 必要な許可や保険に加入しているか
  • 行政処分や指名停止を受けていないか
  • 追加費用について事前説明があるか
  • 質問に的確に回答しているか
  • 必要な書類を確実に発行してくれるか

解体を検討する前に一括査定サイトを利用する

解体を業者にお願いする前には、一括査定サイトの利用をおすすめします。一括査定サイトを利用することで複数社に売却方法の相談ができます。

複数社から更地にした方がよいといわれたなら、本格的に解体を検討しましょう。更地にしなくても売れるといわれれば解体する必要もありません。

一括査定サイトでは不動産の価格も調べることができます。数社を比較することで数百万円の差がでることも珍しくありません。まずは一度お問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

売却前の古家の解体に関するよくある質問

解体費用の相場は??
木造住宅の場合、1坪あたり約3万〜5万円。鉄骨造の場合、1坪あたり約4万〜7万円。鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造だと、1坪あたり約6万〜8万円が相場です。
解体するかどうかを決めるにはどうしたらいい?
複数の不動産会社に相談して、適切な売却方法のアドバイスを受けましょう

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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