マンション売却の税金|計算方法・税率・特例を解説

マンション売却では、売却益に対して所得税や住民税などがかかることがあります。ただし、税務上の利益である譲渡所得が出なかった場合や、特例によって課税譲渡所得がゼロになった場合は、これらの税金はかかりません。どのような場合に税金が発生するのかを整理し、必要以上に不安にならずに準備を進めましょう。
この記事では、マンション売却でかかる税金の種類と発生する条件、課税譲渡所得の計算方法、所有期間による税率の違い、税金を抑えられる特例を、計算例をまじえて解説します。
リビンマッチのポイント
マンション売却で中心となる税金は、課税譲渡所得が生じた場合の所得税・住民税・復興特別所得税です。マイホームの売却では、一定の要件を満たすと3,000万円特別控除などを利用でき、税額がゼロになることもあります。特例を使うには、確定申告が必要です
もくじ
マンション売却でかかる税金の一覧
マンション売却に関係する税金は、次のとおりです。課税譲渡所得が生じたときにかかる税金と、利益の有無にかかわらず手続きなどで発生する税金があります。
| 税金 | 課税対象 | 発生する条件 | 納付時期 |
|---|---|---|---|
| 所得税・復興特別所得税 | 課税譲渡所得 | 特別控除後に課税譲渡所得が残る場合 | 売却した翌年の確定申告時期 |
| 住民税 | 課税譲渡所得 | 特別控除後に課税譲渡所得が残る場合 | 売却した翌年度(通常6月以降) |
| 印紙税 | 不動産売買契約書 | 紙の売買契約書を作成した場合 | 売買契約時 |
| 登録免許税 | 抵当権抹消登記など | 抵当権が登記されている場合 | 決済・引き渡し時 |
| 消費税 | 仲介手数料など | 仲介手数料などのサービスを利用する場合 | サービスの支払い時 |
※復興特別所得税は、所得税額に対して課される付加税です。
このなかで税額が大きくなりやすいのは、課税譲渡所得に対してかかる所得税・住民税・復興特別所得税です。譲渡所得が生じても、マイホームの売却に利用できる特別控除などを差し引き、課税譲渡所得がゼロになれば、これらの税金はかかりません。
所得税・復興特別所得税は売却した翌年の確定申告時期に申告・納付し、住民税は申告内容をもとに翌年度(通常6月以降)に納付します。
この記事では、これらのうち税金について解説します。仲介手数料や登記費用など、税金以外の費用も含めた全体像と手取り額の計算方法は「マンション売却にかかる費用一覧」で確認できます。売却全体の流れや基本は「マンション売却の完全ガイド」をご覧ください。
売買契約や手続きでかかる税金
まず、売買契約や登記などの手続きにかかる税金を確認します。これらは、売却で利益が出たかどうかとは関係なく、手続きの内容に応じて発生します。
印紙税
不動産の売買契約書は課税文書にあたるため、紙で作成する場合は収入印紙を貼って印紙税を納めます。税額は契約書に記載する売買代金によって決まり、一般的なマンション売買で該当しやすい区分は次のとおりです。
| 契約金額 | 本則税率 | 軽減税率適用後 |
|---|---|---|
| 100万円超~500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超~1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万円超~5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円超~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
| 1億円超~5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
表の軽減税率は、2027年3月31日までに作成される一定の不動産売買契約書に適用されます。また、売買契約書を電磁的記録のみで作成し、電子契約で締結する場合は、印紙税がかかりません。電子契約を利用する場合は、不動産会社の対応状況を確認し、買主とも契約方法を調整しましょう。印紙税について詳しくは「不動産売却で払う印紙税」で解説しています。
登録免許税
売却するマンションに抵当権が登記されている場合は、引き渡しまでに抵当権を抹消する必要があり、抵当権抹消登記に登録免許税がかかります。住宅ローンをすでに完済していても、登記簿に抵当権が残っていれば手続きが必要です。
登録免許税は不動産1個につき1,000円です。土地と建物が各1個なら合計2,000円ですが、敷地となる土地の個数などによって金額が増えることがあります。
抵当権抹消の手続きを司法書士に依頼する場合は、登録免許税とは別に司法書士への報酬がかかります。報酬の目安を含む登記費用は「マンション売却にかかる費用一覧」で解説しています。
消費税
個人が事業としてではなく、自分のマイホームを売却する場合、土地・建物の売却代金に消費税はかかりません。一方、課税事業者である法人や個人が事業用・賃貸用の物件を売却する場合は、建物部分が消費税の課税対象になることがあります。土地の売却代金は消費税の対象外です。
ただし、マイホームの売却でも、不動産会社へ支払う仲介手数料や司法書士への報酬などのサービスには消費税がかかります。仲介手数料の「(売却代金×3%+6万円)×1.1」という式の「×1.1」は、この消費税分です。
譲渡所得にかかる税金の仕組み
マンション売却で所得税や住民税などがかかるかどうかは、特別控除後に課税譲渡所得が残るかで決まります。譲渡所得とは、マンションの売却によって生じた税務上の利益です。
税額を求めるまでの流れは、2つの段階に分けて考えます。
②課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除額
まず、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて、譲渡所得を計算します。取得費はマンションの購入や取得にかかった費用、譲渡費用は売却のために直接かかった費用です。この時点で譲渡所得がゼロ以下であれば、売却益に対する所得税や住民税などはかかりません。
次に、譲渡所得から特別控除額を差し引いて、課税譲渡所得を計算します。マイホームの売却では、一定の要件を満たすと最高3,000万円を控除できる特例などがあります。特別控除を差し引いた課税譲渡所得に税率をかけて税額を求め、課税譲渡所得がゼロになれば、売却益に対する税金はかかりません。
「購入時より安く売れたら税金はかからない」とは限りません
取得費を計算するとき、建物部分は使用や時間の経過に応じて価値が減ったものとして扱い、取得価額から減価償却費相当額を差し引きます。そのため、税務上の取得費は購入時の価格より小さくなり、購入時より安い価格で売れた場合でも、計算上は譲渡所得が生じることがあります。減価償却の計算は、次の章で解説します。
マンション売却の税額は、売却価格だけでなく、取得費や譲渡費用をどこまで正確に計上できるか、特例を利用できるかによって変わります。次の章から、取得費、譲渡費用、税率、特例を順に確認していきましょう。
取得費の計算方法
取得費は、売却するマンションを取得するためにかかった費用です。取得費を正確に計上すると、譲渡所得を正しく計算できます。計上できる費用が漏れると、譲渡所得を実際より大きく計算し、税額が増える可能性があります。
取得費に含められる費用
取得費には、マンションの購入代金のほか、購入時に支払った次のような費用を含められます。
- 購入代金・建築代金
- 土地・建物の購入代金。建物部分は減価償却費相当額を差し引く
- 購入手数料
- 購入時に不動産会社へ支払った仲介手数料など
- 購入時の税金・登記費用
- 印紙税、登録免許税、不動産取得税、購入時の登記を依頼した司法書士への報酬など
- 設備費・改良費
- 設備の追加や、資産価値を高める改良にかかった費用。通常の修繕費は含まれない
取得費を計上するには、購入時の売買契約書、領収書、預金通帳など、支払った金額を確認できる資料を用意します。取得費にできる支出が漏れないよう、購入時の書類を確認しておきましょう。
建物は減価償却費相当額を差し引く
取得費を計算するとき、土地は取得価額をそのまま使いますが、建物は使用や時間の経過によって価値が減ったものとして扱い、取得価額から減価償却費相当額を差し引きます。マイホームなどの非業務用建物では、減価償却費相当額を次の式で計算します。
減価償却費相当額は、建物の取得価額の95%が上限です。そのため、減価償却後も建物の取得価額の5%は取得費として残ります。
償却率は建物の構造によって決まり、経過年数は建物を取得してから売却するまでの実際の期間です。6カ月以上の端数は1年に切り上げ、6カ月未満は切り捨てます。たとえば、取得から売却までが10年5カ月なら、経過年数は10年として計算します。
マイホームなどの非業務用建物では、法定耐用年数を1.5倍した年数に対応する旧定額法の償却率を使います。鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の償却率は0.015です。
たとえば、建物の取得価額が3,000万円、鉄筋コンクリート造、取得から売却までの経過年数が10年の場合は、次のように計算します。
建物の取得費は、取得価額3,000万円から減価償却費相当額405万円を差し引いた2,595万円です。土地部分は減価償却しません。
取得費がわからない場合などは概算取得費を使える
取得費がわからない場合は、売却価格の5%を取得費(概算取得費)として計算できます。実際の取得費が売却価格の5%を下回る場合も、売却価格の5%を取得費として使えます。たとえば売却価格が3,000万円なら、概算取得費は150万円です。
実際の取得費が売却価格の5%を上回る場合、概算取得費を使うと譲渡所得が大きくなり、税負担が増える可能性があります。売買契約書が見つからない場合も、預金通帳、住宅ローンの書類、購入当時のパンフレットなど、購入額を確認・推定できる資料がないか探しましょう。実額を取得費として使えるか判断に迷う場合は、税務署や税理士へ相談してください。
譲渡費用にできるもの・できないもの
譲渡費用は、マンションを売却するために直接かかった費用です。計上できる費用が漏れると、譲渡所得を実際より大きく計算することになるため、対象になる費用と対象外の費用を分けて確認しましょう。
譲渡費用にできる費用
マンションの売却を実現するために直接必要だった、次のような費用が譲渡費用に含まれます。
- 売却時の仲介手数料
- マンションの売却時に不動産会社へ支払った仲介手数料
- 売買契約書の印紙税
- 紙の売買契約書に貼付し、売主が負担した印紙税
- 立退料
- 賃貸中のマンションを売却するため、借主に退去してもらう際に支払った立退料
- 既契約の解除に伴う違約金
- より有利な条件で売却するために、先に締結していた売買契約を解除して支払った違約金
一般的なマイホームの売却では、仲介手数料と印紙税が主な譲渡費用です。立退料や契約解除に伴う違約金は、該当する場合に限って計上します。
譲渡費用にできない費用
売却に関連して支払った費用でも、マンションを売るために直接必要だったとはいえないものは、譲渡費用に含められません。
- 抵当権抹消登記の費用
- 抵当権抹消登記の登録免許税や司法書士報酬は、原則として譲渡費用に含まれない
- 引っ越し費用
- 売主本人の転居や仮住まいにかかった費用
- 維持・管理のための費用
- 管理費、修繕積立金、固定資産税、通常の修繕費など、マンションを保有・管理するための費用
- 売却代金の回収費用
- 売却後に代金を取り立てるためにかかった費用
譲渡費用にできるかどうかは、単に売却前後に支払ったかではなく、その支出がマンションの売却に直接必要だったかで判断します。
ハウスクリーニングやリフォームの費用は、支出しただけで一律に譲渡費用になるわけではありません。内容や目的、売却との直接的な関係によって判断が異なるため、契約書や領収書を保管し、判断に迷う場合は税務署や税理士へ確認しましょう。
税率は所有期間で決まる
課税譲渡所得にかける税率は、マンションの所有期間によって変わります。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年を超えていれば長期譲渡所得となり、短期譲渡所得には高い税率が適用されます。
| 区分 | 所有期間 | 所得税等 | 住民税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 売却した年の1月1日時点で5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 売却した年の1月1日時点で5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
※2026年分の「所得税等」には、所得税額に対して課される復興特別所得税2.1%を含みます。
短期譲渡所得と長期譲渡所得では合計税率に大きな差があるため、所有期間の判定によって税額が変わります。
所有期間は売却した年の1月1日時点で判定する
所有期間は、実際の売却日ではなく、売却した年の1月1日時点で判定します。取得日から売却日までの期間が5年を超えていても、その年の1月1日時点で5年を超えていなければ、短期譲渡所得になります。
たとえば、2020年3月に取得したマンションを2025年5月に売却した場合、実際には取得から5年を超えています。しかし、2025年1月1日時点では所有期間が5年以下のため、短期譲渡所得に区分されます。このマンションが長期譲渡所得に区分されるのは、2026年1月1日以降に売却した場合です。
なお、相続や贈与によって取得したマンションは、原則として被相続人や贈与者が取得した日を引き継いで所有期間を計算します。
所有期間が10年を超えるマイホームには軽減税率がある
売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えるマイホームは、一定の要件を満たすと「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を利用できます。
軽減税率は、3,000万円特別控除などを差し引いたあとの課税長期譲渡所得に適用します。
| 課税長期譲渡所得 | 所得税等 | 住民税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|
| 6,000万円以下の部分 | 10.21% | 4% | 14.21% |
| 6,000万円を超える部分 | 15.315% | 5% | 20.315% |
課税長期譲渡所得が6,000万円を超える場合は、6,000万円以下の部分に14.21%、6,000万円を超える部分に20.315%を適用して税額を計算します。
この特例は、一定の要件を満たせば3,000万円特別控除と併用できます。適用要件は、後述する「マンション売却で利用できる主な特例」で解説します。
※2027年分以後は、所得税額に対して防衛特別所得税1%と復興特別所得税1.1%が課されます。合計の加算率は2.1%で変わらないため、上記の合計税率も変わりません。
マンション売却で利用できる主な特例
マイホームの売却では、一定の要件を満たすと税負担を抑えたり、譲渡損失をほかの所得から差し引いたりできる特例があります。特例によって課税譲渡所得や税額がゼロになる場合でも、適用を受けるには確定申告が必要です。
3,000万円特別控除
マイホームを売却した場合、一定の要件を満たすと、所有期間の長短にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。正式には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。
譲渡所得が3,000万円以下であれば、この控除によって課税譲渡所得がゼロになり、売却益に対する所得税や住民税などはかかりません。
主な要件は、自分が住んでいるマイホームの売却であること、親子や夫婦など特別な関係にある人への売却ではないこと、一定期間内に買換え特例や譲渡損失の特例などを利用していないことです。
以前住んでいたマイホームの場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。詳しい適用要件は「マンション売却の3,000万円特別控除」で解説しています。
10年超所有軽減税率の特例
売却した年の1月1日時点で、家屋とその敷地の所有期間がともに10年を超えるマイホームは、一定の要件を満たすと軽減税率の特例を利用できます。
3,000万円特別控除などを差し引いたあとの課税長期譲渡所得のうち、6,000万円以下の部分に低い税率が適用されます。3,000万円特別控除と併用できるため、控除後も課税譲渡所得が残る場合に税負担を軽減できます。
譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例
土地や建物の譲渡損失は、原則として給与所得などから差し引けません。ただし、マイホームの売却では、一定の要件を満たすと譲渡損失をほかの所得と損益通算できる特例があります。
売却した年の所得から控除しきれなかった損失は、翌年以後3年間にわたって繰り越して控除できます。対象となるのは、主に次の2つの制度です。
- マイホームを買い換えた場合
- 売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるマイホームを売却して損失が生じ、新しいマイホームの取得や住宅ローンなどの要件を満たす場合
- 住宅ローンが残るマイホームを売却した場合
- 売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超え、売買契約日の前日に住宅ローン残高があり、売却価格がその残高を下回る場合
いずれの制度も、所得金額、住宅ローン、買換資産などに要件があります。また、繰越控除を受ける期間は、継続して確定申告をする必要があります。現在の適用期限は、2027年12月31日までに行う売却です。
そのほかの特例:特定のマイホームの買換え特例
一定のマイホームを売却して新しいマイホームへ買い換えた場合、要件を満たすと、売却益への課税を将来へ繰り延べられる「特定の居住用財産の買換え特例」を利用できます。非課税になる制度ではなく、買い換えた住宅を将来売却するときまで課税を先送りする制度です。
この特例は、3,000万円特別控除や10年超所有軽減税率の特例とは併用できません。居住期間・所有期間、売却価格、買換資産などに複数の要件があり、現在の適用期限は2027年12月31日です。利用を検討する場合は、税務署や税理士へ確認しましょう。
マンション売却の税額シミュレーション
ここまで解説した計算式を使って、マンション売却でかかる税額を試算します。建物の減価償却費相当額を差し引いて取得費を求め、譲渡所得、課税譲渡所得、税額の順に計算します。
※以下は計算方法を示すための概算例です。購入時の仲介手数料や登記費用などは省略しています。実際の税額は、取得費に含められる費用や特例の適用要件などによって変わります。
ケース1:3,000万円特別控除で課税譲渡所得がゼロになる例
次の条件で計算します。
- 売却価格:3,500万円
- 購入代金:3,200万円(建物2,000万円・土地1,200万円)
- 構造:鉄筋コンクリート造(償却率0.015)
- 取得から売却までの経過年数:12年
- 譲渡費用:120万円
- 3,000万円特別控除の要件を満たす
まず、建物の減価償却費相当額を計算します。
建物の取得費は、取得価額2,000万円から減価償却費相当額324万円を差し引いた1,676万円です。土地の取得費1,200万円と合わせると、土地・建物の取得費は2,876万円になります。
譲渡所得は504万円です。ここから3,000万円特別控除を差し引くと、課税譲渡所得は0円になります。
この場合、課税譲渡所得に対する所得税・住民税・復興特別所得税はかかりません。ただし、3,000万円特別控除を利用するには確定申告が必要です。
ケース2:控除後も課税譲渡所得が残る例
譲渡所得が3,000万円を超え、特別控除を差し引いても課税譲渡所得が残るケースです。
- 売却価格:6,500万円
- 購入代金:2,500万円(建物1,500万円・土地1,000万円)
- 構造:鉄筋コンクリート造(償却率0.015)
- 取得から売却までの経過年数:20年
- 売却年1月1日時点の所有期間:10年超
- 譲渡費用:210万円
- 3,000万円特別控除と10年超所有軽減税率の要件を満たす
建物の減価償却費相当額を計算します。
建物の取得費は、取得価額1,500万円から405万円を差し引いた1,095万円です。土地の取得費1,000万円と合わせると、土地・建物の取得費は2,095万円になります。
譲渡所得4,195万円から3,000万円特別控除を差し引くと、課税長期譲渡所得は1,195万円です。
課税長期譲渡所得は6,000万円以下であり、10年超所有軽減税率の要件を満たすため、所得税等10.21%と住民税4%で計算します。
住民税:1,195万円×4%=47万8,000円
合計:約170万円
このように、同じ売却価格でも、建物の減価償却、取得費や譲渡費用として計上できる金額、利用できる特例によって税額は変わります。
税額を試算するには、購入時の売買契約書などを確認するとともに、マンションの売却価格の見込みを把握する必要があります。リビンマッチなら、一度の入力で最大6社へまとめて査定を依頼できます。
確定申告が必要になるケース
マンションを売却したとき、次のいずれかに当てはまる場合は、確定申告が必要です。ここでは申告が必要になるケースと時期を整理し、必要書類や具体的な手続きは別の記事で解説します。
- 課税譲渡所得が生じた場合
- 所得税・復興特別所得税を申告・納付するため、確定申告が必要。住民税は申告内容をもとに翌年度に課税される
- 売却益に関する特例を利用する場合
- 3,000万円特別控除、10年超所有軽減税率、買換え特例などの適用を受ける場合。特例によって税額がゼロになる場合でも申告が必要
- 譲渡損失の特例を利用する場合
- 一定の要件を満たし、譲渡損失の損益通算や繰越控除を受ける場合。損失が出ただけで自動的に適用されるわけではない
譲渡所得が生じず、マンション売却に関する特例も利用しない場合は、マンション売却を理由とする確定申告は原則として必要ありません。ただし、給与以外の所得があるなど、売却とは別の理由で確定申告が必要になる場合は除きます。
申告が必要であるにもかかわらず期限までに申告・納付しないと、無申告加算税や延滞税が課されることがあります。申告の要否を判断できない場合は、税務署や税理士へ確認しましょう。
確定申告は、原則としてマンションを売却した翌年の2月16日から3月15日までに行います。期限が土日祝日に当たる場合は、翌開庁日が期限です。譲渡損失の繰越控除を利用する場合は、繰越期間中も連続して確定申告が必要です。
必要書類、申告書の作成方法、e-Taxでの提出方法、納税方法については「不動産売却で必要な確定申告を基本から解説」で解説しています。
マンション売却の税金に関するよくある質問
- マンション売却で税金がかからないのはどんな場合ですか?
- 譲渡所得が生じなかった場合や、3,000万円特別控除などを差し引いて課税譲渡所得がゼロになった場合は、売却益に対する所得税・住民税・復興特別所得税はかかりません。ただし、紙の売買契約書を作成した場合の印紙税などは別に発生します
- 購入時より安い価格で売れたら、税金はかかりませんか?
- 必ずしもそうとは限りません。建物部分の取得費は、取得価額から減価償却費相当額を差し引いて計算します。そのため、購入時より安く売れた場合でも、税務上の譲渡所得が生じて税金がかかることがあります
- 税金はいつ支払いますか?
- 所得税・復興特別所得税は、原則として売却した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をして納付します。住民税は、申告内容をもとに翌年度に納付します
- 購入時の売買契約書がありません。税金はどうなりますか?
- 実際の取得費を確認できない場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。ただし、実際の取得費が売却価格の5%を上回る場合は、概算取得費を使うと譲渡所得が大きくなり、税負担が増える可能性があります。預金通帳や住宅ローンの書類、購入当時のパンフレットなども確認し、判断に迷う場合は税務署や税理士へ相談しましょう
- 3,000万円特別控除を使えば、確定申告は不要ですか?
- いいえ。特別控除によって課税譲渡所得や税額がゼロになる場合でも、特例の適用を受けるには確定申告が必要です。申告をしなければ控除は適用されません
税金の仕組みを理解して売却に備えよう
マンション売却では、課税譲渡所得が生じると、所得税・住民税・復興特別所得税がかかります。譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて計算し、そこから特別控除を差し引いた金額が課税譲渡所得です。取得費や譲渡費用を正確に計上し、利用できる特例を確認することで、税額を適切に計算できます。
まずは購入時の売買契約書や領収書、預金通帳などを確認し、取得費を把握しましょう。特例の適用要件や取得費の判断に迷う場合は、税務署や税理士へ相談してください。
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この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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