持ち家を売却して市営住宅に住み替える|入居までの流れと注意点

持ち家があっても、売却予定であれば市営住宅へ申し込めるケースがあります。持ち家があると原則として申し込めない自治体がある一方、入居までに持ち家を処分できることを証明すれば、申し込める自治体もあるためです。
そのため、希望する市営住宅の窓口で「いつまでに持ち家を処分する必要があるか」を確認することが大切です。期限がわかったら、不動産会社に査定を依頼し、売却に必要な期間と査定価格を確認しましょう。
リビンマッチのポイント
市営住宅への住み替えを検討するときは、自治体の窓口で入居条件や持ち家の処分期限を確認しましょう。そのうえで複数の不動産会社へ査定を依頼し、早期売却に向けて価格や売却までのスケジュールなどを比較することが重要です。
市営住宅に入居する条件
市営住宅に入居するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 住宅に困っている
- 世帯全体の所得が基準よりも低い
- 入居者と同居人が暴力団員ではない
市営住宅は、条件をひとつでも満たしていなければ入居できません。それぞれの点について確認しておきましょう。
住宅に困っている
市営住宅は、住宅の確保が困難な人に安定した居住を提供する役割を担います。そのため、家を所有している人は、住む場所に困っていないと判断され、市営住宅への入居条件を満たせません。 市営住宅に住むには、持ち家を手放す必要があります。
家を所有しているかどうかは、登記上の名義で判断されます。住んでいる人と所有者が異なる場合は所有していることにならないため、市営住宅に住める可能性が高くなります。
世帯全体の所得が基準よりも低い
市営住宅に入居するには、世帯全体の所得が一定の基準未満であることが条件にあります。市営住宅は、住宅に困っている人に低額な家賃で質の高い住宅を提供することが目的にあるためです。
入居条件に所得の制限を定めて、単に安い家賃の住まいを求める人が入居できないようにしています。 たとえば横浜市の市営住宅では「収入基準」が以下の条件に定められています。
- 一般世帯15万8,000円以下
- 裁量断層※では21万4,000円以下
市営住宅に入居した後に収入が上がり、定められた収入基準を超えた場合は、強制退去になることがあります。市区町村によって定められている基準が異なるため、お住まいの地域の市営住宅課に問い合わせてみてください。
入居者と同居人が暴力団員ではない
入居者と同居人が暴力団員でないことも市営住宅に入居するときの重要な条件です。 市営住宅では複数の世帯が隣り合わせに生活するため、一部でも暴力団員のような反社会勢力の構成員がいると、安全な暮らしが失われるためです。身分を偽って市営住宅に入居した場合、発覚次第すぐに明け渡しを求められる可能性があります。
高齢者を対象にした公営住宅もある
高齢者による自宅での転倒や火事などのリスクを防止し、高齢者が安心して生活できるよう、高齢者を対象にした公営住宅も多くなっています。高齢者を対象にした公営住宅は、シルバーハウジングとも呼ばれており、バリアフリー構造であることはもちろん、安否確認や生活相談、万が一に備えた緊急通報システムも兼ね備えています。
以下のいずれかに当てはまる場合は、シルバーハウジングへの入居が認められます。
- 60歳以上の高齢者単身世帯
- 夫婦どちらかが60歳以上の高齢者世帯
- 60歳以上の高齢者のみの世帯
- 障がい者単身世帯または障がい者とその配偶者からなる世帯
地域や物件によって入居条件が異なる場合があるため、事前に確認してください。
市営住宅に住み替える際の注意点
現在住んでいる家から市営住宅に住み替える際の注意点を説明します。 市営住宅には、民間の賃貸物件とは異なる注意点があるため、安心して生活をするためにも、これらの注意点を常に配慮しておくことが大切です。
希望者が多いと抽選になる
市営住宅は、空き部屋がでると入居者を募集します。空き部屋数に対して希望者が多いと抽選が行われます。抽選に落ちれば、次の抽選まで待たなくてはいけません。
空きがでたからといって確実に入居できるとは限らないのです。特に新築や立地条件がよい市営住宅は、抽選の倍率が高くなる傾向があります。市営住宅の入居を希望したとしても、実際に入居するまでには時間がかかってしまう場合があることも覚えておきましょう。
また、市営住宅は、募集時期が決められているところも多く、タイミングを逃すと抽選に参加できない可能性もあります。そのため、定期的に情報を確認しておきましょう。
入居条件を偽ると強制退去になるおそれがある
市営住宅に入居したあとから入居条件を満たしていないことが発覚すると、退去になるおそれがあります。万が一、入居条件を誤魔化しての入居や、入居後に条件を破った住み方をしてしまうと、強制退去となることがあります。 入居条件は入居者全員が安心して暮らせるように定められているものです。そのため、抽選をする前に、入居条件をよく確認しておきましょう。
市営住宅への入居を目的に安易な名義変更をしない
市営住宅の入居条件や持ち家の扱いは自治体によって異なります。持ち家を親族へ名義変更すれば入居条件を満たせるとは限らないため、市営住宅の入居を目的として安易に所有権を移すことは避けましょう。
また、親族へ無償または著しく低い価格で家の所有権を移した場合は、贈与税などの税負担が生じるおそれもあります。
持ち家がある状態で市営住宅への住み替えを検討している場合は、まず自治体の窓口で条件を確認し、売却が必要な場合は査定や売却スケジュールの確認を進めることが大切です。
ペットの飼育は禁止されている
市営住宅では基本的にペットの飼育は禁止です。一時的な預かりもできません。ペット飼育禁止の理由は、住宅の破壊や汚損だけでなく、鳴き声や騒音などの近隣への迷惑行為を防ぐためでもあります。
市営住宅ではペットの飼育が契約違反であるため、もし飼ってしまうと強制退去になり、引っ越しをせざるを得なくなってしまいます。都営住宅に住み替えを検討している場合は、入居条件を確認しておきましょう。
持ち家から市営住宅に住み替える流れ
家を売って市営住宅に住み替えるときの流れは下記のとおりです。
- 希望する市営住宅の入居条件・持ち家の処分期限を確認する
- 不動産会社へ査定を依頼し、査定額・売却期間の目安を知る
- 自治体の期限に合わせて売却計画を立てる
- 不動産会社と媒介契約を締結し、売却活動を始める
- 市営住宅へ申し込む
- 市営住宅の抽選・書類審査を受ける
- 買主と売買契約を締結する
- 自治体が定める期限までに持ち家を売却し、必要書類を提出する
- 市営住宅の入居説明・契約などの手続きを行う
- 市営住宅への入居完了
持ち家の引渡しから市営住宅への入居までに期間が空く場合は、仮住まいが必要になることがあります。売却時には、市営住宅の入居予定時期も踏まえて引渡し時期を不動産会社と相談しましょう。
1.持ち家を処分する
市営住宅への入居を決めた場合は、基本的に持ち家を処分する必要があります。
持ち家の売却では税金のこと、持ち家の価値、境界や測量、登記変更や権利関係、相続など、さまざまな悩みがあるでしょう。各都道府県では各種不動産関連機構が実施する無料相談サービスが設けられています。誰に相談したらよいかわからない、という場合は、役所でこのようなサービスを利用するとよいでしょう。
もし、持ち家が借地上に建てられており、土地の所有者が第三者である場合は、建物付き借地権として不動産会社に買取を依頼する方法もあります。旧法借地権や普通借地権では、正当な理由がない限り地主は更新を拒否できないため、借地権はなかなか取り戻せません。
借地権を取り戻して所有権を持ちたいと考えている地主であれば、買い取ってもらえることもあります。
2.市営住宅に申し込む
持ち家の処分ができれば、さっそく市営住宅に申し込みます。それぞれの地方公共団体の規定に沿って、入居申し込みの必要事項を記入した書類を提出します。 申し込みが完了すれば、書類審査を受けますが、企業に勤めている人は、勤務先などに在籍確認の連絡がある場合があります。必要であれば、人事に事前に連絡を行っていきましょう。
3.当選が決まったら引っ越しをする
申し込み抽選に当選が決まったら、いよいよ引っ越しです。 すべての手続きが済み、入居可能となってから期間が定められているため、一定期間のうちに入居しなければなりません。
持ち家の売却について不動産会社に相談してみる
家を処分後に市民住宅へ住み替える場合、以下のような悩みを持つ人が少なくありません。
- 持ち家売却の流れがわからない
- 売却にかかる費用がわからない
- 査定額が適切であるかわからない
- 売れ残ってしまった時の対処法がわからない
悩んだときは、まず不動産会社に相談してみましょう。上記のような悩みは、不動産会社に相談することで解決できる場合があります。
持ち家によって最適な処分方法は異なるため、複数の不動産会社を比較し、それぞれの提案を比較してみてください。 そうすることで、より自分の希望に沿った売却条件で持ち家を処分できます。
家を売るなら一括査定サイト「リビンマッチ」がおすすめ
市営住宅への申込みや入居までに持ち家を売却する必要がある場合は、売却にかかる期間も考えて準備することが大切です。不動産は査定を依頼してからすぐに売れるとは限らず、売却完了まで3~6カ月程度かかるといわれています。
そのため、複数の不動産会社へ査定を依頼し、「どの程度の期間で売却できそうか」「希望する時期までに売却する方法はあるか」なども、担当者に相談してみましょう。
不動産一括査定サイトの「リビンマッチ」なら、一度の入力で最大6社へ無料で査定を依頼できます。市営住宅への住み替えを予定している方は、売却期限が迫る前に、持ち家の査定価格と売却期間の目安を確認しておくとよいでしょう。
参照記事・文献
横浜市「市営住宅の入居者募集」

2022年からリビンマッチのコラム記事の執筆・編集を担当しています。不動産の財産分与に関する記事執筆が得意です。住宅設備機器の専門商社に6年間従事した知識と経験を活かして、不動産に関する知りたかったこと、知っておいた方がいいことをわかりやすく伝えられるように心がけています。
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