老後の住まいが広すぎる…。家を手放して新居へ住み替える方法

老後になってふと気づくと、家が広すぎるように感じることがあります。子どもが独立し、自分も家のなかを移動する機会が減ると、ほとんど使わない部屋が出てくるのです。
家の維持にかかる費用を考えると、このまま家を持ち続けることに疑問を感じるかもしれません。広すぎる家を売却して住み替えたほうがよいのでしょうか。それともそのまま住み続けたほうがよいのでしょうか。
もくじ
老後の家が広すぎて暮らしにくい!
ファミリー向けの住宅は、老後生活を送る場所としては広すぎてしまい、管理が行き届かないおそれがあります。老後は、これからどのような生活を送りたいかを明確にして、これからの住まいについてしっかりと向き合わなくてはなりません。
住み続ける?住み替える?
老後生活の家の選択肢には、以下の2つがあります。
- そのままいまの家に住み続ける
- 新たな家に住み替える
老後もいまの家に住み続けるには、広すぎる家を持て余さないよう対策が必要です。また、新たな家に住み替えるなら、夫婦二人で暮らすのか、一人暮らしをするかによって最適な間取りが変わります。
住み続けるならリフォームの検討を
いまの家に住み続けるなら、次のような老後の生活に合わせたリフォームが必要です。
- バリアフリーに対応する
- 断熱性を高める
- 一部を賃貸住宅にする
- 火災が起こりにくい設備に交換する
ここでは、それぞれの老後生活を見据えたリフォームについて解説します。
バリアフリーに対応する
老後もいまの家に住み続けるなら、今後の暮らしを考えてバリアフリーに対応した家にリフォームしましょう。いまの家を購入した当時は何も問題がなかった設計も、年を重ねると危険を伴います。具体的なバリアフリーへの対応としては、以下のような施工が挙げられます。
- 玄関や居室、水回りの段差をなくす
- すべりやすい箇所に手すりを設置する
老後生活では、些細な段差であっても大きな事故につながりかねません。細かい箇所でもリフォームを施せば、自宅内の事故防止につながります。
断熱性を高める
断熱性を高めるリフォームもおすすめです。家の断熱性を高めることで、夏は涼しく冬は暖かい住まいでの暮らしが実現できます。さらに室内を一定の温度に保てるため、急激な温度変化で血管や心臓がダメージを受けるヒートショックによる事故を防げます。
冬になると、高齢者がトイレや浴室でヒートショックを起こして命を落とすというニュースを、見聞きしたことがある方もいるでしょう。ヒートショックが起こる主な原因は、急な寒暖差だと考えられています。断熱性を高め、老後も安心して過ごせる環境にしましょう。
一部を賃貸住宅にする
2階建てや3階建ての家であれば、一部を賃貸住宅にリフォームして家賃収入を得る方法もおすすめです。
ただし、立地条件や周辺環境によっては、借主が見つからない可能性も十分考えられます。賃貸住宅にリフォームする際は、慎重に検討しましょう。
火災が起こりにくい設備に交換する
老後の生活に備えるなら、火災が起こりにくい環境づくりも考えなくてはなりません。総務省消防庁は、平成24年~令和3年で発生した放火自殺者などを除く住宅火災のうち、どの年においても死者数の6割以上は65歳以上の高齢者だと発表しています。
ガスコンロを電気コンロに変えるだけでも、火災が発生する可能性をぐっと減らせます。時間とお金をかけてリフォームを実施するなら、火災が起きにくい家づくりを意識するとよいでしょう。
住み替えなら快適に暮らせる家に
次に、老後に向けた住み替えの選択肢を紹介します。いまの家を手放して新居に住み替えるなら、老後生活を快適に送れる家を選ぶのがおすすめです。今後の住まいで重要視する項目をよく考え、住み替え先を選びましょう。
高齢者向け住宅
高齢者向け住宅とは、高齢者が老後生活を送る目的としてつくられた家のことです。高齢者を対象としたマンションや介護、リハビリといったサービスが付帯しているマンションなどさまざまな種類があります。
高齢者向け住宅は有料老人ホームとは異なり、居住者の自由度の高さが魅力です。居住者の思うままに自由気ままな老後生活を楽しめます。
ダウンサイジングで快適な広さに
ダウンサイジングとは、いま住んでいる家より小規模な家に住み替えることです。広すぎる家を持ち続けることなく、老後生活に適した家で生活を送れます。
ダウンサイジングは、いまの家の半分くらいのサイズが目安です。家をコンパクトにすることで、経済的にも体力的にも負担が減り、日々の暮らしが快適になるでしょう。
売却して家を手放すメリットとデメリット
いま住んでいる家を手放した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。自宅を売却して賃貸物件に住み替える、メリットとデメリットを紹介します。
家を手放すメリット
家を手放すメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
- 税金や修繕費用の支払いがなくなる
- 老後のライフスタイルにあった家で生活できる
- 資産価値が下がる前に売却できる
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
税金や修繕費用の支払いがなくなる
家を手放す大きなメリットは、固定資産税や都市計画税といった税金の支払いがなくなる点です。また、家に不具合が生じた際に、修繕費用を負担せずに済む点も魅力といえます。いま住んでいる家を売却し、賃貸物件に住み替えれば経済的な負担が軽くなるでしょう。
老後のライフスタイルに合った家で生活できる
老後生活では広すぎる家を売却し、暮らす人数や趣味嗜好に合わせた間取りで生活できる点も家を手放すメリットといえます。
たとえば、ガーデニングが趣味の方は広い庭がある物件を選ぶのもよいでしょう。また、一人暮らしの方なら、広すぎず狭すぎない1LDKの部屋もおすすめです。
資産価値が下がる前に売却できる
家は、築年数が経過するごとに資産価値が下がります。そのため、早く売却を決断すれば、資産価値が下がる前に売却でき、まとまった資金を得やすくなります。
老後生活に備えて少しでも高値での売却を望むなら、資産価値が下がる前に売りに出すのがおすすめです。
家を手放すデメリット
家を手放すデメリットは、主に次の3つが考えられます。
- 月々の家賃が発生する
- 入居審査に通らない可能性もある
- 新たな環境がストレスになるおそれがある
それぞれについて、詳しく説明します。
月々の家賃が発生する
賃貸物件で生活するには、月々家賃が発生します。労働による安定収入を得にくくなった老後生活で、月々決まった家賃を支払うことを負担に感じる方も多いでしょう。特に住宅ローンを払い終えている場合、家賃が家計の負担になるかもしれません。
入居審査に通らない可能性もある
賃貸物件の入居審査では、審査項目に年齢制限を設けている物件もあります。高齢になると認知症によるトラブルや居住中の死亡といったさまざまなリスクを考え、物件を貸したがらない大家が多いのも事実です。
新たな環境がストレスになるおそれがある
住み慣れた家を手放し、新しい環境で生活することがストレスとなるおそれがあります。環境の変化で心が疲弊してしまい、大きな病気を引き起こすかもしれません。
老後に自宅を売却するときの注意点
老後に自宅を売却する際に気をつけるべきことを紹介します。前もって注意点を把握し、対策を講じましょう。
相続人に自宅を売却することを伝える
子どもや兄弟姉妹など家を相続するつもりでいる方がいる場合、勝手に売却してしまうとトラブルになるおそれがあります。あらかじめ、相続人に家を手放す旨を伝えてから、売却を進めましょう。家を巡って、家族間でトラブルが起こらないよう注意する必要があります。
オーバーローンでは売却できない
住宅ローンの残債がある家を売却する場合、売却益で住宅ローンを完済しなくてはなりません。そのため、売却価格よりも住宅ローンの返済額が上回るオーバーローンの状態では、売却が難しくなります。
オーバーローンでも、貯蓄を取り崩して返済に充てる方法や、新たなローンを組んで返済する方法もありますが、老後の生活を考えるとどちらの方法もおすすめできません。
悪質な業者に注意!
家に限らず不動産を売却するときは、悪質な業者にだまされないよう十分な注意が必要です。不動産会社のなかには、契約を交わしたいがために売主を不安にさせることを言ったり、ろくな調査もせずに高い査定額を提示したりするところもあります。
家を売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼して比較、検討しましょう。そして、信頼できそうな会社が見つかったら、直接対面でやり取りします。やり取りのなかで、担当者の態度や実績を見きわめてから依頼する会社を決めましょう。
信頼できる不動産会社を「リビンマッチ」で見つける!
信頼できる不動産会社を見つけるには、複数の会社に相談して、自分の目で見きわめるのが一番です。しかし不動産売却に強い不動産会社を、1社1社相談して見つけるのは、かなり手間のかかる作業です。そこでおすすめなのが、業界最大手の一括査定サイト「リビンマッチ」です。
リビンマッチは連絡先や物件の情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社から家の査定を受けられるサービスです。手間をかけずに複数の不動産会社にアプローチできるため、とてもスムーズに不動産会社の比較ができます。
サービスを利用するときには、土地や建物の面積などを入力する必要があるため、あらかじめ登記事項証明書(登記簿謄本)など、建物の情報がわかる資料を用意しておきましょう。手間のかかる不動産会社への連絡がスムーズに済みますので、ぜひご利用ください。
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