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【比較】リースバックとリバースモーゲージの違い!どっちが向いている?

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【比較】リースバックとリバースモーゲージの違い!どっちが向いている?

老後の暮らしに備えて、まとまった資金を確保したい。でも、住み慣れた自宅は手放したくない。そんな悩みを抱える中で注目されているのが「リースバック」と「リバースモーゲージ」です。

どちらも自宅の価値を生かして資金を得られる仕組みですが、契約内容や将来的なリスクは大きく異なります。選び方を間違えると、「こんなはずじゃなかった…」と後悔することも。

よく似ているようでまったく違う「リースバック」と「リバースモーゲージ」の正体を、メリット・デメリットを比較しながら、詳しく解説します。

「なんとなくで選んで後悔したくない」「安心して老後を迎えたい」という方に、じっくり読んでほしい内容です。

リースバックとリバースモーゲージの違い

リースバックとリバースモーゲージは、いずれも自宅に住みながらまとまった資金を確保できる点で共通しています。

しかし、両者は契約の仕組みが大きく異なります。違いを理解せずに契約すると、予期せぬトラブルに発展するおそれがあります。

最適な判断をするために、まずはリースバックとリバースモーゲージの特徴を押さえておきましょう。

リースバックとリバースモーゲージの特徴
比較対象 リースバック リバースモーゲージ
概要 自宅を売却し、家賃を払って住み続ける 自宅を担保に資金を借入れ、死亡後に自宅の売却益で元本を一括返済する
契約法 物件売買+賃貸契約 ローンの借入れ
所有権の有無 なし あり
資金の受け取り方 自宅の売却益 自宅を担保とした借入金
毎月の支払い 家賃として支払い 利息として支払い
得られる資金額 市場価格の70~80% 市場価格の50~70%

上記のとおり、リースバックとリバースモーゲージは契約方法や資金の受け取り方、毎月の支払いなど、さまざまな違いがあります。

とくに重要な違いについて、以下で詳しく解説します。

所有権の有無

リースバックとリバースモーゲージの最大の違いは、所有権の有無にあります。リースバックでは自宅を売却するため、所有権は第三者(不動産会社や金融機関)に移ります。そのため大規模なリフォームを行う際には、所有者の了承を得る必要があります。

一方、リバースモーゲージは自宅を担保にした借入れのため、所有権は移転しません。これまでどおり自己所有の家として、自由にリフォームを行うことも可能です。

資金受け取りの方法と必要な支出

リースバックでは、自宅の売却益としてまとまった資金を受け取れます。資金の使い道は自由で、返済の必要もありません。しかし、所有権は第三者に移るため、家賃を支払う必要があります。

一方、リバースモーゲージで得られる資金は借入金です。所有権は自分にあるため家賃は発生しませんが、利息を毎月返済する必要があります。

また、借入れのため、資金の用途が自宅のリフォームや老後の生活費などに限定される場合があります。

加えて、リバースモーゲージは所有権が移転しないため、固定資産税や都市計画税の納税義務があります。

得られる資金額

リースバックとリバースモーゲージでは、得られる資金額にも違いがあります。リースバックでは市場価格の70~80%で売却できますが、リバースモーゲージによる借入額は市場価格の50~70%程度にとどまります。

リバースモーゲージの借入額が少なめに設定されるのは、売却時期が数年後から数十年後になるため、担保価値が低めに見積もられるからです。

物件の資産価値によっては、リバースモーゲージを利用することで損失につながるおそれがあるため、注意が必要です。

リースバックのメリットとデメリット

リースバックのメリットとデメリットを整理すると、次のようになります。

リースバックのメリットとデメリット
メリット デメリット
  • 短期間でまとまった資金を確保できる
  • 物件売却後も自宅に住み続けられる
  • 契約条件に縛りが少なく利用しやすい
  • 所有権がなくなる
  • いつまでも住めるとは限らない

ここでは、各メリットとデメリットの内容について詳しく解説します。

メリット1:短期間でまとまった資金を確保できる

通常の不動産売却では売却が完了して現金を受け取るまでに、3カ月から半年程度かかります。買主が現れるまで待つ必要があるうえ、融資審査や売買契約の締結にも時間がかかるためです。

しかし、リースバックでは不動産会社が直接自宅を買い取るため、すぐに現金化できます。早急にまとまった資金を確保したい方は、リースバックを検討するとよいでしょう。

メリット2:物件売却後も自宅に住み続けられる

通常の物件売却では、売却後に買主に自宅を引き渡さなければなりません。しかし、リースバックでは売却後も自宅に住み続けられるため、引っ越しにかかる費用や手間を節約できます。

住環境や人間関係の変化によるストレスを回避できる点も、大きなメリットです。

メリット3:契約条件に縛りが少なく利用しやすい

リースバックは、自宅の買取と賃貸契約が組み合わさったものです。リバースモーゲージと比較すると、契約条件に「縛りが少ない」といえるでしょう。

ローンの借入れのような融資審査はありません。年齢や年収などの制限もなく、売却益の使い道も自由です。

ただし、リースバックを利用するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。主な条件は以下のとおりです。

  • 名義人全員の同意を得ている
  • 売却益もしくは自己資金でローンを完済できる
  • 家賃の支払い能力がある

なお、利用条件は不動産会社や自宅の状態によって異なる場合があります。

デメリット1:所有権がなくなる

リースバックの最大のデメリットは、所有権がなくなることです。愛着のある自宅が自分のものではなくなる点に、抵抗を感じる方もいるでしょう。

大規模なリフォームや修理を行う際には、所有者の了承が必要になります。

メリットを挙げるとすれば、固定資産税の支払いが不要になることです。また、自宅を早期に売却することで、財産分与がしやすくなります。

また、買い戻し資金を確保できれば、売却した自宅を買い戻すことも可能です。

デメリット2:いつまでも住めるとは限らない

リースバックにより手放した自宅に、いつまでも住めるとは限りません。リースバックによる賃貸借契約は、賃貸期間が限定される「定期借家契約」であるケースが多いためです。

契約期間満了後、お互いの同意があれば契約は更新されます。一般的には更新に応じる不動産会社が多いとされますが、状況によっては更新ができず、思いがけず住み慣れた家を離れる必要がある点は理解しておきましょう。

リバースモーゲージのメリットとデメリット

リバースモーゲージの主なメリットとデメリットを比較すると、以下のようになります。

リバースモーゲージのメリットとデメリット
メリット デメリット
  • 老後の資金やリフォーム費を確保できる
  • 住環境を変える必要がない
  • 高齢者でもローンを組める
  • 融資や資金用途の条件が厳しい
  • 相続人に負債を負わせてしまう場合がある

各項目について以下に詳しく紹介します。

メリット1:老後の資金対策やリフォーム費を確保できる

リバースモーゲージを利用すると、月々の支払いは利子のみとなるため、毎月の支出を抑えられます。

給与収入がないシニア世代において、リバースモーゲージは老後の資金対策やリフォーム費を確保する有効な手段といえるでしょう。

メリット2:住環境を変える必要がない

リバースモーゲージを利用した場合、自宅をそのまま所有できます。リースバックのように賃貸契約が切れる心配もなく、リフォームも自由に行えます。

最期まで住み慣れた自宅で安心して過ごせる点は、リバースモーゲージの大きな魅力です。

メリット3:高齢者でもローンを組める

一般的な住宅ローンには年齢制限があります。金融機関やプランによって異なりますが、完済時に80歳を超えないことを条件とするケースがほとんどです。そのため、シニア世代の住宅ローン利用はハードルが高くなっています。

一方、リバースモーゲージは高齢者を対象としているため、多くは年齢の上限は設定されていません。高齢でも資金調達の手段としてローンを利用できる点が、リバースモーゲージの強みといえます。

しかし反対に、リバースモーゲージの利用年齢に下限(50~60歳)が設定されていることも多く、現役世代は利用できないケースも少なくありません

デメリット1:融資や資金用途の条件が厳しい

リバースモーゲージは誰でも利用できるわけではありません。一般的なローンと同じく、融資審査に通らないと借入れできません。

また、資金用途が老後の資金形成やリフォーム費などに限られる場合もあります。このように、リバースモーゲージは制限が多く、そもそも利用できないケースもあります。

デメリット2:相続人に負債を負わせてしまう場合がある

リバースモーゲージにより借入れた元本は、利用者の死後に自宅を売却して回収されます。自宅の売却益が借入額を下回った場合、相続人が残債を支払わなくてはなりません

残債があっても相続人に支払い義務が生じないプラン(ノンリコース型)もありますが、利息が高くなるため毎月の支出が多く、生活が苦しくなるおそれがあります。

リースバックかリバースモーゲージか、どちらが向いている?判断ポイント

リースバックとリバースモーゲージには共通点もありますが、契約法や所有権の有無など、相違点も多くあります。

双方の特徴を把握したうえで、自分に合った契約法を選ぶことが重要です。

リースバックに向いている人の特徴

以下のような人はリースバックが向いています。

  • 多額の資金が必要
  • 資金に余裕ができれば自宅を買い戻したい
  • ローンの利用が難しい、または心理的な抵抗がある
  • リースバックの最大のメリットは、自宅に住みながら多額の資金を確保できる点にあります。

    通常の売却であれば、完全に自宅を手放さなくてはなりません。しかし、リースバックであれば家賃を払いながら住み慣れた自宅に住み続けられます。資金に余裕ができれば、自宅を買い戻すことも可能です。

    また、ローンの利用が難しく利用に心理的な抵抗がある人もリースバックが向いています。リースバックで得られる資金は売却益のため、融資審査は不要、返済義務はありません

    リバースモーゲージに向いている人の特徴

    リバースモーゲージに向いている人の特徴は以下のとおりです。

    • 必要な資金が少額である
    • リフォーム資金を確保したい
    • 自宅に愛着がある

    リバースモーゲージの借入額は市場価格の50~70%程度にとどまります。そのため、まとまった資金確保というよりは、年金を補填して老後の生活を豊かにしたい人や、リフォーム費を調達したい人に向いています。

    リバースモーゲージは利用後も自身で所有できるため、自由にリフォームが可能です。自宅に愛着があり、最後まで自分の城として自由に使いたい人はリバースモーゲージを検討するとよいでしょう。

    専門家(不動産会社や銀行)に相談し、具体的な条件を比較する

    リースバックとリバースモーゲージ、どちらが適しているかは契約者や自宅の状態によって大きく異なります。

    また、いずれの方法にしても契約内容が複雑であり、理解が難しい部分も多くあります。リスクを理解しないまま契約してしまうと、損失が生じたり、自宅に住めなくなってしまったりと、トラブルになりかねません。

    自身だけで判断するのではなく、まずは不動産会社や銀行などの担当者に相談しましょう。専門家の視点から、両者の具体的な条件や起こりうるリスクを説明してもらうことで、正確な判断をしやすくなります。

    不動産の価値を確認したうえで、契約を結ぶ

    リースバックやリバースモーゲージは、住み替えを回避しつつ、自宅を利用して資金調達できる点がメリットです。しかし、いずれの方法も調達できる金額が一般的な売却額より安く、月々の支払いが必要です。

    毎月自由に使える資金が少なくなった結果、生活が困窮するリスクがあります。

    いずれの方法を選ぶにせよ、まずは自宅の市場価値を把握することが重要です。市場価値がわかれば、最適な契約法も見えてくるでしょう。

    不動産の一括査定サイトでは、1回の入力で複数社による査定額が確認できます。

    自分に合った不動産会社を見つける手段にもなりますので、「自宅を売却・活用して資金を得たい」という方は、試しに利用してみてください。

    この記事の編集者

    リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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