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農地転用できない土地とは?見分け方と転用不可地の収益化方法

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農地転用できない土地とは?見分け方と転用不可地の収益化方法

農地転用できない土地とは、主に宅地や駐車場、資材置き場などへの転用が原則として認められない農地のことです。代表的な区分として、農用地区域内農地、甲種農地、第1種農地が挙げられます。

ただし、すべてのケースで絶対に転用できないわけではありません。農用地区域からの除外や、農業用施設・公共性の高い施設への転用など、一定の条件を満たせば例外的に認められる場合もあります。

農地転用の基礎知識

農地とは、農業を行うために使われる土地のことです。主に米を育てる田んぼ、野菜や果物などの農作物を栽培する畑を指します。

農地転用とは、農地を住居や駐車場など農地以外の土地に変えることをいいます。農転と略されることもあります。

農地転用にはメリットがありますが、実際のところ、簡単にはできません。その理由を解説します。

なぜ自由に農地転用できないのか

農地は、食料の安定供給や農業生産を守るために農地法で保護されています。農地が自由に宅地や駐車場へ転用されると、優良な農地が減少し、周辺の農業にも影響が出るおそれがあるのです。

農林水産省の「令和7年耕地面積(7月15日現在)」によると、耕地面積(農作物を育てるための土地)は年々減少しています。日本全土における2025年の耕地面積は423万9,000ha(ヘクタール)で、2024年と比較すると3万3,000haも減少しました。

農地転用では、農地の立地や優良性、周辺の土地利用状況、転用後の計画などをもとに、転用できるかどうかが判断されます。

農地法とは

農地法は、要約すると主に次のような内容が記載されています。

農地法の概要
条項内容許可主体
第三条(権利移動)農地を耕作目的のために、売買・貸借する場合農業委員会
第四条(転用)所有者が自分の農地を農地以外の用途に転用する場合都道府県知事(指定市町村は市町村長)
第五条(権利移動・転用)農地を農地以外の用途に転用して売買・貸借する場合

第三条と第五条に記載されている権利移動とは、自分が所有している農地の所有権を他人に譲り渡すことです。

農地を転用・権利移動する場合、基本的には許可を取る必要があります。

農地転用できない土地の見分け方4選

農地がどのくらい大切かわかったところで、次は農地転用できる土地とできない土地の見分け方を4つ紹介します。

市街化区域か市街化調整区域かを確認する

市街化区域とは、すでに住宅地を形成している区域、あるいは約10年以内に市街化を目指している区域のことです。

対して、市街化調整区域は、市街化区域の逆で市街化を抑制している区域です。

一般的に市街化区域内は農地転用できる可能性が高く、市街化調整区域内の場合は農地転用のハードルが高くなります。市街化調整区域は自然環境や農業の保護を重視していることが多く、市街化を抑制しているからです。

ただし、市街化区域内なら市街化を促進していることもあり、比較的簡単に農地転用できます。農地法により市街化区域内の農地は、農業委員会への届出だけで農地転用できます。

転用しやすい区分か、転用が難しい区分かを確認する

農地は、場所によって次のように区分されています。

農地の区分と詳細、転用の難易度・制限有無
区分概要転用の難易度転用の可否
農用地区域内農地農業振興地域整備計画に基づいた、特に農業としての利用価値が大きい農地最高★★★★★原則不許可
甲種農地市街化調整区域内の特に良好な条件がそろった農地高★★★★☆原則不許可※一部例外あり
第1種農地農地として良好な条件がそろった農地中★★★☆☆原則不許可※一部例外あり
第2種農地農地だが今後市街化として発展が見込める農地低★★☆☆☆条件を満たせば転用可能
第3種農地市街化区域内あるいは市街化が進んでいる区域にある農地最低★☆☆☆☆原則転用可能

「農用地区域内農地」「甲種農地」「第1種農地」「第2種農地」「第3種農地」の順に、農地転用の制限が緩くなります。

基本的には、自分が所有している農地が第2種農地あるいは第3種農地に属している場合、転用が認められやすい区分です。

農用地区域内農地(農業振興地域にある土地)

農業振興地域(略称:農振)は、農地の中でも特に保護されている地域のことを指します。

農業振興地域にある農地は、農用地区域内農地として農業振興地域の整備に関する法律(農振法)により、将来にわたって農業のために利用していくべき土地として指定されています。

この法律に基づく農業振興地域の指定及び農業振興地域整備計画の策定は、農業の健全な発展を図るため、土地の自然的条件、土地利用の動向、地域の人口及び産業の将来の見通し等を考慮し、かつ、国土資源の合理的な利用の見地からする土地の農業上の利用と他の利用との調整に留意して、農業の近代化のための必要な条件をそなえた農業地域を保全し及び形成すること並びに当該農業地域について農業に関する公共投資その他農業振興に関する施策を計画的に推進することを旨として行なうものとする。

e-Gov法令検索「農業振興地域の整備に関する法律」第二条

そのため、原則として転用は許可されません。農用地区域内農地を売却したい場合、農振の指定を除外する申請が必要です。

農振除外申請の受付期間は半年に一度など機会が少なく、申請から許可の可否の決定までに約1〜2年の期間を要する可能性があります。また、申請しても必ずしも許可が下りるとは限りません。

甲種農地

甲種農地は、市街化調整区域内にある農業公共投資の対象になって8年以内の優良農地です。また、高性能な農業機械による営農が可能な立地条件を備えています。

生産性が高く、特定の農産物の生産適地として保存する必要があると考えられているため、該当する場合は転用の許可は難しいでしょう。

ただし、一時的な転用や土地収用事業として認定されている場合など、例外的に許可されるケースもあります。

第1種農地

第1種農地は、甲種農地と同様に生産性が高いと認められている農地で、10ヘクタール以上の集団農地などが該当します。

転用は原則として許可されませんが、例外的に許可されるケースもあります。

第2種農地

第2種農地とは、市街化が見込まれる、または生産性が低い小集団の農地です。

たとえば、鉄道の駅や市役所、県庁などから500m以内にある場合や、市街化区域から500m以内の距離にある規模が10ヘクタール未満の場合に該当します。

第2種農地については、比較的転用の許可が下りやすいですが、必ず許可が下りるという保証はありません。

第3種農地

第3種農地とは、市街地の区域内または市街地化の傾向が著しい区域内にある農地です。

たとえば、鉄道の駅や官公庁、インターチェンジなどから300m以内にある場合や、街区の面積に占める宅地化率が40%以上の区画にある場合などに該当します。

第3種農地については、原則として転用が許可されます。ただし、一般基準(公共利益や環境保全など)を満たす必要があります。

一般基準を満たしているか確認する

農地が第2種農地あるいは第3種農地に属しているにも関わらず、農地転用の許可がもらえないケースがあります。

農地転用の一般条件としては、主に次のようなものが挙げられます。

  • 資金や信用があるか
  • 農地転用後、速やかに土地を有効活用するか
  • 周辺の農地に支障を及ぼさないか
  • 農地転用の手続きに不備はないか

第一に農地転用の実効性があるか、計画性があるかが大切です。途中で資金がつき、中途半端に工事が終わってしまっては、周辺の農地に支障が及ぶためです。

また、農地転用したにも関わらず、すぐに利用せず放置してしまう場合は農地転用の許可をもらえません。

さらに、農地転用の可否としては、農地転用後に周辺の農地に支障を及ぼさないかも考慮されます。たとえば、宅地造成のみの工事で土砂の流出や崩壊の危険があったり、農業用排水施設に障害物が設置されていたりすると、農地転用後に周辺の農地に支障を及ぼすと判断されます。

いずれにせよ、農地転用の手続きに不備があると、ほかの基準をクリアしても農地転用の許可は下りません。何の書類を用意すればよいか、よく確認しておきましょう。

例外的に転用できる用途を確認する

甲種農地第1種農地については条件を満たすことで、例外として農地転用が認められます。

農地転用後、主に次の施設なら転用可能です。

農業用施設
農畜産業用加工施設・直売所など
農業の振興に手助けとなる施設
農業体験施設・農業従事者のための研修施設など
公共性の高い施設
非常災害時の施設・救命用の施設など
市街地では建設困難な施設
老人保護施設・火薬庫など

転用後、農業関連の施設や公共性の高い施設などを建てる場合、農地転用が許可される可能性があります。

農地転用できない土地か確認する方法

所有している農地が転用できるかどうかは、登記簿上の地目だけでは判断できません。転用できない場合は売却方法を考え直さなければいけないため、事前に確認しておきましょう。

自治体や農業委員会に確認する

農地転用できるかどうかを正確に確認したい場合は、農地がある市区町村の農業委員会や農政担当の窓口に相談しましょう。農業委員会では、対象の農地が市街化区域内にあるのか、市街化調整区域にあるのか、農用地区域に含まれているのかなどを確認できます。

農地の所在地や地番、面積、現在の利用状況、転用後の用途を整理したうえで相談すると、より具体的な回答を得やすくなります。

eMAFF農地ナビで確認する

eMAFF農地ナビを利用すれば、インターネット上で農地に関する情報を確認できます。確認できる情報は、農地の所在地や形状、各農地の地目・面積などです。利用料は無料で、パソコンまたはスマートフォンで閲覧できます。

ただし、eMAFF農地ナビで確認できる情報だけで、農地転用の可否が最終的に決まるわけではありません。掲載情報が最新とは限らない場合もあるため、あくまで事前確認の手段として活用し、最終的には自治体や農業委員会に確認しましょう。

不動産会社や行政書士に相談する

宅地・駐車場・資材置き場などへの転用を検討している場合は、不動産会社や行政書士に相談する方法もあります。農地の取引に詳しい不動産会社であれば、周辺の需要や売却価格の目安、転用できた場合の活用方法などを踏まえて相談できます。

一方、行政書士は農地転用の許可申請や届出に関する書類作成を依頼できる専門家です。農地転用は、農地の区分や転用目的によって必要な手続きが変わるため、自分で判断するのが難しい場合は、専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。

農地転用の許可を受けないとどうなるのか

農地を許可なく、転用・権利移動するとどうなるのか要約すると次のとおりです。

許可なく農地を転用・権利移動した場合
法条内容
第五条第三項権利設定や権利移転の契約は無効
第三条第七項
第六十四条第三項
  • 取消し・条件変更・工事停止命令・原状回復命令等の行政処分を受けるおそれがある
  • 罰則として3年以下の懲役または300万円以下の罰金を科されるおそれがある

つまり、農地を許可なしで転用・権利移動すると、農地に戻す(原状回復)必要があったり、工事停止でお金が余計にかかったりするおそれがあります。

また、違反内容によっては、3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象になることもあります。

農地転用できない土地を収益化する方法

農地転用できない農地でも、収益化する方法は主に4つあります。

  • 市民農園を開設
  • 農地集積バンクの利用
  • 農地を貸与・売却
  • 土地活用会社に相談

ここでは、これらの方法を詳しく解説します。

市民農園を開設

市民農園は、農林水産省によると以下のように定義されています。

自家用野菜・花の栽培、高齢者の生きがいづくり、生徒・児童の体験学習などの多様な目的で、小面積の農地を利用して野菜や花を育てるための農園のことをいいます。

引用:関東農政局「都市農業の振興・市民農園とは

つまり、市民農園とは自分で植物を栽培したり、農業体験をしてもらったりする目的で利用する農園のことです。

市民農園を開設する際は、次の3つの方法から選ぶ必要があります。(参考:農林水産省「市民農園の開設方法」)

  • 市民農園整備促進法による方法
  • 特定農地貸付法による方法
  • 農園利用方式による方法

開設方法には複数の制度があり、場所や設備に関する条件も異なります。詳しくは自治体や農業委員会に相談しましょう。

農地集積バンクの利用

自分で農地を扱うのが難しい場合は、各自治体の農地集積バンク(農地中間管理機構)をとおして他人に貸し出す方法があります。

農地集積バンクとは、農地を貸したい人と借りたい人をつないでくれる農地のマッチングサービスのことで、主に地方公共団体(自治体)が運営しています。

農地集積バンクを利用する主なメリットは、次のとおりです。

  • 農地は公的機関が預かる
  • 地方公共団体から直接、賃借料・交付金を受け取れる
  • 要件を満たせば税制優遇が受けられる

特に農地を利用する機会がない場合、農地集積バンクを利用してみるとよいでしょう。

農地を売却・貸与

農地を借りたい農家や農業法人が近くにいる場合、売却・貸与を視野に入れるとよいでしょう。

ただし、農地法の規定より権利移動が発生するため、農業委員会の売買・貸借の許可が必要です。また、貸与期間は最大50年間と長期の貸与が可能です。

農地の売買・貸借の手順は次のとおりです。

  1. 農業委員会に農地の売買・貸借申請を行い、許可をもらう
  2. 買主・借主と相談して取り決めを行い、売買契約・賃貸契約を結ぶ

農業委員会に許可を得てから契約を結ぶところは注意しましょう。

土地活用会社に相談

農地転用できない土地でも、農地のまま貸す、売却する、市民農園として活用するなどの選択肢があります。不動産会社や土地活用会社に相談すれば、自分の農地特性を最大限引き出してくれる提案をしてもらえるでしょう。

  • どのように農地を有効活用すればよいか
  • 自分の農地がどの区分に属しているか
  • 具体的にどうやって収益化すればよいか

ただし、宅地や駐車場、賃貸用地として活用できるとは限らないため、農地法の制限や転用可否を確認したうえで検討することが大切です。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

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