不動産の売買契約を解除する方法|条件、違約金なども解説

不動産の売買契約では、要件を満たせば契約を解除できることがあります。しかし、いつでも自由に契約を解除できるわけではありません。不動産の売買契約は、解除できるケースや条件が、法律・契約によって定められています。
この記事では、不動産売買契約を解除できるケースや条件、違約金などについて解説します。また、契約解除で想定されるトラブル、回避する方法も解説しているので、不動産の売却を検討している人はぜひチェックしてください。
リビンマッチのポイント
不動産の売買契約は、契約後でも一定の条件を満たせば解除できます。主なケースは、手付による解除、契約不適合や契約違反による解除、天災などやむを得ない事情による解除、ローン特約による解除です。ただし、解除できる条件や違約金の有無はケースによって異なります。契約書の解除条件を確認し、トラブルを防ぐためにも不動産会社を通して適切に手続きを進めることが大切です。
不動産の売買契約に関する基礎知識
ここでは、不動産の売買契約に関する基本的な内容を確認しておきましょう。
売買契約の成立要件
売買契約は、売主が不動産の所有権を買主に移転することを約束する契約です。
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
つまり、売買契約書は必ずしも必要ではありません。しかし、宅地建物業者が仲介を行う場合は、売買契約書を作成するように宅地建物取引業法で定められています。
また、後々のトラブルを回避するには、細かな条件などを契約書に明記しておくことが重要です。
「解除」と「解約」の違い
売買契約の「解除」とは、契約時点に遡って契約を解消することを指します。
当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。
よく似た言葉で「解約」がありますが、解約は契約を将来に向けて終了させる意味合いであるのに対し、解除は契約自体を白紙に戻します。
不動産売買契約の解除パターンは4つ
どのような場面で解除が発生するかを確認していきましょう。
手付による解除
不動産の売買契約を締結する際、買主から売主に手付金が支払われます。その後、買主および売主が自らの都合で契約を白紙にしたい場合には、この手付金を支払うことで解除することが可能です。
買主が解除する場合は、すでに支払った手付金を放棄する必要があります。一方、売主が解除する場合は、すでに受け取った手付金を2倍にして買主へ返すことで解除できます。
手付解除ができるのは、原則として相手方が契約の「履行に着手」するまでです。履行への着手にあたるかどうかは、契約内容や具体的な行為によって判断されます。
また、不動産売買契約では、手付解除ができる期限を契約書で定めていることもあるため、契約内容を確認する必要があります。
買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
契約の履行とは、買主の場合は代金の支払い、売主の場合は不動産の引き渡しを指します。それぞれそのタイミングまでは、手付金を代償として自らの事情で解除することが可能ということです。
手付金については「不動産売却の手付金の相場と支払い」で詳しく紹介しています。
契約不適合責任による解除
不動産に問題があった場合、買主から解除される場合があります。売買の対象となる不動産に契約書と異なる点があり、契約の目的を果たせないと、売主は契約不適合責任を問われます。
買主は売主に対して以下などを行います。
- 修繕の請求
- 価格の減額請求
- 損害賠償請求
この契約不適合責任は売主に過失がなかった場合でも発生するため、特に欠陥がある場合はあらかじめ契約書に明記することが必要です。
ただし、建物に不備があったら即解除という訳ではありません。減額請求や損害賠償請求などを行っても契約の目的を達せられない場合に、買主から解除がなされます。
実際の不動産売買契約書では、この契約不適合による解除については有効期間が定められているのが一般的です。
契約違反による解除
相手方が契約の内容に違反し、それを改めない場合は契約の解除が可能です。
よくあるトラブルとしては、以下のようなケースがあります。
- 買主が契約で取り決めた代金を支払わない
- 売主が代金を受け取ったにも関わらず物件を引き渡さない
まずは相手方に対して履行を請求し、それでも応じない場合は契約を解除します。
契約違反による解除の場合は、違反したほうがあらかじめ取り決めた違約金を支払わなければなりません。 違約金は手付金の額とすることもあれば、売買代金の〇%相当と決めることもあります。
ななお、宅地建物取引業者が売主となる宅地・建物の売買では、損害賠償額の予定と違約金を合わせた額について、売買代金の20%を超える定めをすることはできません。
宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。
実際の不動産売買契約書では、相手方が代金の支払いや不動産の引き渡しなどの債務の履行を怠ったとき、まずは書面で債務の履行を催告したうえで契約を解除し、違約金の支払いを請求できる、という文言が記載されます。
やむを得ない事情による解除
引き渡し前に、天災など売主・買主双方の責任ではない理由によって建物が滅失・損傷した場合の取り扱いは、売買契約書に定められているのが一般的です。修復が困難で契約の目的を達成できない場合などには、契約を解除できる旨が定められていることがあります。
こういった事故が発生した際に、どちらの責任になるかというのは、「危険負担」として契約書に記載されます。
一般的には物件の引き渡しまでは売主の責任、それ以降は買主の責任です。
実際の不動産売買契約書では、物件への引っ越しが完了する前に天変地異などの売主や買主どちらの責任にもできない理由で物件が滅失した際は、契約を解除できるという内容が記載されます。
なお、物件の修復が可能な場合の取り扱いについても記載されます。一般的には、修復可能な場合は、売主の責任と負担において修復して引き渡すとされることが多いようです。
ローン特約による解除
不動産を購入するときは、多くの買主が金融機関の住宅ローンを利用します。しかし、売買契約の締結後にローンの本審査に落ちてしまうと、買主は物件の購入代金を支払うことが困難になります。
このような事態に備えて、不動産売買契約にはローン特約が設けられています。
ローン特約とは、あらかじめ定めた期日までに融資の承認が得られなかった場合、買主から契約を白紙解除できる条項です。この特約を適用して期限内に解除を申し出れば、違約金などのペナルティは発生しません。すでに支払っている手付金も全額無利息で返還される仕組みとなっています。
住宅ローン特約については「住宅ローン特約の必要性やトラブル回避のポイント」で詳しく紹介しています。
不動産の売買契約を解除する方法
契約の解除は具体的にどのように行うのか、ケース別に紹介します。
自らの都合で解除する場合
契約の解除を行う場合には、その事実が証拠として残るよう「不動産売買契約の解除通知書」を送付します。
不動産仲介会社に解除したい旨を伝えれば作成してくれますし、インターネット上の雛形で自作するのもよいでしょう。
自らの都合で解除する場合、買主の場合は手付金の放棄、売主の場合は手付金の倍返しが必要です。
売主の場合は、不動産仲介会社を通して買主に返金を行いましょう。
契約不適合責任・契約違反を理由に解除する場合
相手方の不備により解除を申し出る場合には、事前に相手方に対して不備を是正するよう催告を行います。
最初は不動産仲介会社を通して不備を是正するところから始めます。相手方の反応がない場合は、催告書を相手方に郵送します。
再三の催告書によっても契約不適合や違反が直されない場合は、不動産売買契約の解除通知書により解除を通知します。
トラブル発生を防止するには?
では、契約解除に関するトラブルを防ぐためには、どのようにすればよいのでしょうか。
物件に不備があれば事前に伝えておく
不動産に不備や欠陥はあるものです。
中古の建物を売却する場合は、契約不適合にならないように、事前に建物のインスペクション(調査)を実施しておきましょう。
インスペクションで発見された不備で修繕可能なものは、あらかじめ修繕しておきましょう。修繕できていない内容については、重要事項説明において買主に対して説明をします。
買主が不備を了承した上での売買契約締結ならば、後から契約不適合を指摘されることも少ないです。
悪い情報ほど正直に伝えておきましょう。
契約書の内容をきちんと確認し、不備があれば是正する
契約解除に関する条項がきちんと契約書に盛り込まれていないと、トラブルに発展しやすいです。
契約解除に関する条文が盛り込まれており、あいまいな部分がないかをきちんと確認するようにしましょう。
インターネット上には、不動産売買契約の雛形がたくさんあります。それらと比較しながら、足りない部分があれば追記してもらいましょう。
当事者間で解決できない場合は弁護士に相談する
売買契約の解除をめぐっては、売主と買主の間で対立するケースが少なくありません。特に違約金の請求や手付金の返還は高額な金銭が絡むため、トラブルに発展しやすい傾向があります。
当事者同士の話し合いや不動産仲介会社の仲裁でも解決の糸口が見えない場合は、法的措置も検討することになるでしょう。
このような事態に陥った場合は、不動産問題に精通した弁護士への相談が有効な手段となります。弁護士に依頼すれば、契約書の内容や法律に基づいた客観的な判断を仰ぐことが可能です。
内容証明郵便の作成や相手方との交渉も任せられるため、精神的な負担を軽減しながら適切な解決策を模索できます。
信頼のできる不動産仲介会社を探そう
不動産の売買は個人間の取引となることが主流です。
その場合、不動産仲介会社が作成した契約書を利用するため、きちんとした不動産仲介会社を利用することがトラブル防止に一番効果的です。
大切な物件を売却するのに、ひとつの業者の話だけを聞いて価格を決めるのはチャンスロスにつながります。
契約解除する事態にならないためにも、信頼のできる不動産仲介会社を探すには、一括査定サイトの「リビンマッチ」で複数の業者に査定を依頼することをおすすめします。
不動産の売買契約解除に関するよくある質問
- 不動産の売買契約を解除につながるのはどんなケース?
- 買主と売主がそれぞれの事情で手付金を代償として解除する場合があります。また、契約不適合や契約違反によるケースもあります。建物が全壊してしまった場合など、やむを得ない事情がある場合も解除になるようです。
- 不動産の売買契約を解除するには違約金がある?
- 契約違反による解除の場合は、まずは相手方に対して履行を請求し、それでも応じない場合は違約した側が違約金を支払う必要があります。違約金は手付金の額とすることもあれば、売買代金の〇%相当と決めることもあります。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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