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不動産の売買契約を解除する方法|要件や違約金はある?トラブル回避のコツも紹介

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不動産の売買契約を解除する方法|要件や違約金はある?トラブル回避のコツも紹介

不動産の売買契約では大金が動くため、売主と買主は、契約をなかったことにできる「解除」の権利を保有しています。

しかし、簡単に契約をなかったことにしてしまうのでは、契約そのものの安全性が危ぶまれます。そこで不動産の売買契約では、解除するための要件が設定されています

今回は、不動産売買契約の解除パターンや、違約金などについて説明します。トラブル回避の方法についても解説するので、不動産を売却しようと考えている方は確認してみましょう。

不動産の売買契約に関する基礎知識

ここでは、不動産の売買契約に関する基本的な内容を確認しておきましょう。

売買契約の成立要件

売買契約は、売主が不動産の所有権を買主に移転することを約束する契約です。

売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

e-Gov法令検索「民法」第五百五十五条

つまり、売買契約書は必ずしも必要ではありません。しかし、宅地建物業者が仲介を行う場合は、売買契約書を作成するように宅地建物取引業法で定められています。

また、後々のトラブルを回避するには、細かな条件などを契約書に明記しておくことが重要です。

「解除」と「解約」の違い

売買契約の「解除」とは、契約時点に遡って契約を解消することを指します。

当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。

e-Gov法令検索「民法」第五百四十五条

よく似た言葉で「解約」がありますが、解約は契約を将来に向けて終了させる意味合いであるのに対し、解除は契約自体を白紙に戻します。

不動産売買契約の解除パターンは4つ

どのような場面で解除が発生するかを確認していきましょう。

手付による解除

不動産の売買契約を締結する際、買主から売主に手付金が支払われます。

その後、買主および売主が自らの都合で契約を白紙にしたい場合には、この手付金を支払うことで解除することが可能です。

買主が解除する場合は、すでに支払った手付金を放棄する必要があります。一方、売主が解除する場合は、すでに受け取った手付金を2倍にして返すことで解除が可能です。

手付金による解除ができるのは、民法で相手方が契約の履行に着手するまでとされています。

買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。

e-Gov法令検索「民法」第五百五十七条

契約の履行とは、買主の場合では代金の支払い、売主の場合は不動産の引き渡しを指します。それぞれそのタイミングまでは手付金を代償として自らの事情で解除することが可能ということです。

契約不適合責任による解除

不動産に問題があった場合、買主から解除される場合があります。

売買の対象となる不動産に契約書と異なる点があり、契約の目的を果たせないと、売主は契約不適合責任を問われます

買主は売主に対して以下などを行います。

  • 修繕の請求
  • 価格の減額請求
  • 損害賠償請求

この契約不適合責任は売主に過失がなかった場合でも発生するため、特に欠陥がある場合はあらかじめ契約書に明記することが必要です。

ただし、建物に不備があったら即解除という訳ではありません。減額請求や損害賠償請求などを行っても契約の目的を達せられない場合に、買主から解除がなされます。

実際の不動産売買契約書では、この契約不適合による解除については有効期間が定められているのが一般的です。

たとえば、売主が契約不適合責任を負うのは、引き渡し完了日から2年以内に請求を受けたものに限る、というような表記があります。

契約違反による解除

相手方が契約の内容に違反し、それを改めない場合は契約の解除が可能です。

よくあるトラブルとしては、以下のようなケースがあります。

  • 買主が契約で取り決めた代金を支払わない
  • 売主が代金を受け取ったにも関わらず物件を引き渡さない

まずは相手方に対して履行を請求し、それでも応じない場合は契約を解除します。

契約違反による解除の場合は、違反したほうがあらかじめ取り決めた違約金を支払わなければなりません。 違約金は手付金の額とすることもあれば、売買代金の〇%相当と決めることもあります。

なお、土地の売主が宅建業者であった場合、違約金は売買代金の20%を上限と定められています。もしこれを超える定めがあったとしても、超過部分について支払う必要はありません。

宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。

e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第三十八条

実際の不動産売買契約書では、相手方が代金の支払いや不動産の引き渡しなどの債務の履行を怠ったとき、まずは書面で債務の履行を催告したうえで契約を解除し、違約金の支払いを請求できる、という文言が記載されます。

やむを得ない事情による解除

建物が引渡し前に落雷で全焼してしまった場合など、だれの責任にもしがたい事情で契約が果たせなくなると、契約は解除となります。

こういった事故が発生した際にどちらの責任になるかというのは、「危険負担」として契約書に記載されます。

一般的には物件の引き渡しまでは売主の責任、それ以降は買主の責任です。

実際の不動産売買契約書では、物件への引っ越しが完了する前に天変地異などの売主や買主どちらの責任にもできない理由で物件が滅失した際は、契約を解除できるという内容が記載されます。

なお、物件の修復が可能な場合の取り扱いについても記載されます。一般的には、修復可能な場合は、売主の責任と負担において修復して引き渡すとされることが多いようです。

不動産の売買契約を解除する方法

契約の解除は具体的にどのように行うのか、ケース別に紹介します。

自らの都合で解除する場合

契約の解除を行う場合には、その事実が証拠として残るよう「不動産売買契約の解除通知書」を送付します。

不動産仲介会社に解除したい旨を伝えれば作成してくれますし、インターネット上の雛形で自作するのもよいでしょう。

自らの都合で解除する場合、買主の場合は手付金の放棄、売主の場合は手付金の倍返しが必要です。

売主の場合は、不動産仲介会社を通して買主に返金を行いましょう。

契約不適合責任・契約違反を理由に解除する場合

相手方の不備により解除を申し出る場合には、事前に相手方に対して不備を是正するよう催告を行います。

最初は不動産仲介会社を通して不備を是正するところから始めます。相手方の反応がない場合は、催告書を相手方に郵送します。

再三の催告書によっても契約不適合や違反が直されない場合は、不動産売買契約の解除通知書により解除を通知します。

トラブル発生を防止するには?

では、契約解除に関するトラブルを防ぐためには、どのようにすればよいのでしょうか。

物件に不備があれば事前に伝えておく

不動産に不備や欠陥はあるものです。

中古の建物を売却する場合は、契約不適合にならないように、事前に建物のインスペクション(調査)を実施しておきましょう。

インスペクションで発見された不備で修繕可能なものは、あらかじめ修繕しておきましょう。修繕できていない内容については、重要事項説明において買主に対して説明をします。

買主が不備を了承した上での売買契約締結ならば、後から契約不適合を指摘されることも少ないです。

悪い情報ほど正直に伝えておきましょう。



契約書の内容をきちんと確認し、不備があれば是正する

契約解除に関する条項がきちんと契約書に盛り込まれていないと、トラブルに発展しやすいです。

契約解除に関する条文が盛り込まれており、あいまいな部分がないかをきちんと確認するようにしましょう。

インターネット上には、不動産売買契約の雛形がたくさんあります。それらと比較しながら、足りない部分があれば追記してもらいましょう。

信頼のできる不動産仲介会社を探そう

不動産の売買は個人間の取引となることが主流です。

その場合、不動産仲介会社が作成した契約書を利用するため、きちんとした不動産仲介会社を利用することがトラブル防止に一番効果的です。

大切な物件を売却するのに、ひとつの業者の話だけを聞いて価格を決めるのはチャンスロスにつながります。

契約解除する事態にならないためにも、信頼のできる不動産仲介会社を探すには、一括査定サイトの「リビンマッチ」で複数の業者に査定を依頼することをおすすめします。

不動産の売買契約解除に関するよくある質問

不動産の売買契約を解除につながるのはどんなケース?
買主と売主がそれぞれの事情で手付金を代償として解除する場合があります。また、契約不適合や契約違反によるケースもあります。建物が全壊してしまった場合など、やむを得ない事情がある場合も解除になるようです。
不動産の売買契約を解除するには違約金がある?
契約違反による解除の場合は、まずは相手方に対して履行を請求し、それでも応じない場合は違約した側が違約金を支払う必要があります。違約金は手付金の額とすることもあれば、売買代金の〇%相当と決めることもあります。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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