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空き家相続の基礎知識|相続の流れ、登記、売却などを解説

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空き家相続の基礎知識|相続の流れ、登記、売却などを解説

相続する財産のなかに、家が含まれていることがあります。しかし、いま住んでいる家があるのですから、家を相続してもそのまま空き家になってしまいます。遠方にあると手入れもできないため、家はどんどん劣化していきます。相続するときは、どうすればよいのでしょうか。

この記事では、空き家の相続について、次のことを解説します。

  • 空き家の相続で知っておくべき基礎知識
  • 相続放棄するときの注意点
  • 相続した空き家を手放す方法

空き家を相続しそうになっている方、相続した方など、空き家の相続で気になることがあれば、ぜひチェックしてください。何も知らずにそのままにしていると、思わぬトラブルに遭ったり、損をしたいするおそれがあるので要注意です。

空き家を相続しても大丈夫?

親や親類が亡くなったとき、相続財産に家が含まれていることがあります。しかし、相続人には自分が住んでいる家があるため、相続財産の家には誰も住むことがなく、そのまま空き家になってしまうことが多いです。

日本における空き家問題は年々深刻化しており、内閣府の2018年の調査によれば、全国の住宅の約14.1%が空き家で、その数は848万9千戸を超えるとされています(総務省「平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果」)。都市部だけでなく、地方でもこの傾向は顕著で、特に過疎地域ではさらに厳しい状況となっています。

空き家が生まれてしまう背景には、管理負担の重さがあります。遠方に住んでいる場合、草むしりや家の掃除だけでも手間や時間、交通費がかかります。解体しようにも家によっては、費用が数百万円もかかることがあるのです。結果、そのまま放置されることになります。

空き家を相続したくない、と思う人は多いでしょう。しかし、相続する財産から空き家だけを除くことはできません。相続人同士で空き家を押しつけ合うことも考えられます。

では、空き家がある場合はどうすればよいのでしょうか。

空き家の相続で知っておきたいポイント

相続財産に空き家がある場合は、いくつかの知っておきたいポイントがあります。どのようなことを知っておくべきなのか、いざ相続するときに慌てないように、事前に把握しておきましょう。

  • 資産価値を確認しておく
  • 相続すると管理責任がある
  • 放置したときのペナルティに要注意
  • 相続関係を把握し、相続人を決めておく
  • 共有のままだと処分が大変になる
  • 相続登記の義務化をわかりやすく解説
  • 空き家の放置はハイリスク!

それぞれのポイントについて解説します。

資産価値を確認しておく

空き家の資産価値がわからないと、相続したらどうするのか、方針を立てられません。まずは売却可能なのか、賃貸などで活用できる物件なのかなどを確認しておくことが大切です。

不動産市場でニーズのある、売却が可能な空き家であれば相続で心配することはありません。売却で得た所得を控除する制度もあるため、スムーズに売却できるでしょう。相続人が複数いて財産分与が必要だったとしても、現金化できるのなら柔軟に対応できます。

また、リフォームして売却や賃貸できる場合もありますし、土地自体に価値があれば、建物を解体して、更地で売却することも考えられます。

資産価値がない場合もありますが、いずれにしても資産価値次第で「売却」「賃貸」「処分」など、その後の活用方法が変わります。

相続すると管理責任がある

空き家を相続すると、所有者として管理責任が生じます。最低限の責務から資産価値を保つための管理まで、主なものとして次のものが考えられます。

  • 固定資産税など税金の支払い
  • 庭木の剪定、除草、清掃
  • 外壁や雨漏りなどの確認、修繕
  • 建物劣化を防ぐための通風や室内清掃
  • ガス、電気、水道などライフラインの定期的な点検

税金の支払いを除けば外注できるものもありますが、それには費用がかかります。万が一に備えて、火災保険に加入する必要もあるでしょう。

空き家を相続すると、費用や労力がかかることは把握しておきましょう。

放置したときのペナルティに要注意

相続したにもかかわらず、管理せず放置してしまうとペナルティがあるため注意が必要です。

放置された空き家が近隣に迷惑をかけるなど社会問題になっているため、平成27年に政府は「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行しました。

まず空き家の基準を「概ね1年間を通して使用実績がない」と定めています。そして、適切な管理が行われず、倒壊、ゴミなどの衛生面、著しく景観を損なうなどの危険・問題がある空き家は、地方公共団体(自治体)が「特定空き家」に指定できるようにしたのです。

特定空家になると、自治体から所有者に対し、管理に対する助言・指導・勧告が行われます。しかし、対処せずにそのまま放置すると、住宅用地の特例対象から外され、固定資産税の軽減措置の対象外となって、これまでの6倍になることもあります。

それでも指導・勧告を無視し続けると、空き家の強制撤去(費用は所有者が負担)などの行政代執行に及ぶこともあります。

相続関係を把握し、相続人を決めておく

相続人が複数いる場合は、全員に空き家を相続する権利があります。空き家をどのようするのか、たとえ長男であっても、勝手に決めることはできません。

空き家を誰が相続するのか、遺産分割協議を行うなど、親族間で話し合っておく必要があります。まずは現在の名義を含め、誰に相続の権利があるのかを把握しておきましょう。

共有のままだと処分が大変になる

複数の相続人がいる場合、空き家を共有名義で相続することがありました。誰かひとりが相続すると、その人が管理しなくてはならないため、誰も相続したくない空き家は共有名義にするのです。空き家の押し付け合いの妥協点として、共有名義にするわけです。

しかし、共有名義だと売却や改築など、何らかの変更を加えるごとに、共有者全員の同意が必要になります。同意を得る煩わしさから売却などが進まず、放置に拍車がかかります。

さらに共有名義の誰かが亡くなるとさらに相続が行われ、結果として世代を超えて相続が広がってしまうのです。これにより、ますます全員の同意が困難になります。

このような空き家は、処分しようとしてもできないでしょう。

相続登記の義務化をわかりやすく解説

相続登記が行われていない「所有者不明土地」の増加は、道路など公共事業の進捗にも支障が生じており、社会問題になっています。そのため令和6年4月に政府は「改正不動産登記法」を施行し、相続登記の申請を義務化することにしました。

改正不動産登記法の主なポイントは次のとおりです。

  • 相続で不動産を取得した相続人は、所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない
  • 正当な理由がないにもかかわらず相続登記の申請をしなかった場合、10万円以下の過料が科されることがある
  • 「相続人申告制度」を新設し、自らが相続人であることを申し出ることで、相続登記の申請義務を履行したものとみなすことができる

空き家の放置はハイリスク!

空き家を管理することなく放置していると、さまざまなリスクの要因となります。自分だけが被害を受けるのではなく、周辺住民にまで迷惑がかかってしまうこともあるので注意しましょう。

  • 害虫や害獣が住みつき近隣住民が被害を受ける
  • 犯罪の拠点となる
  • 倒壊の危険がある
  • 売却できないほど劣化してしまう

放置したときのリスクについて、それぞれ解説します。

害虫や害獣が住みつき近隣住民が被害を受ける

放置された空き家は害虫や害獣のすみかになってしまいます。草が刈られずに伸び放題で、人の気配のない空き家は虫や動物には過ごしやすい環境です。

被害を受けるのが空き家だけならまだよいほうで、住み着いた害虫や害獣が周辺の家や庭に入り込んで荒らしてしまうおそれがあります。その場合、近隣住民とトラブルになってしまい、人間関係が悪化してしまうかもしれません。

犯罪の拠点となる

人の出入りがないのをよいことに、空き家が犯罪に利用されてしまうことがあります。空き家の住所が振り込め詐欺に使われたり、違法なものの取引場所にされたり、人の出入りしない場所は犯罪者に目を付けられやすいです。家に放火されてしまうこともあります。

犯罪者が集まることで地域の治安が下がるため、害虫や害獣と同じように近隣住民に迷惑をかけるリスクがあります。

倒壊の危険がある

住む人もいないのに、費用をかけて空き家をメンテナンスする人はあまりいません。定期的にメンテナンスをしないまま放置された空き家は、年月を経てどんどん劣化していきます。屋根や柱などが傷むと、家そのものが倒壊してしまうおそれがあります。

もし家が倒壊して人や建物に被害が出た場合は、管理責任を問われて損害賠償請求をされるかもしれません。

売却できないほど劣化してしまう

放置した空き家は、いざ売却したいと思っても、思うように売れなくなってしまいます。建物が劣化していると、リフォームやリノベーションをするにも費用がかかりすぎてしまうためです。

売却するときは、建物を取り壊して更地にするなど、手間や費用をかけないと買主があらわれないおそれがあります。

空き家相続のメリットとデメリット

いま空き家というとマイナスイメージが強いのですが、相続すると損になるとは限りません。メリットとデメリットを把握し、メリットが大きければ相続するという判断もよいでしょう。

相続するメリット
  • お金を得る手段にできる
  • 臨時の住まとして利用できる
  • 物置代わりにして不用品を置ける
相続するデメリット
  • 固定資産税など費用の負担がある
  • 定期的な手入れが必要になる
  • 資産価値がなく売れないことが多い

メリット

空き家を相続するそれぞれのメリットについて解説します。

お金を得る手段にできる

お金を得る手段として活用することが可能です。

もっとも手っ取り早い方法は、空き家を売却することです。売却して得たお金がそのまま利益になります。立地に優れている築年数が浅いといった、売却に有利な条件があれば、高く売却できる可能性があります。

賃貸住宅として貸し出すのもよいでしょう。家賃の受け取りや故障した設備の修繕など、賃貸管理の手間がかかるものの、入居者がいれば定期収入になります。

ただ、どちらも空き家が不動産として、資産価値がある場合に有効な方法であることに注意してください。

臨時の住まいとして利用できる

立地によっては、長期休暇などの機会に別荘として利用することが可能です。別荘として利用できるように維持管理の手間がかかりますが、購入することなく別荘を持てます。

別荘として利用するような立地でなくても、リモートワーク用のオフィスとして活用するなど、アイデア次第でさまざまな利用法が考えられます。

自宅以外に住居があるのは、暮らし方に大きな変化をもたらしてくれるでしょう。

物置代わりにして不用品を置ける

相続した空き家が自宅の近くにあれば、物置として使い、不用品を置いておく場所として活用できます。

国土交通省の「令和元年空き家所有者実態調査」では、空き家を所有する人の28%が今後の利用意向として「空き家をにしておく」と答えています。その理由のトップは「物置として必要」(60.3%)でした。空き家の多くは、物置として利用されているのです。

家1軒分の物置ですから、かなりの収容量があります。不用品が多くて困っている人には、物置として便利に活用できるでしょう。

ただし、家は少しずつ劣化していくもののため、いつまでも物置として利用し続けるのは難しいでしょう。

デメリット

次は相続したときのデメリットについて、それぞれ解説していきます。

固定資産税など費用の負担がある

不動産を所有していると、固定資産税などの税金がかかります。固定資産税は土地の評価額をもとに算出するため、都市部ほど高額になります。空き家が都市部にある場合は、毎年の固定資産税が費用としてかかることを把握しておきましょう。

また、一般的な住宅は固定資産税の軽減措置を受けています。小規模住宅用地であれば敷地の200㎡以下の部分に対して、6分1の特定率がかけられています。つまり、固定資産税が6分の1になっているのです。

ところが、行政が「放置すべきではない」と判断すると「特定空家」となり、軽減措置が受けられなくなります。この場合、固定資産税が6倍に増加することになり、一気に負担が重くなります。

定期的な手入れが必要になる

家は定期的に風をとおしたり、手入れをしたりしなければ、徐々に劣化していきます。気づかぬうちにカビが生えたり、雨漏りがしたりして、いずれは手の施しようがない状態なってしまうのです。

そういった家の劣化を防ぐには、定期的な手入れが必要になります。屋内に風をとおすだけでなく、施工会社に依頼して外壁や屋根の塗装をしてもらわなければなりません。窓ガラスが割れたら、ガラスの入れ換えも必要でしょう。

家の手入れは手間だけでなく、費用がかかることにも注意が必要です。

資産価値がなく売れないことが多い

都市部ならともかく、地方の空き家には、資産価値がほとんどありません。土地の価格が安いため、古くて手入れの必要な中古住宅より、新築住宅を求めるニーズのほうが高いのです。つまり、売れる可能性は、とても低いと考えられます。

売却できない空き家を所有すると、維持管理の費用負担ばかりが続くことになります。最終的には費用をかけて家を解体し、更地にする必要があるでしょう。地方によっては、更地にしても売却できないこともあります。

「相続放棄」で空き家の相続を回避できる

空き家にはさまざまなリスクがあります。そういったリスクを回避する方法のひとつとして、相続の権利すべてを放棄する「相続放棄」があります。

相続放棄とは

相続放棄とは相続開始時に遡って「最初から相続人ではなかった」として、遺産を一切受け取らない方法です。相続に関する一切の権利を放棄するため「この遺産は放棄するが、別の遺産は相続する」といった取捨選択はできません。

空き家になった実家に住む予定がなかったり、住んでいる場所から遠くて管理が難しかったりする場合は、相続放棄することで相続を免れられます。ただし、さまざまなデメリットがあります。相続を放棄するときは、デメリットをよく理解してから決断しましょう。

相続放棄できる期限に注意

相続放棄が可能な期間は、相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内です。期間内に家庭裁判所へ申述を行う必要があります。

相続放棄のメリット

不要な空き家がある場合、相続放棄には次のメリットがあります。

  • 空き家を相続しないで済む
  • 相続の争いに巻き込まれない
  • マイナスの資産を相続する必要がない

それぞれのメリットについて解説します。

空き家を相続しないで済む

資産価値がない、あるいはメリットがない場合は、相続放棄をすることで相続しなくて済みます。空き家の所有権がないため、固定資産税などの税金がかかることもありません。

相続争いに巻き込まれない

相続では親族間でトラブルに発展することも少なくありません。相続人でなくなれば、遺産分割協議に加わることもなく、煩わしい問題から逃れられます。

マイナスの資産を相続する必要がない

相続する財産は、プラスになるものだけとは限りません。不要な空き家のように、相続することで負担がかかるものもあります。相続財産のなかに借金などの負債があれば、それも相続する必要があるのです。相続放棄をすれば、多額の借金を負って返済に追われるなどのリスクを回避できます。

相続放棄のデメリット

相続放棄にはメリットだけでなく、デメリットもあります。空き家を避けるためだけに相続を放棄すると、あとで悔やむことになるかもしれません。メリットとデメリットを比較し、よく検討しましょう。

  • プラスとなるほかの財産も相続できない
  • 相続放棄しても管理義務が残ることがある
  • 管理義務放棄に多額の費用が必要な場合がある
  • 一度相続放棄すると撤回できない
  • 相続人でなかった人へ相続が及ぶことがある

それぞれのデメリットについて解説します。

プラスとなるほかの財産も相続できない

相続放棄を行うと、資産価値のない財産や借金などマイナスの資産だけでなく、預貯金や有価証券など、プラスの財産も相続できなくなります。

必要のない空き家は負担かもしれませんが、その代わりに相続できなくなる財産も確認しておきましょう。

管理義務が残ることがある

相続を放棄しても、管理義務が残ることがあります。民法では、次のように定めています。

第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
民法 940条第1項

相続放棄をしたからといって完全に責任がなくなるのではなく、清算人に引き渡すまでは財産を管理する責任や負担を負う必要があります。

管理義務放棄に多額の費用が必要な場合がある

すべての相続人が相続放棄した場合、管理義務まで放棄するには、家庭裁判所に「相続財産管理人」の選任を申し立てる必要があります。

しかし、選任申し立てには20万~100万円程度の予納金が必要なため、費用を負担してまで相続放棄するのかの判断が必要です。

一度相続放棄すると撤回できない

相続放棄したあとで、プラスになる別の財産が見つかっても相続放棄を撤回できません。そのため、相続放棄を行う際は、相続財産全体を把握することが大切です。

相続人でなかった人へ相続が及ぶことがある

相続人全員が相続放棄すると、次の順位の親族が相続人になることがあります。たとえば、借金などがある場合、第2順位や第3順位の親族全員が相続を放棄しなければ、負債がその人たちに及びことがあるため注意が必要です。

手続きする方法

相続放棄をするには、相続を知った日から3カ月以内に手続きを行う必要があります。この期間を過ぎてしまうと、自動的に相続権を行使したと見なされます。

相続放棄をするには、まず意志を表明する申述書を作成します。申述書は裁判所のWebサイトに用意されているものをダウンロードして記入してください。
裁判所「相続の放棄の申述書(成人)」

相続放棄の申述で必要になる、主な必要書類は次のとおりです。

  • 相続放棄の申述書
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続放棄する人の戸籍謄本

これらのほかに収入印紙800円、郵便切手も必要です。

申述書を作成したら、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ提出します。提出方法は直接持参する以外に、郵送の提出も可能です。

家庭裁判所に相続放棄の申述が受理されると、2週間程度で裁判所から「照会書」が送付され、必要事項に回答・署名押印し、返送しなければなりません。

返信後、問題がなければ「相続放棄申述受理通知書」が送付され、手続きは終了します。なお、相続放棄申述受理通知書は再発行されないため、別途「相続放棄申述受理証明書」を発行してもらい、相続登記などに使用することをおすすめします。

全員が相続放棄をしたらどうなる?

全員が相続放棄をした場合、その空き家は相続財産法人になり、適切な手続きが行われると国が管理するものとなります。

相続人が不在になったあとの相続財産管理人の選定が面倒なほか、選任申し立てに20~100万円が必要です。

また、空き家に関するすべてから解放されるのではなく、相続財産管理人が選任されるまでは相続人が空家の管理を行わなければならないことに注意しましょう。

相続した空き家を手放す方法

相続したものの、思うように活用できなかった場合は、早めに手放すことをおすすめします。所有期間が長ければ長いほど空き家は劣化し、引き取ってもらいにくくなります。

手放す方法として、代表的なものには次の6つがあります。

  • 不動産会社に仲介を依頼する
  • 不動産会社に買取を依頼する
  • 空き家バンクを利用して売却する
  • 地方公共団体(自治体)に寄付をする
  • 更地にしてから売却する
  • 相続土地国庫帰属法を利用する

それぞれの方法について解説します。

不動産会社に仲介を依頼する

最初に試したいのが、不動産会社に売却の仲介を依頼する方法です。一般的な不動産売却の方法で、契約を交わした不動産会社に空き家の買主を探してもらいます。

仲介で空き家を売却するメリットには、「高く売れることがある」「依頼したら任せておくだけで済む」といったものがあります。

ただし、売却する空き家に需要がなければ購入希望者があらわれないため、いつまで経っても売れないおそれがあります。あくまでも市場に需要がある、立地がよい、建物の状態がよい空き家に限られる方法です。

不動産会社に買取を依頼する

不動産会社が空き家を直接買い取る方法を、不動産買取といいます。買主を探す必要がないため、すぐに取り引きが完了するのがメリットです。できるだけ早く手放したい方は、買取を検討しましょう。

ただし買取には、仲介と比べると売却価格が安いというデメリットがあります。市場価格の6~8割程度が目安です。

また、買取に対応できる不動産会社が少ないため、空き家の立地によっては買取で手放せないこともあるでしょう。

空き家バンクを利用して売却する

空き家バンクとは自治体が運営する、空き家を売りたい・貸したいという方が情報を登録できるサービスのことです。空き家バンクに登録された情報をもとに、地方へ移住したい、空き家を活用したビジネスをしたいといった方が求める空き家を見つけられます。

ただし、不動産会社と違って、空き家バンクは情報を提供するだけです。空き家バンクは買主との仲介をしてくれないため、購入希望者と直接やり取りをする必要があります。

地方公共団体(自治体)に寄付をする

地方公共団体(自治体)へ、不要な空き家を寄付することが可能です。寄付なので無料になってはしまいますが、何としてでも手放したい場合は検討してもよいでしょう。

ただし、自治体はどんな家でも、引き取ってくれるわけではありません。自治体が活用できると、判断したものだけです。空き家が増えている状況のなか、わざわざ引き取ってくれる可能性は低いでしょう。

更地にしてから売却する

どんな不具合かわからない空き家より、更地に自分の家を建てたい人のほうが多いでしょう。空き家があって売れにくいのであれば、解体して更地にしてしまうのもひとつの方法です。

デメリットとしては、解体に数百万円の費用がかかること、費用をかけても売却できるとは限らないことがあります。更地にする前に、不動産会社に相談することをおすすめします。

相続土地国庫帰属法を利用する

相続土地国庫帰属法は、正しくは「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」といい、相続した土地の所有権を国へ移せる制度です。引き取ってもらえるのは土地だけなので、空き家を解体して更地にする必要があります。

更地であればどんな土地でも引き取ってくれるわけではなく、相続土地国庫帰属法の定める条件に一致している必要があります。基本的に管理費用が莫大になるような土地は引き取ってもらえません。また、申請や国に帰属させるときに費用がかかります。

空き家の売却は一括査定が重要!

空き家の多くは売れにくい物件が多いため、不動産会社によっては取り扱えなかったり、非常に安い査定価格を提示されたりすることがあります。そのため、できるだけ多くの不動産会社への査定依頼が必要です。

また、不動産会社によって得意分野が異なるため、売りたい家のセールスポイントに気づいてくれることもあります。

複数の不動産会社へ査定を依頼するときは、一括査定の利用が便利です。売却する空き家に対応できる不動産会社が査定をするため、正確な査定価格や適切なアドバイスを得られるでしょう。

一括査定サイトのリビンマッチでは多くの不動産会社が登録しているため、対応できる不動産会社を見つけられます。

空き家の売却は控除3,000万円の特例アリ!

空き家を売却した場合に利用できる、譲渡所得控除の特例があります。控除額は最大で3,000万円です。特例を利用できる条件と、仮の計算方法を見ていきましょう。

特例適用の条件

控除を受けるには、まず対象となる建物や敷地が空き家に該当しているかどうかを確かめます。以下の3つの条件を確認してください。

イ 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
ロ 区分所有建物登記がされている建物でないこと。
ハ 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。

国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

これらの条件以外にも細かな確認事項はありますが、まずは空き家が控除の対象になるかをチェックしておきましょう。

控除の計算式

3,000万円の特別控除の特例適用時の計算方法は次のとおりです。

譲渡益-3,000万円=課税譲渡所得

譲渡益がマイナスになる場合は、税金が発生しません。

一括査定で高く買い取る不動産会社を見つける

時間をかけずに売却するなら、買取がおすすめです。不動産会社が直接買い取るため、買主を探す手間がかかりません。

不動産会社が提示する買取価格が、空き家の売れる価格なので、できるだけ複数社に査定を依頼しましょう。査定価格がもっとも高い不動産会社と売買契約を交わせば、高額売却が実現します。

リビンマッチでは買取に対応する不動産会社へも、一括査定を依頼できます。ぜひご利用ください。

空き家を売却するときは、一括査定サイトを利用してみてください。


この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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