田舎の家を処分する6つの方法|売れない家の売却方法などを解説

「田舎に誰も住まなくなった実家、どうしたらいいんだろう」
そんな悩みを抱えている人が、近年とても増えています。使っていない家を持ち続けることは、税金や管理の手間といった負担を生みます。
「このまま放置していて大丈夫?」「処分する方法ってあるの?」
この記事では、そんな不安を解消するために田舎の家を処分する方法や注意点をくわしく解説します。
リビンマッチのポイント
田舎の家を処分するには、仲介や買取のほか、空き家バンクへ登録や自治体への寄付、相続土地国庫帰属制度の利用といった選択肢があります。放置は税負担やトラブルを招くため、物件の状態に合わせて最適な手法を選ぶことが大切です。
もくじ
いらない田舎の家を処分する6つの方法
誰も住んでいない、使っていない田舎の家をそのまま放置していると、建物の老朽化により倒壊の危険性があるだけでなく、固定資産税や管理費がかかり続けるうえ、雑草の繁茂や害虫・害獣の心配、不法投棄や放火などの不安といった近隣トラブルの原因になりかねません。
さらに、管理状態が悪い空き家は、自治体から指導や勧告を受け、固定資産税の住宅用地特例の対象外となる可能性があります。勧告の対象になると、最悪の場合は、強制的に取り壊されることもあります(費用は所有者持ち)。
「どうせ売れないだろう」と放置するのではなく、早めに現状を確認し、処分方法を検討することが大切です。
不動産会社に仲介を依頼する

仲介の仕組み
不動産会社が売主の窓口となり、購入希望者を募るもっとも一般的な売却手法です。不動産ポータルサイトへの掲載やチラシ配布、店舗の顧客ネットワークなどの販促活動を通じて買主を探します。
実務を専門家に委ねることで、契約上のトラブルを未然に防げるのが大きなメリットです。また、物件が遠方にある場合でも、売主自身が現地に足を運ぶ手間を最小限に抑え、スムーズな取引が期待できます。
向いているケース・向いていないケース
仲介での売却は、売却にある程度の期間がかかったとしても、少しでも高く売りたいと考える人に適しています。ただし、少しでも高く売るためには、物件の状態が良好で、権利関係に問題がない必要があります。
- 仲介が向いているケース
- 高値売却を狙いたい、建物が良好、権利関係が整理済み、売却まで数カ月の余裕がある
- 仲介があまり向いていないケース
- すぐに現金化したい、建物が著しく老朽化している、再建築不可などの事情がある
このように、仲介は価格重視の人に向いていますが、早さや確実性を重視する人は、別の方法を検討したほうがよいでしょう。
メリット・デメリット
仲介で売却する最大のメリットは、市場で広く買い手を探せることです。結果として、高額売却を期待できます。ただし、必ず売れるとは限らないことはデメリットです。仲介で売却するメリットとデメリットをまとめると、次のようになります。
- メリット
- 幅広く買主を探せるため、好条件での売却が期待できる
- デメリット
- 買い手が見つかるまで時間がかかる、内覧対応などの手間が発生する
費用の目安
仲介で田舎の家を売却するときの主な費用は、次のとおりです。
- 仲介手数料
- 売買が成立した際に不動産会社へ支払う成功報酬
上限は「成約価格の3%+6万円」+消費税
※物件価格が800万円以下の場合は、税込33万円が上限となる - 印紙税
- 売買契約書に貼付する印紙代(数千〜数万円程度)
- 登記費用
- ローン完済時の抵当権抹消や、住所・氏名の変更登記にかかる
さらに、隣地との境界があいまいな土地では測量や境界確認が必要になることがあり、家財が残っていれば残置物処分費もかかります。
不動産会社に買取を依頼する

買取の仕組み
買取とは、不動産会社が買主となり、物件を買い取る売却方法です。一般の買主を探す必要がないため、仲介に比べて売却期間が短く、条件が整えば数日〜数週間で契約・引き渡しまで進むこともあります。
家の処分に時間をかけられない人にとって、非常に効率的な選択です。
向いているケース・向いていないケース
買取はスピードと確実性を重視する人に最適の売却方法です。古い家でも現状のまま引き取ってもらえることが多く、手間を最小限に抑えられます。ただし、少しでも高く売りたい人には、あまり向いていません。
- 買取が向いているケース
- とにかく早く手放したい、遠方のため管理や内覧対応が難しい、古い家を現状のまま確実に処分したい
- 買取が向いていないケース
- 少しでも高く売りたい、需要がある物件なので市場で勝負したい、売却価格を最優先に考えたい
このように、買取は価格よりも、早さや手間の少なさを優先したい人に向いています。
メリット・デメリット
買取の最大のメリットは、買主探しの時間が不要になる点です。その分、価格面での妥協が必要になります。
- メリット
- 短期間で売却が完了し、内覧対応の負担がない。不用品がある現況のままで売れる場合が多い
- デメリット
- 売却価格が仲介の相場の6〜8割程度と低くなりやすい。また、物件によっては買取対象外になる
費用の目安
不動産会社が直接の買主となる場合、仲介手数料はかからないのが一般的です。そのため、仲介に比べて諸費用を安く抑えられるメリットがあります。
- 仲介手数料
- 不動産会社が直接買い取る場合は不要。ただし、別の買取業者を紹介されて契約すると、手数料が発生することがある
- 印紙税
- 売買契約書に貼付する印紙代(数千円〜数万円程度)
- 登記費用
- 抵当権抹消や、相続に伴う名義変更(相続登記)にかかる実費
仲介手数料がかからない分、諸費用の総額は数万〜十数万円程度で収まることが多いでしょう。ただし、契約条件によって、残置物処分費などが差し引かれることもあるため、事前に手元にいくら残るかを不動産会社に確認しておきましょう。
近所の人に売却を持ちかける
田舎の家を処分するなら、近所の人に打診をするという方法があります。「子ども世帯に近くに住んでほしい」「駐車場を増やしたい」などの理由で敷地を広くしたいと考えている可能性があるためです。
隣家だけでなく、商売をやっている近所の家などは、倉庫や駐車場用地を探していることもあるので、声をかけてみましょう。
向いているケース・向いていないケース
近所への打診は、お互いの顔が見える関係性がある場合に有効です。ただし、金銭が絡むため、関係性が近すぎることが裏目に出る場合もあります。
- 向いているケース
- 隣地を広げたい人がいる、駐車場や倉庫としての需要がありそう、地域内での人間関係が良好
- 向いていないケース
- 近隣関係がよくない、価格交渉でもめそう、境界や権利関係があいまいで説明が難しい
断られた後の気まずさを避けたい場合は、打診の仕方に工夫が必要です。
メリット・デメリット
近所の方なので話が早いというメリットがあるものの、契約内容があいまいになりやすいという短所があります。関係が近いと、お金の話をはっきりさせにくいかもしれません。
- メリット
- 買い手候補がすぐ近くにいるため話しやすい。市場で評価されにくい物件でも、隣人なら買ってくれる可能性がある
- デメリット
- 価格や条件面で感情的になりやすく、トラブルになると後の近所付き合いに響く。契約の認識違いが起きやすい
費用の目安
個人間で直接売買をするなら、不動産会社への仲介手数料は不要です。ただし、後のトラブルを防ぐための費用を惜しまないのが鉄則です。
- 印紙税・登記費用
- 売買契約書の印紙代や、名義変更・抵当権抹消にかかる実費
- 測量・境界確認費用
- どこまでが自分の土地なのかを明確にする費用(数万円〜数十万円。トラブル防止に重要)
- 仲介手数料(依頼した場合のみ)
- 契約書類の作成や条件調整など契約の手続きを不動産会社に依頼(事務仲介など)した場合は、所定の手数料が発生
手数料を浮かせようと売買の手続きを省略すると、トラブルが起こって、かえって高くつくこともあります。親しい間柄でも、登記や書類作成は専門家を頼ると安全です。
空き家バンクを利用する
自治体が主体となり、空き家の所有者と移住希望者を結びつける公的なマッチングシステムです。移住・定住を検討している人へ直接アプローチできるため、民間の仲介では難しい物件でも、活用や売却の道が開ける可能性があります。
向いているケース・向いていないケース
一般の不動産市場では見向きもされないような古い家でも、「田舎暮らし」を望む人には魅力的に映る場合があります。
- 向いているケース
- 移住希望者や古民家好きの好みに合う物件、不動産ポータルサイトでは反応がない物件、時間に余裕があり販路を広げたい
- 向いていないケース
- 早期売却が最優先、問い合わせや現地案内などの手間を避けたい
自治体と連携している不動産会社が媒介する場合、、売主の手間は多くありません。ただし、買主との交渉や売買契約を自分で行うケースもあります。そのため、あくまでも販路を増やす選択肢のひとつとして考えるのが現実的です。
メリット・デメリット
最大のメリットは、移住希望者に強いことですが、自治体によってサポート体制に差があるのが難点です。
- メリット
- 移住志向の高い人に情報が届きやすく、一般的な不動産市場で埋もれがちな物件にもチャンスがある。自治体の補助金制度と連携できる場合がある
- デメリット
- 売り出しても反応は少なく、成約まで時間がかかることが多い。自治体ごとに運用ルールが異なり、所有者の負担が重いこともある
費用の目安
空き家バンクへの登録は無料ですが、売却コストは通常の仲介と変わらないケースが多い点に注意が必要です。
- 仲介手数料
- 多くの自治体では専門の業者が間に入るため、成約時には通常どおりの手数料が発生する
- 登記費用・印紙税
- 名義変更(相続登記)や契約書に貼付する印紙代などの実費
- 家財撤去・修繕費
- 物件を公開できる状態にするための清掃や、荷物の処分費用
自治体によっては、仲介手数料や家財撤去に補助金が出るケースがあります。登録前に自治体にどのような支援制度があるのか、確認しておきましょう。
地方公共団体(自治体)に寄付をする
「無料でもいいから手放したい」のであれば、自治体へ寄付する方法もあります。自治体に相談すると、行政での活用が可能かどうかの調査・審査が行われます。ただし、自治体の維持・管理コストの観点から、受け入れ条件はかなり厳格に設定されており、必ず寄付できるわけではありません。
向いているケース・向いていないケース
自治体への寄付は、その不動産が「地域に役立つ可能性がある」という場合に限られます。
- 向いているケース
- 公共利用(公園・避難所・道路など)の見込みがある、権利関係や境界が完全に整理されている、無償譲渡を前提としている
- 向いていないケース
- 建物の老朽化が著しい、活用見込みが乏しい、すぐに処分先を決めたい、少しでも現金化したい
寄付を申し出ても受理されるケースは稀で、ほかの方法が難しい場合の「最後の選択肢」として考えるのが現実的です。
メリット・デメリット
不動産の管理負担から解放されるメリットは大きいものの、寄付に至るまでのハードルの高さが最大のネックとなります。
- メリット
- 受理されれば、将来にわたる管理負担や固定資産税の支払いから解放される。地域に貢献できる
- デメリット
- 受け入れ条件が非常に厳しく、断られることが多い。現金化できず、寄付するために解体や測量を求められることもある
費用の目安
「無償で譲る=費用ゼロ」と思われがちですが、実際には自治体が受け取れる状態に整えるための費用が発生します。
- 測量・境界確定費用
- 隣地との境界を明確にする費用(土地家屋調査士への依頼)。自治体はトラブルを避けるため、境界未確定の土地は断られやすい
- 権利整理費用
- 抵当権の抹消や、相続登記が未完了の場合の名義変更にかかる費用(司法書士への報酬や登録免許税)
- 資料取得・調査実費
- 自治体へ提出する登記事項証明書、公図、実測図などを揃えるための費用
- 建物解体・更地化費用
- 建物付きは不可と判断された場合、売主負担での解体工事が必要になる
寄付そのものは無料でも、こうした「寄付するための準備」に数十万円以上のコストがかかることがある点に注意が必要です。
相続土地国庫帰属制度を利用する
相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地を国に引き取ってもらう、2023年に始まった比較的新しい制度です。「売却も寄付もできない」土地の最終的な受け皿となります。あくまでも、土地が対象で、建物がある状態では申請できないという制約があります。
向いているケース・向いていないケース
お金を払ってでも、将来の管理責任を負いたくない人や、管理費や固定資産税などの負担が大きくなりそうな土地の処分に適しています。
- 向いているケース
- 相続した土地を使う予定がない、権利関係が整理されている、高額な負担金を払ってでも手放したい
- 向いていないケース
- 家が建っている、境界や権利関係が未整理、第三者が使用している、無料で手放したい
まずは仲介や買取による処分を探り、どうしても解決できない場合の最終手段として捉えるのが現実的です。
メリット・デメリット
国が引き取る安心感は大きいのですが、審査のハードルと金銭的な負担が無視できないデメリットとなります。
- メリット
- 一定の条件を満たせば、不要な土地を国が引き取り、固定資産税や管理の負担から解放される
- デメリット
- 建物付きの土地には使えず、事前の解体が必要。厳しい審査があり、却下や不承認になることもある
費用の目安
相続土地国庫帰属制度を利用するには、審査料と管理費相当のまとまった費用がかかります。
- 審査手数料
- 申請時に土地1筆につき14,000円が必要
- 負担金
- 承認後に納める10年分の管理費用。原則として20万円だが、市街地の宅地などは面積に応じて増額される
- 事前の準備費用(解体・測量など)
- 建物の解体費、境界が不明瞭な場合は境界確定の費用が別途かかる
制度を利用する費用(審査手数料+負担金)だけであれば、21万円程度です。しかし、家のある土地を処分するには、解体費+負担金で100万円単位の支出になるケースも珍しくありません。
田舎の家を処分する前に確認すべきポイント
田舎の家を処分するときは、建物の見た目だけで判断するのではなく、売却しやすい家か、そのまま売るべきか、別の処分方法を検討すべきかを整理することが大切です。
家の状態がよくても、名義が未整理だったり、立地や接道条件に問題があったりすると、売却がスムーズに進まないことがあります。反対に、古い家でも条件が整っていれば、現況のままでも売れるケースがあります。
田舎の家を売却する前にチェックするポイントを確認して、どの方法が現実的かを見極めましょう。
- 家の立地
- 家の状態
- 所有権者・名義
- 建物の区分
- リフォームの履歴
- 接道・境界・法令上の制限
家の立地
駅やバス停、スーパー、病院などから近い家であれば、田舎であっても一定の需要が見込めることがあります。しかし、過疎化が進んでいる地域や、生活利便施設が遠い地域では、買い手が限られるでしょう。
また、周辺環境も重要です。近くに排水路やゴミ置き場、高架線がある場合は、においや騒音、日当たりなどがマイナス評価につながることがあります。ハザードマップでの浸水・土砂災害リスクがある地域かどうかも、買主が気にするポイントです。
家の状態
修繕の必要な場所がなく、すぐに住めるほど状態がよければ、管理が行き届いている家として売却をスムーズに進められるでしょう。一方で、外壁や内装に欠陥や劣化が見られると、リフォームや建物の解体をしなければ売れないこともあります。
特に雨漏りや床の傾きは、生活に支障が出るため、売れにくくなります。
所有権者・名義
家の処分をできるのは、その家の所有権者だけです。たとえば、親の死後に田舎の家を処分したいと思っても、相続の手続きが完了していなければ処分できません。ちなみに、2024年に相続登記が義務化されているため、名義が親のままなら早く手続きをしましょう。
家の所有権者は、登記簿謄本(登記事項証明書)で確認できます。登記簿謄本は法務局で誰でも取得できるので、処分を検討するときは必ず確認をしましょう。
建物の区分
マンションのように、一部分だけを所有する建物を区分所有建物といいます。田舎の家というと戸建てをイメージしがちですが、長屋や店舗兼住宅など、区分所有建物に近い物件が含まれることもあります。
マンションやアパートなど、共用部分のある建物や権利関係が複雑な物件は、修繕やリフォーム、売却するときに事前の承認や確認が必要になることがあります。勝手に共用部分に手を加えられないのです。
壁や床、天井などほかの住戸と区切っている部分も、共用部分に該当する可能性があるため、専有部分・共用部分の範囲は管理規約などで確認が必要です。
リフォームの履歴
家のリフォーム履歴も確認しておきたいポイントです。外壁・屋根・水回り・給湯器などの修繕歴は、買主の安心材料になって物件の印象向上につながります。
ただし、リフォーム済みだから高く売れるとは限りません。田舎の家では、買主が自分好みに直したいと考えることも多く、費用をかけてリフォームしていても、売却価格に反映されない場合があります。
接道・境界・法令上の制限
接道状況、境界も田舎の家の売却前に確認が必要です。たとえば、前面道路が接道条件を満たしていない場合は、再建築不可物件となるため、家の建て替えが難しく、買い手がつきにくくなることがあります。
また、隣地との土地の境界があいまいだと、売却前に測量や境界確認が必要になることがあります。市街化調整区域に該当している場合は、原則として新たに建築はできません。
買主は、いまの家の状態だけでなく、将来も考えたうえで検討しているため、これらの点は早めに把握することが大切です。
田舎の家を処分するときの注意点
田舎の家を処分するときは、相続登記の状況のほか、接道など多くの法令上の制限を確認する必要があります。自分で判断できないときは、信頼できる不動産会社に相談するとよいでしょう。
不動産会社によって提案内容はさまざまですから、複数社に相談することで、売却できるチャンスが広がります。
また、リフォームや解体など、費用のかかる売り出し方をせずに、売却できる方法が見つかるかもしれません。1社の提案だけを鵜呑みにせず、比較・検討できるようになります。
共有名義や相続など、手続きに手間のかかる物件もあります。そういった物件は、不動産会社のサポートがあると売却までスムーズに進められます。
田舎の家の処分は不動産会社へ相談してみよう
仲介や買取、個人売買など、田舎の家を処分する方法はいくつもあります。ただし、これらの方法のなかから自分に合ったものを選び、手続きを進めていくのは非常に手間がかかります。法律や手続き、客観的な評価など、個人で進めるには限界があるのです。
不動産会社は、個人では難しい手続きなどをサポートしてくれます。ところが、田舎だと適した不動産会社が見つかりにくい、という問題もあります。
そういったときに心強いのが、一括査定サイトのリビンマッチです。日本中の不動産会社と契約しているため、売却したい田舎の家に対応できる会社を紹介できます。また、リビンマッチで申し込んだ後は、不動産に関する悩みを相談できる、お悩み相談窓口を無料で利用可能です。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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