子どもの学校が合わない。転校できる？持ち家は？親の疑問に徹底解説！

学校が子どもに合わない、友人とのトラブルを抱えてしまっているなど、さまざまな理由で子どもが学校に行きたがらないケースがあります。そのようなとき、親としては「転校」という2文字が頭をよぎることもあるでしょう。

本記事では、「学校が合わない」という理由で転校できるのか、また学校が合わないと子どもが感じる理由、そして転校するために住まなくなった持ち家をどうするのがよいのかなどについて、詳しく解説します。

子どもの学校が合っていない。転校するのは可能？

小学校・中学校は義務教育課程のため、公立校に通う場合は住民票のある市区町村の学校に通うのが一般的です。住民票のある市区町村に複数の学校が存在する場合は、あらかじめ決められている学区域によってどこの学校に通うかが決まります。

もし子どもが定められた学校に通っている途中で、学校になじめていない様子だった場合にどうしたらよいのでしょうか。

子どもが学校に通うことを楽しめず、元気のない姿を見ているのはつらいものです。そのような場合は、学校を変えて新たな場所で再出発をさせたいと考える場合もあるでしょう。公立の小学校や中学校を「今の学校が子どもに合っていないから」という理由で転校することはできるのでしょうか。ここからは場合分けをしながら、詳しく解説していきます。

文部科学省は個人的な理由による転校を認めている

「学校が子どもに合っていない」という類の個人的な理由による転校については、文部科学省で認められています。2008年に通知された「学校教育法施行令第8条に基づく就学に関する事務の適正化等について」の中で詳しく触れられており、いじめへの対応や通学の利便性、部活動等学校独自の活動等のための転校は認められると記載されています。（※）

※出典：文部科学省「学校教育法施行令第8条に基づく就学に関する事務の適正化等について」

また実際に転校理由を認めるかどうかは市町村教育委員会が検討します。地方公共団体（自治体）によっては、あらかじめ転校が認められる要件をホームページなどで公表しているところもあるため、自分たちのケースが当てはまるかどうかを確認してみてください。

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転校できるかの判断は難しいことも

文部科学省が示すとおり、法律による指定校変更のガイドラインはあるものの、実際に転校が認められる申し出かどうかを判断するのは難しい問題のようです。たとえば「クラスの雰囲気が好きではない」というだけの理由で転校することを認めるかどうかは、微妙なところでしょう。そのため、どのような心理的・身体的な問題が子どもに起きているのか、などを詳しく調査する必要が出てくるような案件もあります。

もし確実に転校できる道を選びたいと考えるのであれば、住民票の住所を別の学区域に移す引越しをするのが確実です。

学校には決定権はない

「子どもの転校手続きをしよう」と考えたとき、保護者としては学校に相談することを考えるのではないでしょうか。それは正解であるのですが、学校側には転出・転入に関する決定権はないことは把握しておきましょう。

決定権がないとはいえ、転校の意思を最初に伝えるべき相手は現在通っている学校です。場合によっては、校長先生に転校についての承諾書を書いてもらう必要があり、他にも学校側に用意してもらうべき証明書なども存在します。

その後、役所で転校の申請をすると、教育委員会において審議が行われます。無事に申請が認められれば「就学通知書」が交付され、転校が認められるわけです。この手続きの流れの詳細については、後述します。

転校を決める前に確認すべきこと

「学校が子どもに合わない」という理由で転校を検討している場合、転校を決めて動き出してしまう前に、確認しておいたほうがよいことがあります。

それは学校が合わないと感じている理由や、そもそも本当に転校したいと思っているかどうかという子どもの意思、そして転校先の学校が子どもに合いそうかどうか、という点です。これらの要素は転校した先で子どもが楽しく過ごせるようにするために、大切なポイントとなります。ここからは転校を決める前に確認すべきことについて詳しく見ていきましょう。

「学校が合わない」と感じている理由

まず子ども本人が、実際に学校が合わないと感じているのかどうかを、今一度確認しておく必要があります。もしかすると、子どもよりも親のほうが学校に違和感を持っているという可能性もあるでしょう。

もし、学校が合わないと感じているのが子どもであれば、その理由を聞いてみてください。ただし低学年の子どもだとうまく説明できないことも多い上に「なんとなく合わない」といったように明確な理由を持っていない場合もあります。その場合は粘り強く会話をして、合わない原因を探っていきましょう。たとえば、「学校の勉強が分からない→学校がつまらない→学校が合わない」と感じているならば、引越さなくても対処する方法があるかもしれません。

このように、学校が合わないと感じる原因や問題点をはっきりさせてクリアすることができれば、引越し以外の方法を検討できるケースもあります。

いじめ

いじめが原因で学校が合わないと感じている場合、親としても心配が大きくなるでしょう。もし子どもがいじめられていることが発覚したのがクラス替えに近いタイミングであれば、少しの間の我慢でクラスのメンバーが変わり、状況も変化する可能性があります。しかしクラス替えしたばかりの状況では、先が長いでしょう。

学校では、ちょっと変わった考え方ややり方をしただけで「変わり者」と見られていじめの対象となってしまう可能性もゼロではありません。自分の気持ちを抑えて我慢してしまうタイプの子どもの場合、しっかりと様子を見てあげることが必要です。

先生との相性

昔から「親と教師は選べない」と言うとおり、子どもも親も、基本的にはどのような担任の先生であっても受け入れる以外に道がありません。先生は子どもの成績や内申点をつける役割もあるため、「下手なこと言って目をつけられてしまったら大変だ」と子どもながらに考え、自分の気持ちを誰にも言えないでストレスを抱えてしまう可能性もあります。

もし先生の言動や相性で子どもが傷付いていることが分かったら、先生に面談を申し込んでみましょう。子どもへの対応を変えてもらうことで、状況が好転するケースもあります。

学級崩壊

子どものクラスが学級崩壊しているとなれば、もはや個人の問題ではありません。どこから学級崩壊と呼ぶのかは難しいところですが、学級崩壊しているクラスでは生徒が騒いで授業の進行を妨げてしまったり、先生と生徒との間の信頼関係が壊れてしまっていたりします。

クラスがそのような状況になっているとき、助けられるのは学年の他のクラスの担任の先生や校長先生、教頭先生などです。つまり、学校全体でそのクラスの学級崩壊に関わっていかなければなりません。その過程の中で子どもが憂鬱に感じていたクラスの問題も改善される可能性があります。

授業が難しい・ついていけない

授業についていけないのも、学校が合わないと思ってしまう理由の一つです。特に公立学校の場合、理解度が平均的な生徒のレベルに合わせて授業が行われる場合が多く、つまずいてしまった子どもは授業の内容を難しく感じがちです。学校の日常は、授業時間が多くを占めているため、子どもにとってはつまらない、つらいと感じる時間が長くなるでしょう。

このようなときには、まずは先生に相談してみましょう。また場合によっては塾へ通わせる、家庭教師を雇うなど学校以外で勉強のフォローをすることを検討するのも一つの方法です。

高校生になると「カラーが合わない」場合も

小中学校と違い、高校生になると義務教育ではなくなり、偏差値も学校ごとに違うなど、学校ごとの雰囲気が異なりやすいです。入学前に学校見学をしていても、実際に自分がその学校の生徒として過ごしてみると「思っていたのと違う」と感じることもあるでしょう。

具体的には、校則を窮屈に感じたり、スクールカーストなどクラスの雰囲気についていけなかったり、部活が厳しすぎて合わなかったりとさまざまな要因が考えられます。その結果、高校を中退するという結論に至るケースも出てきます。

しかし文部科学省の調査によれば高校を中退した人のうち、25.2％の人が別の高校への入学を希望しています。高校生であっても編入によって学校での問題を解決することがあるのです。

※出典：文部科学省初等中等教育局児童生徒課「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」

子どもの意思

転校を決める前に、子どもがどう考えているかを確認しておくことは非常に大切です。現状を我慢して事態が好転するのを待とうと考えているのか、保健室への登校ならできそうなのか、新学年になるまでお休みしたいのか、または思い切って引越しをしたいのか、などです。

周りの大人が思い込みで勝手に方向性を決めて話し合っていると、子どもは本心を言い出しづらくなってしまうこともあります。

文部科学省の方針でも学校へ来づらくなっている子どもを温かく受け入れるために、保健室や相談室、学校図書館などを活用することが決められているため、学校まで行けるようならば、教室以外の登校から再び始めてみるのも一つの方法です。

転校先の学校が子どもに合いそうか

転校するという方針が見えてきたなら、転校先の情報収集も大切です。転校先の学校に友人や知人がいれば、より詳しい情報が得られるでしょう。

もし友人や知人がいなくても、学校公開日に出向いて雰囲気などを確認できます。私立学校への転校を検討するならば、運動会や学芸会などの学校行事を見学したり、説明会に参加したりすれば校風や先生、生徒の様子などをある程度把握できるでしょう。

転校の際の手続き

先にも少しお伝えしましたが、あらためて転校の手続きについて解説します。ここでは、引越しを伴う転校の前提でお伝えしていきます。転校の手続きの流れは以下のとおりです。

1. 在学中の小学校へ転校の旨を申し出る
2. 在学証明書、教科書用図書給与証明書、必要に応じて学校長による承諾書をもらう
3. 転居先の役所で転居手続きを行い、学校指定通知書を受け取る
4. 転校先の学校へ、初日の希望日などを連絡する
5. 在学証明書、教科書用図書給与証明書、学校指定通知書を持参し、転校先の学校で手続きを行う

在学証明書や教科書用図書給与証明書は、在学中の学校の最終日にもらうことが多いようです。また転校先の学校で手続きをする際は、事前に訪問日時を電話で取り決めておきましょう。

転校のために引越しをする際、持ち家はどうする？

家の模型

次に転校を決めて、今住んでいる家から引越しをする場合についてお伝えしていきます。持ち家の場合、引越しをした後の家をどうしたらよいのでしょうか。一般的には、売却するか賃貸に出すかの2つのパターンが考えられます。売却する場合と賃貸に出す場合で、それぞれにメリットとデメリットがあるので、順番に解説していきます。

売却する

まずは、売却する場合について解説します。物件の価値を決める大きなポイントが、立地と築年数です。人気の立地にある物件で築浅であれば、マンションに限らず戸建てでも十分買い手が見つかるでしょう。

特に、マンションは建設需要の高まりやそれに伴う建築費相場が上昇しています。その結果マンション価格も上昇し続けているので、マンションは売り手市場が続いているのです。場合によってはマンションを購入したときの金額を上回る金額で売却できる可能性もあります。

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売却するメリット

持ち家を売却するメリットについて、具体的にお伝えしていきます。

ライフステージごとに住み替えできる

持ち家があると安心できますが、一方でライフステージごとに変わってゆく家族の事情に適応しづらい場合もあるでしょう。

たとえば子どもの転校の他にも、父母の転勤や子どもの中学校・高校への進学の際に、通勤・通学距離が遠くて大変になってしまったという事態も起こり得ます。また子どもが独り立ちした後にファミリータイプのマンションや一戸建てが広すぎるというケースもあります。

そのような場合に、持ち家を売って賃貸住宅に暮らしていれば、気軽に利便性の高い場所へ引越しをして新生活を始められます。その上で、家族の状況に適した間取りをチョイスすることも可能です。

まとまった現金が手に入る

持ち家を売却すれば、まとまった現金が手に入ります。次の住居が賃貸であれば初期費用に、新たに持ち家を購入するのであれば頭金として充てられます。また住宅ローンが残っている場合、売却価格によっては完済できるかもしれません。住宅ローンを繰り上げで完済すれば、支払う利息を少なくできます。

持ち家の場合は経年劣化を避けられず、資産価値も年々下落していくのが一般的です。早めに売却しておけば、資産価値が高いうちに大きなメリットを得やすいでしょう。

売却するデメリット

持ち家の売却にはさまざまなメリットがある一方、デメリットもあります。メリットとデメリットの双方を理解し、家庭の事情も合わせて売却するかどうか検討しましょう。ここからは持ち家を売却するデメリットを詳しく解説します。

希望する価格で売却できるかわからない

できることなら、購入したときにできるだけ近い価格で売却したいと思う方が多いのではないでしょうか。しかし築年数が経過していたり、駅からの距離が遠かったり、周辺環境が良くないなど立地的な問題があったりすると、売却価格が低くなってしまう可能性があります。

またこだわりの設計やデザインで、売主のカラーが強すぎる物件も高値が付きづらいものです。新築や築浅で買主とのニーズが一致すれば、高額で売却できるチャンスもありますが、リスクは承知しておきましょう。

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すぐに売却できるかわからない

持ち家の売却を決め、不動産会社と媒介契約をしても、すぐに買主が見つかるとは限りません。物件の動きが鈍い時期などの場合、販売期間が長くなってしまう可能性もあります。本来は子どもの転校のタイミングに合わせてスムーズに売却したいところですが、うまく進まないことも十分あり得ます。既に新居に移り住んで賃料が発生している上に、売却中の物件の住宅ローンを支払わなければならない事態も考えられます。

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賃貸に出す

持ち家を売却するのではなく、賃貸に出すという選択肢もあります。家という自らの資産を活用して賃貸経営を行い、第三者に家を貸して家賃収入を得るスタイルです。

賃貸に出すと家賃収入を得られますが、所有しているのは自分のままなのでこれまでかかっていたさまざまな費用はそのまま負担することになってしまいます。たとえば、固定資産税やマンションの管理費、修繕積立金なども持ち主が払う費用です。

また住宅ローンが残っている場合は要注意です。住宅ローンは物件を住居用として購入し、実際に居住することを条件としています。したがって金融機関によっては賃貸に出すことで住宅ローンの適用範囲外と判断される場合もあります。住宅ローンが残っているけれど賃貸に出したいという場合には、必ず事前に住宅ローンを組んでいる金融機関へ相談するようにしましょう。

賃貸に出すメリット

持ち家を売却すればまとまったお金が手に入ります。それと比べて、賃貸に出すメリットとは一体どのようなことなのでしょうか。詳細を説明していきます。

家賃収入をローン返済に充てられる

家賃収入は、いわゆる不労所得です。毎月のローン返済額と同等かそれ以上の家賃収入を得られれば、ローンの返済に充てられます。

ただし物件を貸している間にも、どうしても劣化は進んでいきます。「台所の水栓が壊れた」「エアコンが壊れた」など、さまざまなトラブルに対処する必要はあるため、対処するための資金を用意しておきましょう。

節税効果がある

持ち家として使っていた物件を賃貸に出して賃貸経営をすれば、賃貸収入を得られます。その収入に対して所得税が課税されますが、経費を適切に計上すれば課税額を減らすことが可能です。

不動産経営をする上で経費として計上できるものとして、物件にかかる固定資産税やローンの金利部分、修繕費や減価償却費、税理士費用などが挙げられます。さらに当該物件の清掃チェックに赴いた際の交通費や、書籍なども必要経費として計上できるでしょう。

家賃収入から経費を差し引いた分に課税されることから、細かい経費もしっかりと計上するようにしてください。

賃貸に出すデメリット

続いては、持ち家を賃貸に出す場合のデメリットについて、詳しく解説します。

空室になる可能性

賃貸に出す際は、空室リスクを考えなければいけません。借主がいてもいなくても、住宅ローンや固定資産税などの支払いは生じます。家賃収入がなければ、それらの費用を自分で負担する必要が出てくるのです。一度空室になったら次の入居者がいつ入るかは分からないことが多いため、賃貸経営者にとっては不安の種となるでしょう。

空室保障をしてくれる保険のようなサービスもありますが、家賃の数パーセントを保証料として支払わなければなりません。

自分のタイミングで戻ることができない

一般的な賃貸借契約書では、貸主の都合で一方的に借主に退去を求めることはできません。そのため、また元の家に住みたいタイミングがやってきたとしても、ちょうどよく部屋が空室になっているかどうかは未知数です。

子どもが転校するために引越しをした場合、一時的に賃貸住宅を借りて住むというケースもあるでしょう。そして子どもが中学校や高校など、次のステージへ進学したのを機に、また家に戻って住みたいと考える家庭もあります。

再び家に戻る可能性があり、その時期が明確であるならば、定期借家契約（定借）で賃貸に出すと特定のタイミングで確実に家に戻れるようになります。ただしその場合、借主としては住める期間が決まっている分不便が生じるので、家賃設定を安めにして募集するのが一般的です。その分、家賃収入が減ってしまうことを念頭においてください。

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学校が合わないなら転校も選択肢

子どもが学校に行きたくない様子が見られたら、親としてはどうにかできないかと考えてしまうでしょう。そのときに取れる行動の一つが、転校です。しかし、公立の小学校や中学校の場合は基本的に住んでいる場所によって通う学校が指定されているため、転校を認めてもらえるかどうかは定かではありません。確実に転校したい場合は、引越しをする方法を検討しましょう。

引越しをするのはよいとしても、持ち家に暮らしている方の場合、住んでいる家をどうすべきか悩んでしまうこともあるでしょう。一般的には、売却してしまうか賃貸に出すかの二択です。売却も賃貸もどちらにもメリット・デメリットがあるので、よく比較検討してみることをおすすめします。

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