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クレーマーを退去させる方法を解説!迷惑な入居者に大家ができること

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クレーマーを退去させる方法を解説!迷惑な入居者に大家ができること

貸し出している住宅に問題があれば、入居者からオーナーへさまざまな要望が届きます。「廊下の電灯が切れている」「深夜に大音量で音楽を鳴らす住人がいる」など要望によってはすぐに対応し、問題解決を目指す必要があるでしょう。しかし、入居者がクレーマーとなって、経営に影響を及ぼすようになったら対策が必要です。ところが、入居者は法律で守られており、退去してもらうのは簡単ではありません。クレーマーとなった入居者に退去してもらう方法はあるのでしょうか。

クレーマー入居者を退去させる方法

まずは、クレーマーを退去させる方法について解説します。入居者は居住する権利を持っており、法律で守られています。そのため、退去してもらうには、ひとつずつ手順を踏んでいかなくてはなりません。いきなり強い態度で出るのではなく、徐々に退去の話を進めていきましょう。

①任意での退去を依頼する

まずは、「命令」ではなく「任意」での退去を依頼しましょう。クレーマーの入居者へ「部屋を明け渡してほしい」と、任意で話し合いを持ちかけます。ただし、借地借家法では、オーナーが入居者に解約を求める際には、原則、解約日の6カ月前までに告知しなければなりません。すぐに退去してもらえるわけではないため、時間的な余裕を持って退去をお願いします。しかし、オーナーが退去依頼をしたからといって、素直に応じる入居者ばかりではありません。口頭での依頼で拒否された場合は、次の手を打つことになります。

交渉条件として立ち退き料を渡す方法もあります。立ち退き料とは、貸主側の事情で入居者に退去してもらうときに渡すお金のことです。立ち退き料の相場は、一般的に家賃6カ月分とされています。立ち退き料を提示しても退去しない場合は、法的な措置へと移行します。

②クレーマー入居者へ内容証明郵便を送付する

法的措置に移る前に行うのが、クレーマーの入居者へ内容証明郵便を送付することです。内容証明郵便は日本郵便が提供するサービスで、一般書留郵便の内容文書を証明する制度です。誰が、いつ、誰に対して、どのような内容の文書を送付したのかを証明できます。

内容証明郵便で問題となっている入居者に対する改善要求と、要求に応じない場合の具体的な契約解除日などを記載した書面を作成してください。後日、裁判になった場合に、状況証拠の資料として提出することになります。

③法的措置を取る

内容証明郵便を送付してもクレーマー入居者の態度が改善しない場合は、いよいよ法的措置へと移行します。建物の明渡し訴訟を裁判所へ提起しましょう。建物の明渡し訴訟とは、迷惑行為をしたり長期間において家賃を滞納したりする入居者を物件から立ち退かせる訴訟です。訴訟では裁判所が双方の事情を聞いたうえで、明渡しが妥当かどうかを判断します。裁判所が退去を認める判決を下せば、クレーマー入居者を合法的に退去させることが可能です。

④弁護士に相談する

立ち退き交渉がうまくいかない、あるいは裁判での明渡し訴訟を自分だけで行うのは自信がない場合は、弁護士に相談するのもよい方法です。強制退去は法的な問題が絡むため、立ち退き問題の実績が豊富な弁護士に依頼するとよいでしょう。弁護士に依頼すると次のようなメリットがあります。

  • 借地借家法における法的なアドバイスをしてもらえる
  • 立ち退き交渉を一任できる

なお、弁護士以外による立ち退き交渉の代理は違法(弁護士法第72条)とされています。弁護士以外が報酬を得る目的での代理行為は原則として禁止されており、違反には刑罰が科されます。

第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。 弁護士法 第七十二条

⑤強制退去

明渡し訴訟で退去を命じる判決が出たにもかかわらず、入居者が立ち退かないときは、強制執行をして建物から退去させられます。強制退去の申し立てが裁判所に認められると、裁判所から立ち退きを要請する催告書が入居者に送付され、指定された期日までに退去しなければなりません。

それでも入居者が部屋を明け渡さない場合は、裁判所の執行官が強制退去を行うことになります。執行官の立ち会いのもと、同行する専門業者が建物内にある家具・家財を撤去します。なお、裁判所の執行官の立ち会いなく、オーナーが勝手に家財道具の処分や鍵交換などの対応をすると、入居者の権利侵害となるため注意しましょう。不法侵入や器物損壊などの訴えを起こされるおそれがあります。

クレーマー入居者の退去に必要な条件

借地借家法では入居者の権利が手厚く守られているため、物件の所有者であっても簡単に入居者を退去させられません。ここでは、退去させられるクレーマーとはどういう人なのか、どういった条件を満たす必要があるのかを解説します。

ほかの入居者に迷惑をかけている

まず、挙げられるのが、近隣住民に迷惑をかけている入居者です。オーナーはすべての入居者が快適に日常生活を行える環境を提供する義務があるため、ほかの入居者に迷惑をかけている入居者がいたら問題を解決しなければなりません。たとえば、以下のような迷惑行為が対象になります。

  • 夜中に友人を招いて大声をあげている
  • ゴミを溜めて周囲に異臭を放っている

騒音や異臭は近隣住民に迷惑をかけるため、強制退去の理由となります。注意してもマナーを守らない入居者ならば、退去させられるでしょう。

家賃滞納が続いている

クレーマー入居者が家賃滞納をしている場合も、強制退去させることが可能です。通常、家賃滞納が3カ月続いた時点で、退去を勧告できます。1~2カ月の滞納では入居者が家賃を支払えないのには、さまざまな事情があると考えられるためです。

家賃支払いを催告しても家賃を支払う意思が見られない場合、強制退去の理由となります。家賃の滞納はオーナーと入居者の間の信頼関係が崩壊したと判断されるため、入居者は裁判所の判決で強制退去を命じられる可能性が高いでしょう。

契約違反の行為をしている

クレーマー入居者でなくても、契約違反の行為をしている入居者は、強制退去の対象です。不動産賃貸借契約書には契約条項があり、物件における契約違反となる行為が記載されています。たとえば、家賃滞納以外の契約違反としては、次のような行為があります。

  • ペット不可なのに動物を飼っている
  • 許可なく同棲している
  • 無断で室内を改築した
  • 断りなく部屋を転貸している
  • 居住用契約なのに事務所として利用している など

上記の内容に1点でも該当する場合は、契約違反として強制退去をさせられます。

退去させられないクレーマーとは

いくら口うるさく、不快な思いをさせるクレーマーでも、強制退去の要件に該当しない場合は退去させるのは難しいでしょう。たとえば、次のようなケースです。

  • オーナーの個人的な理由で気に入らない
  • 信頼関係の破壊が認められない
  • トラブルの原因を入居者が認めている

オーナーが「生理的に好きじゃない」などの理由で退去を求めることは、当然認められません。クレームは激しくても、家賃滞納など契約違反をしていない入居者は原則、退去させることは難しいでしょう。また、トラブルの原因を入居者が認めており、その後の態度が改善した場合も退去させられないケースに当たります。

クレーマーの対応を放置するデメリット

クレーマーといえども入居者である場合は、借地借家法で保護されているため、簡単に追い出すことはできません。しかし、悪質な入居者がいる場合は、賃貸経営に支障が出てしまうおそれがあります。クレーマーの対応を放置すると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

ほかの入居者が退去してしまう

ほかの入居者に対してクレーマーのような態度を取る人がいると、アパート全体の近隣関係が悪くなってしまいます。そうなると、ほかの入居者が退去してしまい、空室が発生するおそれがあります。空室率が高くなると、賃貸経営で得られる利益が下がってしまうため、問題のある入居者がいる場合はなんらかの対処をしなくてはなりません。

対処に時間を取られて経営に支障が出る

自主管理の場合は、クレーマー入居者にオーナー自らが対応する必要があります。クレームを受ける頻度が多いと、対処に時間を取られて経営に支障が出ることも考えられます。会社員など本業で忙しい人は、時間をつくることも難しいでしょう。しかし、そのままの状態で放置しておいても、問題は何も解決しません。クレーマー入居者への対応のために、管理会社に管理を委託するのもよい方法です。管理会社へ委託する費用はかかるものの、豊富なノウハウによる対応を期待できます。

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この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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