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大家さん必見! 家賃の値上げ交渉を円滑に進めるためのテクニック

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大家さん必見! 家賃の値上げ交渉を円滑に進めるためのテクニック

昨今の物価高騰や修繕コストの増大を受け、従来の家賃設定では経営の維持が難しいと感じるオーナーが増えています。しかし、家賃の引き上げは入居者の生活に直結するため、一方的に通知するだけだとトラブルにつながりかねません。

家賃の値上げを実現するには、法的な考え方を理解したうえで、入居者が納得できる明確な根拠の提示が必要です。家賃を値上げする理由や交渉の進め方、注意点を押さえておきましょう。

家賃の値上げは賃貸経営の必須課題

近年は物価上昇や金利上昇の影響により、賃貸経営にかかる維持費や修繕費の負担が増えています。そのため、値上げを検討するオーナーも少なくありません。借地借家法第32条では、経済事情や周辺の賃料相場と比較して現在の賃料が不相当になった場合、貸主と借主の双方が賃料の増減を請求できると定められています。

つまり、家賃の見直しを行うこと自体は、法的に認められた権利なのです。理由はさまざまですが、実際に家賃を改定したケースもあります。まずは、オーナーが家賃改定を検討する主な理由について解説します。

参考:e-Gov 法令検索「借地借家法

物件の維持にかかる費用が増加している

賃貸物件を維持するには、以下のような費用が継続的に発生します。

  • 共用部の清掃費
  • 設備点検費
  • 修繕費
  • 火災保険料

近年は、建築資材や設備機器の価格上昇により、修繕費用も高騰しています。エアコンや給湯器などの交換費用は以前から高額になっており、外壁塗装や防水工事の費用も上昇傾向です。実際に、建設工事にかかる費用の推移を国土交通省のデータで確認してみましょう。

建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移

 

140
 
120
 
100
 
80
 
60
 
40
 
20
 
0
 

 
 
 
 
 

 
107.5
 
107.3
 
115.2
 
122.3
 
123.5
 
128.0

2019年度
2020年度
2021年度
2022年度
2023年度
(暫定)
2024年度
(暫定)

指数(2015年度=100)
年度

参考:国土交通省「建設工事費デフレーター」

国土交通省のデータによると、建設工事費の指数は2020年度以降に大きく上昇しており、特に直近の数年間で高騰していることがわかります。

さらに、管理会社へ支払う委託費や清掃スタッフの人件費も増加傾向にあるため、オーナーの負担は年々大きくなっている状況です。物件の維持コストの増加に対応するためにも、家賃の見直しが必要なのです。

物価上昇で毎月の収益性が下がっている

家賃収入が変わらないまま物価だけが上昇すると、実質的な収益は減少します。

たとえば、毎月10万円の家賃収入があっても、固定資産税や光熱費、管理費などの支出が増えれば、手元に残る利益は少なくなります。特に共用部の電気代や水道代は、エネルギー価格の上昇によって負担が大きくなりやすい費用です。

また、消耗品や清掃用品などの価格も上昇しており、小さな支出の積み重ねが経営を圧迫する要因になります。賃貸経営を長期的に安定させるためには、物価上昇に応じて適切に家賃を見直し、収益性を維持する視点が重要です。

金利上昇でローンの返済負担が重くなっている

アパートローンや不動産投資ローンを利用している場合、金利上昇は経営に直接影響します。

特に変動金利型のローンでは、金利が上昇すると毎月の返済額が増えるおそれがあります。借入額が大きいほど影響は大きく、返済負担の増加によってキャッシュフローが悪化します。

安定した賃貸経営を続けるためには、ローン返済負担の変化も考慮しながら、適切な家賃設定を検討しなくてはなりません。入居者に家賃の値上げを説明する際は、税負担や修繕費・管理費の増加、周辺の賃料相場など、客観的に説明できる資料をあわせて示すことが大切です。

周辺の家賃相場が上昇している

周辺エリアの家賃相場が上昇している場合、現在の家賃が相場より低くなっているかもしれません。

たとえば、近隣に新築マンションが増えたことにより、地域全体の賃料水準が上がった場合や、再開発によって利便性が向上した場合は、相場に合わせた家賃改定を検討しましょう。

実際に、同条件の物件と比較して家賃が低い状態が続くと、相場に見合った収益を逃してしまいます。そのため、定期的にエリアの相場を調査し、現在の賃料が適正かどうかを確認してください。

物件の価値を高める空室対策や設備投資を行う

入居率の維持や改善のため、物件の魅力を高める設備投資を行うことがあります。たとえば、以下のような設備投資が考えられます。

  • 無料インターネットの導入
  • 宅配ボックスの設置
  • 防犯カメラの増設
  • エアコンや水回り設備の更新

近年は入居者ニーズが多様化しており、競争力を維持するには設備投資が欠かせません。

しかし、これらの設備投資にはまとまった費用が必要です。物価が上昇するなかで家賃を据え置いたままだと、必要な改修や設備更新が難しくなります。物件の資産価値を高め、長期的な空室リスクを抑えるには、計画的な家賃の見直しが求められます。

家賃の値上げを交渉する方法

家賃の値上げ交渉は、対応を誤るとオーナーと入居者との間でトラブルが発生するおそれがあります。スムーズに合意を得るため、事前の準備から通知、交渉まで適切な手順で進めることが大切です。

家賃改定に関する条項を確認する

家賃の値上げを入居者へ申し入れる前に、賃貸借契約書の内容を確認します。契約書には、賃料改定の時期や通知方法、更新時の条件変更に関する取り決めが記載されているためです。

契約内容を把握しないまま値上げを通知すると、入居者から指摘を受けたり、交渉が長引いたりすることがあります。事前に契約書の内容を確認したうえで、家賃を見直す根拠を正確に提示してください。

周辺の家賃相場を調査する

家賃の値上げ交渉を始める前に、周辺物件の家賃相場を調べましょう。近隣エリアにある似た条件の物件と比較することで、現在の家賃設定が適正かどうかを判断できます。賃貸情報サイトや不動産会社の査定などを活用し、周辺の家賃相場を把握しましょう。

相場より大幅に高い金額を提示すると、入居者から同意を得られず、交渉が難航するおそれがあります。一方で、周辺の家賃相場を根拠として説明できれば、値上げの正当性が伝えられるはずです。

家賃を値上げする金額と時期を決める

家賃の値上げを行う場合、まず金額と実施時期を慎重に検討しましょう。値上げ額は、周辺物件の家賃相場や物件設備、築年数などを参考に決めていきます。

その際、入居者の負担が大きすぎない範囲で、家賃を設定することが大切です。入居者と協議したうえで、少しずつ段階的に値上げをするほうが受け入れられやすくなります。

また、契約更新も、よくある家賃値上げのタイミングです。更新時であれば条件変更について話し合いやすく、入居者から理解を得やすいしょう。

家賃の値上げを書面で通知する

家賃の値上げは、口頭だけではなく書面での通知が必要です。通知書には、主に以下の内容を記載します。

  • 現在の家賃と改定後の家賃
  • 値上げの実施日
  • 家賃改定を行う理由
  • 対象となる物件名や部屋番号※住所を記載する場合もある
  • 回答期限
  • 問い合わせ先や連絡方法

また、通知のタイミングは家賃を値上げする2〜3カ月前を目安に、余裕を持って行うことが一般的です。突然の通知はトラブルに発展するおそれがあるため、早めに説明することが大切です。

入居者と家賃の値上げ交渉を行う

家賃の値上げは、通知を送れば自動的に成立するわけではありません。入居者から同意を得るため、交渉が必要になります。交渉の際は、一方的に値上げを求めるのではなく、修繕費や管理費の上昇、周辺相場の変化など、値上げが必要となった理由を具体的に説明しましょう。

また、入居者の事情や意見にも耳を傾ける姿勢が大切です。高圧的に対応をすると、関係悪化や退去につながるおそれがあります。円滑に話し合いを進めるためにも、冷静かつ誠実な対応を心がけましょう。

入居者との交渉後、合意書を作成する

入居者と家賃の値上げについて合意できた場合は、後のトラブルを防ぐために合意書を作成します。合意書には、主に以下の内容を記載します。

  • 改定後の家賃額
  • 適用開始日
  • 対象物件の情報(土地と建物それぞれの所在地、物件名など)
  • オーナー・入居者双方の氏名

また、口頭のみの約束では認識違いが生じることがあるため、必ず書面で残しておきましょう。内容に不明瞭な表現があるとトラブルにつながるため、金額や開始時期は具体的に記載してください。合意書は双方が署名・押印したうえで、それぞれで保管しておきます。

家賃の値上げで起こるトラブル

家賃の値上げは賃貸経営の維持に必要な対応ですが、進め方によっては入居者とのトラブルにつながるおそれがあります。特に、説明不足や急な通知、大幅な値上げなどは、入居者から不満や反発を招いてしまうでしょう。

家賃の値上げ交渉で起こりやすいトラブル事例について詳しく解説します

入居者に値上げを拒否される

家賃の値上げ交渉では、入居者から拒否されることもあります。オーナーが家賃の値上げを提案したものの、入居者が納得できずトラブルになることも少なくありません。

入居者が値上げの内容に納得できない場合、借主は現行額の家賃のまま支払いを継続することが法律で認められています(借地借家法 第32条3項)。また、管理会社や専門機関へ相談することもあります。交渉が長期化した結果、民事調停や訴訟へ発展する場合もあります。

更新直前・直後の突然通知で不信感を招く

家賃の値上げを契約更新の直前に通知すると、入居者とのトラブルにつながるリスクがあります。「更新間際に初めて値上げを知らされた」「引っ越しを検討する時間がなかった」など不意打ちに感じて不満を持たれてしまうのです。

値上げの説明が不十分な場合は、「一方的に条件を変更された」と受け取られやすくなります。オーナーや管理会社への不信感につながるため、早めの通知と丁寧な説明が重要です。

家賃の支払いを拒否される

家賃の値上げ交渉がこじれると、入居者が値上げ後の金額の支払いを拒否するケースがあります。特に、値上げ理由に納得できない場合や、一方的に通知されたと感じた場合は、従来の家賃額のまま支払い続けられることもあります。

このような状況になると、オーナー側は増額分の家賃を得るため、話し合いや交渉に時間と労力を要することになるのです。また、感情的な対立に発展すると、長期間にわたって話し合いが進まないケースも考えられます。

家賃の値上げは入居者の理解を得ながら進めることが重要です。説明不足のまま進めると、支払いトラブルにつながる場合があります。

値上げをきっかけに退去される

家賃負担の増加によって、退去を選択する入居者もいます。退去されてしまうと、新しい入居者が見つかるまで収入が減るため、物価高以上の損失になるでしょう。また、値上げ額が高すぎると、入居者の生活に影響が出て、滞納をされるおそれもあります。

このような状況は、入居者を新しく募集する、滞納した家賃の請求など、オーナーに大きな負担が発生するため、できるだけ避けたいところです。

家賃の値上げ交渉を円滑に進めるテクニック

家賃の値上げ交渉は、進め方によって入居者の受け止め方が大きく変わります。トラブルを防ぎながら合意を得るためには、事前準備や説明方法を工夫し、丁寧に交渉を進めることが大切です。

値上げの正当性を証明する

家賃の値上げ交渉を円滑に進めるためには、値上げに正当な理由があることを客観的に説明することが重要です。単に「収益を増やしたい」という理由だけでは、入居者の理解を得ることは難しいでしょう。

たとえば、周辺物件の家賃相場が上昇している資料や、修繕費・管理費の増加がわかる資料を提示すると、値上げの必要性を説明しやすくなります。また、設備更新や共用部の改善など、入居環境の維持・向上に取り組んでいることを伝えることも効果的です。感情的になるのではなく、客観的な根拠を示しながら交渉を進めましょう。

段階的に少しずつ値上げをする

家賃を大幅に値上げすると、入居者の負担が大きくなり、退去につながる可能性があります。特に、近隣の相場と差が大きい場合、反発を招きやすいため注意が必要です。

契約更新のタイミングで、数千円程度ずつ段階的に値上げを行う方法があります。たとえば、更新ごとに5,000円ずつ上げていくなど、急激な負担増と感じにくい範囲で調整することで、受け入れやすくなるでしょう。

長期入居者との関係を維持しながら家賃を適正化するためにも、無理のないペースで見直しを進めることが大切です。

設備更新など別の条件を提示して交渉をする

家賃の値上げ交渉では、値上げだけを一方的に求めるのではなく、別の条件を提示しながら進める方法も有効です。設備更新で住環境の改善が期待できれば、入居者側にメリットを感じてもらえるため、交渉が円滑に進む可能性があります。

たとえば、家賃を値上げする代わりに管理費を見直したり、古くなったエアコンや水回り設備の交換を行う方法もあります。無料インターネットの導入、宅配ボックスの設置、防犯カメラの増設なども、入居者満足度の向上につながるでしょう。

単なる負担増ではなく、住環境の改善も合わせて提案することで、入居者の理解を得やすくなります。

普段から入居者とのコミュニケーションを大切にする

家賃の値上げ交渉を円滑に進めるには、日頃から入居者と良好な関係を築いておくことも重要です。普段の対応が丁寧で、設備不具合や相談に迅速に対応している場合は、入居者からの信頼を得やすくなります。

一方で、連絡が取りづらかったり、トラブル対応が不十分だったりすると、値上げ交渉の際に不満が一気に表面化するおそれがあります。家賃の値上げは金額だけの問題ではなく、オーナーや管理会社への印象も影響します。

日常的なコミュニケーションを大切にし、安心して住み続けられる環境を整えることが、スムーズな交渉につながるでしょう。

管理会社などに値上げの対応を依頼をする

家賃の値上げ交渉を進める際は、管理会社に家賃相場の調査や通知書の作成、入居者への連絡調整を依頼する方法があります。 委託費用などのコストはかかりますが、オーナーが直接説明するよりも、事前準備や連絡を進めやすくなるケースがあります。

またオーナー以外の第三者が対応することで、入居者と直接対立するのを避けられます。その結果、オーナー自身の精神的な負担を軽減できます。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

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