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ウッドショックの見通しと今後の不動産市場について

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ウッドショックの見通しと今後の不動産市場について

近年、住宅価格の上昇や建築コストの高止まりを受けて、住宅の購入や新築のタイミングを迷っている方も多いのではないでしょうか。木材価格の高騰や供給不安をもたらした背景の一つとして注目されたのが、「ウッドショック」です。本記事では、ウッドショックの見通しをわかりやすく説明したうえで、不動産市場にどのような影響があるのかをわかりやすく解説します。

ウッドショックとは

そもそもウッドショックとは、どのようなものなのかをみていきましょう。

ウッドショックとは

ウッドショックとは、日本国内において住宅を新築する際の木材価格の高騰などを理由に、住宅価格が高くなっている現象のことです。

日本の住宅メーカーでは、住宅を新築する際に利用する木材の7割を輸入材に頼っています。新型コロナウイルスの流行を原因に、さまざまな要因から輸入材の価格が高騰し、住宅を新築する際の価格にも影響が及んでいます。

ウッドショックが起きた背景

ウッドショックの背景には、海外での住宅需要の拡大による木材需要の増加、物流の混乱やコンテナ不足による輸入の停滞、製材・輸送分野の人手不足など、複数の要因があります。

  • アメリカや中国での住宅需要増
  • コンテナ不足
  • 労働者不足による木材の減少

それぞれ詳しく見ていきましょう。

アメリカや中国での住宅需要増

アメリカや中国ではリモートワークの推進により、郊外で新築住宅を購入する動きが加速しています。

これらの国では、莫大な財政出動や住宅ローン政策が取られていることも、新築住宅の購入に拍車をかける要因のひとつです。このため、木材の需給バランスが崩れ、日本の輸入材の価格が高くなっています。

コンテナ不足

2021年3月に起こったスエズ運河でのコンテナ船座礁事故やコロナ禍を原因としたネットショッピング需要増などが要因となり、世界的にコンテナが不足する事態となっています。

コンテナの利用料が高騰し、日本へ木材を輸送する際の費用が高くなっているというわけです。

労働者不足による木材の減少

海外において、コロナ禍で労働者が減ってしまい、木材の伐採がうまく進んでいないといったことも理由として挙げられます。そのほか、カナダで発生した害虫被害や、オーストラリアの大規模な森林火災なども木材の減少に拍車をかけています。

ウッドショックの現状と今後の見通し

ウッドショックの現状と今後の見通しについて解説します。

ウッドショックが住宅におよぼす影響

ウッドショックにより木材の価格が高騰しているため、木材を取り扱うすべての企業と購入者に影響を与えています。その中でも、大きな影響を受けているのが住宅価格です。 木材価格の高騰に加え、木材の供給数が減少しているため、木材の納期が伸びることで工期が伸びていることも、住宅価格に影響を与えています。工期が伸びることで、建築企業の人件費や重機のレンタル料金など、木材以外の価格にも影響が出ているのです。 そのためウッドショックは、住宅価格に大きな影響を与えています。

木材価格は下落し始めている

農林水産省が2026年3月5日に公表した「木材流通統計調査」によると、木材価格は令和6年(2024)よりも令和7年(2025)のほうが価格が下落しています。

全国の木材製品価格の推移

また、林野庁の「木材輸入の状況について」(2026年1月時点)を確認すると、製材・構造用集成材の輸入平均単価が若干上がっていることが確認できます。一時のピークは脱したといえますが、2025年1月と比較すると2026年1月は約21%ほど価格が高くなってきています。

木材輸入の状況について

ただし、今後円安が長く続いたり、原油高による輸送コストの増加にしたりする場合は、輸入平均単価が2020年の水準まで戻る可能性もあるでしょう。

輸入量も減少している

木材の輸入量は一律に減少しているわけではなく、品目や時期によって動きが異なっています。2025年は通年で、丸太・製材・合板・集成材の輸入量が前年を下回った一方、2026年1月時点では丸太や合板、集成材などで前年同月を上回る動きが見られました。

そのため、木材価格の見通しを考える際は、「輸入量が減っているかどうか」だけでなく、品目ごとの需給バランスを見極めることが重要です。

今後の不動産市場はどうなる?

ウッドショックによる木材価格の高騰はひと段落しましたが、その影響も含めて今後の不動産市場がどうなるのか考えてみましょう。

人手不足による住宅価格の上昇

建設業界では、人手不足が深刻な問題となっています。それに加えウッドショックによる工期遅れや、働き方改革により一人当たりの作業時間短縮の影響もあり、工期が長期化している傾向です。 そのため以前より工事日数が増加し、ひとつの建物に対する人件費の割合が上がってしまいました。

人件費は今後下がる可能性が低いため、新築住宅価格の上昇はこれからも続く可能性が高いです。 新築価格が高くなると、新築を諦めて中古住宅を購入しようとする人が増えます。そのため、新築価格が上がると中古住宅の価格も上がりやすい傾向があります。

今後も物価が上昇する可能性が高い

物価上昇により食料価格の高騰がニュースに取り上げられていますが、建築資材も例外ではありません。物価の上昇は住宅価格に直結するため、ウッドショックが落ち着いても、住宅価格は上昇する可能性があります。

建築資材については、みずほリサーチ&テクノロジーズも2023年7月に以下のように言及しています。

今後も市街地再開発を中心に一定の建設需要が見込まれることや、物価や労務費の高騰から建設投資額が高止まりする可能性があるといえるだろう。

みずほリサーチ&テクノロジーズ「建設分野における価格動向について」

2026年も上記の状況は続いており、建設資材物価と労務費の高騰などにより建設コストは押し上げられる可能性があります。

ローン金利の上昇

ローン金利は不動産市場に大きく影響します。特に固定金利型の場合は長期金利の影響を受けやすく、【フラット35】の2026年3月時点で金融機関で多く提供されている金利は年2.25%(6年め以降)です。2023年ごろは平均1.9%程度でしたので、比較すると上昇傾向にあることがわかります。

変動金利に関しては、日銀が2025年12月に政策金利を0.75%へ引き上げたことにより、今後の上昇リスクを考えておきましょう。ローンの金利が上がると毎月の返済額や総返済額が増え、住宅購入を控える人が増えるため、不動産需要が弱まる要因になることがあります。

ビックイベントの影響

2025年に大阪・関西万博が開催されましたが、会場周辺の整備や大阪エリアの注目度の上昇を通じて、不動産市場にも一定の影響を与えたと考えられます。大阪では、万博に加えて再開発やインフラ整備への期待もあり、エリアによっては不動産需要を下支えする要因となっていました。

ただし、不動産価格は大型のイベントだけで決まるものではなく、建築費の上昇や人手不足、金利動向、地域ごとの需給バランスなど、さまざまな要因の影響を受けます。そのため、今後の不動産市場を考える際は、イベント効果だけでなく、基本的な要素もあわせて確認することが重要です。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

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