【徹底解説】ウクライナ侵攻が不動産市場に与える影響や不動産の売買タイミング

2022年2月24日、突然始まったロシアによるウクライナ侵攻は、当初の予想に反して非常に長期化しています(2026年3月現在)。
グローバル化が進んでいる現在は、特定地域の紛争が世界各国の経済に影響を与えます。
本記事では、ウクライナ侵攻が不動産市場に及ぼす影響を徹底的に分析します。経済全体への影響から理解を深めましょう。
もくじ
ウクライナ侵攻の影響とは
まずは、ロシアによるウクライナ侵攻の概要や経済への影響を、専門家の知見も紹介しながら分析します。
ロシアはなぜウクライナに侵攻したのか
ロシアがウクライナに侵攻した理由が、プーチン大統領のウクライナに対する執着と指摘する意見があります。
参考:NHK「【詳しく】ロシアはなぜウクライナに侵攻したのか?背景は?」
ウクライナはもともと、ソビエト連邦を構成した15の共和国のひとつです。その中でもロシア・ベラルーシ・ウクライナの3国は、9世紀末~13世紀に存在したキエフ大公国がルーツであり、同じ「東スラブ民族」の国家といえます。
しかもウクライナの首都キエフ(ロシア侵攻後は「キーウ」と呼称)は、キエフ大公国の首都です。

ウクライナの首都キーウ
この同じ民族でありルーツともいえるウクライナには、2014年に欧米寄りの政権が誕生しました。このことは、これまでロシア寄りだったウクライナが、反ロシア陣営になる流れを生み出したことを意味します。ロシアは安全保障上の面から、ウクライナの現政権転覆を狙ったといえます。
ウクライナ情勢の今後
侵攻開始から4年目に入り、戦争は長期化しています。そのため、地政学リスクによるエネルギー・資源・物流・投資心理に影響を及ぼし続けている点が懸念されています。
また、核兵器の使用など突発的な変化により、情勢が大きく変わる可能性もあるでしょう。ロシアと中国の首脳会談などを通じて、両国の連携姿勢も改めて示されており、超大国の思惑も絡みながら混沌とした状況がしばらく続くと予想されます。
ウクライナ侵攻が経済へ与えた影響
ウクライナ侵攻が経済へ与えた影響は、主に以下の2つです。
- 資源価格の上昇
- 物価上昇
ロシアとウクライナ両国のGDP(国内総生産)は世界全体の約2%で、さほど大きな影響を及ぼすものではありません。しかし小麦は世界全体の30%、トウモロコシや無機質肥料、天然ガスは世界全体の20%を占めます。また石油は11%を占め、一次産品の大きな供給国であることに注目する必要があります。
さらに現代では欠かせない資源である、ヘリウムなどの不活性ガスや各種金属の産出もしています。そのため、これら一次産品の価格が急上昇しています。
資源価格の上昇は物価上昇の主因です。侵攻による供給不安やコスト上昇は和らいだ面もありますが、エネルギーや物流を含むコスト高の影響はなお残っています。
参考:
・独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ロシアのウクライナ侵攻が世界経済に与える影響 ―OECD報告」
・三井住友DSアセットマネジメント「ロシアのウクライナ侵攻から半年~世界経済はどう変わったか」
ウクライナ侵攻の不動産市場への影響は?
ウクライナ侵攻そのものが単独で日本の不動産市場を左右しているわけではありませんが、資源価格や物価、金利、投資心理を通じた間接的な影響は無視できません。
- 円安の影響
- 物価上昇の影響
- 金利の影響
ここでは上記3つの視点から、不動産市場を取り巻く環境を分析します。
円安の影響
円安は、海外投資家の日本不動産への関心を高める要因の一つです。特に立地条件や市場競争力の高いエリアでは、国外資金を含む投資意欲が引き続き堅調とみられています。
一方で、不動産価格は円安だけで決まるものではなく、建築費の上昇や人手不足、金利動向などの影響も受けます。そのため、現在の日本の不動産市場は、円安が追い風になっている面はあるものの、投資環境を総合的に見極めることが重要です。
物価上昇の影響
現在は、ウクライナ侵攻だけでなく、エネルギー価格、物流、人件費、建設コスト全体の上昇が重なっており、建築費や資材高、人手不足は不動産価格に今なお影響しています。
今後インフレが落ち着けば、建築費や資材価格の上昇圧力が和らぎ、不動産価格への上押し圧力も弱まる可能性があります。
金利の影響
日本は日銀が2025年12月に政策金利を0.75%程度へ引き上げており、2026年初時点でもその水準を維持しています。依然として緩和的な金融環境ではあるものの、従来の超低金利とは異なる局面に入っているといえるでしょう。
では金利が上昇した場合、不動産にどのような影響を与えるのでしょうか。最悪のシナリオは、金利上昇により不動産価格が下落するリスクです。
ある程度長期にわたってゆるやかに金利上昇が続いた場合は、賃料への反映が考えられます。
急激な利上げが続くとは限りませんが、今後の経済・物価情勢次第では、追加利上げの可能性も意識する必要があるでしょう。
結論:ウクライナ侵攻は間接的に不動産市場へ影響を与えている
侵攻の影響だけで不動産相場が上下することはほぼないといえますが、資源・物価・金利・投資心理を通じて間接的な影響は続く可能性があります。
不動産の購入や売却について考える
ウクライナ情勢の先行きは不透明ですが、不動産市場への影響はあまり大きなものではありません。むしろ経済成長が30年停滞している日本の状況から、売買のタイミングを考える必要がありそうです。
ここではウクライナ情勢に視点を向けつつ、不動産市場の短期的な見通しについてポイントを紹介します。
不動産投資市場
ウクライナ侵攻による不動産投資などへの影響は限定的です。しかし、一般的にインフレの状況は、不動産投資に有利といわれます。理由は簡単で、現金や預金は資産目減りが起きますが、不動産は逆に価格上昇となるため資産価値が上がるからです。
そのため、物件やエリアによっては、不動産が買いどきと判断できるでしょう。
買いどきという市場環境であれば需要は増えるため、売りやすい市場環境ともいえます。数年以内に売却を考えている不動産であれば、現在のインフレが続く状況は条件としてよいでしょう。
インフレは賃料に影響を与えて利回りを高める効果があります。収益物件の場合、期待利回りが上昇するため、取引がまとまりやすいでしょう。
賃貸住宅市場
賃貸住宅市場では、新型コロナウイルス感染症のフェーズが変化し、外国人の入国が緩和されています。
外国人向けの賃貸需要が復活している中で、住宅需要は、増加する可能性があるかもしれません。
入居率の低下したアパートを買い取り、リフォームやリノベーションで再生するなど、需要が回復するタイミングを考えた収益物件の増加戦略も考えられるでしょう。
ウクライナ侵攻下の不動産売却
ウクライナ情勢はいまだ不透明な状態です。
しかし、低金利政策は継続されると考えられ、購入者に対する融資が難しくはありません。そのため、不動産の売却タイミングとして問題はありません。
むしろ2023年4月に任期を迎える日本銀行の総裁人事により、金融緩和政策に変化が生じるのか継続されるのかに注目する必要があるでしょう。不動産の売却は、市場の動きに詳しい専門家に依頼すると、よりよいタイミングで行えます。
まずは複数の不動産会社に相談して、さまざまな意見をもらいましょう。そのときは、不動産一括査定サイトの「リビンマッチ」を活用してください。
リビンマッチでは、簡単な物件情報などを入力するだけで、複数の不動産会社から提案を受けられます。いまが売りどきなのか、もしくはもう少し待ったほうがよいのか、などを相談して検討するとよいでしょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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