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擁壁がある土地は売れない?危険な擁壁の見分け方や売却方法

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擁壁がある土地は売れない?危険な擁壁の見分け方や売却方法

平野の少ない日本では住宅地全体に高低差のあるケースが非常に多く、擁壁がある土地は珍しくありません。

しかし近年は自然災害が頻発しており、擁壁がある土地の危険性を指摘されることも多くなっています。そのため擁壁があることで土地が売れないおそれがあります

本記事では、擁壁がある土地の特徴や売却方法を徹底的に解説します。

擁壁がある土地の特徴

ここでは擁壁がある土地の特徴について整理します。

擁壁の目的と種類

擁壁とは、高低差のある土地の傾斜角が大きく、斜面が崩れるおそれがある場合、斜面の崩壊を防ぐために設置する構築物の一種です。

擁壁に使われる素材は、主に以下の2種類あります。

  • コンクリート
  • 自然石

自然石を積み上げる擁壁は安全性の確認ができないため、建築確認が必要な工作物としての擁壁に用いることはできません。

コンクリートを素材とする擁壁は、素材の形成方法に次の種類があります。

ブロック(間知ブロック・型枠用ブロック)
ブロック状のコンクリートを積み上げる
プレキャスト
工場で製品を完成させて現場に持っていく
現場打ち
木製や鉄製の枠組みを組んで現場で作る

さらに細かく構造による違いがあり、一般に造成された住宅地で擁壁を設置する場合、よく見られるのは以下の2種類です。

重力式のコンクリートブロック擁壁
ブロックを組み合わせて作られた擁壁の重さで土を支える
片持ちばり式のプレキャストコンクリート擁壁
L字型の擁壁で底の部分にかかる土の重さを利用する

重力式のコンクリートブロック擁壁

重力式のコンクリートブロック擁壁


片持ちばり式のプレキャストコンクリート擁壁

片持ちばり式のプレキャストコンクリート擁壁

重力式の擁壁は、中に鉄筋などは入っておらず、擁壁自体の重さのみで土を支えます。最近問題視されるようになった擁壁は、自然石による重力式擁壁やコンクリートブロックによる重力式擁壁で、安全性が低いといわれています。

擁壁の法的規制

擁壁は法律で高さなどが規定されています。ここでは住宅地などの擁壁に関係する法律を3つ紹介します。

建築基準法

高さが2メートルを超える擁壁は、建築基準法が適用されるため、擁壁を設置するには確認申請が必要です。

都市計画法

一定面積を超える宅地造成などは、都市計画法の許可を受ける必要があります。宅地造成のために擁壁を設置する場合は、許可基準に則った擁壁としなければなりません。

宅地造成等規制法

傾斜地や高低差のある地域は、宅地造成工事規制区域に指定される場合があります。

宅地造成工事規制区域とは、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域であって、宅地造成に関する工事について規制を行う必要があるものを、都道府県知事や政令指定市・中核市・特例市の長が指定した区域のことです。

国土交通省「宅地防災とは ~宅地造成等規制法について~」

宅地造成工事規制区域では、以下の場合に許可が必要です。

  • 盛土もりど※1により高さが1メートルを超えるがけができる
  • 切土きりど※2により高さが2メートルを超えるがけができる

さらに擁壁の設置は、許可基準に則る必要があります。

擁壁と建物

住宅地内の擁壁は、住宅の敷地を平たんにする目的で設置されるのがほとんどです。

基本的には、擁壁が負担するのは敷地内の土圧だけで、住宅そのものの荷重は擁壁に伝えないようにする必要があります。

そのため住宅の基礎と擁壁の距離が近くなる場合、基礎は擁壁の下端から安息角以内になるよう深くする必要があります。安息角は土の固さによって違いますが、土が崩れずに安定を保てる角度です。

基礎と安息角の関係

基礎と安息角の関係

擁壁には土からの圧力以外の荷重をけっしてかけないように注意が必要です。そのため以前からある擁壁の上に建物の一部を載せたり、擁壁の上にさらに擁壁を作り盛土したりするのは非常に危険です。

ただし基礎と擁壁を一体化する方法もあります。

擁壁が原因で土地が売れないかも!

擁壁のなかには危険な状態のものもあり、そのままでは土地の売却が難しいケースがあります。

危険な擁壁

以下のような擁壁は、地震や大雨で土砂災害が発生するおそれがあるため、危険な状態です。

  • 擁壁にひび割れや変形が生じている
  • 異なった素材を組み合わせて積み上げている2段積み擁壁
  • 自然石を積み上げた擁壁
  • 許可が必要な規模に関わらず許可を得ていない擁壁

売却予定の土地に上記のような擁壁がある場合は、現状のままでの売却は難しいおそれがあります。

外見上は問題がなくても危険なことが!

一見問題のないように見える擁壁でも、自然災害により擁壁が変形や崩壊するおそれがあります。

擁壁には土圧がかかりますが、大雨の場合は、さらに水圧が加わるため水平方向に大きな力がかかります。水圧の影響を軽減するために、擁壁には水抜き穴が設けられていますが、長い年月により水抜き穴が詰まり水が流れないようになっているおそれもあるため注意が必要です。

大雨で緩んだ地盤に大きな地震が発生すると、水平方向の力が働き擁壁を倒壊させることもあります。

特に2メートルを超える擁壁は許可が必要ですが、古いものでは許可を受けずに設置されたものがあります。また2メートル以下の擁壁は法律上の規制がないため、安全性の確認がされていないおそれがあります。

許可を受けたかどうかに関わらず、自然災害リスクの高い擁壁がある土地は、なかなか売れません

擁壁の管理責任は土地の所有者にある

擁壁の管理責任は、基本的に擁壁を設置して所有している人にあります。

擁壁がある土地を売却した場合は、買主に管理責任が移ります。

設置状態が原因で擁壁が崩壊や倒壊して隣地に被害を与えた場合は、擁壁がある土地の所有者が責任を負う必要があります。このようなリスクを避けて、買主が決まらないケースもあります。


擁壁がある土地を売る方法

擁壁がある土地を売却する場合は、安全性を確認して、危険な状態であれば対処しましょう。また、擁壁の状況を正確に買主に説明する必要もあります。

ここでは擁壁がある土地を売却するときの注意すべきポイントを紹介します。

安全性を確認する

まず、擁壁の安全性を確認する必要があります。建築士や土木関係の専門家に依頼して、調査と点検をします。

売却予定の土地が、宅地造成工事規制区域や土砂災害警戒区域に該当する場合は、特に注意が必要です。

擁壁に使用される素材は、長期間にわたる風雨などにより劣化が進みますが、素材そのものの耐用年数などよりも、擁壁の施工方法で安全性が大きく変わります。

つまり擁壁の安全性は、耐用年数では判断できません。設置されたばかりの擁壁でも危険な擁壁はあります。

また、専門家に依頼する前に、東京都が作成した「既存擁壁の安全確保について」を参考に自分で確認してみましょう。

危険な状態であれば擁壁の再施工が必要なことも

擁壁が危険な状態になっている場合は、施工のやり直しが基本です。

軽いひび割れがあるだけの場合、擁壁の表面だけを補修しても、ひび割れが生じた原因を取り除かない限り再びひび割れが生じ、大雨のときに崩壊するおそれがあります。

問題がある擁壁は、以下の2パターンに分けられます。

  • 擁壁そのものに欠陥がある
  • 擁壁の基礎に欠陥がある

基礎の欠陥は擁壁が沈下する原因であり、変形やひび割れなどほとんどの擁壁に生じる不具合の元です。

基礎の修正をする工事は、擁壁を一度すべて取り除かなければできないため、擁壁の全面的な再施工が必要です。

不動産会社に相談しながら、費用対効果を考えて再施工をするかの判断をしましょう

実績が豊富な不動産会社に依頼しよう

擁壁がある土地を売却して、万が一倒壊や崩壊などが発生すると、買主から契約解除や損害賠償を請求されるトラブルに発展するおそれがあります。

事前に十分な調査と買主への適切な説明を行い、納得のうえで土地を引き渡す必要があります。

そのため、擁壁に関する深く幅広い知見がある不動産会社に相談することが大切です。土地の売却実績が豊富な不動産会社であれば、丁寧に対応してくれるでしょう。

信頼できる不動産会社を探すには、一括査定サイトのリビンマッチを活用しましょう。リビンマッチは、簡単な土地の情報を入力するだけで複数の不動産会社に問い合わせができる無料のインターネットサービスです。時間や手間をかけずに効率よく情報を収集できます。

擁壁があるから売れないと諦める必要はありません。リビンマッチを活用して後悔しない土地売却をしましょう。

擁壁がある土地の売却に関するよくある質問

擁壁がある土地は売れない?
危険な状態の擁壁がある土地は、そのままでは売却が難しいケースがあります。擁壁にひび割れや変形が生じていたり、自然石を積み上げている擁壁は地震や大雨で土砂災害が発生するおそれがあるため危険な状態と考えられます。
擁壁がある土地を売るときのコツは?
まず、擁壁の安全性を確認する必要があります。危険な状態であれば、費用対効果を考えて再施工を検討する必要があるケースもあります。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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