風水的によくない家とは？戸建てを売却する際に役立つ風水術を紹介

風水とは土地や部屋の環境を整えて家の中によい気を流し、運気を上げたり快適に過ごしたりするための考え方です。古代中国で誕生し、日本にも伝わりました。風水を意識する方の多くは、家にも風水を取り入れています。実際に現在住んでいる家が風水的によくないと知り、引越しや売却を検討する方もいます。

本記事では風水的によくない家の特徴や解決方法について解説します。戸建てを売却する際に成功させるための風水術も紹介するので、ぜひ役立ててください。

風水的によくない家とは？

風水的によくない家とは

風水というと家具の配置やどの方角にどの色を置くかといった、室内の環境を整える方法をイメージするほうが多いのではないでしょうか。しかし風水には家が建っている土地の形や周囲の環境、間取りも影響します。ここからは風水的によくないとされる土地や間取りについて、みていきましょう。

土地

風水でよくないとされる、いわゆる凶相（きょうそう）の土地はさまざまあり、家に住む人に何らかの問題が発生する可能性があると考えられています。ここから代表的な土地に関する風水について確認していきましょう。

隔角殺

「隔角殺（かっかくさつ）」は周辺の家の角が、自分の家に向いている環境のことです。自分の家の玄関に向かって他の家の角が向いており、かつ視界に入っている場合は特によくないと考えられています。他の家の角が向いていることで圧迫感があり、精神的に落ち着かなかったり運気が低迷したりするとされています。

火殺

「火殺（かさつ）」は家の正面や窓から見える位置に、鉄塔や高圧線などの先がとがった建物が建っている環境のことです。自分の家と対象の建物との距離によって影響する度合いが変わり、近くにあるほど影響が大きいと考えられています。流血を伴う事件や火災に巻き込まれる可能性があるといわれています。

光殺

「光殺（こうさつ）」は家の正面に一晩中点灯している店舗の看板やネオンなどがあり、家が照らされている状態のことを指します。夜中でも家の中にまぶしい光が入り込んできて精神的なダメージを受けたり、気が短くなったりするとされる凶相です。家の中に光が入らないよう、シャッターやカーテンなどで光を遮る必要があります。

割脚殺

家のすぐそばに高速道路がある環境を「割脚殺（かっきゃくさつ）」と言います。悪い気を引き寄せて、散財してしまうよくない相とされています。風水の観点からよくないとされているだけではなく、排気ガスや騒音なども考慮するとなるべく避けたい土地です。邪気を跳ね返すためには、家の外に鏡をかける方法があります。

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虎強龍弱

「虎強龍弱（こきょうりゅうじゃく）」は自分の家の正面に立った際、左側の建物が高く、右側が低くなっていることを指します。白虎と青龍の関係が反対になることで影響が表れるとされており、争いごとを好むようになるといわれている凶相です。ただし大きな勝負事を抱えている人の中には、その考えを逆手にとってあえて虎強龍弱の家を選ぶ人もいます。

穿心殺

「穿心殺（せんしんさつ）」は、家の真正面に大きな街路樹や道路標識、街灯、電信柱などがある環境のことです。このような環境の家に住んでいると家族不和が生じたり、家の主人が病気や苦労を抱えたりするといわれています。いずれも自分では移動させられないケースが多いため、カーテンなどで見えないようにする必要があります。

孤峯独秀

崖や丘の上に1軒だけ家が建っている環境が「孤峯独秀（こほうどくしゅう）」です。他に家が建っていないと周囲に気を使う必要がない点で魅力を感じるかもしれませんが、気が流れて注意力散漫になったり高慢になったり孤独になったりしやすいとされる凶相です。気を守るためには家の周囲を壁や樹木で囲む必要があります。

剪刀殺

Y字路もしくは交差点の角の部分に建物がある環境を「剪刀殺（せんとうさつ）」と言います。金運や健康運に影響を及ぼすとされており、ケガなどにも注意が必要です。ただし住宅としては凶相といわれているものの、店舗や事務所がY字路もしくは交差点の角に建っている場合はよい相と考えられています。

沖天殺

「沖天殺（ちゅうてんさつ）」とは、工場の煙突が複数見える位置に家が建っている環境のことです。健康に悪影響を及ぼすとされており、うっかりケガを負う可能性もあります。煙突が見えないようにカーテンなどで遮らなければなりません。

探頭殺

「探頭殺（たんとうさつ）」は奥に高層ビルなどの高い建物があり、手前に低いビルが建っていることで奥にあるビルの頭の部分だけが少しだけ見えている状態を指しています。家が探頭殺の環境にあると、盗難被害に遭いやすくなる、子どもが不良に育つなどとされているため注意が必要です。悪い気を跳ね返すには、背の高い方のビルが見える位置に鏡を置くとされています。

天斬殺

「天斬殺（てんざんさつ）」は2つの高い建物のすき間にある延長線上に、自分の家が建っている環境のことです。高い建物の間に風が吹いているため、よい気が散ってしまうとされています。身体への影響が大きいとされており、神経・血管系の疾病や、訴訟や事業の失敗に注意しなければならない凶相です。ただしすき間の奥に、より大きな建物がある場合は問題ないとされています。

丁字路口

「丁字路口（ていじろこう）」は、丁字路や直線道路の突き当たりに家が建っている環境のことです。風水において道路は気の通り道と考えられているため、突き当たりに家があると気がぶつかる、悪い気をそのまま取り入れてしまう、攻撃されるといわれています。

特に玄関が道の真正面にあるとよくないとされており、金銭問題に巻き込まれる可能性や突発的な事故・ケガに遭遇しやすくなると考えられています。

鬥門殺

自分の家の玄関と他の家の玄関が向かい合っていることを「鬥門殺（とうもんさつ）」と言います。玄関が向かい合っていることでお互いの運気がぶつかり合い、人間関係で問題が発生しやすいとされている凶相です。お互いの玄関を遮るように生け垣や壁を設置する、玄関にのれんをかけるなどの対策があります。

反光殺

「反光殺（はんこうさつ）」は家の目の前に、外壁がガラス張りなどの建物が建っている環境のことです。この環境の家に住んでいると怒りやすくなり、揉め事などの無用なトラブルを招く、ケガをするなどの可能性が高まるとされています。

反弓直箭

「反弓直箭（はんきゅうきょくせん）」とは、丁字路口でありさらに道路がカーブしている環境のことです。カーブの外側に家があり、上から見ると家が弓矢で射られているような形状です。道路を流れる悪い気が家に入り込んでしまうと考えられており、圧迫感があり精神的にダメージを受けるとされています。

なお風水ではカーブの外側に建築された住宅はよくない相ですが、カーブの内側にある住宅や店舗は吉相と考えられています。

風殺

「風殺（ふうさつ）」は田んぼの中に1軒だけ建っている住宅のように、周囲に樹木や建物といった遮るものがない場所の家のことです。音などを気にする必要がないため生活する分には問題がなさそうですが、気が守られないため周りの人から助けてもらえない、財産が守れないなどの問題が発生する可能性があると考えられています。

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露風殺

「露風殺（ろふうさつ）」は、周囲の建物と比較すると自分の家が飛び抜けて高い状態を指します。家を守る砂が強く吹く風によって飛ばされてしまうため、人間関係で孤立しやすい、事業に失敗してしまうなどと考えられています。

なおマンションなどの集合住宅の場合、両隣に他の住人の部屋がある際は問題ありません。1フロア1部屋のタイプや、角部屋の場合は注意が必要です。

鎌刀殺

「鎌刀殺（れんとうさつ）」は、道路や川がカーブしている外側に建てられた住宅のことです。道路が高速道路だった場合は、特によくないといわれています。カーブしている部分が鎌の刃となって、家を斬ると考えられているためです。圧迫感があり精神的に悪影響を及ぼすとされています。

間取り

風水でよく聞く鬼門や正中線などは、間取りと方角を組み合わせた「家相（かそう）」と呼ばれる考え方です。家相は風水の考えをもとに発達した、日本独自のものです。風水が気になる場合は、家相も意識してみましょう。

鬼門

「鬼門（きもん）」とは、家の中心部から見て北東の方角を指します。北東の反対である南西の方角を「裏鬼門（うらきもん）」と言い、この間を鬼が通ると考えられてきました。中国の風水では重視されていませんが、日本の家相では重視されている考え方です。

家相では鬼門や裏鬼門にはキッチンやトイレなどの水回り、玄関を配置してはいけないとされており、家相では「キッチン・トイレ・玄関」の3つを「三備」と呼んでいます。なお浴室も水回りなので鬼門・裏鬼門には配置しないよう注意が必要です。この方角に陰の気やケガレを洗い流す水回りがあると、運気が下がるとされています。

鬼門・裏鬼門以外の方角でも玄関は明るく清潔にしておく、水回りのよくない気が家の中に充満してしまわないよう換気は十分するなど意識することも大切です。

正中線

「正中線（せいちゅうせん）」は、家の中心から見て南北もしくは東西を通る線のことを指します。正中線に流れている気はとても強いといわれており、不浄なものを配置しないようにしましょう。不浄なものとはたとえば、シンクや排水口、コンロ、ゴミ箱、便器、出入り可能な開口部（玄関など）などです。

また正中線上には水回りや火が発生するもの、玄関・ドアを配置するのは好ましくないとされています。火が発生するものはコンロの他に石油ストーブ、ガスストーブ、給湯器なども含まれるため、気になる場合は室内にストーブを置くときも注意しましょう。

なお出入り可能な開口部がかさならなければ、居間や寝室、床の間などを配置しても問題はありません。

四隅線

「四隅線（しぐうせん）」は、家の中心部から見て北東と南西もしくは北西と南東を結ぶ線のことです。鬼門にあたる北東と南西を通る線は、鬼門線とも呼ばれています。四隅線上に配置してはいけないとされる間取りは、基本的に前述した正中線と同様です。四隅線も正中線と同様に強い気が溜められるとされています。

水回りや火が発生するもの、玄関・ドアを配するのは避けたほうがよいとされており、特に鬼門線は強く意識しておきましょう。

張り・欠け

「張り・欠け」は方角によって影響が変わります。張りは外壁から出っ張っている部分、欠けは外壁の線上からへこんでいる部分のことです。

張りは基本的に吉相とされているものの、鬼門や裏鬼門に張りがある場合は凶相とされています。鬼門の北東に張りがある場合は健康運の低下や相続での揉め事、男児に災いが生じやすいとされており、裏鬼門の南西に張りがある場合は、旦那の力が弱くなるなどの可能性があります。

欠けはいずれの方位も凶相とされています。特に北は健康運低下・後継者難で大凶、南東は人間関係不信・商売の業績不振で大凶、北西は金運・家の衰退で大凶といわれています。なおコの字型の家も、家相ではよくないとされている形です。

解決方法

風水や家相がよくない場合の解決方法

風水や家相ではよくないとされる土地や間取りでも、解決する方法がいくつかあります。ここからは解決方法について見ていきましょう。

運気がアップする風水を取り入れる

土地や家相に何らかの問題がある場合、風水を取り入れて運気をアップさせましょう。

たとえば凶相とされる虎強龍弱の場合、玄関に入って右側に龍の置物を置くとよいとされています。それ以外にも火殺や隔角殺のように、風水的によくないとされるものが目に入る状態の場合はカーテンやブラインドなどで見えないようにする方法もあります。

また鬼門に玄関や水回りがある場合は、魔除けになるとされる赤い色のアイテムを置くようにしましょう。玄関なら赤い玄関マット、キッチンなら赤い消火器、浴室なら赤いバスマットなどがおすすめです。鬼門にトイレがある場合は、不浄を吸い込む炭を置く方法があります。

なお玄関は吉も凶も入る場所とされており、間取りに凶相があった場合でも、玄関を意識しておけば運気の下降を防げるとされています。玄関には大きな鏡を置かない、どうしても必要な場合は外の風景が写り込まないようにするなどの工夫をしましょう。玄関マットを敷く、傘立ては玄関の外に置く、靴箱を活用して玄関をスッキリさせる、観葉植物を置くなどもよいとされています。

正中線もしくは四隅線上にトイレや浴室などの水回りがある場合は、パーテーションや観葉植物を置くのも効果的です。

張りや欠けがある場合は、その場所に観葉植物を置くと気を浄化するとされています。ただし室内を観葉植物で埋め尽くすなど、数が多ければよいというわけではありません。観葉植物の数は世話が行き届く程度にとどめておきましょう。

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間取りに問題がある場合はリフォームも

戸建ての家で間取りが悪く、風水で対策するだけではどうしても納得できないという場合は、思い切ってリフォームを検討するのも一つの方法です。

ただし家相は住宅の四隅からの線を重ねて中心を決め、そこから方角を計算します。そのため四隅が変わるほどの増改築や、部屋の位置を大きく変えるなどのリフォームをすると家の中心も変わります。中心が変わると全体の方位も変わる可能性があるため、リフォームをしたことでかえって家相が悪くなったという事態に陥る可能性もゼロではありません。
また風水を意識するあまり、生活動線や機能性を考慮せず結果的に暮らしにくくなってしまうケースも考えられます。風水を意識したリフォームを検討する場合は、必要に応じて専門家に相談するのがおすすめです。

リフォームを実施する日程を考える際は着工日の吉日と凶日があるため、施工時期も含めて相談してみましょう。

土地がよくないなら引越しも検討してみる

風水の観点から土地がよくないと考えられる場合、金銭的にゆとりがあるもしくはマンションやアパートに住んでいるという方は、引越しを検討するのも一つの方法です。これまで紹介した風水や家相がよくない場合の対策を実施することが難しくても、土地そのものを変えてしまえばよくない場所から離れられます。

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住み替え先で風水的によい土地を選ぶためのポイント

風水的によい土地を選ぶポイント

引越し先を考える場合、駅までの距離や近隣にお店があるかなどの暮らしやすさ、勤務地・通学先などを考慮して検討するほうが多いのではないでしょうか。風水を意識して引越しをするのであれば、風水的によい土地を選ぶことも大切です。

引越し先を選ぶ際、まず注目したいのが気になる土地の方角やその土地の歴史、地形、名称です。方角を決めるときは、自分の本命星をもとに吉方位を確認しましょう。吉方位は現在暮らしている場所を中心にして導き出します。吉方位は年によっても異なるため、その年の吉方位を確認することが大切です。自分が上げたい運気を優先して引越し先を選ぶのもおすすめです。

また地名に「沢」や「旭」という字がある場合はもともと低湿地だった可能性があります。「宮」の文字が入っていれば神聖な建物が建っていた可能性があるなど、地名でどのような土地だったのかをある程度把握できるでしょう。

戸建ての売却を成功させるために役立つ風水術

家の売却を成功させる風水術

引越しをするにあたって戸建ての家を売却するという場合、風水でその家の魅力をアップさせましょう。

アプローチをきれいする

門から玄関までの道のりとなるアプローチは、家の見学に来た人の第一印象に影響します。風水的にみても外の気が家の中に入ってくる通り道として考えられており、重要なポイントです。

アプローチはスッキリと美しい状態にしておきましょう。雑草は取り除く、門がくたびれた印象になっていたらきれいに塗装をし直す、樹木を植えている場合は剪定しておくなどです。掃除道具や子どものおもちゃなどが置きっぱなしにならないようにし、温かい歓迎ムードを演出しましょう。

玄関の近くに植物を置く

家の顔でもある玄関を美しく飾っておくこともポイントです。たとえば先述のとおり、観葉植物はその場の気を浄化するといわれています。玄関に観葉植物を置いたり、周辺にきれいな花の鉢植えを置いたりするのもおすすめです。玄関周りに植物があるとよい気が流れている印象を与えます。

具体的には紫の花を置くと品格を上げる効果があり、水の気が強く冷たい印象になりがちな北向きの玄関にはピンクの花を置くとよいでしょう。

玄関の取っ手を新しくする

玄関の取っ手が汚れていたり錆びついて弱々しくなっていたりすると、家全体の印象もよくありません。年季が入っている取っ手は、新しいものと交換するのがおすすめです。なお風水では、ドアが北・北東・南西・西・北西向きの場合はシルバーのドアノブが、東・南東・南向きの場合は木製のドアノブがよいとされています。

南側に照明をつける

家の南側にある部屋と玄関の向かい側にあたる場所の照明は、つけたままにしておきましょう。この2ヶ所を明るく照らしておくことで、見学をしに来た人からの印象がよくなるためです。特に玄関は風水的にも明るいほどよいとされています。LED照明を取り入れれば電気代を抑えることが可能です。

部屋に光を入れる

家の売却時にはカーテンを開けてタッセルなどでまとめておくこともポイントです。太陽の光が入ると室内が明るい雰囲気になる上に、陽の光はその家によい運気を運んでくれるといわれています。

なお暗い部屋は健康運をダウンさせるだけでなく、対人運にも影響を与えるとされています。家の見学者を募集する場合は、陽の光が集まりやすい午前中がおすすめです。ちなみに天井が低い場合は、下側からライトアップをすると家を広く見せられる効果があります。

家に関連するエネルギーを手放す

引越し先で快適に新生活をおくるためにも、家に関するエネルギーを手放しましょう。庭の土を少しだけ掘り出したら近くの川など水が流れる場所に行ってください。土を両手で握り、手を交差させながら水に投げ込めばエネルギーを手放せるといわれています。

また家を見学する人が来るときは、個人的な写真などの私物を見えない場所にしまっておくことも大切です。

まとめ

観葉植物

風水や家相は、運気を上げるために方角や環境を整えるという考え方です。古くから信じられており、日本でも風水や家相を意識している人が少なくありません。住んでいる家の土地や間取りが風水的によくない場合は、新しい家に住み替えるのも一つの方法です。

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