築20年の一戸建ての売却相場は?住宅を売る流れを解説
築年数の古い一戸建てを売却する際、売れるのかどうか気になる方は多いのではないでしょうか。築年数が20年経過していても、立地や状態、価格によっては築年数の浅い一戸建てと同様に売却が可能です。
本記事では、築20年以上経過した一戸建てを売却する際のポイントや売却の流れなどについて解説します。築20年以上の一戸建てを売却しようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
もくじ
築20年の一戸建ても売却は可能
築20年を経過した一戸建ては売却できるのか、疑問に思う方もいるでしょう。しかし、過度に不安になる必要はありません。築年数が経過した一戸建てでも、売却は可能です。ここからは、築20年以上の住宅の取引状況を解説します。
築浅の一戸建てと需要はそれほど変わらない
築20年の一戸建てと築数年の築浅の一戸建てでは、購入希望者の需要に大きな差はありません。
築20年の一戸建てでも需要に変化がないことは、中古住宅の取引状況からもうかがえます。全国の中古住宅の取引状況は、不動産会社の取引情報を網羅する「レインズ」から確認できます。
レインズに登録された、2023年の1月から3月の間に首都圏で取引された中古住宅の平均築年数は、築23. 8年です。中には築30年以上経過した一戸建ても、活発に取引されています。そのため、築20年の住宅でも売却にまったく支障はありません。
リフォームなどを目的にした需要が高い
築年数が20年以上経過している一戸建てであっても需要が高いのは、購入後に買主自身でリフォームやリノベーションをしようと考えている人が多いからです。築年数が20年以上経過した一戸建ては築浅の一戸建てに比べて、売却価格が低い傾向にあります。購入時の価格は抑えつつ、自分好みにリフォームをしたいという需要があるので、築年数が古くても売却可能です。
築20年の一戸建てにおける売却相場はどれくらい?
築年数が20年経過している一戸建てを売却する場合でも、一定の需要は見込めます。しかし売却価格は、需要と分けて考えなければなりません。そこで、築年数ごとに売却相場をまとめました。
以下の表は、首都圏で取引される中古住宅の築年数に応じた売却相場です。
築年数 | 築0~5年 | 築5~10年 | 築10~15年 | 築15~20年 | 築20~25年 |
---|---|---|---|---|---|
価格(万円) | 5,006 | 4,717 | 4,475 | 4,358 | 3,908 |
建物面積(/m²) | 98.0 | 98.3 | 100.6 | 105.2 | 108.1 |
土地面積(/m²) | 115.7 | 123.8 | 127.9 | 136.8 | 134.7 |
築年数が20年を越えると、売却相場は大きく下落します。築20年を越えた建物の価値はゼロに近い価格で査定されます。そのため築年数が古い一戸建ての売却価格は、大部分が土地の価格であると認識しておきましょう。
土地の価格は、一戸建ての建っているエリアや土地の面積によって変動します。実際に首都圏の場合、東京23区は築20年で土地面積が狭い一戸建てであっても、売却相場は高い傾向にあります。首都圏にある築21年から25年の一戸建ての売却相場は、以下のとおりです。
東京都区部 | 多摩 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 | |
---|---|---|---|---|---|
価格(/万円) | 6,795 | 3,561 | 2,574 | 2,405 | 4,341 |
土地面積(/m²) | 96.0 | 119.1 | 133.7 | 177.5 | 139.7 |
建物面積(/m²) | 111.8 | 97.0 | 104.7 | 115.0 | 109.2 |
参考:REINS TOWER「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況」
ただし同じ築年数で土地面積が広い一戸建てであっても、首都圏以外の地域における売却相場は低い傾向にあります。具体的な売却価格を知りたい方は、不動産会社に査定を依頼しましょう。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
築20年の一戸建てを売却する前に知っておきたいポイント
築20年の一戸建てを売却する際、知っておくべきポイントがいくつかあります。ポイントを知っているか知らないかで売却の成否が変わる可能性もあるため、売却前にチェックしてみてください。
スケジュールに余裕を持つ
一戸建てを売却する際は、スケジュールに余裕を持ちましょう。なぜなら売り出し期間に余裕があれば、購入希望者からの無理な価格交渉に応じる必要がないためです。売り出し期間が短い場合、売却を成功させたい焦りから、大幅な価格交渉に応じる方もいます。結果として、売却相場よりも安い価格で売却してしまい、後悔してしまう可能性もあるでしょう。
一戸建てを売却する場合、査定から引き渡しまで約3~6カ月かかるケースが一般的です。そのため6カ月はかかることを視野に入れて、売却のスケジュールを計画しましょう。
急な事情ですぐに一戸建てを売却しなければならない場合でも、売却期間を少なくとも3カ月は確保しましょう。査定から引き渡しまでの期間を3カ月以上確保できなかった場合、売却に失敗するおそれもあります。
あらかじめ売却相場を確認しておく
一戸建ての売却にあたり、事前に売却相場を確認しておくことが重要です。売り出し価格を決定する際、不動産会社の査定価格を参考にする場合が多いでしょう。しかし、不動産会社の査定が常に正しいわけではありません。不動産会社の方針や担当者によって、適正な査定価格とは異なる場合もあります。
特定の不動産会社が提示した査定価格だけを基準に売り出し価格を設定すると、売却相場と大きく差異が出てしまい買主が見つからないケースもあるでしょう。売却に失敗しないためにも、似た条件の一戸建てにおける売却相場を把握しましょう。売却相場を把握しておけば、提示された査定価格が妥当かどうか判断しやすくなり、適切な売り出し価格を設定できます。
一戸建ての売却相場は「レインズ・マーケット・インフォメーション」や「不動産取引価格情報検索」でリサーチ可能です。(※1~2)築20年のような築年数や、一戸建てのような不動産の形態はもちろん、面積、所在地など細かい条件を設定し、実際に売却された価格を調べられます。
※1参考:不動産流通機構「レインズ・マーケット・インフォメーション」
※2参考:国土交通省「不動産取引価格情報検索」
売却相場の確認方法1:レインズ・マーケット・インフォメーション
レインズ・マーケット・インフォメーションは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システムです。レインズ・マーケット・インフォメーションではマンションと一戸建ての売却相場が調べられます。トップページにアクセスしたら、まずはマンションか一戸建てかを選択し、調べたい不動産の地域情報を選択します。
地域情報を選択したら売却したい不動産に合わせて築年数や最寄り駅、土地面積や間取りなどの詳細条件を設定しましょう。設定した条件に当てはまる不動産の取引情報が表示されます。
売却相場の確認方法2:不動産取引価格情報検索
不動産取引価格情報検索は、国土交通省が提供する土地総合情報システムです。不動産取引価格情報検索では一戸建てやマンションの他にも、土地の取引価格を検索可能です。調べたい不動産の形態と地域情報を選択すれば、条件に合う不動産取引の履歴を調べられます。
しかし不動産取引価格情報検索では、不動産の築年数や最寄り駅など細かい条件については設定できません。そのためより具体的な売却相場を調べる場合は、レインズ・マーケット・インフォメーションなどとの併用がおすすめです。
売却相場の確認方法3:自分で計算する
一戸建てを含む不動産の売却相場は、自分でも計算できます。どのように計算するかというと、路線価から売却相場の算出が可能です。路線価とは道路に面する土地の1m²あたりの価格です。
路線価は、国税庁がWebサイトで公開しています。(※)国税庁のWebサイトを利用して路線価を調べ、住宅の面積に照らし合わせて計算すると、住宅の土地の評価額を算出可能です。
※参考:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」
路線価から土地の評価額を算出する際は、土地が接する道路の状況によって異なります。
土地の1つの面にのみ道路と接している場合は、以下の計算式で評価額を算出します。
評価額=路線価×奥行価格補正率×土地面積
土地の正面と側面の2つの面が道路と接している場合は次の計算式で評価額を算出します。
評価額={ (正面路線価×奥行価格補正率)+(側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率) }×土地面積
奥行価格補正率および側方路線影響加算率は、国税庁のWebサイトにて公開されています。なお、土地の正面と裏面が道路と接している場合は、正面と側面の2つの面が道路と接している場合と同様の計算式で評価額を算出可能です。ただし、影響加算率は側方路線影響加算率ではなく、二方路線影響加算率を使わなければなりません。
土地の三方もしくは四方が道路に面している場合の計算式は以下のとおりです。
三方が道路に面している場合:評価額={(正面路線価×奥行価格補正率)+(側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)+(裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率) }×土地面積
四方が道路に面している場合:評価額={(正面路線価×奥行価格補正率)+(側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)+(側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)+(裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率)}×土地面積
路線価から算出する方法では、土地そのものの価格しか把握できません。しかし前述したとおり、築20年を越える一戸建てはほとんどの場合、土地の価格のみで売却価格は決定します。そのため、路線価から一戸建てが建っている土地の評価額を知ることで売却相場を把握できるでしょう。
ホームインスペクションをする
築年数が20年を越える一戸建てを売却する際は、ホームインスペクションを行いましょう。ホームインスペクションとは、住宅診断士が一戸建てなどの劣化状況や改修が必要な箇所を調査するサービスです。
築年数が古い一戸建ての購入希望者は、建物の状態に問題がないか不安を持っているケースも多いです。ホームインスペクションを行えば一戸建ての状態をプロの視点から判断してもらえるため、購入希望者の不安解消につながります。
ただしホームインスペクションを行う場合、調査費用を用意しなければなりません。またいくら住宅診断士が調査したとしても、すべての住宅の不具合や欠陥を調査しきれない可能性もゼロではありません。その点も踏まえつつ、ホームインスペクションを検討してみてください。
ハウスクリーニングをする
築20年を越える一戸建てを売却する場合、売り出しの前にハウスクリーニングを利用するのもおすすめです。ハウスクリーニングはプロの清掃業者が特殊な機材や道具を使って室内を清掃します。そのため、普段の掃除では手入れが難しい箇所をきれいに清掃できるでしょう。
一戸建ての見た目のきれいさは購入希望者にとって、大きな判断材料です。インターネットやチラシへの掲載時や内覧時に室内が汚い状態では、買主が見つからないこともあります。
ハウスクリーニングには、もちろん費用がかかります。また一戸建ての状態によっては、時間がかかるケースもあるでしょう。しかし購入希望者によい印象を持ってもらうためにも、ハウスクリーニングの実施をおすすめします。
ホームステージングを検討する
築20年以上の一戸建てを売却する際は、ホームステージングの実施を検討しましょう。ホームステージングとは、室内のインテリアをコーディネートしてもらえるサービスです。内覧時にホームステージングを行うと、古い住宅でも魅力的に見えるため、購入希望者の購入意欲を刺激します。
築年数が古い住宅を、なるべくよい条件で売却するためには一戸建てがよい印象でなければなりません。ホームステージングを行うことで、古い住宅をよい印象の住宅になるようにコーディネートしましょう。
ホームステージングでは、プランの立案や必要に応じた家具や小物のレンタルで費用がかかります。また購入希望者にインテリアのセンスがマッチしなければ無駄に費用がかかるだけになる場合もあります。そのためホームステージングを行う際は、実績のある企業や専門家へ依頼するようにしましょう。
リフォームはしない
築20年以上の住宅を売却する際、リフォームをせずに売り出すほうが無難です。前述したとおり、築年数が古い一戸建てをなるべく安い価格で購入し、購入後に自分好みにリフォームしたい方も多くいるためです。リフォームの需要に合わせるために、古い一戸建てでもそのまま売却をするのがおすすめです。
また費用をかけてリフォームしたからといって、購入希望者が増えるわけではありません。買主が見つからなければリフォーム費用が無駄になる場合もあります。
さらに古い一戸建てをリフォームして売却すると、売り出し価格にリフォーム費用を上乗せしなければなりません。そのため売り出し価格が高くなり、売却がスムーズに進まない可能性があります。築年数が経過していても、まずはリフォームをせずに売り出しましょう。
瑕疵保険を利用する
築20年以上の一戸建てを売却する場合、瑕疵(かし)保険を利用するとよい条件で売却が進む場合があります。瑕疵保険とは、中古の一戸建てなどを売買する際に加入できる保険です。売主が瑕疵保険に加入すると、購入後に不具合や欠陥が発覚した場合に、補修費用が保険で支払われます。
中古住宅を売却する前に瑕疵保険に加入しておけば、購入希望者に対して購入後に不具合や欠陥があった際も問題なく対応できることをアピールできます。
瑕疵保険に加入する場合は、保険費用を負担しなければなりませんが、競合する不動産よりも、よい条件で売却できる場合があります。
所有している一戸建てならではの魅力をまとめる
売り出す一戸建ての魅力を事前にまとめておきましょう。交通機関や病院、学校、スーパーからの距離をまとめておくと、購入希望者が購入を判断する際の重要な材料になります。
また、周辺の商業施設や公共施設などの数が豊富であれば、一戸建てを購入した後の生活が便利になるため、購入を検討してもらいやすくなるでしょう。
生活の利便性だけでなく、自然の豊かさや子育てのしやすさ、防犯性での高さなど、売り出したい一戸建てならではの魅力をまとめて、購入希望者へ分かりやすくアピールするのがおすすめです。
一戸建てに強い不動産会社に相談する
築20年の一戸建てをよい条件で売却するには、一戸建ての売却が得意な不動産会社に相談しましょう。不動産会社にも得意分野があるため、築年数が古い一戸建ての売却が得意な不動産会社に相談すれば、適切な査定やアドバイスを受けられます。
一方で一戸建ての売却が得意でない不動産会社に相談すると、よい条件で売却できない可能性もあるでしょう。
各不動産会社がどういったジャンルを得意としているかは、取り扱っている不動産の種類や売却実績などからリサーチが可能です。取り扱っている不動産の種類や売却実績は不動産会社のホームページなどから確認が可能です。適切な不動産会社を選び、よりよい条件で売却しましょう。
不動産の一括査定サービスを活用しよう
一戸建てが得意な不動産会社を探すといっても、不動産売却に慣れていなければ難しいケースが多いでしょう。そういった場合におすすめなのが、不動産の一括査定サービスです。不動産の一括査定サービスでは、一度Webサイト上で売却したい一戸建ての条件などを入力するだけで、複数の不動産会社から売却価格の査定をしてもらえます。
複数の査定価格を比較検討できるので、ある程度の売却相場を把握することも可能です。インターネット環境さえあれば、パソコンやスマートフォンから24時間いつでも査定依頼を行えるので忙しい方にも適しています。
ただし、一括査定サービスには全国すべての不動産会社が登録されているわけではありません。地域に根付いた小規模の不動産会社は登録していない場合も多いため、そういった不動産会社に査定を依頼したい場合は、直接問い合わせをするようにしましょう。
数ある不動産の一括査定サービスの中でもおすすめは、リビン・テクノロジーズ株式会社が運営する「リビンマッチ」です。リビンマッチでは多くの不動産会社の中から最大6社に査定依頼を行えます。大手不動産会社から地元の不動産会社まで全国のさまざまな不動産会社が参加しているため、自分の条件に適した不動産会社を見つけやすいでしょう。
またリビンマッチを運営するリビン・テクノロジーズ株式会社では、プライバシーマークを取得しており、個人情報の保護を徹底しています。リビンマッチの利用によって、売却をする一戸建ての情報や個人情報が許可なくインターネットなどに公開されることはないので、安心して利用可能です。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
専属専任媒介契約を結ぶ
不動産を売却する際には、不動産会社と媒介契約を結ぶのが一般的です。媒介契約にはいくつかの種類がありますが、築年数が20年以上経過した一戸建ての売却では、専属専任媒介契約の締結を検討してみてください。それぞれの媒介契約の概要については後述します。
専属専任媒介契約は、一社の不動産会社のみと結ぶ媒介契約です。専属専任媒介契約を結んだ不動産会社は週に一回以上、売り出している不動産の販売状況や進捗を売主に報告する義務があります。そのため、売主は販売状況を細かく把握可能です。他の媒介契約と比較すると、古い築年数の一戸建てであっても熱心に販売活動を行ってもらえる可能性が高いため、よりよい条件で売却したい場合は専属専任媒介契約を検討してみてください。
ただし専属専任媒介契約では、売主自身で買主を見つけられません。そのため、販売活動はすべて媒介契約を締結した不動産会社にゆだねることになります。
状況に応じて買取を検討する
築20年の一戸建てを売却する場合は、状況に応じて買取を検討しましょう。買取とは不動産会社に購入希望者を探してもらうのではなく、直接不動産を買い取ってもらう方法です。
不動産会社に買い取ってもらう場合、売却は短期間で終了します。売却の手続きと現金化までの期間が短いため、とにかく急いで一戸建てを売却したい方におすすめです。また、立地が悪かったりトラブルがあったりした一戸建てでも、基本的には不動産会社は買い取ってくれます。
しかし買取の場合、売却価格の点では妥協しなければなりません。不動産会社は、一戸建てを買い取って再び売却するために、リフォームなどで費用をかける必要があるため、将来的に負担するリフォーム費用などを考慮して買い取るためです。そのため一般的に買取価格は、売却相場の約70%になるケースが多いです。
以上のような理由から不動産会社による買取は、不動産会社の仲介による売り出しで買主がどうしても見つからなかった場合の最終手段として考えておきましょう。
不動産会社に築20年の一戸建ての売却を依頼する流れ
ここからは築20年の一戸建ての売却を、不動産会社に依頼する際の流れを紹介します。
流れ1.まずは一戸建ての売却相場を調べる
一戸建てを売却する際、まずは自分で売却相場を調べましょう。売却相場の調べ方は、前述したとおり、レインズ・マーケット・インフォメーションや不動産取引価格情報検索を利用するなどさまざまな方法があります。誰でも気軽に利用できるので、まずは自分で売却相場を確認しましょう。
流れ2.不動産会社に査定を依頼する
売却相場のリサーチを行ったら、不動産会社に売却したい一戸建ての査定を依頼しましょう。不動産会社による査定は約1週間かかります。依頼をしたら日程調整を行い、不動産会社の担当者の訪問を待ちましょう。
査定の際には、売却したい一戸建てに関する書類を準備しなければなりません。査定にあたっては、登記簿謄本や一戸建てを購入した際の売買契約書、固定資産税の納税通知書などが必要です。必要書類は、査定の依頼時に不動産会社に確認しておきましょう。
売却予定の一戸建ての査定は適正価格を把握するためにも、複数社の不動産会社から受けてください。そして査定結果を比較検討し、自身の条件にマッチした不動産会社を選びましょう。また複数社に査定を依頼する際には、不動産の一括査定サービスの利用をご検討ください。
流れ3.不動産会社と媒介契約を結ぶ
査定を受けて、仲介を依頼する不動産会社を決めたら、媒介契約を結びましょう。媒介契約を締結すると、不動産会社がWebサイトや店頭などで販売活動を行ってくれます。また、売却に関する諸手続きや調整を代行してくれるため、売主の手間を軽減できるでしょう。
前述したとおり、不動産会社との媒介契約は以下に挙げる3種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
媒介契約はそれぞれに特徴があるため、適切な契約形態は状況によって異なります。ここからはそれぞれの契約形態の特徴をみていきましょう。
一般媒介契約
一般媒介契約は、3つの契約形態の中でも特に自由度の高い媒介契約です。他の媒介契約とは異なり複数の不動産会社と契約できます。複数の不動産会社と契約することで幅広いルートで買主を探せるでしょう。
しかし、他の媒介契約とは異なり、不動産会社は売主への販売活動の報告義務はありません。そのため、不動産会社の販売状況を把握するためには売主自身で積極的に確認する必要があります。また複数の不動産会社と契約するため、積極的に販売活動を行わない不動産会社もいるかもしれません。
専任媒介契約
専任媒介契約は、一社の不動産会社のみ媒介契約を結びます。そのため販売ルートは狭くなるものの、不動産会社は積極的に営業活動を行います。また2週間に1度、売主へ報告義務があるため、売主は定期的に販売状況を把握可能です。
しかし契約した不動産会社と売却したい不動産の相性が悪かったり、力量がない不動産会社を選んだりすると売却がうまくいかない可能性があります。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、前述したとおり特定の不動産会社と契約する媒介契約です。売主自身が買主を見つけられませんが、1週間に1回販売状況を報告してもらえるなど、不動産会社に積極的に動いてもらえます。不動産売却の経験がない方に向いている媒介契約です。
流れ4.一戸建ての販売活動を開始する
不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ不動産会社を介して売却のための販売活動が始まります。売却する上で重要な売り出し価格は、売却相場を踏まえて売主主導で設定しましょう。ただし、あまり高い価格を設定すると売れ残ってしまうおそれがあるため、注意が必要です。
販売活動を始める際は、売り出す一戸建てのアピールポイントをまとめておきましょう。立地や周辺環境など、住んだときの生活をイメージしやすい情報を整理すると、購入希望者を集めやすくなります。またアピールポイントとあわせて、一戸建ての写真を撮影しましょう。外観や室内を撮影し、一戸建ての状況や雰囲気が一目で伝わるような写真を撮影することが重要です。
販売活動を行う際は、購入希望者がよりよいイメージを持てるように事前に準備を徹底するようにしましょう。
流れ5.売買契約を締結する
購入希望者が現れたら、売買契約の締結に移ります。売買契約は一般的に、一戸建ての引き渡し日の1~3カ月前に行います。売買契約の内容は主に売買契約書の読み合わせと契約書への押印、手付金の受領などです。
また売買契約の際、告知事項の有無と契約書の内容確認は、怠らないようにしましょう。特に告知事項がある場合は、必ず細かく詳細を伝えてください。告知事項の伝達ミスは後々のトラブルの元になります。そのため、些細なことでも双方の正しい認識が重要です。
売買契約が成立した時点で、不動産会社へ仲介手数料の50%を支払うことが一般的です。仲介手数料の金額や支払い方法は、売買契約の前に不動産会社に確認して必要に応じて準備をしておきましょう。
流れ6.一戸建ての引き渡し準備を進める
売買契約の締結が完了したら、一戸建ての引き渡し準備を進めましょう。売却する一戸建てに住んでいる場合は、新居への引っ越しを行わなければなりません。また引っ越しの準備を進めながら、引き渡しの際に買主へ渡す書類をとりまとめておきましょう。
また引き渡しにあわせて、登記手続きが必要です。登記手続きは司法書士に依頼しなければなりませんが、多くのケースでは不動産会社が依頼を代行してくれます。売主に住宅ローンが残っている場合、清算が必要です。買主から代金を受け取ったら、住宅ローンの清算手続きを行いましょう。
引き渡しが完了したら不動産会社へ仲介手数料の残額を支払う必要もあるため、このタイミングで支払い準備もしてください。
流れ7.決済・引き渡しをする
売買契約に基づく引き渡し日に、決済と引き渡しを行います。決済は売却代金の残金の受け取りをもって完了です。決済完了後に一戸建てのある現地へ移動し、引き渡しが行われます。
引き渡しでは、鍵の受け渡しのみのケースが多いですが、土地の測量などを行う場合もあります。決済と引き渡しに時間がかかる可能性もあるため、当日は他の予定を入れないほうが無難です。
流れ8.確定申告をする
一戸建ての売却が完了したら、売却した翌年に確定申告をしなければなりません。確定申告は毎年、指定された期間で行います。不動産の売却後に確定申告を怠ると脱税とみなされ、ペナルティとして多く税金を納める必要があります。忘れずに期間内に確定申告をしてください。
一戸建てを売却した際に得た代金が、一戸建ての購入費用と諸費用の合計より多く、利益が出た場合は所得税を支払う必要があります。しかし、確定申告を行うことで特別控除の利用が可能です。「3,000万円の特別控除の特例」と呼ばれる控除の制度を利用すれば、納税額を低く抑えられます。
また一戸建てを売却して利益が出なかった場合でも、確定申告をするのがおすすめです。確定申告を行うことで、損失を軽減できる特例制度を利用できるためです。そのため一戸建てを売却した場合は、利益が発生しても損失を計上しても確定申告を行うようにしましょう。
上記で紹介した制度は、利用すれば大きな金銭的な補助になるため、一戸建ての売却が完了した翌年の確定申告は忘れずに行うことが大切です。
まとめ
本記事では、築20年の一戸建ての売却相場や売却する前に知っておきたいポイント、売却時の流れなどについて解説しました。築年数が古いことを理由に売却を諦めている方でも、一度査定を受けてみましょう。築20年の一戸建てであっても需要はあり、買主が見つかる可能性があります。
査定を依頼する際は、リビンマッチの利用がおすすめです。リビンマッチではインターネット上で簡単に条件などを入力するだけで査定の依頼を行えます。大手不動産会社から地元の不動産会社まで、全国のさまざまな不動産会社の中から、最大6社に一括で査定依頼が可能です。査定結果を比較検討しやすく、自分に合った不動産会社を見つけやすいでしょう。古い一戸建ての売却を検討している方は、ぜひ一度リビンマッチを利用してみてください。
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この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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