【最新版】東京都の一戸建て価格推移を分析!今後はどうなる?上昇率が高いのは?

東京都の一戸建て価格はマンションほどではありませんが、地価の回復や資材高騰の影響から値上がりが続いています。
ここでは、東京都の一戸建て価格推移を徹底的に分析します。また、注目すべきエリアの価格上昇率や、今後の動向予測も確認しましょう。
もくじ
東京都の新築戸建の成約価格は今いくら?10年の推移と今後の見通し
東京都の一戸建てに焦点を当て、新築と中古それぞれの価格推移を紹介します。
新築一戸建ての価格推移
ここでは、過去10年間(2015〜2024年)の新築戸建住宅の成約価格の推移をもとに、現在の相場感と将来の見通しを探ります。

新築戸建住宅の過去10年間の価格推移(東京、都区部、多摩)
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」
2015年当時と比べると東京都、都区部(東京23区)、多摩のすべてにおいて新築戸建住宅の成約価格は上昇していることがわかります。
新築戸建住宅の価格上昇率
2024年の新築戸建住宅の平均成約価格は、2015年当時と比べ上昇しています。
エリア | 2015年 | 2024年 | 上昇率 |
---|---|---|---|
東京都 | 4,085万円 | 5,667万円 | 38.7% |
都区部 | 4,708万円 | 6,597万円 | 40.1% |
多摩 | 3,629万円 | 4,441万円 | 22.4% |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」
特に都区部(東京23区)では40%超の大幅な上昇が見られました。これは、地価や建築コストの高騰、住宅需要が都心部に集中したことが影響しているのでしょう。
多摩地区も上昇傾向にはありますが、23区に比べて価格の伸びは緩やかです。
土地・建物面積の変化から見る新築戸建住宅の傾向
東京都の新築戸建住宅では、土地面積が縮小する一方で、建物面積はわずかに増加する傾向にあります。こうした面積の変化は、住宅価格にも影響を与えます。
というのも、一戸建ての価格は「土地価格」と「建物価格」の合計で決まるため、それぞれの面積が価格に直結するからです。
土地面積は都心で大きく減少、多摩では増加傾向
エリア | 2015年 | 2024年 | 減少(上昇)率 |
---|---|---|---|
東京都 | 101.90㎡ | 93.65㎡ | -8.1% |
都区部 | 78.34㎡ | 70.82㎡ | -9.6% |
多摩 | 119.15万円 | 123.76万円 | +3.87% |
東京都全体で見ると、土地面積は2015年の平均101.90㎡から2024年には93.65㎡へと、約8%の減少です。
特に都区部では約10%の減少が見られます。これは、地価上昇や分譲化の進行によって、狭小地への建築が主流になっているからでしょう。
一方で、多摩地区では土地面積が約4%増加しています。郊外エリアで比較的安価に広い土地を確保できることから、子育て世帯や広さを求める層のニーズに応じた供給が進んでいるといえます。
建物面積は微増、コンパクトな敷地でも快適性を追求
エリア | 2015年 | 2024年 | 上昇率 |
---|---|---|---|
東京都 | 93.16㎡ | 94.40㎡ | 1.33% |
都区部 | 93.66㎡ | 94.81㎡ | 1.23% |
多摩 | 92.79万円 | 93.86万円 | 1.15% |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」
建物面積は、東京都全体で約1%の微増にとどまっています。背景には、限られた敷地でも居住性を損なわないよう、設計や間取りの工夫が進んでいることが挙げられます。
特に都区部では、狭い土地でも効率よく暮らせる間取りや収納力を重視した住宅設計が、より重視されています。
今後は、「空間の使い方」や「建物の機能性」が、住宅価格により影響を与える時代になるでしょう
東京都の中古戸建の価格(過去10年間)
新築と同様に、中古戸建住宅の価格も上昇傾向にあります。ただし、その背景や物件の特性には新築と異なる動きが見られます。
2015〜2024年の東京都・都区部・多摩エリアにおける、中古戸建の価格変動を見ていきましょう。

中古戸建住宅の過去10年間の価格推移(東京、都区部、多摩)
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」
新築に比べるとやや落ち着いていますが、それでも東京都、都区部(東京23区)、多摩のすべての成約価格は上昇傾向にあります。
10年で30%上昇!東京都の中古戸建は高値傾向が続く
2015年当時と2024年の平均成約価格を比べてみました。
エリア | 2015年 | 2024年 | 上昇率 |
---|---|---|---|
東京都 | 4,294万円 | 5,584万円 | 30% |
都区部 | 5,285万円 | 6,804万円 | 28.8% |
多摩 | 3,129万円 | 3,849万円 | 23% |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」
2015年当時と比べ、2024年は東京都全体で約3割の価格上昇が見られました。また、地域を問わず、中古戸建の価格は上昇傾向にあります。
特に築浅物件や立地条件の良い物件は、想定以上の価格で成約するケースも多くなっています。
中古戸建の面積は縮小
価格上昇の一方で、中古戸建の土地面積・建物面積は縮小傾向にあります。ここでは、その変化の傾向を見ていきましょう。
土地面積はやや縮小、特に都心部で顕著
新築と同様に、都区部では土地面積の縮小が顕著です。
エリア | 2015年 | 2024年 | 減少率 |
---|---|---|---|
東京都 | 114.77㎡ | 105.56㎡ | 8.02% |
都区部 | 93.97㎡ | 85.08㎡ | 9.5% |
多摩 | 139.23万円 | 134.69万円 | 3.26% |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」
築年数の古い物件ほど大きな土地を持つ傾向があり、築浅のコンパクト物件が増加した結果ともいえます。
建物面積も減少傾向、古さを補う設計の工夫も
建物面積も全体的に減少傾向にあります。
エリア | 2015年 | 2024年 | 減少率 |
---|---|---|---|
東京都 | 105.02㎡ | 99.60㎡ | 5.16% |
都区部 | 106.92㎡ | 98.73㎡ | 7.66% |
多摩 | 102.79万円 | 100.82万円 | 1.92% |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」
特に都区部では約8%の縮小が見られますが、リノベーションの普及や設備性能の向上により、限られた面積でも快適な住環境が実現されつつあります。
近年は、中古住宅でも収納や動線に工夫を凝らしたリノベーション物件が増えており、再販時においても「狭さを感じさせない」住まいづくりが重視されるようになっています。
東京都エリア別の一戸建て価格推移
中古一戸建ての年間売買件数が70件以上ある東京都の21区市について、2018年~2022年まで過去5年間の価格推移を紹介します(数値は年度ベースです)。
上昇率30%超のエリアの一戸建て価格推移

東京都で一戸建ての価格上昇率が30%超のエリア
新型コロナウイルス流行の前である2018年や2019年から比較し、中古一戸建ての平均価格が30%超上昇したのは江戸川区・中野区・目黒区・日野市の4区です。
最も上昇率が高いのは目黒区ですが、平均価格も最高であり2022年度で1億3,240万円となっています。

東京都で上昇率30%超のエリア別一戸建て価格推移
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」
エリアごとの上昇率は以下のとおりです。
エリア | 上昇率(%) |
---|---|
目黒区 | 53 |
日野市 | 33 |
江戸川区 | 31 |
中野区 | 31 |
目黒区以外の3エリアは2019年に下落があり、その時点からの上昇率です。目黒区は2019年にわずかな上昇があったため、2018年からの上昇率になっています。
日野市が目黒区に次いで33%の上昇率ですが、平均価格は2022年で3,291万円と東京都の中では低い水準であり、今後の上昇が注目されます。
上昇率20~30%のエリアの一戸建て価格推移

東京都で一戸建ての価格上昇率が20~30%のエリア
中古一戸建ての価格が、新型コロナウイルスの流行前から20~30%上昇したエリアは、世田谷区・葛飾区・練馬区・品川区・小平市・足立区・町田市・板橋区・大田区の9区市です。葛飾区は2020年に下落がありますが、ほかはすべて2019年の価格が低くなっています。
最も高い上昇率は世田谷区の28.5%であり、平均価格もこのグループでは最も高い8,867万円です。

東京都で上昇率20~30%のエリア別一戸建て価格推移
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」
エリアごとの上昇率は以下のとおりです。
エリア | 上昇率(%) |
---|---|
世田谷区 | 29 |
葛飾区 | 28 |
練馬区 | 26 |
品川区 | 26 |
小平市 | 25 |
足立区 | 125 |
町田市 | 122 |
板橋区 | 121 |
大田区 | 120 |
注目したいのは、小平市が入っていることです。2022年の平均価格は3,838万円であり、決して高い水準ではありませんが、今後の上昇率に期待できるでしょう。
価格上昇率・平均価格・売買件数ランキング
中古一戸建ての年間売買件数が70件以上ある東京都の21区市について、区市ごとの「価格上昇率」「平均価格」「取引件数」をランキングにしたのが次の表です。
順位 | エリア | 上昇率(%) |
---|---|---|
1位 | 目黒区 | 53 |
2位 | 日野市 | 33 |
3位 | 江戸川区 | 31 |
4位 | 中野区 | 31 |
5位 | 世田谷区 | 29 |
6位 | 葛飾区 | 28 |
7位 | 練馬区 | 26 |
8位 | 品川区 | 26 |
9位 | 小平市 | 25 |
10位 | 足立区 | 25 |
11位 | 町田市 | 22 |
12位 | 板橋区 | 21 |
13位 | 大田区 | 20 |
14位 | 東村山市 | 19 |
15位 | 杉並区 | 17 |
16位 | 西東京市 | 17 |
17位 | 江東区 | 16 |
18位 | 調布市 | 16 |
19位 | 三鷹市 | 15 |
20位 | 府中市 | 13 |
21位 | 八王子市 | 10 |
順位 | エリア | 平均価格(万円) |
---|---|---|
1位 | 目黒区 | 13,240 |
2位 | 世田谷区 | 8,867 |
3位 | 品川区 | 7,451 |
4位 | 杉並区 | 7,180 |
5位 | 中野区 | 6,894 |
6位 | 大田区 | 6,491 |
7位 | 三鷹市 | 5,636 |
8位 | 練馬区 | 5,522 |
9位 | 江東区 | 5,472 |
10位 | 板橋区 | 5,139 |
11位 | 調布市 | 4,890 |
12位 | 江戸川区 | 4,361 |
13位 | 府中市 | 4,111 |
14位 | 西東京市 | 4,093 |
15位 | 小平市 | 3,838 |
16位 | 葛飾区 | 3,826 |
17位 | 町田市 | 3,695 |
18位 | 足立区 | 3,592 |
19位 | 日野市 | 3,291 |
20位 | 東村山市 | 2,915 |
21位 | 八王子市 | 2,753 |
順位 | エリア | 売買件数(件) |
---|---|---|
1位 | 世田谷区 | 329 |
2位 | 八王子市 | 278 |
3位 | 練馬区 | 252 |
4位 | 町田市 | 242 |
5位 | 大田区 | 200 |
6位 | 杉並区 | 191 |
7位 | 足立区 | 190 |
8位 | 江戸川区 | 160 |
9位 | 葛飾区 | 147 |
10位 | 板橋区 | 111 |
11位 | 府中市 | 102 |
12位 | 中野区 | 97 |
13位 | 品川区 | 88 |
14位 | 東村山市 | 83 |
15位 | 日野市 | 81 |
16位 | 三鷹市 | 80 |
17位 | 目黒区 | 78 |
18位 | 調布市 | 77 |
19位 | 江東区 | 74 |
20位 | 小平市 | 71 |
21位 | 西東京市 | 71 |
上昇率、平均価格、取引件数のすべての項目で10位以内に入るエリアは、世田谷区と練馬区です。
2つの項目で10位以内に入るエリアは、目黒区・江戸川区・中野区・葛飾区・品川区・足立区・杉並区・大田区・板橋区という結果になりました。
これらの11区は一戸建ての流通が活発であり、平均価格も高く、なおかつ価格上昇率が高いエリアと位置づけられます。
今後の予想!東京都の一戸建て価格はどうなっていく?
東京都の一戸建て価格は、今後上昇する可能性が高いです。
どの程度値上がりするのか、一戸建て価格に影響を及ぼすと考えられる要因について解説します。
地価の回復と資材高騰が価格上昇に影響
2025年3月に公示価格が発表されました。東京都全域で見ると住宅地、商業地、全用途(住宅地、商業地及び工業地の計)のいずれも、対前年平均変動率は4年連続でプラスとなっています。
工業地の対前年平均変動率においては、12年連続のプラスです。
今後は景気回復の状況によりますが、東京都における地価の上昇は続くといえます。一戸建て価格は土地価格が大きなウェイトを持つため、地価の高いエリアほど価格が大きく上昇する可能性が高いでしょう。
2021年に始まったウッドショックに続き、ウクライナにおける情勢の悪化など、建設資材の高騰が続いています。また、建設業界は現在人手不足が続いており、人件費高騰も建設コストを押し上げています。
建設コストの高騰は、新築住宅の工事費だけではなく、既存住宅のリフォーム工事費にも影響が出ます。新築一戸建てと中古一戸建てともに建物価格の上昇も生じるでしょう。
人口減少社会における都心集中
地価の回復や建設資材の高騰は全国的に共通していることですが、東京都に限って一戸建ての価格に影響を与える要因を挙げると、人口集中です。
総務省統計局が2025年1月31日に公表した「住民基本台帳人口移動報告 2024年(令和6年)結果」によると、東京都の転入者は転出者より7万9,285人超過しています。前年の2023年より1万1,000人増加しており、すでに人口減少社会に入った日本において、東京に人口が集中する状況が再び生じているのです。
人口増加は住まいに対する需要の増加となり、一戸建ての価格を押し上げる要因のひとつです。特に東京都は世界からの投資資金が流入しており、全体的な不動産価格を上昇させる環境下にあるといえるでしょう。
上昇局面の今、売ったらいくら?
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