賃貸管理会社の仕事内容を紹介!賃貸管理・建物管理の違いと役割

賃貸物件を所有していると、さまざまな業務に対応しなくてはなりません。賃貸管理会社はさまざまな業務を行い、オーナーの負担を軽減します。賃貸管理会社がどのような仕事をしているのか、賃貸管理と建物管理の違いを含めて紹介します。
もくじ
賃貸管理会社の仕事は「賃貸管理」と「建物管理」
賃貸管理会社の仕事内容は、賃貸物件の管理や入居者の募集などをオーナーに代わって行うことです。管理業務は「賃貸管理」と「建物管理」に分けられます。
- 賃貸管理
- 入居者の募集や家賃の回収、クレーム対応などを行う
- 建物管理
- 建物の定期的な清掃やメンテナンス、そのほか長期的な建物の維持・管理を行う
このように、管理の対象が部屋のなかか建物全体かで、賃貸管理と建物管理に分かれているのです。
賃貸管理の仕事内容
賃貸管理では、オーナーから賃貸アパートや賃貸マンションを預かって、管理と運営を行います。賃貸管理の代表的な仕事には、次の6つがあります。
- 入居者の募集
- 家賃の回収
- クレームの対応
- 修繕の対応
- オーナー対応
- 退去にかかわる業務
それぞれの仕事内容について解説します。
入居者の募集
賃貸管理の仕事で特に重要なのは、管理物件に空室が出たときに、入居者(賃借人)を募集することです。賃貸経営を行うオーナーにとって、空室になっているあいだは家賃収入が得られないため、大きな損失になります。
そのため、できるだけ早く入居者が見つかるよう、不動産のポータルサイトに掲載したり仲介会社へ客づけを依頼したりといった広告宣伝は、管理会社の信用を保つために重要です。
家賃の回収
家賃の回収も管理会社の仕事で、入居者から家賃が振り込まれているかを管理します。家賃が期限までに振り込まれていない場合、滞納者へ督促を行います。
しかし、家賃を滞納したからといって、法律で入居者の権利が守られているため、すぐに強制退去させることはできません。そのため、管理会社は滞納者をうまく説得して、家賃を回収する必要があります。
ただし、入居者が家賃保証会社と契約している場合は、家賃保証会社が滞納した家賃を代わりに支払います。そのあとの督促についても、家賃保証会社が行います。
クレームの対応
近隣住民との騒音トラブルによる苦情や無断駐車によるクレームは、迅速に対応しなければなりません。クレームが届いているにもかかわらず、何の対応もしない管理会社では、入居者が退去するおそれがあるためです。そのほかにも、ペットの鳴き声やニオイ、ゴミの出し方などクレームはさまざまです。
しかし、騒音トラブルはすぐに解決できないケースがほとんどのため、法的な対応も含めて対応力が求められるでしょう。
修繕対応
入居者が住む室内のトイレやエアコンなどの設備が動かないなど、故障した場合に対応します。電池や電球などの消耗品は入居者が交換する契約になっていることが多いです。そのほかにも、入居者が鍵を紛失した場合の対応も必要になります。
オーナー対応
オーナーとのやり取りは、賃貸管理のなかでも重要な仕事のひとつです。オーナーは賃貸経営という共通の目的を持ったパートナーでもあります。オーナーとの主なやり取りは、次の3つです。
- 家賃の送金
- トラブルの対応
- 入居者の募集
家賃の送金
管理会社が入居者から回収した家賃をオーナーにまとめて送金します。複数の入居者とオーナーがやり取りをすると、負担が大きくなってしまうため、管理会社が家賃を受け取って一括でオーナーへ入金するのが一般的です。
トラブルの報告
入居者からの苦情やトラブルなどを、オーナーに報告します。苦情やトラブルによって退去者が出たり、建物の修理が必要になったりすると、オーナーの利益に影響が出るためです。
入居者の募集
空室がなかなか埋まらないときなどに、オーナーと条件変更のやり取りを行います。オーナーの譲れない絶対条件をもとに、管理会社が最善のプランを考えます。
退去にかかわる業務
入居者が退去してから、新たな入居者を見つける前に、室内のクリーニングやリフォーム、修繕などを行います。
クリーニングが必要な場合はクリーニング業者を手配したり、壁紙や床の張り替えが必要な場合は職人を手配したりします。次の入居者を見つけるまでは家賃収入を得られないため、迅速な対応が重要です。
また、築年数が経過して通常のクリーニングでは室内に魅力がなくなってきた場合、リフォームやリノベーションを検討することもあります。水回り設備を一式交換するほか、部屋の壁を取り払って間取りを変更するなどを検討します。
建物管理の仕事内容
建物管理の仕事は、主に定期的な清掃やメンテナンスと長期的なメンテナンスのふたつです。
- 定期的な清掃やメンテナンス
- 長期的なメンテナンス
それぞれの違いを解説します。
定期的な清掃やメンテナンス
管理会社のスタッフが定期的な清掃やメンテナンスを行うこともありますが、外部に委託することもあります。
清掃箇所は共有部の玄関やエレベーター、駐車場や廊下などです。設備のメンテナンスに関しては、電気やガス、水道などの設備点検が該当します。また、台風や大雨などが起きたときは、清掃作業などが発生することもあります。
長期的なメンテナンス
賃貸物件に限らず、建物は時間の経過とともに老朽化します。そのため、室内だけでなく建物自体のメンテナンスが必要です。
マンションであれば長期修繕計画を、アパートであれば修繕費用の予算計画を立てるなど、建物の価値を保つ長期的なメンテナンスは、建物管理の仕事のなかでも特に重要です。
自主管理で対応できるケース
自主管理とは賃貸物件の管理を管理会社に委託せず、オーナー自らが行うことです。賃貸物件を自主管理する場合、入居者の募集や家賃の回収、修繕対応やクレーム対応などをオーナー自らが行う必要があります。
自主管理をするメリットは、管理会社へ管理手数料を支払わなくて済むことです。ちなみに管理手数料は、家賃の3〜5%が相場です。一方で自主管理にともなう業務は非常に多く、手間と時間がかかってしまう点がデメリットです。
次のようなケースであれば、賃貸物件を自主管理することが可能です。
- オーナーが物件の近くに住んでいる
- 管理する部屋数が少ない
それぞれのケースを解説します。
オーナーが物件の近くに住んでいる
オーナーが賃貸物件の近所に住んでいる場合は、こまめに清掃を行ったり、退去に立ち会ったりできるため、自主管理でも対応できるでしょう。
オーナー自身が入居者とかかわる機会を増やし、入居者満足度を上げることもできるかもしれません。物件のエントランスに花を植えて手入れをし、美しい外観を維持しているオーナーもいます。
管理する部屋数が少ない
賃貸経営をはじめたばかりで管理する部屋数が少ない場合は、家賃を管理しやすく、物件のトラブルも少ないため、自主管理で対応できます。
賃貸管理の知識をつけるうえでも、経験しておくとよいでしょう。管理業務を経験したことのない人が、すべての管理業務を委託することは、必ずしもよい選択とはいえません。
賃貸管理会社を選ぶときのポイント
物件管理を委託するのであれば、賃貸管理会社選びはとても重要です。どういった賃貸管理会社を選べばよいのか、チェックするべきポイントを紹介します。
客づけ力は高いか
客づけ力とは、退去者が出たあと速やかに、新たな入居者を見つけ出す力のことです。客づけ力の高さは、入居率の高さや空室期間の短さにつながります。不動産ポータルサイトを活用しているか、ほかの管理物件の入居率が高いかのふたつが、客づけ力を判断するポイントになります。
インターネットやアプリを利用して賃貸物件を探す人が多いため、不動産ポータルサイトを活用できる能力は必須です。写真がきれいに撮れているか、写真の点数は十分か、情報をわかりやすく書けているかなど、念入りに確認することをおすすめします。
ほかの管理物件の入居率が高いかを調べるときは、すべての管理物件を調べるのではなく、エリアや築年数の似た物件の入居率をチェックして、入居率が高ければ安心して任せるとよいでしょう。
管理委託料が相場からかけ離れていないか
管理委託料は一般的に、月額家賃の3〜5%が相場です。家賃が6万円であれば管理委託料は、1,800〜3,000円になります。ただし、管理委託料は宅地建物取引業法で上限が設けられておらず、管理会社によって異なるため確認が必要です。
また、「共用設備の点検は別途費用がかかる」などのケースもあり、A社とB社の管理委託料が同じでも、業務内容を確認すると、A社のほうは相場からかけ離れていた、ということもあります。管理委託料は毎月支払うことになるため、賃貸経営を圧迫しないか確認しながら慎重に判断しましょう。
業務内容の範囲は十分か
賃貸管理の仕事内容は多岐にわたるため、管理会社によって業務内容の範囲は異なります。管理会社が提供しているサービスに利用したいものがあるかなど、きちんと確認しましょう。
また、契約後にクレーム対応が含まれていなかったり、滞納者への督促が含まれていなかったりすると、あとから気づいても手遅れになってしまいます。後悔することのないように、業務内容の範囲を確認しましょう。
要注意!信頼できない管理会社の特徴
管理会社の仕事は多岐にわたり、それぞれ柔軟にこなす対応力が必要です。万が一、適切に仕事をしてくれない管理会社だと信用問題にかかわり、退去者が出たり、物件の評判が悪くなったりするおそれがあります。
そのような事態を防ぐためにも、信頼できない管理会社に委託すべきではありません。信頼できない管理会社には、次のような特徴があります。
- クレーム対応が遅い
- 返答が遅い
- 空室期間が長い
入居者からのクレームがきたときは、迅速に対応し、トラブル解決に導くのが管理会社の仕事です。対応が遅れたり放置したりすると、最悪の場合、退去につながりかねません。また、オーナーから管理会社へ相談したときに、返答が遅いと対応にロスが生じてしまいます。
空室期間が長いのは、家賃が収入減のオーナーにとっては致命的です。管理会社の客づけ力に問題があるかもしれません。空室の原因が管理会社だけにあるとは限りませんが、信頼してよいかどうかは判断の難しいところです。
賃貸管理会社を探すときは、「リビンマッチ賃貸管理」をご利用ください。物件の情報を入力するだけで、対応できる賃貸管理会社へ一括で資料請求・家賃査定を依頼できます。
信頼して任せられる賃貸管理会社を見つけるため、複数社を比較して、慎重に選びましょう。
賃貸管理に関するよくある質問
- 賃貸管理会社の仕事内容にはどんなものがある?
- 賃貸管理会社の仕事は、主に次の6つです。①入居者の募集、②家賃の回収、③クレームの対応、④修繕の対応、⑤オーナー対応、⑥退去にかかわる業務 幅広く賃貸物件の管理行っています。
- 賃貸物件の管理を自分で行うことはできる?
- 次の条件にあてはまる場合は、自主管理も可能です。①物件の近くに住んでいる、②管理する部屋数が少ない オーナーが遠方に住んでいる場合はおすすめできません。