建売住宅の売却相場はいくら?売却方法や高く売るコツも解説

戸建住宅には建売住宅と注文住宅の2種類があります。建売住宅は、幅広い購入者を想定した間取りや仕様が採用されていることが多く、買い手の対象が広がりやすいといわれています。
この記事では、建売住宅が売却しやすいといわれる理由や売却価格の相場、高く売るコツを分かりやすく解説します。
- 土地と建物の評価基準から算出する建売住宅の売却相場
- 建売住宅が中古市場で売れやすいといわれている理由
- 建売住宅をできるだけ高値で売るためのポイント
- 建売住宅がなかなか売れない場合の対処法
もくじ
建売住宅の売却相場はいくらになる?
まずは、建売住宅の売却相場について詳しく見ていきましょう。
なお、建売住宅だけを対象とした売却価格の統計データは現状ありません。そのため売却相場を確認するときは、同じ地域にある中古戸建住宅の成約価格を参考にするのが現実的です。
データから見る中古戸建の売却相場
ここでは、複数の不動産ポータルサイトで新築の建売住宅の売り出し価格を算出し、不動産情報ライブラリでその地域における中古戸建の成約価格を算出して比較しています。
東京23区の新築建売住宅と中古戸建を比較すると、2026年10月時点では新築の建売住宅の売り出し価格は中央値が8,480万円でした。一方、中古戸建の成約価格の中央値は、築1~5年で7,500万円、築6~10年で7,200万円、築11~20年で6,400万円となっています。
| 区分 | 価格の種類 | 価格中央値 | 新築建売との差 |
|---|---|---|---|
| 新築建売 | 売り出し価格 | 8,480万円 | ― |
| 築1~5年の中古戸建 | 成約価格 | 7,500万円 | 約11.6%低い |
| 築6~10年の中古戸建 | 成約価格 | 7,200万円 | 約15.1%低い |
| 築11~20年の中古戸建 | 成約価格 | 6,400万円 | 約24.5%低い |
※上記は建売住宅以外のデータも含まれているため、新築との価格差は建売住宅の値下がり率を示すものではありません
東京23区の中古戸建の成約価格を見ると、築年数が経過するにつれて価格はおおむね低下しています。しかし、戸建住宅の価格は建物だけでなく土地も含まれるため、東京23区では同じ築年数でも所在する区や駅からの距離、土地の条件などによって成約価格に大きな差があります。
そのため、建売住宅でも周辺の成約事例や立地を踏まえて売り出し価格を決めることが重要です。
不動産の売却価格を左右する要素
自分の家の売却相場を知るには、まず、売却価格がどのような要因によって決まるのかを理解する必要があります。戸建住宅の売却価格に影響する主な要素は、次の3つです。
- 土地の価値
- 建物の価値
- 売却時の市場動向や売主の事情
戸建住宅の価格を考えるうえで、特に重要なのが土地と建物の評価です。築年数の古い住宅では建物の評価が低くなり、土地の価値が売却価格の大部分を占める場合もあります。
また、売主の事情も売却価格を左右します。「多少価格を下げてでも早く売却したい」「時間をかけて高値で売却したい」など、売主の事情によっても売却価格が変わることがあります。
戸建住宅の売却相場の調べ方
戸建住宅は土地と建物を1セットとして売却しますが、土地と建物では価格を左右する要因が異なります。土地は立地や面積、接道条件など、建物は築年数や構造、維持管理の状態などが評価に影響します。
そのため、土地と建物を分けて考えることで、売却価格がどのように形成されるのかを把握しやすくなります。
土地部分の売却相場
中古戸建は通常、土地と建物をまとめて取引するため、成約価格から土地部分の価格だけを確認することは難しいでしょう。ただし、周辺で取引された住宅地の1㎡当たりの価格を調べ、自宅の土地面積を掛けることで、おおよその土地価格を推定できます。
土地価格の目安=周辺住宅地の土地単価×土地面積
たとえば、土地面積が85㎡で、周辺の住宅地が1㎡当たり70万円程度で取引されている場合、85㎡ × 70万円 = 約5,950万円がひとつの目安となります。
ただし、土地の価格は同じエリアでも土地の形状、建ぺい率・容積率、駅までの距離などによって異なります。土地部分の価格を詳しく知りたい場合、個別に不動産会社の査定を受ける必要があるでしょう。
建物部分の売却相場
建物部分は、築年数や建物の状態、設備の性能、修繕履歴などによって左右されます。一般的に、建物は築年数の経過や経年劣化に伴って評価が下がる傾向がありますが、適切に維持管理されている住宅では、その状態が評価に反映されることもあります。
また、戸建住宅は通常、土地と建物をまとめて取引するため、成約価格から建物部分の価格だけを把握することは困難です。そこで、建物の築年数と戸建住宅全体の売却価格の関係を確認するため、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」のデータをもとに、東京23区で成約した木造戸建住宅の価格を築年数別に比較しました(築年数は2026年に建築されたものを築0年としています)
| 築年数 | 成約価格(中央値) | 平均価格 |
|---|---|---|
| 築0~5年 | 6,800万円 | 約7,235万円 |
| 築6~10年 | 7,300万円 | 約7,855万円 |
| 築11~20年 | 6,500万円 | 約7,322万円 |
| 築21~30年 | 6,650万円 | 約7,077万円 |
| 築31年以上 | 6,000万円 | 約5,956万円 |
※国土交通省「不動産情報ライブラリ」の2026年第1四半期の成約価格情報から、東京23区・木造・延べ床面積90~110㎡の戸建住宅を集計
前述したとおり、建物は築年数の経過に伴って評価が下がりやすくなりますが、上表の成約価格を見ると、築年数に比例して戸建住宅の価格が一定の割合で下がっていないことがわかります。
これは、戸建住宅の成約価格には建物だけでなく土地の価値も含まれており、立地や土地面積、接道条件などが価格に影響するためです。
特に東京23区では土地価格が高いため、建物の経年による価格低下が住宅全体の価格に表れにくいことが考えられます。そのため、建売住宅の売却価格は建物と土地を含めた住宅全体の相場を確認することが大切です。
建売住宅は売却しやすいといわれる理由

建売住宅は、間取りのパターンが決まっており、材料などもほかの建売住宅と同じものを使用するためコストを下げられます。建売住宅が売却しやすい理由や、売却しにくい建売住宅の特徴について詳しく見ていきましょう。
【理由1】汎用的なデザインなので、万人受けしやすい
建売住宅は、幅広い購入者の好みを想定して設計されているため、シンプルで汎用性の高いデザインが採用されています。
一方、注文住宅は建築主の希望に合わせて外観や内装を自由に設計できるため、個性的なデザインにしている場合もあります。建築主のこだわりが強いデザインは、購入希望者によって好みが分かれるため、売却の難易度が高いことがあります。
その点、建売住宅は比較的シンプルなデザインが多いため、購入希望者が自分の好みに合わせて暮らしをイメージしやすいことが特徴です。こうしたデザインの汎用性は、中古住宅として売却する際に強みといえるでしょう。
【理由2】新築時の取得価格が比較的低い傾向にある
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」では、土地と建物の両方の取得費を含む「土地付注文住宅」と建売住宅を比較できます。
一般的な「注文住宅」は土地の取得費が含まれないケースがあるため、ここでは土地と建物をセットで購入する建売住宅と、土地付注文住宅で比較しています。
| 住宅の種類 | 2025年度の平均所要資金 |
|---|---|
| 土地付注文住宅 | 約5,313万円 |
| 建売住宅 | 約4,215万円 |
| 差額 | 約1,098万円 |
2025年度の「フラット35利用者調査」によると、全国の平均所要資金(物件の取得にかかった購入価額)は、土地付注文住宅が約5,313万円、建売住宅が約4,215万円で、約1,098万円の差があります。
住宅面積や敷地条件、購入地域なども異なるため、この差額だけで単純に比較することではできません。しかし、上記のデータにおいては、建売住宅のほうが取得にかかる費用が低い傾向があるといえます。
【理由3】一般的な家族構成に対応しやすい間取り
建売住宅は、幅広い世帯の暮らしを想定して設計されており、3LDKや4LDKなど一般的な家庭が暮らしやすい間取りが採用されている傾向にあります。
家族が集まるLDKに加え、寝室や子ども部屋として使える個室を設けるなど、日常生活での使い勝手を考慮した間取りが特徴です。一方、注文住宅では建築主の生活スタイルに合わせて間取りを自由に設計できるため、特殊な間取りや用途を限定した部屋が設けられているケースもあります。
そのため、一般的な建売住宅は、購入希望者が入居後の生活をイメージしやすく、幅広い世帯から検討してもらえる可能性があるのです。
売りにくい建売住宅の特徴
すべての建売住宅が売りやすいわけではありません。売りにくい建売住宅には、どのような特徴があるのでしょうか。
立地が悪い
立地が悪い場合、間取りに関わらず売りにくい傾向があります。建売住宅に限ったことではありませんが、生活するのに不便な立地では買い手が見つかりにくくなります。
駅から遠い、周辺に学校や病院、商業施設がない場合は売りにくい場合があります。
築年数が古く、建物の劣化が進んでいる
建売住宅は、築年数が経過して建物の劣化が進んでいると、売却に時間がかかる場合があります。特に、外壁や屋根、室内設備の老朽化が目立つ物件は、購入後の修繕費用を懸念され、買主から敬遠されるおそれがあります。
ただし、築年数が古い建売住宅でも、定期的にメンテナンスされている物件であれば、購入希望者から評価されることがあります。そのため、建売住宅を売却する際は、築年数だけでなく建物の状態や過去の修繕履歴を確認し、適切な売り出し価格を設定することが大切です。
建築前に購入して自分の要望を多く取り入れた物件
建売住宅であっても建築前に購入した場合、ある程度間取りや設備の色などを指定できるケースがあります。
間取りなどが一般向けではなくなったケースでは、ターゲットが絞られてしまい、売りにくくなる可能性があります。
建売住宅をできるだけ高く売るためのコツ
中古の建売住宅では、建物と土地の両方を買主に評価してもらうことが大切になります。少しでも高く売りたい方が意識すべきポイントを具体的にご紹介します。
土地の境界・接道・越境などを整理しておく
戸建は建物だけでなく土地の価値も価格を大きく左右します。特に接道状況は不動産会社だけでなく、金融機関の担保評価においても重視されるポイントです。
土地の境界が不明確、敷地内に越境物がある、セットバックが必要といった物件は、買主が将来の建替えや土地利用を判断しにくいと判断し、敬遠されることがあります。
必要に応じて測量を行い、境界や敷地面積を明確にしておくことも戸建ならではの準備のひとつです。
建築時・修繕時の資料をできるだけそろえる
不動産売却では、実際の建物状態も考慮されるため、外壁・屋根・給排水設備などを適切に維持している住宅は、築年数が経っていても高く評価されることがあります。
建売住宅を購入したときの書類として、検査済証や間取り図、測量図、住宅性能に関する資料、リフォーム・修繕履歴などが残っていれば、不動産会社や買主が建物を正確に評価しやすくなります。
築年数が経過した戸建では、単に「築〇年でもきれい」と見せるより、どのように自宅を維持してきたのかを示すことが重要です。
建物状況調査(インスペクション)を検討する
戸建住宅の売却では、「雨漏りはないか」「構造部分に問題はないか」といった、購入後にトラブルが起きないよう確認されます。建物状況調査を行えば、買主が建物の状態やリフォームの必要性を判断する材料になり、売買後のトラブル抑止も期待できます。
ただし、建物状況調査を行えば必ず高く売れるわけではありません。建物の状態のよさを客観的に示せる住宅は活用するとよいでしょう。
立地の良さをアピールする
建売住宅を売却する際は、建物の状態や間取のほか、立地や周辺環境の魅力を伝えることも大切です。
建売分譲を行うハウスメーカーは、建物をローコストで建築することに加え、開発する土地の立地にこだわっている会社が多いためです。住宅によっては、駅チカをはじめ「商業施設や教育施設・公共施設が充実している」「周辺の雰囲気がよい」など住環境のよさをアピールできるでしょう。
土地は移動させることができないため、建売住宅で立地がよい場合は効果的なアピールポイントとなります。
周辺相場を踏まえて売り出し価格を設定する
建売住宅を少しでも高く売りたいと考えるのは自然なことですが、査定価格を大きく上回る価格を設定するのは避けるべきです。不動産売却では、売り出し直後の時期が最も注目度が高く、購入希望者の目に留まりやすくなります。このタイミングで相場からかけ離れた価格に設定してしまうと、貴重な売却機会を逃すことにつながります。
また、市場の相場を無視した強気の価格を設定した結果、長期間売れ残ってしまうと、買い手から「何か問題がある物件なのではないか」と敬遠されるおそれがあります。不動産会社が提示する客観的なデータにもとづき、市場で選ばれやすい価格にすることが重要です。
建売住宅がなかなか売れない場合の対処法

建売住宅は万人受けする間取りや手ごろな価格帯から、中古市場でも比較的需要が高い物件です。しかし、売り出しから数カ月が経過しても買い手が見つからない場合は、何らかの対応をする必要があります。
一般的には、相場に合わせた価格設定や広告戦略の見直しなどが挙げられます。以下では、建売住宅が売れない状況を打破するための具体的な対処法について詳しく解説します。
売り出し価格や販売方法を見直す
物件を売り出してから3カ月以上経過しても内覧の申し込みがない、あるいは内覧はあっても成約に至らない場合は、売り出し価格が周辺の相場とズレている可能性があります。
特に建売住宅は、近隣で似たような間取りや築年数の物件が競合になりやすく、わずかな価格差で購入を見送られることも少なくありません。まずは、周辺の成約事例や現在売り出し中の競合物件を改めて調査し、相場に合わせて価格を調整することを検討します。
いきなり大幅な値下げをするのではなく、端数を調整して「4,000万円」から「3,980万円」にすることで、ポータルサイトの検索条件に引っかかりやすくなるケースもあります。
また、価格だけでなく販売方法の見直しも重要です。不動産ポータルサイトに掲載されている家の写真の枚数が少なかったり、全体的に暗かったりすると、物件の魅力が正しく伝わりません。明るい時間帯に撮影し直す、広角レンズを使用して開放感を演出する、といった視覚的なアプローチを検討しましょう。
建売住宅の売却実績がある不動産会社に相談する
なかなか買い手が見つからない場合は、建売住宅の売却実績が豊富な不動産会社へ相談するのも一つの方法です。実は、不動産会社にはそれぞれ得意不得意があり、マンションの取引には強いが戸建ては苦手、あるいは注文住宅の売却実績はあるけれど建売を売却したことはない、といったケースが珍しくありません。
建売住宅の取引に慣れている会社であれば、その物件が持つ「万人に受け入れられる間取り」や「無駄のない動線」といった長所を的確にアピールできます。また、建売住宅が立ち並ぶエリアの特性や、近隣にある類似物件の成約データ、ターゲットとなる層の予算感についても熟知している場合があります。
もしも現在の担当者から具体的な提案が得られないのであれば、建売住宅に強い会社や、自宅と同規模の住宅を多く売買している会社に相談してみましょう。
建物が古い場合は土地をメインにして売却する
築年数が古く、建物の老朽化が進んでいる建売住宅は、中古戸建として売却するのではなく、土地として売り出す方法もあります。
たとえば、建物を残したまま「古家付き土地」として売り出せば、購入希望者がリフォームして住むか、解体して新築するかを検討できます。また、建物を解体して更地にすれば、新築用の土地を探している購入希望者にもアピールできるでしょう。
ただし、建物の解体には費用がかかるほか、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、土地の税負担が増える可能性があります。また、接道条件などによっては再建築できない土地もあるため、更地にする場合は注意が必要です。
建売住宅を売却するときの流れ
実際に建売住宅を売却するときの主な流れについて見ていきましょう。不動産を売却する場合、基本的に不動産会社と契約して売却を進めていきます。
- 不動産会社に査定を依頼
- 不動産会社と媒介契約を締結
- 売却活動を開始
- 買主と売買契約を締結
- 決済と引き渡し
建売住宅の売却は、通常の不動産売却の流れと違いはありません。売却完了までには、おおよそ3カ月〜半年かかるのが一般的です。
複数に査定を依頼して効率的に売却するのがおすすめ
売却を決めた場合、まず不動産会社に査定を依頼して売却価格の目安を把握します。この時、複数の不動産会社に依頼することが重要です。
不動産会社によって査定方法は異なるため、査定価格にも差があることが少なくありません。特に、建売住宅は同じ分譲地内に間取りや築年数など似た条件の物件があることも多く、売却実績を持つ不動産会社であればより精度の高い査定が期待できます。
また、査定額だけではなく次のようなポイントをチェックすることも大切です。
- 実績や評判
- 対応
- 担当者の人柄
- 不動産会社の得意分野
戸建住宅の売却では、戸建て住宅に特化している不動産会社を選ぶことが重要です。「リビンマッチ」なら、一度の入力でまとめて査定依頼ができるので、不動産会社を探す手間や時間を省けるでしょう。
建売住宅の売却に関するよくある質問
- 建売住宅は売りやすいの?
- 間取りや広さが大衆向けに作られているので、立地や建物の状態によっては買手が付きやすくなります。
- 建売住宅の売却価格の目安は?
- 戸建住宅は、一般的に築年数が経過するほど建物の評価が下がる傾向がありますが、土地面積、接道条件、建物の状態などによって売却価格は大きく異なります。

大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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