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【図解】不動産売却の流れをわかりやすく解説

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【図解】不動産売却の流れをわかりやすく解説

不動産売却は、査定の依頼から契約、引き渡しまで複数のステップを踏む必要があります。なじみのない言葉が多くて「何からはじめればいい?」「どれくらい時間がかかるの?」と不安に感じている方も多いでしょう。

この記事では、【図解】を使って不動産売却の全体像をひと目でわかるように整理しました。各ステップごとに流れや注意点も詳しく解説しているので、売却の準備から引き渡しまで安心して進められます。

これから売却を考えている方も、すでに動き出している方も、ぜひ参考にしてください。

【図解】不動産売却の流れ

不動産売却は以下のような流れで進めていきます。売却にかかる期間は不動産会社に相談してから、引き渡しまでに約3〜8カ月です。

不動産売却の流れ

不動産売却の流れ

不動産売却の流れをSTEPごとに解説!

不動産売却では不動産会社の査定、媒介契約、販売活動を経て、さらに買主との売買契約など、多くのステップがあります。複雑に見えるかもしれませんが、一つひとつのステップを追っていけば難しくはありません。不動産の売却は次のように、6つのステップに分けられます。

  • 【STEP01】不動産会社へ査定依頼
  • 【STEP02】媒介契約の締結
  • 【STEP03】売却活動
  • 【STEP04】買主と売買契約の締結
  • 【STEP05】決済と引き渡し
  • 【STEP06】売却価格によっては確定申告が必要

それぞれのステップを見ていきましょう。

【STEP01】不動産会社へ査定依頼

不動産売却を成功させるには、所有している物件が「どれくらいの価格で売れるのか」を正しく把握することが重要です。希望する価格と実際に売れる価格にズレがあると、売却が長引いたり、あとで後悔する原因になります。また、住み替えや資金計画を立てるうえでも、早い段階での正確な価格の把握しておくことが欠かせません。

不動産会社へ依頼する査定には、「机上査定」と「訪問査定」の2つの方法があります。それぞれの特徴や違いについて詳しく見ていきましょう。

机上査定とは?

机上査定とは、現地を訪問せず、書類上の情報だけをもとに不動産の査定価格を算出する方法です。物件の所在地や面積、間取り、築年数といった基本情報に加え、公図や周辺地域の過去の取引事例、地価公示データなどを参考にして、価格を推定します。

机上査定のメリットは、手軽に依頼でき、早ければ当日、遅くても数日以内に結果がわかるスピード感です。大まかな売却価格を知りたい人や、複数の不動産会社の査定結果を比較したい人に向いています。

ただし、机上査定では現地確認を行わないため、建物の劣化具合やリフォーム履歴、立地特有の事情(道路幅、周辺環境など)は反映されません。机上査定では主に周辺の取引事例や地価公示データを参考に価格を算出しています。より正確な価格を知りたい場合や、売却を決心した場合は、このあとの訪問査定を受けることをおすすめします。

訪問査定とは?

訪問査定は不動産会社の担当者が現地を訪れ、物件の状態や周辺環境を直接確認したうえで査定価格を算出する方法です。建物の外観・内装の劣化具合、リフォーム履歴、接道状況、周辺の住宅環境など、机上のデータだけではわからないポイントまで細かくチェックします。訪問査定は、現地を見たうえで評価するため、机上査定に比べて査定価格の精度が高いことが特徴です。本格的に売却活動をはじめたい人、正確な価格を把握して売却計画を立てたい人に適しています。

ただし、訪問査定は担当者との日程調整が必要で、依頼から査定結果が出るまで数日~1週間程度かかる場合があります。また、建物の傷みや立地条件によっては、価格が机上査定より大幅に下がることがあります。

査定時に必要な書類

査定を依頼するとき、特に訪問査定では、物件の詳しい情報が必要になります。書類がそろっていれば査定結果の精度が高まり、スムーズな売却活動につながります。一方で、机上査定の場合は基本的な物件情報だけで査定できるため、必ずしもすべての書類が必要なわけではありません。ここでは、用意しておくと役立つ主な書類をまとめました。

机上査定と訪問査定で必要な書類の違い
査定方法 必要な書類 ポイント
机上査定 特に不要(基本情報のみでOK) 所在地、面積、築年数などの情報があれば査定可能
訪問査定 各種書類をできるだけ用意 物件の状態や詳細を正確に伝えるため、書類の準備があるとより精度が上が
訪問査定時に用意しておきたい書類
書類名 内容・役割
登記簿謄本(登記事項証明書) 所有者情報や土地・建物の面積、権利関係を確認するために使用
固定資産税納税通知書・固定資産評価証明書 公的な評価額や税額の確認に使われる
間取り図・建築確認済証(あれば) 建物の構造や間取りを正確に把握するために有効
リフォーム履歴(あれば) 修繕・改修の履歴を伝えることで、建物価値のアピールにつながる

机上査定、訪問査定のいずれの場合でも、査定をスムーズに進めるには、できる限り正確な情報を不動産会社に伝えることが大切です。特に訪問査定を依頼する際には、必要書類を整えておくことで、より精度の高い査定価格を提示してもらえる可能性が高まります。すぐにすべての書類を用意できなくても問題はありませんが、余裕を持って準備しておくと、その後の売却活動をより有利に進められるでしょう。

不動産一括査定を使うメリット

不動産会社に査定を依頼するときは、できれば複数の会社に声をかけて査定結果の比較をしましょう。査定価格だけでなく、売却までの提案や対応の細やかさにも、不動産会社ごとの違いがあるためです。とはいえ、1社ずつ問い合わせをするのは、思った以上に手間がかかります。そんなときは、一括査定サービスを使うと、負担を減らしてスムーズに進められます。

リビンマッチは売却したい物件情報を入力するだけで、複数の不動産会社へまとめて査定を依頼できるサービスです。売却を進めるときは査定結果や不動産会社を比較して、「この会社なら任せられそうだな」と感じるところを選べば大丈夫です。査定価格によっては、売却を見送ることもできます。最初の一歩に迷ったときは、こうしたサービスを活用することからはじめるのもひとつの手です。

査定価格が高いだけで選んではいけない理由

査定結果を受け取ったとき、一番高い価格を提示してきた不動産会社に惹かれるのは自然なことです。しかし、査定価格が高いからといって、必ずその金額で売れるわけではありません。

査定価格はあくまでも「売れる可能性がある価格の目安」にすぎず、売主の期待に応えるために、実態より高い価格を提示する会社もあります。こうした高すぎる査定価格をうのみにして売り出すと、売却までに時間がかかり、最終的には値下げを繰り返す結果になりがちです。査定結果を比較するときは、価格の高さだけで判断せず、「なぜこの価格になるのか」「どういった売却戦略を考えているのか」などもたずねてみましょう。

適正な価格と、信頼できる提案をしてくれる会社を選ぶことが、後悔しない売却への近道です。

【STEP02】媒介契約の締結

不動産会社が決まったら、次は媒介契約を結びます。媒介契約とは、不動産会社に販売依頼をするときに締結する契約のことをいいます。媒介契約を結ぶことで、物件をインターネット上に掲載したり、契約書を作成してくれたりと、引き渡しまでのサポートをしてくれます。

媒介契約にはいくつか種類があるため、自分に合ったものを選びましょう。媒介契約の種類と、選び方について解説します。

媒介契約の種類

媒介契約は以下の3種類あり、それぞれの違いは以下のとおりです。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約
媒介契約の種類と内容
  一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数者との契約 × ×
自分で買主を探せるか ×
指定流通機構(レインズ)への登録 ×(任意) ○(7日以内に登録) ○(5日以内に登録)
業務状況の報告義務 ×(任意) ○(2週間に1回以上) ○(1週間に1回以上)
不動産会社の責任度 ★☆☆(低) ★★☆(中) ★★★(高)
売主の自由度 ★★★(高) ★★☆(中) ★☆☆(低)

一般媒介契約は、複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことができます。専任媒介契約と専属専任媒介契約は、1社としか契約できないタイプです。また、売主が自分で見つけた買主と売買契約を締結できるかどうかの違いもあります。一般媒介契約と専任媒介契約はこの自己発見取引が可能ですが、専属専任媒介契約ではできないこととなっています。

不動産会社の責任度が高い契約ほど積極的な売却活動が期待できます。その反面、ほかの不動産会社と契約を結べない、自分でよい買主を見つけても売却ができないなど、売主の自由度は低くなるため、売却の幅が狭まるという点はデメリットといえるでしょう。

媒介契約を結ぶ際の注意点

3種類の媒介契約はどれもメリット・デメリットがあり、どれがよいとは一概にはいえません。自身が売却活動に割ける時間などによって、適した契約を選びましょう。

売却活動を不動産会社に任せたい場合は専属専任媒介契約や専任媒介契約、自分でも動きたい場合は一般媒介契約が向いています。また、いずれの契約を選ぶにせよ、不動産会社とは密に連絡を取り、進捗状況を常に把握する姿勢が重要です。

なお、売主が選ぶ割合は専任媒介契約か専属専任媒介契約が多いです。窓口をひとつに絞ることで複数社の不動産会社と連絡を取り合うといった面倒がなくなります。多少手間や面倒がかかっても高く売りたい場合は一般媒介契約がおすすめです。

【STEP03】売却活動

媒介契約を締結すると、不動産会社は本格的に売却活動を開始します。売却活動とは不動産会社が依頼された不動産を売却するために、物件の魅力を最大限に引き出し、購入希望者にアピールする一連のプロセスのことをいいます。

主な活動内容は次のとおりです。

物件情報の公開
不動産ポータルサイトや自社サイト、チラシなどを通じて物件情報を広く発信します
問い合わせ対応
購入希望者からの問い合わせに対応し、内覧の調整を行います
内覧の実施
購入希望者が実際に物件を見学する内覧を行います

売却活動の期間は、物件の立地や価格設定、需要などによって異なりますが、一般的には3~6カ月程度が目安とされています。

売主がやるべきこと

売却活動は不動産会社が進めてくれますが、売主が協力することもあります。売主のちょっとした気配りや対応が、購入希望者の印象に大きく関わり、売買契約へのスピードにも影響します。

室内を整えておく
内覧前には、リビングや水回りを中心に掃除し、スッキリした印象を心がけましょう。ものが多いと部屋が狭く見えるため、整理整頓も効果的です
内覧対応を柔軟に
希望者の内覧希望日時にできるだけ対応することで、チャンスを逃がさず活かせます。急な内覧依頼にも備えて、日ごろから室内の状態を整えておくと安心です
質問には誠実に答える
「なぜ売却するのか」など、購入希望者の不安を和らげるように、率直で丁寧な対応を心がけましょう

不動産会社との連携を大切にしつつ、売主としての基本的な協力を意識することで、スムーズな売却につながります。

内覧時に好印象を与えるコツ

内覧は、購入希望者が「この家で暮らす自分」をイメージする大切な場面です。ちょっとした工夫や気配りで物件の印象がよくなり、購入希望者が住んだときのイメージをポジティブに抱けるようになります。

明るく清潔な空間をつくる
カーテンを開けて自然光を取り入れ、照明をつけて室内を明るく保ちましょう。掃除も念入りに行い、特に水回りや玄関の清潔感を大切に
生活感を抑える
洗濯物やごちゃごちゃした日用品は見えない場所に。余計な生活感を減らすことで、見学者が自分の暮らしを想像しやすくなります
香りや音に配慮する
ペットや食事のにおいは意外と印象に残ります。換気や消臭をして、穏やかな空間づくりを意識しましょう。テレビや音楽もなるべく控えめに

無理にアピールしようとせず、「安心して住めそう」と感じてもらえる雰囲気づくりが大切です。

【STEP04】買主と売買契約の締結

売却活動を経て買主が見つかったら、いよいよ売買契約の手続きに進みます。ここでは不動産会社のサポートのもと、重要事項の説明を受けたうえで売買契約書を取り交わします。

契約時には「引き渡し時期」「手付金の額」「支払い方法」など、具体的な条件をしっかり確認しておくことが大切です。契約内容に合意すれば、買主から手付金を受け取り、契約が成立します。

この段階では、不明点があればその場で確認することが重要です。契約後のキャンセルには手付金の没収や違約金が発生する場合もあるため、納得のうえで署名・押印しましょう。

契約書類のチェックポイント

売買契約を結ぶ際に「重要事項説明書」と「売買契約書」という2つの書類が用意されます。どちらも重要な書類で、内容をよく理解したうえで署名・押印する必要があります。とくにチェックしておきたいのは、次のポイントです。

  • 物件の面積や登記情報に間違いがないか
  • 引き渡し時期や支払いスケジュールが合っているか
  • 特記事項(越境、再建築不可など)が明記されているか

気になる点がある場合は、不動産会社や宅建士にその場で確認しましょう。「何となくOK」で進めてしまうと、あとからトラブルにつながることもあるため、慎重に確認することが大切です。

契約不適合責任とは?

契約後、引き渡しを受けた買主が「説明されていなかった欠陥」に気づいた場合、売主に責任を問うことがあります。このときに関係してくるのが「契約不適合責任」です。契約不適合責任には、主に次のものが該当します。

  • 雨漏りやシロアリ被害
  • 境界トラブル
  • 見えない配管の故障 など

売主がその事実を知っていたかどうかにかかわらず、「事前に説明していない」場合には責任を問われる可能性があります。そのため、売主は不具合や気になる点があれば、契約前に不動産会社に伝えておくことが重要です。

不安があれば、「契約不適合責任を免責とする条項」を設ける相談も可能なので、事前に確認しておくと安心です。

【STEP05】決済と引き渡し

売買契約が成立したら、次はいよいよ物件の引き渡しです。買主から残代金を受け取り、所有権の移転や鍵の受け渡しなど、売却の締めくくりとなる重要な手続きが行われます。

この「決済・引き渡し」は売却が正式に完了する場面で、当日の流れや準備すべき書類について事前に知っておくことが大切です。どんなことを行うのかを把握することで、安心して決済・引き渡しに臨めるでしょう。

ここでは、決済当日の流れや注意点、必要な書類などについて順を追って説明します。

決済・引き渡し当日の流れ

決済当日は、買主・売主・不動産会社・司法書士が同席し、主に次ような流れで手続きが進みます。

  1. 買主から残代金の支払い(銀行振込が一般的)
  2. 売主から必要書類の提出
  3. 所有権移転登記の申請手続き(司法書士が担当)
  4. 鍵や関係書類の引き渡

これで物件の引き渡しが完了し、売却が正式に成立します。なお、登記費用は原則として買主が負担しますが、契約条件によって異なる場合もあるため、念のため事前に確認しておきましょう。

不動産会社や司法書士が手続き全体をサポートしてくれるので、落ち着いて臨めば大丈夫です。

同時決済について

売却と同時に新しい住まいを購入する場合、両方の決済を同日に行うケースを「同時決済」といいます。売却代金をそのまま新居の購入資金に充てられるため、資金のやりくりがスムーズになります。

ただし、両方の関係者(売主・買主・金融機関など)のスケジュール調整が必要になるため、準備には時間の余裕が必要です。事前に不動産会社と計画を立てておくことで、トラブルの予防になるでしょう。

必要書類まとめ

決済・引き渡しで売主が準備する書類は次のとおりです。

引き渡しの必要書類
書類 説明
登記識別情報通知(登記済証) 所有権を証明する書類
実印・印鑑証明書 登記手続きや契約書の押印に使用。印鑑証明書は発行から3カ月以内のもの
固定資産税納税通知書 固定資産税の日割り計算に必要
住民票(必要であれば) 変更先の住所の確認に必要なことがある
管理規約や設備説明書 マンションを売却した場合、管理組合や共用部のルールを確認するために必要になる
鍵一式 勝手口、車庫、窓などすべてをそろえる

固定資産税や管理費などは、引き渡し日を基準に日割りで精算されます。書類と一緒に精算明細の内容もよく確認しておきましょう。

【STEP06】売却価格によっては確定申告が必要

不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税」が課税されることがあります。課税される場合は、翌年に確定申告を行う必要があります。売却益が出ていなければ確定申告は不要ですが、判断が難しいことも多いため、事前に内容を理解しておくことが大切です。

確定申告が必要になるケースや、手続きの流れについて見ていきましょう。

確定申告が必要なケースとは?

不動産を売却したとき、その売却によって利益が出た場合には、原則として翌年に確定申告を行う必要があります。この利益は「譲渡所得」と呼ばれ、所得税と住民税の対象になります。

たとえば、以前に購入した住宅や土地を、購入時よりも高い価格で売却した場合、その差額が利益と見なされます。また、相続や贈与で取得した不動産を売った場合でも、売却金額と取得費・諸経費の差額によっては課税対象になることがあります。

一方で、自宅(マイホーム)を売却した場合には「3,000万円の特別控除」などの税の特例が認められており、条件を満たせば税金がかからないケースもあります。ただし、特例を利用する場合、確定申告は必須です。利益が非課税になったとしても、確定申告をしなければ特例は適用されません。

利益が出ていないと思っていても、経費の計上漏れや取得費の扱い次第で判断が変わることもあります。不安なときは税理士や不動産会社に相談し、必要な申告があるかどうかを事前に確認しておくと安心です。

確定申告の流れと注意点

不動産を売却して利益が出た場合は、翌年に確定申告を行い、「譲渡所得」として課税対象となる金額を申告します。複雑に感じるかもしれませんが、事前に準備をしておけば落ち着いて対応できます。

確定申告の基本的な流れ

  1. 必要書類を揃える
    売買契約書、登記簿謄本、取得時の契約書や領収書、仲介手数料・登記費用などの経費関連書類を準備します。
  2. 譲渡所得を計算する
    「売却価格 −(取得費+譲渡費用)」で計算します。取得費が不明な場合、概算(売却額の5%)を使うことも可能ですが、結果的に税額が高くなる場合があります。
  3. 特例の適用を確認する
    マイホームを売却した場合、「3,000万円の特別控除」などの優遇措置を受けられる可能性があります。ただし、特例を受けるためにも確定申告は必要です。
  4. 申告書を作成する
    税務署での記入や、国税庁の作成サイト(e-Tax)を利用して入力・印刷・提出ができます。
  5. 申告・納税を行う
    申告期間内に提出し、納税が必要な場合は期限までに納付します。

確定申告で気をつけたいのは、書類が不足していると正しく経費を計上できず、結果的に課税額が増えてしまうおそれがあることです。特に取得費が不明な場合や、領収書を失くしていると不利になるため、売却が決まった段階から少しずつ資料を集めておくと安心です。また、特例や控除は申告しなければ、自動的には適用されません。不安な場合は、税務署や税理士に早めに相談することがおすすめです。

確定申告のタイミングと手続き方法

不動産を売却した年の翌年、原則として2月中旬から3月中旬の間に確定申告を行います。この期間内に申告と納税を済ませる必要があります。

申告は、税務署に直接出向いて提出することもできますし、e-Taxを使えばインターネットを利用して自宅から申告・納税まで完了させることも可能です。最近ではスマートフォンでも入力・提出ができるようになり、利用しやすくなっています。

うっかり申告を忘れてしまうと、特例を受けられなかったり、延滞税が発生したりするおそれがあります。対象になりそうな人は、早めにスケジュールを確認し、無理のない形で準備を進めておきましょう。

不動産売却にかかる期間

「不動産を売ろう」と思い立っても、実際に売却が完了するまでにどれくらいの時間がかかるのかは、なかなかイメージしにくいものです。引っ越しや住み替えを計画している人にとっては、スケジュールを立てるうえでも気になるポイントでしょう。

不動産売却にかかる期間の目安をステップごとに整理し、さらに期間を左右する主な要因についても解説します。

売却完了までのおおよそのスケジュール

不動産の売却は、ひとつの手続きで終わるものではありません。査定から引き渡しまでいくつかのステップがあり、それぞれに一定の時間がかかります。

次の表は一般的な売却の流れと、それぞれの工程にかかる期間の目安です。

不動産売却完了までのスケジュール
ステップ 内容 期間の目安
STEP01 査定の依頼 複数社へ査定を依頼し、条件を比較 1~2週間
STEP02 媒介契約の締結 信頼できる不動産会社と契約を結ぶ 数日~1週間
STEP03 売却活動 物件情報の公開、内覧対応など 1~6カ月
STEP04 売買契約 買主が決まり、契約を締結 1週間前後
STEP05 決済・引き渡し 残代金の受け取りと鍵の引き渡し 2~4週間

このように、不動産の売却には、約3~8カ月程度かかることが一般的です。ただし、これはあくまで目安であり、物件の条件や市場の動きによって前後します。

売却期間に影響する主な要因

売却までの期間には個人差がありますが、その違いはどこから生まれるのでしょうか。次に、売却スピードを左右する代表的な要因を見てみましょう。

立地・築年数・間取り
需要の高いエリアや人気のある間取りは、早く売れる傾向がある
価格設定
相場よりも高めに設定すると買い手が付きにくく、結果的に売却まで時間がかかる
市場のタイミング
引っ越しシーズンの春や秋は需要が高まり、売却活動がスムーズに進みやすい
不動産会社の対応力
物件の魅力の伝え方や内覧対応のスピードなども売却の早さに影響する

このように、さまざまな要素が影響し、売却までの期間が決まります。査定価格や不動産会社の比較を行い、適切な売却活動ができるよう努めましょう。

早めに売りたい場合は?

「なるべく早く現金化したい」「住み替えの都合で売却を急ぎたい」といった場合には、不動産会社による「買取」や「買取保証付き売却」という方法も選択肢に入ります。

相場より価格は下がる傾向にありますが、時間優先で進めたいときには有効な手段です。

流れを把握せずに売却活動を進めるとどうなる?

もし不動産売却の流れを把握せずに漠然と進めてしまった場合、多くのリスクを背負ってしまいます。ここではよくある質問にお答えします。

媒介契約の違いを理解せずに契約

媒介契約の違いを理解せず、不動産会社に任せきりで売却を進めてしまうとどうなる?
思っていた販売活動ができないことがあります。

たとえば、あなたが不動産売却を色々な会社に頼みたいと思っていたとします。しかし、売却の流れや媒介契約の違いを理解していないと「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」などの1社の不動産会社に任さなければいけない契約を結んでしまい、思っていた販売活動ができません。

「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」は最短でも契約期間の3カ月間は契約を取り消すことができず、もし解約したいときは違約金が発生します。

不動産会社との媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つがあることを理解し、それぞれのできること、できないことをしっかりと理解しましょう。

相場を調べずに売り出す

周辺の相場を調べずに不動産売却を進めても大丈夫?
物件が売れずに販売が長期化するおそれがあります。

不動産会社によっては、自社で媒介契約を取りたいがために、物件価格を相場より高い金額で提案してくることがあります。その金額で売れれば問題ありませんが、いまはインターネットで相場がわかる時代です。買主も相場を把握しているため、割高な物件を検討してくれる可能性は低いです。 売れない期間が長くなった結果、「売れ残り物件」として認知されてしまい、金額を下げても売りにくいという事態が発生することもあります。

自分で相場を調べるのが面倒な場合は、複数の不動産会社に査定依頼をしてください。査定価格を比較検討することで、相場観をつかむことができます。

住み替えのスケジュールを誤る

住み替え先のことは売却が決まってから考えればいい?
自宅の売却を進める前に、住み替え先の条件も検討しなければいけません。

もし、家族のなかで住み替え先の条件が決まっていないまま、自宅の買い手が付いた場合「ちょっと待ってください」とはいえません。 住み替え先の計画がないまま進めると、じっくり検討できないうちに住み替え先を決めなければいけなかったり、仮住まいに引っ越すという無駄な出費がかかる可能性が出てくるのです。 そのような失敗をしないために、自宅の売却の前に、住み替え先の希望や条件をあらかじめ決めておくことが重要です。

不動産売却は余裕のある計画を!

ここまで不動産売却の流れについて紹介しました。売却の相談をしてから引き渡しまでは約3~8カ月かかりますが、この期間は物件の状態や売り出し価格によって差があります。これは、不動産取引は買主が存在して初めて売買取引が成立するからです。

買主がまったくあらわれなかったり、売買契約直前でキャンセルされたりすると1年以上売れないケースもあります。そのため、売却活動には余裕のあるスケジュールを立てましょう。

これから、売却を検討している方は一括査定サイトのリビンマッチを利用しましょう。簡単な入力をするだけで、複数社へ査定依頼ができます。査定価格や担当者の対応を比較検討することで、満足のいく不動産売却ができるでしょう。

不動産売却に関するよくある質問

査定を依頼したら売却しないといけない?
いいえ。必ずしも売却する必要はありません。査定価格を見てから検討しても問題ありません。資金計画を立てるため、早めの査定がおすすめです。
売却前にリフォームや修繕をしたほうがいい?
必要ではありません。リフォームをしても費用を価格に上乗せできるとは限らず、かえって売れにくくなることもあります。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。

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