【別居中】勝手に家を売られるケースと対策!売られたときの対処法も紹介

別居中とはいえ、まだ配偶者が住んでいる家を売るなんて、と思う人もいるでしょう。しかし、勝手に家を売られるケースは存在します。
そこで本記事では、別居中、勝手に家を売られるケースと別居中でもできる売られないための対策3選を紹介します。対策が間に合わず、すでに売られてしまった場合の対処法3選も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
別居中、勝手に家を売られるケース
以下ではどのようなケースであれば家を売られてしまうのか、順番に解説します。
家が旦那(もしくは妻)名義の財産である
家が配偶者どちらか一方の単独名義である場合は、名義人の意思のみで家を売れます。不動産会社との契約から決済まですべて単独で行えるうえ、配偶者には一切相談する必要がありません。
モラルの観点から考えると無情にも思えますが、たとえ配偶者がその家にまだ住んでいる状態であっても、連絡の必要すらありません。
配偶者に持分がある
家が共有名義である場合、家を売るには共有者全員の同意が必要です。しかし、自身の持分に対しては、共有者の同意なしに自由に処分できます。つまり、配偶者は自身の持分に限っては、好きに売れるということです。
ただし、以下のような理由から共有持分を売るのは難しい傾向にあります。
- 買い手がつきにくい
- 売買価格が下がるおそれがある
- 共有持分の買取を拒否する不動産会社がある
面識のない人と1軒の家を共有で持つことを考えれば当然ともいえますが、複数の所有者が存在する物件は、一般の第三者へ売るのが困難です。
また、思うような金額で売れないことが多く、そもそも共有持分のみの買取を受け付けていない不動産会社も多く存在します。そのため、共有持分を売るのはハードルの高い方法です。
勝手に家を売られたくない!別居中でもできる対策3選
家が配偶者単独の名義であれば、法律上は配偶者の一存で売れると考えられます。
しかし、マイホームは共有財産であり、半分は自身の家でもあります。また、人が住んでいる状態の家を売ることは、現実的に考えて無理があります。
しかし、楽観視はできません。不動産会社が事情を知っていれば、通常は家を売ろうとしている配偶者を説得してくれるでしょう。しかし、配偶者が事情を隠している場合や事情を偽っている場合は、不在時に売られてしまうおそれがあります。
ここでは、勝手に家を売られないための対策を紹介します。
自身に財産分与の請求権があることを教える
家を売られないための対策として、自身に財産分与の請求権があることを配偶者に教える方法があります。
財産分与とは、婚姻中に夫婦で築いた財産を離婚時に公平に分ける制度のことです。婚姻中に購入した不動産は財産分与の対象となり、原則夫婦で2分の1ずつ分け合います。配偶者の収入で購入し名義も配偶者単独であったとしても、持分に関係なく分配が可能です。
法律上、夫婦の話し合いで財産分与できない場合、配偶者のどちらかが家庭裁判所へ離婚調停を申し立てます。
離婚調停で財産分与を請求された場合、請求された側にとっては大きな負担となる場合があります。家は財産分与の対象であるため、売り渡しによって得られた金銭の半分は配偶者のものです。つまり、原則どおりに分配するのであれば配偶者に金銭の半分を渡す必要があります。
また、財産分与の請求者に収入がなく離婚後に生計を立てられないと予想される場合、生活が安定するまでの一時的な扶養として、財産分与の額が増やされることがあります。そうなれば、離婚から一定期間、請求者の生活費を請求された側が負担し続ける必要があります。
そのうえ、親権を請求者が持つ場合、請求された側は子の養育費を支払う必要があります。さらに追加で慰謝料が発生すれば、財産分与を請求された配偶者の負担は計り知れません。
上記のようなデメリットを教えれば、配偶者は強引に家を売りたくなくなるかもしれません。
離婚調停で不利になるかも、と教える
離婚調停で不利になるおそれがあることを、配偶者本人に教えることも有効です。離婚調停で不利になるおそれがある理由は以下のとおりです。
- 同居義務違反にあたる場合がある
- 別居中に強引に家を売ることで印象が悪くなる
法律上、夫婦は同居することが義務づけられています。とはいえ、すでに夫婦関係が破綻している場合は同居義務がないため、ただ別居しているだけでは法律違反になりません。
ただし、一方的に家を出た場合や不倫が原因で突然家を出た場合などは、同居義務違反にあたる場合があります。
このように別居の事実だけでも、場合によっては離婚調停で不利になることがあります。そのうえ、家族が住んでいる状態であるにもかかわらず強引に家を売ろうとしているとなると、さらに印象は悪くなるでしょう。
以上の理由を配偶者に教えれば、家を売るのを食い止められる可能性があります。
仮差押えをする
仮差押えとは、裁判の判決が確定する前に配偶者の家(資産)を差し押さえることです。裁判の判決中に、配偶者に家を売られてしまうのを阻止する効果があります。
仮差押えは,金銭債権について将来の強制執行を保全するために債務者の財産を処分できないようにすることを目的とする手続です。
引用:裁判所「第2 民事保全手続について」
しかし、仮差押えの手続きは「民事保全手続」であるため、簡単ではありません。民事保全手続とは、裁判の申し立てをされた債務者の財産を一時的に処分できないようにしておく手続きのことです。
民事保全手続、つまり仮差押えは裁判の判決が出る前に債務者の財産を差し押さえる手続きであるため、申立てを行う債権者の言い分に誤りがあった場合は債務者が損をしてしまいます。
そのため、債権者の申立てが認められない場合は、債務者に対し損害賠償責任を負う必要があります。損害賠償責任の額は持ち家の固定資産税評価額からローンを控除した額の約10~20%です。担保金、保証金として裁判所に支払い、仮差押えに誤りがないことがわかれば、返金されます。
仮差押えをするかどうかは、以下の点を考慮して判断しましょう。
- 弁護士や司法書士に裁判の手続きを進めてもらうための費用がかかる
- 裁判所に担保金、保証金として固定資産税評価額からローンを控除した額の約10~20%を納める必要がある
- 申立てが認められない場合は、損害賠償責任として裁判所に納めた担保金、保証金が返却されない
実際に仮差押えを検討する場合は、事前に弁護士に相談するのがおすすめです。
売られた場合の対処法
法律上、家を売られた事実を取り消すのは不可能です。しかし、配偶者から金銭を受け取ったり、売りに出された家を金銭を払って買い取ったりすることが可能です。
以下では、家を売られた場合の対処法を紹介します。
離婚時に財産分与を請求する
財産分与は請求の時点で家がない場合でも、家があるものとして取り扱います。つまり、別居中に配偶者が勝手に家を売っても、財産分与の手続きは可能ということです。
財産分与の手続きでは、配偶者が家を売って得た現金の半分を請求者に渡すなどの方法が取られます。家に住み続けることはできませんが、代わりに金銭を確保できます。
自身が買い取る
売られた家を買い取り、自身の単独所有にする方法があります。単独名義や共有名義の家を売られてしまった場合は、新たな家の購入者から家賃を請求される場合があるためです。
これまで暮らしてきた家に今後も住もうとしているだけなのに、突然現れた新たな購入者から家賃を請求されるなど、常識で考えればおかしな話だと思うでしょう。
しかし、新たな家(配偶者が売った家)の購入者から見れば、購入した家なのに自身が居住できないのは、不公平とも思えるでしょう。事情は違えど、家を勝手に売られた配偶者と新たな購入者が不条理な立場に立っているのは、同じといえます。
そのため、新たな家の購入者は家賃を請求する権利があります。
自身の持分を売る
家が共有持分である場合に限った話ですが、自身の持分を売ってしまうのも対処法のひとつです。前述のように第三者との共有は活用しづらい側面が多く、トラブルに発展しやすい傾向にあります。
家を自身で買い取れない場合は自身の持分を売って、新たに住む場所を探したほうがよい場合もあります。
共有名義なら離婚前に一括査定サイトを使おう
夫婦どちらかが家を売りたい場合は、たとえ別居中であってもきちんと話し合いをし、離婚前または離婚後にできるだけ高い金額で売りましょう。
離婚後も家を残しどちらかが住み続ける選択肢もありますが、どちらが家に住むかでもめてしまうこともあります。離婚するとはいえ一度は永遠を誓った仲ですから、できれば円満に離婚したいと考える方が大半でしょう。
家を売るのであれば、売れた金額をきっちり2分割にすればよいだけなので、夫婦でもめる確率を下げられます。
しかし、売れた金額が低ければ納得できずに、金額が低い原因を夫婦どちらかの責任にしてしまう方もいます。
そのため円満に家を売るには、できるだけ高い金額で売れるよう動いたほうが賢明です。できるだけ高く売るには、不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」の利用がおすすめです。
リビンマッチは最大6社の不動産会社へ、完全無料で査定依頼ができるサービスです。家の販売を任せる会社を複数社の査定額をもとに比較、検討し選ぶことで、家が高く売れる確率が高まります。
高い査定額を提示した会社は、それだけ家の販売に自信を持っているともいえますし、複数社を比較し納得できる会社に依頼したのであれば、たとえ想定より低い金額でしか売れなかったとしても、後悔することは少ないでしょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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