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【税理士執筆】シンガポールでの節税に向く人、向かない人と節税効果

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【税理士執筆】シンガポールでの節税に向く人、向かない人と節税効果

シンガポールは税制優遇、いわゆるタックスヘイブンの対象国であり、日本よりも一人当たりのGDP(国内総生産)は高く、アジアの中では第一位です。

所得税の最高税率は22%であり、法人税の最高税率は17%です。さらに、シンガポールには日本のような住民税や相続税、贈与税の制度自体がありません

一方で、日本の場合は、所得税と住民税を合算した税率が最高55%、法人税の場合も最高40%です。

そこで本記事では、シンガポールへ移住した場合の具体的な節税効果と、節税目的のシンガポール移住が向く人、向かない人について解説します。

シンガポールでの節税効果

日本の富裕層の中で、税負担を免れるためにシンガポールに移住し、サイドビジネスでWEB広告収入等、日本を経由しない取引がしばしば行われています。

現在も発展し続けているシンガポールですが、税制面や資産運用といった面だけでなく、インフラ整備も進んでおり、治安もよいとされています。

このようにシンガポールは富裕層に非常に好まれている面がありますが、一方では生活コストが非常に高いというデメリットもあります。

ここでは、シンガポールで事業を行うことによってどのくらい節税効果があるのか解説します。

シンガポールの税率は日本に比べて低い

上述したように、シンガポールは日本に比べて税制面で優遇されています。

個人の所得税に関していえば、日本では所得税と住民税を合わせた最高税率が55%であるのに対して、シンガポールは最高税率が22%です。また、シンガポールには住民税がありません

法人税に関しては、日本の大企業では法人税の実効税率が30.62%であり、中小企業では最高税率が34.59%の実効税率です。シンガポールの法人税の最高税率は17%になるため、日本の法人税率と比較して圧倒的に低いことがわかります。

シンガポールは相続税や贈与税が非課税

シンガポールが日本の富裕層から好まれる、大きな理由の一つが相続税や贈与税が非課税である点です。

現在の日本の相続税及び贈与税の税率は、最低10%から最高55%です。この税率がシンガポールでは非課税となっているので、税制面で優遇されることがわかります。

シンガポールのように税制面で優遇される国や地域のことを、タックスヘイブンといいます。

富裕層の節税対策で関心が高い点は、相続税や贈与税をいかに節税できるかです。そのため、相続税、贈与税が非課税であることは、富裕層にとって非常に魅力的なポイントといえます。

シンガポールの優遇税制

シンガポールには次に挙げる税制優遇措置が設けられています。

  • スタートアップ免税制度
  • 部分免税制度
  • 法人税リベート

上記のほかにもさまざまな優遇措置がありますが、代表例として上記3つが挙げられます。それぞれの制度内容については、後述で解説します。

シンガポールでは税率が低いうえ、さまざまな優遇措置もあるので、節税効果としては高いパフォーマンスを得られます。

節税効果がある理由

シンガポールには、日本に比べて低い税率、相続税や贈与税などの税制度自体が存在していない点、多くの優遇税制があることを紹介しました。

ここでは上述した内容のうち、優遇税制についてもう少し詳しく解説します。

スタートアップ免税制度について

スタートアップ免税制度とは、スタートアップ企業が適用できる、部分的に課税所得の減免が可能な制度です。

以下の要件を満たしていればスタートアップ免税制度の適用が可能です。

  1. シンガポールで設立された会社であること
  2. シンガポールの税法上の居住法人であること
  3. 株主が20名以下であり、かつ、すべての株主が自然人であるか又は1名以上の自然人株主が少なくとも10%の株式を保有していること
  4. 主たる事業内容が、投資会社、売買又は投資用不動産の開発でないこと

部分免税制度について

部分免税制度とは、課税所得を部分的に減免する制度です。すべての法人を対象とした優遇措置で2005年に導入されました。

部分免税制度が適用されると、所得金額に応じて50%や75%などの割合が課税所得から減免されます。

具体的な対象金額や適用する割合については賦課ふか年度によって変わってきますので、実際の賦課年度を確認しておく必要があります。

賦課ふか年度:国税や地方税など国や地方に納める必要のある税額が決定、通知された年度

法人税リベートについて

シンガポールの優遇措置には、部分免税制度のほかに法人税リベートという制度があります。日本語では、法人税の控除という意味です。納めるべき法人税からさらに減税する制度です。

法人税リベートはシンガポールの法人を対象に、事業活動をしていくうえで負担となる事業コストの上昇による「キャッシュフロー」の改善だけでなく、国際的な競争から勝ち抜くために存在します。

控除額は、シンガポールの経済状況によって毎年変わるため、シンガポール政府の予算発表に注目しておきましょう。

シンガポールでの節税に向く人、向かない人

以下ではシンガポールの節税が向いている人かどうかの判断材料として、シンガポールへ移住した場合のメリットとデメリットを紹介します。

実際に、シンガポールでの節税を利用してシンガポールへ移住したり、シンガポールでの会社設立を検討されていたりする方は参考にしてください。

向く人

シンガポールでの節税に向く人は、多額の資産や財産を所有している人です。

具体的には下記のとおりです。

  • 相続税や贈与税がないため、所有している財産の贈与や事業承継を考えている高齢者
  • キャピタルゲインは非課税のため、株式や債権、不動産などの財産を多額に持っている人
  • インカムゲインが非課税のため、預貯金の預金利息や株式の配当金、不動産の家賃収入などがある人

キャピタルゲイン:資産を売却することで得られる利益

インカムゲイン:資産を保有することで得られる利益

向かない人

シンガポールは税制面で魅力的ですし、経済情勢が安定しており、政府の統率力も強いことから、ほかのアジア諸国と比べて政情不安に陥ることは低いです。

しかし、下記に該当するような人はシンガポールでの節税に向かない人といえます。

2〜3年後に移住を考えている人

シンガポールが急速な速度で成長している理由は、「決断力が圧倒的に速いから」といわれています。

そのため、法改正が頻繁に行われているので、2〜3年後に移住を考えている人の場合には、その間に法改正が行われて移住が不可能になり得ます。

2〜3年後に移住を考えているマイペースな人は、シンガポールへの移住を検討し直したほうがよいでしょう。

国内旅行を楽しみたい人

シンガポールはほぼ東京23区内と同じ面積であり、車を走らせて1時間もすれば横断可能な小さな国です。

そのため、国内のさまざまな地域へ旅行に行くことができません。反対に、海外旅行としてマレーシアやタイ、ミャンマー、タイなどへは約1~3時間で行けます。

暑さが苦手な人、四季を感じたい人

シンガポールは四季がなく、気温も常に暑いです。

暑さが苦手な人や、日本のような四季を感じたい人は、シンガポール移住に不向きといえるでしょう。

生活費に余裕がない人

冒頭で述べましたが、シンガポールはアジア諸国で最もGDPが高く、物価も東京より高いといわれています。

シンガポールである程度の生活を送るには、それなりの出費が必要です。

シンガポールで節税したい方は、持ち家の売却がおすすめ

シンガポールへ節税目的で移住する際、いきなり移住するのはおすすめしません。プチ移住として数カ月ほど暮らしてみて、生活が自分たちに合うのか把握しておくことで、移住後すぐ帰国といった無駄な出費を防げます。

また、シンガポールは節税効果が期待できる反面、物価や居住費も他国と比べ高いのが現状です。そのため、シンガポールに移住するには、生活費を貯金しておく必要があります。

生活費やプチ移住のための貯金額を増やすには、持ち家の売却がおすすめです。

持ち家の売却は勇気のいることですが、シンガポール移住やシンガポールでのビジネスを成功させるには、あえて逃げ道を断つのも有効です。

さらに、誰も住む人がいない家であっても、所有していれば日本で固定資産税を支払う必要があるため、放置するのはもったいないといえます。

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この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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