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親の介護が辛い!限界まで頑張らなくてもいい理由と状況を改善する方法

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親の介護が辛い!限界まで頑張らなくてもいい理由と状況を改善する方法

超高齢化社会の日本では、親の在宅介護を辛いと感じる人が年々増えています。

子どもは親に対し自分の収入の範囲内で扶養する義務がありますが、自分の手で面倒を見る介護の義務はありません

辛いと感じるまで親の介護を続けられた親孝行な読者の方へ、特別養護老人ホームに20年以上勤務する生活相談員が、介護が辛いと感じる原因と限界に達するまで介護を続ける必要がない理由、いまの辛い状況から抜け出す方法を解説します。

介護の辛い状況から抜け出したい方は、ぜひ参考にしてください。

(在宅)介護を辛いと感じる人は多い。その原因

在宅で親の介護を続けることを、辛いと感じている人は多いです。特に同居していると24時間介護のことを考えなくてはならず、ストレスを感じて生活しているのではないでしょうか。

在宅介護が辛いと感じる主な原因は次のとおりです。

  • 周囲に相談しにくい
  • 自分に使える時間が減る
  • 未来に希望が持てない
  • 介護者の心身が消耗する

ひとつずつ解説します。

周囲に相談しにくい

親の介護が辛くても、周囲からの偏見をおそれて1人で抱え込んでしまう人もいます。

「健康で明るかった親が見るに堪えない状態になってしまった。知られたら周囲から噂されないか、同情されないだろうか」「認知症のある親の言動で近所に迷惑をかけてしまうのではないか」など、理由はさまざまです。

実際、認知症のある家族に対しイライラしている自分に引け目を感じ、「相談をしても逆に責められるのではないか、悪い人間だと思われるのではないか」と相談できない事例は多いです。

自分に使える時間が減る

在宅介護をしていると、本人の3度の食事や排泄介助などで時間が取られます。

親に認知症の精神障害や行動障害などの周辺症状があれば、精神的な負担が大きくなります。認知症の症状には記憶障害や場所、時間がわからなくなる見当識障害などの中核症状と、中核症状を原因として二次的に起こる周辺症状があります。

目的もなく歩き回っているように見える徘徊はいかいや、物を盗られてしまったと思う妄想、食べられない物を食べてしまう異食などは、この周辺症状にあたります。認知症のある方の介護でもっとも大変なのが周辺症状への対応です。

外へ徘徊してしまわないよう常にそばで見守る必要があったり、見失ってしまったら探したりと、負担がかかるでしょう。夜中に対応をしなければならないこともあります。

たまには外に食事へ行きたいと思っても、ほかに介護できる人がいなければ外出すらままなりません。友人や恋人に遊びに誘われても断り続ければ、関係が疎遠になりやすいです。

自分に使える時間、自由に過ごせる時間が少なくなると、介護のストレスを発散させる機会が少なくなり、さらにストレスが増えてしまいます。

未来に希望が持てない

在宅介護を続けていると、未来に希望が持てなくなることがあります。育児と違い、介護はいつまで続くのか先が見えないからです。

結婚をして家を出るわけにはいかず、また新婚生活が義理の親の介護からはじまることをパートナーに理解してもらえるかも不透明です。仕事を辞める必要があれば、収入も少なくなるでしょう。

在宅介護を続けていくうちに未来に希望が持てず、しんどいと感じることがあるかもしれません。

心身ともに疲れる

親と同居して在宅介護を続けていると、24時間にわたる介護で心身ともに疲れてしまう場合があります。

毎日、ベッドから親を起こしたりお風呂に連れて行ったりすれば、足腰に負担がかかり介護する側のからだも疲れてしまうでしょう。介護への感謝があれば、少しは気持ちも軽くなるかもしれません。

しかし、親の状態によっては意思疎通ができなかったり、自分勝手な振る舞いで怒鳴られてしまったりします。こういった報われない介護は、心身への大きな疲労につながるでしょう。

限界に達するまで介護する必要はない!その理由

在宅介護が限界に達したときに起きる、主なリスクは次のとおりです。

  • 介護うつになる
  • 介護離職で生活が苦しくなる
  • 要介護者への虐待に発展する

ひとつずつ解説します。

介護うつになる

介護うつとは介護者がうつ病を発症した状態のことです。介護うつになる主な原因は、介護疲れやストレスです。

介護うつになると食欲不振や睡眠障害、疲労感や焦燥感、考えがまとまらないなどの症状が出てきます。

楽しみや喜びを感じない、よいことが起きても気分が晴れない、趣味や好きなことを楽しめないなどの症状が2週間以上続く場合は受診を検討したほうがよいでしょう。介護に携わる人であれば、誰でも介護うつになるおそれがあります。

「食事だけはしっかり取る」「たまには介護を代わってもらって、そのあいだに気分転換をする」など、からだを健康に保ち少しでも気分が晴れるよう、自分をいたわる時間をつくって予防しましょう。

介護離職で生活が苦しくなる

介護離職は、家族の介護をするために本業の仕事を辞めることです。

総務省統計局の「平成29年の就業構造基本調査」によると、介護をしている人は全国の約52万世帯(15 歳以上の世帯員約 108 万人)のうち627万6,000人で、そのうち有業者つまり働きながら介護をしている人は346万3,000人、無業者つまり働かずに介護している人は281万3,000人です。

また、同調査によると、介護者の割合が最も多い年代は男女ともに40代~50代です。過去1年間(2016年10月~2017年9月)に「介護・看護のため」に前職を離職した人は9万9,000人にのぼります。

介護と仕事の両立は身体的にも精神的にも負担が大きく、団塊の世代の要介護者が増加していく今後はさらに介護離職が増加するでしょう。仕事を辞めてしまうと収入が減り生活が苦しくなります。

再就職が難しくなることも考えられるため、公的な制度や職場にある制度をうまく活用し、介護と仕事を両立する方法を見つけられるとよいでしょう。

要介護者への虐待に発展する

在宅介護が限界に達すると、思いがけず虐待に発展してしまうことがあります。介護疲れによって要介護者への殺人や、介護者が自殺してしまう事件がニュースでも報道されています。

厚生労働省の令和3年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果によると、以下のように介護者が高齢者の虐待を疑われた、虐待通報件数は年々増加しています。2021年度の虐待通報件数は3万6,378件でした。

養護者による高齢者虐待の相談・通報件数と虐待判断件数の推移

養護者による高齢者虐待の相談・通報件数と虐待判断件数の推移

引用:厚生労働省 令和3年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果

10年前の2011年は2万5,636件だったので、虐待通報件数は10年間で約1万件以上増えた計算です。

虐待が発生した要因として多かったものは以下のとおりです。

虐待が発生した要因とその割合
虐待が発生した要因 割合(%)
被虐待者の認知症の症状 52.4
虐待者の精神状態が安定していない 48.7
被虐待者との虐待発生までの人間関係 47.3
虐待者の理解力の不足や低下 46.3

認知症の症状の強い人が虐待を受けやすく、介護者が疲れていたり、精神的に不安定になったりするとストレスから虐待に発展するおそれが高まります。

介護が辛い状況から抜け出す方法

以下で介護が辛い、しんどい状況から抜け出す方法を紹介します。

専門機関に相談する

介護保険がはじまって20年以上たった現在は、多くの人が介護保険サービスを利用しています。デイサービスや介護施設の車を見る機会も増えてきました。在宅のサービスも充実してきているため、相談できる機関も増えています。1人で抱え込まず、相談してみましょう。

親の介護について相談できる専門機関は以下のとおりです。

  • 市区町村の介護保険窓口
  • 地域包括支援センター
  • 居宅介護支援事業所

市区町村の窓口では、介護保険制度の説明や要介護認定の申請など手続きの面でサポートしてくれます。

地域包括支援センターは、市区町村から委託を受けて設置されていて、高齢者の総合相談や介護予防に関する援助などを行っています。

居宅介護支援事業所には、ケアマネージャーが在籍していて、本人や家族の状況からケアプランを作成し、各サービスの調整をしてくれます。

介護保険の制度は複雑で、自身で理解してサービスを利用するのは難しいものです。上記の機関に相談し、デイサービスやショートステイなどのサービスを利用し始めたことで、自分の時間がつくれ、介護にゆとりができるケースは多いです。

1人で抱え込まず、まずは専門機関に相談してみましょう。

在宅サービスを利用する

在宅介護で利用できるサービスは多数ありますが、代表的なものには訪問介護やデイサービス、ショートステイなどがあります。

訪問介護はヘルパーが自宅に訪問し、本人に必要な掃除や調理、身体介護をしてくれます。デイサービスは日帰りで利用できる通所サービスです。他者との交流やリハビリ、入浴などを目的に利用している人が多くいます。

ショートステイはあらかじめ期間を決めて、介護施設に泊まるサービスです。家族の休息や冠婚葬祭で利用する人が多く、将来の施設入所を見越し、環境に慣れるために利用している人もいます。

介護施設に入居してもらう

これまで育ててくれた恩があるのに、親を施設に入れるなんて」施設に入居してもらうことに罪悪感を持つ人もいます。これまで自分の手で親を介護する選択をされた、思いやりのある読者の方ならなおさらです。

しかし、親であれば子の幸せを一番に思うものです。自分のせいで介護が辛い、しんどいと感じる人生を送っていると知れば、親はどう思うでしょう。介護を辞めてもっと幸せな人生を送ってほしいと思う親が大半ではないでしょうか。

実際、苦しみながら在宅介護を続けるのであれば、施設に入居して適度な距離を保ったほうが、本人や家族双方にとって幸せなケースはたくさんあります。親に気持ちを聞けなくて不安な方も、介護施設への入居を一度検討してみてください。

介護保険に関わる施設は多くの種類がありますが、長期利用できる入居施設は以下のとおりです。

介護保険に関わる施設とその特徴
特別養護老人ホーム
  • 要介護3以上の方が対象で看取り対応も可能。
  • 医療的なケアに制限がある場合がある。
  • グループホーム
    • 認知症の診断を受けている方が対象。
    • 入居者同士による共同生活の場のため、心身機能の変化で退去を求められることもある。
    有料老人ホーム
    • 一般的に高額だが、要支援から利用可能。
    介護専用型ケアハウス
    • 要介護1以上の方が対象。
    • 身の回りのことはある程度できるが一人暮らしは不安という方が入居している。

    新型コロナウイルス感染症の流行のために見学ができない施設も増えていますが、生活相談員などの施設の担当者に話を聞きに行くことは可能です。施設それぞれに特徴があるため、相談や資料請求をしてみるとよいでしょう。

    入居資金が足りない場合の対処法

    介護施設に入居した場合、それぞれ費用がかかります。介護保険の制度で減免されたり、高額介護サービス費のようにあとから返還されたりする場合もあります。

    それでもいつまで続くかわからない施設生活に対し経済的な不安を感じることでしょう。その場合は、自宅の売却を考えるのもひとつです。

    自宅を売却すれば入居費用を一定期間分確保できます。家族の方も別のところに住居を移して心機一転を図る人もいます。

    不動産の一括査定サイトを利用すると、無料で複数社の査定結果を比較できますので、査定依頼を何度もする必要はありません。自宅売却を考える際は不動産の一括査定サイトを利用しましょう。


    この記事の編集者

    リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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