一戸建ての売却相場が決まるポイントとは?価格の調べ方と高値で売るポイント

近年、不動産価格の高騰が話題になっていますが、一戸建ての価格に影響はあるのでしょうか。将来的に売却を検討している人にとって、一戸建ての価格がどのような影響を受けているのかは気になるポイントです。
売却相場が決まるポイントや、価格を調べる方法など、一戸建ての売却をするときに知っておきたい情報を解説します。
リビンマッチのポイント
一戸建ても不動産市場の影響を受けますが、それに加えて建物の状態や立地などの要素が価格に大きく影響します。そのため、どんなに不動産価格が高騰しているときでも、家の評価が低いこともあるのです。所有する一戸建ての正しい評価を知るには、不動産会社の査定を受ける必要があります。
もくじ
一戸建ての売却相場の現状は?
主要都市における一戸建ての売却相場は、長らく続いた上昇傾向が落ち着き、横ばいから微減で推移している状況です。地域によりますが、マンション市場が価格上昇を続けているのとは対照的に、一戸建ては高値圏での足踏み状態といえます。
こうした相場の動きには、金利の変化や景気の状況、人口減少といったさまざまな要因が関わっています。どのような要因が、一戸建ての売却相場に影響するのか見ていきましょう。
不動産市場全体の動向

画像引用:東日本不動産流通機構「季報 Market Watch サマリーレポート2025 年7~9月期(PDF)」
東日本不動産流通機構が公表している2025年7~9月のデータでは、売りに出される一戸建ての件数は増加傾向にあり、市場全体が活発化しているといえます。購入希望者は選択肢が増えているため検討しやすい状況ですが、売主にとっては競合物件が多く、価格競争が激しくなっています。
また、首都圏における一戸建ての平均成約価格は、東京がわずかに下落している一方で、神奈川・埼玉・千葉はほぼ横ばいで推移しています。こうした価格の動きから、買い手が物件の条件や価格をより慎重に見極めていることが予想されます。常にアンテナを張り、売りたい一戸建てのある地域の市場動向や需給をこまめに確認しておくことが重要です。
金利の変動と住宅ローン情勢

画像引用:住宅金融支援機構「これからの住宅ローン選びを考えよう」
2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除して以降、住宅ローンの金利は上昇局面に入りました。その後も追加利上げが実施され、2024年10月には一部金融機関で変動金利が引き上げています。
購入希望者の資金計画への影響は、徐々にあらわれ始めています。今後も金利が上昇すれば購入希望者の意欲が慎重になり、一戸建ての売却価格が伸びにくくなるかもしれません。
景気動向と経済状況
日本経済は緩やかに回復しているものの、物価高の影響で実質賃金が伸び悩んでいる状況です。賃上げの動きは続いていますが、物価上昇に追いついているとはいえないでしょう。
将来の物価・金利の見通しが読みにくいことから、多くの家庭で「大きな支出は慎重にしたい」という心理が強まりつつあります。こうした景気の不透明感が、一戸建て購入を先延ばしする方を増やす要因のひとつになっているのでしょう。
人口動態と世帯数の変化
日本は人口減少が続く一方で、世帯構造が大きく変化しています。特に子育て世代の減少が目立ち、ファミリー層を主なターゲットとする戸建てのニーズに影響を与える可能性があるのです。
一方で、単身世帯や高齢世帯は増え続けており、今後もこうした少人数世帯の増加が見込まれています。
一戸建ての売却価格に影響するポイント
一戸建ての売却価格は、建物や土地の条件によって大きく変わってきます。同じエリアでも、築年数や間取り、外装・内装の状態次第で、相場から数百万円も差が出ることは珍しくありません。
所有している家にどのような特徴があるのかを把握しておくと、査定額の根拠も理解しやすくなるでしょう。
建物の築年数

画像引用:東日本不動産流通機構「REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年)(PDF)」
原則として、不動産は築年数が浅いほど売却価格は高くなる傾向があります。築浅物件は構造躯体や設備が新しく、買い手にとって修繕やリフォームの負担が少ないためです。
東日本不動産流通機構が公表している2024年のデータでも築20年を超えた辺りから売却価格は下がっていき、築30年以上になると建物部分の価値はほとんどなくなってしまいます。ただし、実際には適切なメンテナンスを行えば、50年以上住み続けられるケースも多いのです。古い戸建てでも、リフォーム済みであれば築年数の影響を和らげられるでしょう。
逆に築浅でも、手入れが行き届いていなければ評価は下がってしまいます。築年数だけでなく、建物の状態そのものが売却相場を左右する重要な要素です。
立地条件と周辺環境
一般的に駅から徒歩10分以内の一戸建ては、それだけで価値が高い傾向があります。通勤・通学などの利便性がよければ、幅広い層の購入希望者が集まりやすくなり、駅までの距離が遠くなるほど相場は下がっていきます。
また、スーパーや病院、学校といった生活施設が近くにあるかどうかも重要です。子育て世代にとっては、公園や保育園、小児科、学習塾などの有無が購入の決め手になることもあるでしょう。閑静な住宅街なのか、交通量の多い幹線道路沿いなのかといった環境面も、売却価格に影響を与えるポイントです。
間取りの使いやすさ
ファミリー層には、3LDKから4LDKの間取りが選ばれやすいといわれています。子ども部屋や寝室など、家族がそれぞれの空間を確保できるため、新生活を具体的にイメージできるためです。
逆に、細かく区切られた部屋が多い間取りや、和室が多いという古い間取りは、現代のライフスタイルに合わず敬遠されることも少なくありません。
家族構成の変化に対応しやすい間取りかどうかが、一戸建ての売却価格を左右します。水回りの配置が生活動線を考慮した設計になっているかも、購入希望者にとって気になるポイントでしょう。
土地間口と前面道路の幅
土地の間口が広く、前面道路の幅が4m以上あると物件の評価が高まります。間口が狭いと隣家との距離が十分に取れず、日当たりや風通しの確保が難しくなるほか、駐車スペースを配置しづらくなります。さらに、将来の建て替え時にも制約が出てくるため評価が下がる傾向です。
前面道路の幅が4m未満の場合、建築基準法の「セットバック」が必要になり、敷地面積が実質的に減ってしまいます。接道状況の良し悪しは、見た目以上に一戸建ての価値に影響を与える要素です。

セットバックの仕組み
また、角地や二方向道路に面した土地は、日当たりや風通しがよく、相場よりも高値で売却できる傾向があります。
土地の形状や高低差
整形地と呼ばれる縦横のバランスがよい長方形の土地は、建物を建てやすく、使い勝手がよいため人気があります。反対に、三角形や台形、いびつな形状の変形地は、デッドスペースが生まれやすいため、売却価格が下がりがちです。

また、土地に高低差がある場合、造成費用や擁壁工事が必要になるため、買主から価格交渉をされる可能性があります。特に宅地造成等規制法に基づく宅地造成工事規制区域では、許可申請や安全基準への対応が義務付けられるため、工事費用がさらに高額になるでしょう。平坦で使いやすい形状の土地ほど購入希望者が集まりやすく、売却時に有利なのです。
外装や内装の状態
外壁の塗装が剥がれていたり、屋根が傷んでいたりすると、見た目の印象が悪くなり価格に影響します。内装では、壁紙の汚れや床の傷などが目立つと、購入希望者がリフォーム費用を見込んで値下げ交渉してくる場合もあるでしょう。
一方、古くてもリフォーム済みの一戸建ては、すぐに住める安心感があり、相場よりも高く売れる可能性があります。
ただし、大規模なリフォームをしても、かけた費用をそのまま売却価格に上乗せできるわけではありません。リフォームを検討する場合は、不動産会社に相談のうえで、費用対効果を見極めてから判断することが大切です。
水回りや設備の清潔さは、内覧時の印象を大きく左右するため、簡単な清掃や補修をしておくだけでも効果が期待できます。
周辺の競合物件の多さ
同じエリアで似たような条件の一戸建てが多く売りに出されていると、価格競争が起きやすくなります。競合が多いと、少しでも条件が劣る戸建ては値下げせざるを得ない状況になるでしょう。
逆に、競合物件が少ない時期や地域では注目が集まりやすくなり、その希少性から、相場どおりかそれ以上の価格で売却できる可能性が高まります。売り出しのタイミングを見極めることも、一戸建て売却を成功させるカギになるでしょう。
一戸建ての売却相場を自分で調べる方法
一戸建ての売却を検討するなら、まずは自分で相場を調べてみることをおすすめします。いくつかの方法を組み合わせることで、どのくらいの価格帯で売れそうか、売却の目安がつかめるでしょう。
事前に相場感を持っておけば、不動産会社の査定額が適正かどうかを判断する材料にもなります。
不動産情報ライブラリで調べる
国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」では、実際に取引された不動産の価格情報を無料で閲覧できます。地域を指定して検索すると、過去の成約事例がマップ上に表示されます。
売却予定の一戸建てに近い条件の事例があれば、リアルな売却相場をつかむ手がかりになるでしょう。エリアごとの価格帯を把握するには、十分役立ちます。
レインズマーケットインフォメーションで調べる
「レインズマーケットインフォメーション」は、不動産流通機構が提供する成約価格の検索サイトです。全国の不動産会社が利用するレインズ※のデータをもとに、実際に売買が成立した物件の情報が公開されています。
都道府県や市区町村、最寄り駅からの距離、面積、築年数などの条件を入力すると、成約事例が一覧で表示されて便利です。一戸建ての売却相場を知るうえで、実際に買主が購入した価格を参考にできるのはとても心強いでしょう。
ただし、土地の形状や建物の状態といった細かい条件までは反映されていないため、あくまで参考程度に留めておく必要があります。
不動産ポータルサイトで売り出し価格を調べる
SUUMOやホームズといった不動産ポータルサイトでは、現在売りに出されている一戸建ての価格をチェックできます。所有する家と似た条件の物件、たとえば同じ沿線や駅、築年数、間取りなどで絞り込んで検索してみましょう。ライバル物件がどのくらいの価格で売り出されているのかを知ることで、相場感がつかみやすくなります。
ただし、不動産ポータルサイトに掲載されているのは「売り出し価格」であり、実際に売れた「成約価格」ではありません。交渉によって値下げされるケースも多いため、表示価格より低めに見積もっておきましょう。
固定資産税納税通知書で評価額を確認する
毎年送られてくる固定資産税納税通知書には、「固定資産税評価額」が記載されています。この評価額は、市区町村が決定した土地や建物の価値を示すもので、土地はおおむね公示価格の70%程度に設定されています。
土地の固定資産税評価額を0.7で割ると公示価格に近い金額が算出できるため、売却相場を推測する際の参考にできるでしょう。
たとえば、土地の評価額が2,100万円の場合は、次のような概算値になります。
ただし、実際の売却価格は市場の需給などで決まるため、立地や周辺環境などによっては、取引価格(実勢価格)と大きく異なる場合があります。さらに、建物部分の固定資産税評価額は、あくまで税金を計算するための基準価格です。間取りや状態は考慮されないため、売却相場の参考にはなりにくい点に注意が必要です。
不動産会社に査定を依頼する
これまで紹介した方法は、どれも一戸建ての相場を大まかに把握するのに有効です。しかし、戸建ては土地の形状や地盤の強度など一つひとつの環境が異なり、マンションに比べて価格に影響する要素がはるかに多いのが実情です。
- 土地形状や接道状況
- 外装の劣化具合
- 日当たりや方角
- 建ぺい率や容積率
- 地盤の強度
- 土地と道路の高低差
- 駐車場の台数やサイズ
- 隣家との距離や越境物
- 雨漏りやシロアリ被害の有無
このような細かい条件まで考慮しなければ、正確な価格はわかりません。最終的には、不動産会社に査定を依頼して、プロの目で評価してもらうのがもっとも確実でしょう。
おおよその価格を知るだけなら簡易シミュレーション
いまどれくらいの価格で所有する一戸建てが売れそうなのかを調べるだけなら、リビンマッチの「家の査定シミュレーション」をご利用ください。実際の売却価格と差があるものの、おおよその家の価格を調べられます。
ただし、あくまでも概算なので、実際に売却するときは不動産会社の査定が必要です。
不動産会社に一戸建ての査定を依頼するときの注意点
査定を依頼する前に、知っておきたい注意点がいくつかあります。査定の種類や流れを理解しておけば、スムーズに話を進められるでしょう。一戸建ての査定を依頼するときの注意点と、よくある疑問を解説します。
机上査定と訪問査定の2種類がある
不動産会社の査定には、「机上査定」と「訪問査定」のふたつの方法があります。それぞれの特徴を比較すると次のとおりになります。
- 不動産会社の現地訪問なしで行う簡易査定
- 基本情報※や周辺の売却事例をもとに算出する
- 依頼当日~3日以内で結果が出ることが多い
※基本情報:住所や面積、築年数、間取りなど
- 不動産会社が現地を訪れて行う詳細な査定
- 家や土地の状態、周辺環境を細かくチェックして算出する
- 現地調査後、結果が出るまでに5~7日程度かかる
次の記事で机上査定と訪問査定の違い、査定方法の使い分け方、メリットとデメリットなどを詳しく解説しています。査定を検討している人は、ぜひ確認してください。
一戸建ては訪問査定を選ぶのがおすすめ
一戸建ての売却相場を正確に把握するには、訪問査定が必須です。一戸建ては築年数や立地だけでなく、外装の状態、土地の形状、接道状況、道路との高低差、越境物の有無など、価格に影響する要素がとても多いためです。
机上査定では、こうした細かい条件まで反映されないため、実際の売却価格と大きくずれてしまう場合があります。訪問査定なら、プロの目で一つひとつていねいに確認してもらえるため、より現実的な査定価格を期待できるでしょう。
売却を具体的に検討している方は、多少時間がかかっても訪問査定を依頼するほうが納得のいく結果を得られます。
査定依頼の際によくある疑問と答え
家の査定を受けるのは、ほとんどの人が初めての体験です。わからないことがいくつもあるのは当然のことです。多くの方が気になる疑問をピックアップして、わかりやすくお答えします。
- 査定前に片づけておいたほうがいい?
- 必ずしも室内を完璧に片づける必要はありませんが、ある程度整理しておくと印象がよくなります。特に水回りや玄関は、清潔にしておくだけで査定担当者に好印象を与えられるでしょう。
室内が散らかりすぎていると、広さや現状を正確に確認できず、査定価格に影響する場合があります。
- 査定価格と実際の売却価格はどれくらい違う?
- 査定価格は、あくまで不動産会社が「このくらいで売れるだろう」と予想した金額です。実際には、買主との交渉によって値下げされるケースが多く、査定価格よりもやや低い価格で売却されることが一般的です。
ただし、人気のエリアで競合物件が少なければ、査定価格以上で売れる可能性もあります。
- 査定は何社に依頼すればいい?
- 最低でも3社、できれば5社程度に査定を依頼するのがおすすめです。1社だけでは、査定価格が適正なのかどうか判断できません。複数の会社に依頼することで、一戸建ての売却相場を客観的に把握でき、極端に高い査定や低い査定を見分けやすくなります。
各社の対応や提案内容を比較できるため、信頼できる不動産会社を選ぶ判断材料にもなるでしょう。
- 不動産会社ごとに査定価格が違うのはなぜ?
- 査定価格は、各不動産会社の担当者が経験などをとおして、過去の取引事例や周辺の売り出し価格をもとに、独自に算出します。そのため、どの取引事例を重視するか、どのくらいの期間で売却するかなどの判断基準の違いが、価格差となってあらわれるのです。
売却を急いでいる場合は低めに、時間をかけて高値を狙う場合は高めに設定される傾向があります。
なかには、媒介契約を取るために、相場より大幅に高い査定価格を提示してくる不動産会社もあるため注意が必要です。
- 査定後に媒介契約を断るにはどうすればいい?
- 査定を受けても必ずその会社と契約しなければいけないわけではありません。他社の査定を待ちたい場合や、条件が合わなかった場合は、正直に理由を伝えて断れば大丈夫です。
「今回は見送らせていただきます」とシンプルに伝えるだけで、ほとんどの不動産会社は理解してくれるでしょう。しつこく契約を迫る不動産会社は、そもそも信頼できない可能性があるため、きっぱり断る勇気も大切です。
一戸建ての売却価格が相場より下がってしまう理由
実際に査定を受けたら、事前に想像していた価格と差があることも少なくありません。一戸建ての売却価格が下がってしまうケースには、いくつかの理由があります。理由を知ることで査定額がどのように算出されたのか、その根拠を理解しやすくなるでしょう。
家の傷みや劣化が著しい
外壁のひび割れや雨漏り、シロアリ被害など、建物の傷みが激しいと大幅な価格ダウンにつながります。購入後にリフォームや修繕が必要になるため、買主はその費用を見込んで値下げ交渉をしてくるのです。
特に水回りの劣化は印象が悪く、キッチンや浴室が古びていると敬遠される原因になります。また、床の傾きや建物の歪みなど、構造的な問題があれば、さらに査定価格は下がってしまうでしょう。
売却前にすべての修繕は困難でも、簡単な補修をするだけで価格が大きく変わることがあります。
再建築不可で建て替えできない
接道義務を満たしていない土地は、建築基準法により新たな建物を建てられません。建築基準法上、道路に2m以上接していない土地や、そもそも道路に接していない土地は、再建築不可物件として扱われます。
再建築不可物件は購入しても原則として建て替えられないため、将来にわたってリフォームで対応することが多いです。金融機関も住宅ローンの融資に消極的になるため、現金で購入できる人だけが対象になり、買い手が限られます。
崖地や古い擁壁など土地に危険がある
急な傾斜地にある一戸建てや、古い擁壁で支えられた土地は、災害時のリスクが懸念されます。擁壁が老朽化していると、地震や豪雨で崩れる危険があり、補強工事には数百万円かかることも珍しくありません。
また、隣地が極端に高い位置にあり、土砂崩れや排水の問題が予想される場合も、購入希望者は慎重になります。こうした土地は、安全性を確保するための追加費用がかかるため、相場より低い価格に設定されることがあるでしょう。
土地の形状が変形地や旗竿地
不整形な土地は、スペースを有効活用しにくいため敬遠されがちです。旗竿地は、細い通路の奥にある土地のことで、日当たりや風通しが悪くなる傾向があります。また、接道部分が狭いため、建て替え時には資材や重機の搬入が難しく、建築費用が割高になります。
整形地に比べて使い勝手が悪いため、売却価格は低くなりがちです。
周辺に嫌悪施設がある
嫌悪施設と呼ばれる施設が近くにあると、売却価格が下がることが多いでしょう。具体的には、次のような施設が嫌悪施設に該当します。
- 墓地や火葬場:心理的な抵抗感がある
- ごみ処理場や下水処理場:悪臭が発生する可能性がある
- 工場や倉庫:騒音や振動が気になる
- パチンコ店や風俗店:治安への不安がある
- 高圧送電線:電磁波や景観への影響が心配される
こうした施設の存在は、多くの購入希望者が敬遠する要因になります。ただし、何を嫌悪施設と感じるかは人によって異なるため、気にしない買主が見つかれば、相場どおりに売れることもあります。
ハザードマップの危険地域にある
洪水や土砂災害、津波などのハザードマップで危険地域に指定されていると、一戸建ての売却価格は下がりやすくなります。近年、自然災害が頻発していることもあり、安全性を重視する買主が増えているためです。
特に、浸水深の想定が深い区域や土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に該当する場合、金融機関によっては住宅ローンの審査に影響が出ることもあります。災害リスクの高い地域では、保険料が割高になる側面もあり、購入をためらう方が多いのです。
土地や家が広すぎて買い手が限られる
エリアの平均と比較して極端に広い一戸建ては、固定資産税や維持管理の負担が大きくなります。庭の手入れや外構の修繕にも費用と手間がかかるため、購入を検討する層が限定されがちです。また、購入価格も高額になるため、売却に時間がかかる傾向があります。
広い土地や家は一見魅力的に思えますが、早急に売却するには価格の調整が必要になるでしょう。
駐車場がない、または出入りが困難
自動車がないと生活できない地域では、駐車場の有無が一戸建ての価値を大きく左右します。敷地内に駐車スペースがない場合、近隣で月極駐車場を借りる必要があり、ランニングコストの観点から敬遠されるかもしれません。
また、駐車場があっても、軽自動車や小型自動車しか入れないサイズだったり、何度も切り返しが必要なほど狭かったりすると、使い勝手が悪く評価も下がるでしょう。
一戸建てを相場より高く売却する方法
一戸建てを少しでも高く売りたいと思うのは、誰もが抱く自然な気持ちです。相場を上回る価格で売るための、具体的な方法を3つ紹介します。
人気の立地なら一般媒介契約を選ぶ
駅近や人気エリアの一戸建てなら、一般媒介契約を選ぶことで高値売却が期待できます。一般媒介契約とは、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる契約形態です。各社が競うように売却活動を行うことで、よりよい条件の買主が見つかる可能性があります。
専任媒介や専属専任媒介契約と違い、複数社が売却活動を行うため、購入希望者の検討窓口が広がるのもメリットです。
ただし、人気のない物件では各社が積極的に動いてくれず、かえって売れ残るリスクがある点には要注意です。
売り出す一戸建てが魅力的な条件を備えているなら、一般媒介で複数社に声をかけてみる価値があります。競争原理が働くことで、相場より高い価格での売却が期待できるでしょう。
エリアによっては外国人を集客できる不動産会社と契約する
近年、日本の不動産を投資対象や別荘として購入する外国人が増えており、特に都市部や観光地では需要が高まっています。
東京や大阪、京都といった外国人に人気のエリアでは、海外の購入希望者をターゲットにできる不動産会社を選ぶと有利です。外国語対応が可能で、海外向けの不動産サイトに物件を掲載してくれる会社であれば、国内だけでなく海外からの問い合わせも期待できるでしょう。
外国人投資家は、日本人とは異なる視点で物件を評価することもあり、思わぬ高値がつく場合もあります。ただし、契約手続きや決済方法が複雑になることもあるため、外国人との取引実績が豊富な不動産会社を選ぶことが重要です。グローバルな販売網を持つ会社と契約すれば、一戸建てを高く売却するチャンスが大きく広がるでしょう。
複数の不動産会社を十分に比較して選ぶ
一戸建てを高く売るには、エリアに強く、かつ信頼できる不動産会社を選ぶことが何よりも大切です。そのためには、複数の不動産会社に査定を依頼して、提案内容や対応の質をじっくり比較する必要があります。
査定価格だけでなく、売却戦略や広告の出し方、担当者の熱意なども見極めるポイントです。
比較するときは、一括査定サイトの「リビンマッチ」を利用すると便利です。一度の入力で複数社にまとめて査定を依頼できるため、手間を省きながら効率的に比較できます。
査定価格が高いだけの不動産会社ではなく、価格の根拠や売却プランをしっかり確認することが肝心です。各社との相談を経ていくことで、信頼して家の売却を任せられるパートナーを見つけられるでしょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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