不動産買取のメリットとデメリットとは?仲介の売却との違いも解説

不動産売却の方法には「買取」と「仲介」があります。買取は短期間で売却でき、手間がかかりませんが、価格は仲介より低くなる傾向があります。一方、仲介は高値で売却できますが、買主を探すのに時間がかかることがあります。所有する不動産を売却するときは、これらのメリット、デメリットを把握して検討することが大切です。
この記事では一括査定サイト「リビンマッチ」が不動産買取と仲介のメリット、デメリットのポイントを解説し、売却方法の検討をサポートします。
リビンマッチのポイント
不動産会社が物件を購入する取り引きのことを、不動産買取といいます。不動産買取は短期間で売却でき、現金化が早いのがメリットです。一方で、買取価格が相場より安い、対応できない不動産会社がある、買い取れない物件があるなどのデメリットがある点を押さえておきましょう。買取・仲介の両面から不動産会社に相談することで、最適な方法を検討でき、結果的に納得のいく売却につながるでしょう。
もくじ
不動産買取の3つのデメリット

不動産買取には多くのメリットがありますが、注意すべきデメリットもいくつかあります。代表的なデメリットは次のとおりです。
- 買取価格が仲介より安い
- 買取対応ができる不動産会社が少ない
- 買い取ってもらえないケースがある
これらのデメリットを前提にメリットと比較して、不動産買取を選択するかどうかを決めることになります。不動産買取のデメリットとその理由を詳しく解説します。
仲介より売却価格が低くなりやすい仕組みとは
不動産買取の大きなデメリットは、売却価格が仲介よりも低くなることです。仲介では売却する不動産の広告を出すなどして、幅広く買主を募集するため市場価格に近い価格で売却できる可能性があります。しかし、不動産買取では不動産会社が価格を決めて買い取るため、価格が抑えられる傾向があるでしょう。
買取価格が安くなる理由のひとつは、不動産会社が転売や賃貸に活用する前提で不動産を購入するためです。買取後にリフォームやリノベーションを施し、再販売するケースが多く、その際の費用や利益を考慮した価格設定となります。また、買取は不動産会社のリスクも大きいため、買取価格を市場価格の6~8割程度にすることが一般的です。そのため、高値での売却を希望する場合は、仲介のほうが適した売却方法となります。
買取対応できる不動産会社は限られている
不動産買取に対応できる不動産会社が限られているため、売却先の選択肢が少ない点もデメリットのひとつです。仲介取引は多くの不動産会社が行っていますが、買取は不動産会社自らが買主となるため対応できる会社が限られます。
不動産買取を行うには、購入後のリフォーム費用や維持管理費がかかるため、不動産会社は十分な資金が必要です。また、買い取った物件がすぐに売れなければ、会社の負担となるリスクもあります。そのため、すべての不動産会社が買取に対応できるわけではなく、特定の業者に限られるのです。
また、地域によっては買取を行う不動産会社が少なく、希望する条件での売却が難しいこともあります。そうしたときは、「リビンマッチ」のような不動産買取に対応できる会社を紹介してくれる、一括査定サービスを利用するのがおすすめです。
条件によっては買取を断られるケースもある
不動産買取では、すべての物件を買い取ってもらえるわけではありません。不動産会社が買取を行うのは、再販売や賃貸運用が可能な不動産に限られるため、条件に合わなければ買取を断られることもあります。
そもそも買主が見つかりにくいエリアや、取引事例が少ないエリアでは再販売の見込みが立ちません。売却しづらい不動産だと不動産会社もリスクを負いたくないため、買取を見送ることがあります。また、老朽化が進んだ建物や、法的な制約が多い土地(再建築不可物件・借地権つき土地など)も、買取を断られることが多いでしょう。
違法建築や権利関係が複雑な不動産も、不動産会社のリスクが大きいため、買取の対象外になるといわれています。そのため、買取を検討する際は、できるだけ多くの不動産会社に査定を依頼して、対応できる会社を見つけることが重要です。
不動産買取の4つのメリット

不動産を売却する方法のひとつに「不動産買取」があります。不動産会社が直接買い取るため、仲介よりもスムーズに売却できることが特徴です。そのほかにも、不動産買取には次のメリットがあります。
- 査定から現金化が早い
- 契約不適合責任がない
- 仲介手数料がかからない
- 内覧などの手間がかからない
それぞれのメリットを詳しく解説します。
短期間で現金化できるスピード感が強み
不動産買取の大きなメリットは、査定から現金化までのスピードが速いことです。一般的な不動産の売却では、買主を探すために広告を出したり、内覧などを対応したりする必要があり、売却まで6カ月以上かかることもあります。一方、不動産買取では不動産会社をはじめとする買取業者が直接購入するため、手続きがスムーズに進みやすいでしょう。
不動産会社は査定の申し込みから数日以内に買取価格を提示し、早ければ1週間から2週間ほどで売却が完了するケースもあります。そのため、1カ月もあれば現金化が可能です。現金化までの期間が短いため、急いで資金を確保したい場合や、引っ越しの期限が決まっている場合などに適した方法といえます。
瑕疵担保責任がないため、売却後の安心感がある
不動産買取では、売主が契約不適合責任を負わないという点も大きなメリットです。契約不適合責任とは、売却した不動産に欠陥が見つかった場合に、売主が修理費用や損害賠償を負う責任のことです。仲介での売却では、売主が一定期間その責任を負うことになります。
しかし、不動産買取では買主が不動産会社のため、契約不適合責任が免除されます。不動産会社は物件の状態を十分に把握したうえで買取を行い、リスクを織り込んで価格を決定するため、売主に責任を求めないことが一般的です。そのため、建物の老朽化や設備の不具合がある物件でも、事前に不動産会社に伝えておけば、売却後のトラブルを気にせずに手放せます。
仲介手数料がかからないため費用負担が少ない
不動産買取では仲介手数料がかかりません。仲介では不動産会社が売買を成立させるために、買主を探す仲介業務を引き受けます。仲介手数料は不動産会社に対して、仲介業務の成功報酬として支払われるものです。一方、買取では不動産会社が不動産を直接購入するため、仲介業務が発生せず、手数料は不要になります。
仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められており、売却価格が400万円以上の場合は「(売却価格 × 3% + 6万円) + 消費税」です。たとえば、1,000万円で売却した場合の仲介手数料の上限は次のとおりです。
36万円+消費税10%=39万6000円
1,000万円の売買では約40万円の仲介手数料がかかり、この金額が売却代金から差し引かれます。買取はこの仲介手数料が発生しないため、手元に残る金額が増える点が魅力です。
内覧対応などの手間を省けるのでストレスが少ない
不動産買取では、購入希望者の対応が必要ありません。仲介は、複数の購入希望者が売却する不動産を見に訪れる内覧が行われます。そのため、内覧の希望があるたびに部屋を片づけたり、スケジュールを調整したりする手間がかかります。しかし、買取なら不動産会社が直接買い取るため購入希望者への内覧の対応が必要ありません。
また、不動産会社の査定時にも、屋内をていねいに片づける必要はありません。不動産会社はプロということもあり、そのままの状態でも不動産の価値を把握できるのです。また、買取のあとにリフォームを行うこともあって、多少の生活感が残っていても問題ないケースがほとんどです。そのため、不動産買取は売却にあたっての準備が少なく、特に荷物の多い家や、すぐに売却したい人にとってメリットが大きいといえるでしょう。
デメリットがあっても不動産買取がおすすめのケース
不動産買取にはいくつかのデメリットはあるものの、事前に注意点を把握しておけばメリットをうまく活かすことができます。ここでは、不動産買取のほうがおすすめできるケースについて解説します。
相続や離婚で不動産の売却を急いでいる
相続や離婚など不動産の売却にあまり時間をかけられない場合、スピーディに不動産の処分ができる買取がおすすめです。相続のケースでは不動産を平等に分割するのは難しいため、売却した現金を相続人で分けるほうがスムーズでしょう。
また、相続税がかかってしまう場合にも、買取が選ぶことでメリットがあります。相続税は原則として現金での納付が求められていますが、一定の条件を満たすことで物納(現金以外の財産で納税すること)が可能です。
そのため、納税資金を早期に確保する必要がある場面では、不動産の買取を利用して現金化することで、スムーズな納付につながるでしょう。
売却価格に多少不利な部分があったとしても、不動産を巡るトラブルを回避したいというときには、不動産の買取は有効な方法です。
仲介で売り出したものの購入希望者があらわれなかった
不動産を仲介で売却しても、売り出したタイミングなどにより、思うように購入希望者があらわれないこともあるでしょう。物件そのものに問題はなかったとしても、不動産取引は市場のニーズや景気動向などに左右される点もあるため、売れない状態が続いてしまうことも珍しくありません。
不動産会社を変更して新たに媒介契約を結べば、引き続き仲介をサポートしてもらえますが、いつ売却できるかは買手次第です。仲介で売りに出してから半年以上、買手が見つからないようなケースでは、不動産買取で早めに売却を済ませることも検討してみましょう。
また、仲介の媒介契約を結ぶ際、一定の期間内に購入希望者が現れなかったときは、不動産会社が買い取るという契約を事前に結べる場合があります。
売却に時間がかかる物件を売りたい
セットバック(建物を前面道路の境界線から後退させる)が必要な物件や、資産価値のない古家がそのまま残っている土地などは売却に時間がかかります。セットバックや古家の解体にかかる費用を買主が負担するケースが多く、なかなか買手があらわれないためです。
一方、不動産の買取であれば、買主を探す時間や交渉の手間が省けます。そのため、仲介よりも売却にかかる期間を短縮しやすい点がメリットです。物件の状態に難がある場合でも、買取ならスムーズに現金化できる可能性が高まります。
実家の処分など早めに不動産を手放したいときは、買取を検討してみるとよいでしょう。
資金が必要なので早く現金化したい
不動産を売却するタイミングは人それぞれですが、事業資金や教育資金などのまとまった資金が必要なときは、仲介よりも買取のほうがスムーズに不動産を現金化できます。現金を必要なタイミングで確保できなければ、いくら不動産が希望どおりの価格で売却できたとしても、さまざまな点に影響が出てしまうでしょう。
不動産の売却を検討するときには、売却する目的を明確にすることが重要です。また、買取を選ぶ人のなかには、借金返済を目的としているケースもあります。短期間で不動産を売却し、現金化できる買取の仕組みは、まとまった資金を用意するのに適した方法だといえるでしょう。
周囲の人に知られることなく売却したい
仲介で売却する場合は、物件内の土地に看板を建てたり、Webに広告を出したりするため、近所の人や親類などに不動産を売りに出していることが知られる恐れがあります。特に離婚などの周囲にあまり知られたくない事情を抱えている場合には、買取を選択するほうが適しているでしょう。
また、事件や事故などに巻き込まれてしまい、心理的な瑕疵がある物件も買取のほうが向いています。心理的な瑕疵のある物件は、売主が事情を把握している場合、買主に知らせる義務があるため、なかなか買手が見つからないといったケースがあるからです。
買取であれば、広告活動を行わずに手続きを進められるため、売却していることを知られたくない場合でもスムーズに不動産を手放せます。
不動産買取のメリットを活かせるケース
不動産買取のメリットを上手に活かすことで、後悔がない結果を得やすくなるはずです。買取に向いているケースについて見ていきましょう。
空き家なので引き渡しをスピーディに行える
相続によって実家を処分する場合、すでに空き家の状態であれば、買取を選ぶことで早めに処分を行えます。誰も住んでいなければ引っ越しや残置物の処分を持つこともなく、物件を引き渡すまでのスピードが早いためです。
不動産の売却を仲介と買取かで迷っているときは、将来的に住むことを想定していないのであれば、早めに家財の処分を進めておくほうが無難です。空き家のまま長期間放置すると近隣トラブルや防犯面のリスクにつながるだけでなく、行政から「特定空き家」に指定されると固定資産税の減税が適用されなくなります。
相場価格がわかりやすいマンション
戸建て住宅と比べると、マンションの場合は周辺相場の比較がしやすいので、買取の場合でも価格に納得感があります。マンションは同じような間取りの場合が多く、築年数に差がなければ、売却予定の物件と近隣の物件とで大きな価格差は生じにくいものです。
そのため、複数の不動産会社に査定をお願いしても、査定額に差が出にくいでしょう。また、同じ建物内で売りに出している物件があれば、買取価格が妥当なものであるかを比較しやすくなります。
仲介を選ぶ場合でも、少しでも有利な条件で売却するためには、周辺相場をきちんとチェックしておくことが大切です。周辺で実際に売れた物件の価格などを参考にして、買取の相場を把握しましょう。
更地で売却後に利用しやすい
買取を行う不動産会社の中には、古家付きの土地も対応してくれるケースがありますが、すでに更地になっているほうが対応する会社は増えるでしょう。建物の解体が不要な分、再販売までの見通しが立てやすいため、はじめから更地のほうが買取業者の選択肢が広がるためです。
ただし、建物を解体するための費用がかさんだり、更地にしても買い取ってもらえるのか不安だったりするときは、あらかじめ不動産会社の担当者に相談をしておくとよいでしょう。
売却方針や解体費用の予算を伝えることで、プロの視点から的確なアドバイスをもらえます。
不動産買取の査定はどう決まる?価格の決まり方を解説
不動産買取を検討している人のなかには「仲介より買取価格が安くなるのはなぜ?」「どうやって価格が決まっているの?」と疑問を感じる人も多いでしょう。売却する物件は同じなのに、手にできる金額に差があることを不公平に感じるかもしれません。
どうして、仲介での売却よりも買取価格は安くなってしまうのでしょうか。不動産会社がどのように買取価格を決めているのか、その考え方と査定の基準を解説します。
不動産会社が利益とリスクを見込んで価格を決めている
不動産買取は、仲介と査定の前提が大きく異なります。仲介では「いくらで売れるか」という市場の相場をもとに査定をしますが、買取だと「自社が買い取りをして再販売したとき、どれくらい利益が出るか」という、仕入れ価格という観点で査定をします。
不動産会社は、物件を買い取ったあとにリフォームを行い、再販をして利益を出す仕組みです。そのため、再販売価格からリフォーム費用や税金、人件費、広告費などのコストを差し引き、さらに自社の利益と売れ残るリスクも加味したうえで、買取価格を決定します。
こういった背景から、買取価格は仲介で売却するよりも低くなるのです。
立地・築年数・再販のしやすさが価格に影響する
不動産買取の査定では、立地や築年数、再販売のしやすさといった要素が重視されます。たとえば、駅近の物件や人気エリアにある物件は再販しやすいため、査定価格も比較的高くなります。一方で、築年数が古い物件や再建築不可の土地が含まれている場合、再販には大規模な修繕やリスク対応が必要なため、買取価格が大きく下がってしまうのです。
そのほかにも、接道状況や間取りの使い勝手、シロアリ被害や雨漏りといった建物の状態も、価格に影響します。不動産会社はこうした点を慎重にチェックし、再販売しやすいかどうかを判断材料にしています。
仲介とは異なる「仕入れ前提」の査定価格
仲介と買取では査定の意味合いも異なります。仲介の査定は「この価格で売れそうだ」という目安を提示するもので、確定した売却価格ではありません。査定価格で売り出したとしても、購入希望者が現れなければ価格を下げたり、購入希望者からの要求で値引きをしたりすることが一般的です。
一方、買取査定は「この価格で買い取れば利益が見込める」という、あくまで買主(=不動産会社)視点での査定となります。たとえば、同じ物件でも仲介では2,500万円と評価されたものが、買取では1,800万円程度になることも珍しくありません。なぜなら、不動産会社にとって買取価格は、仕入れ価格を考慮しているためです。
| 買取 | 仲介 | |
|---|---|---|
| 査定価格の意味 | 仕入れ価格 | 想定される売却価格 |
| 査定価格と相場の差 | 相場より低いことが多い | ほぼ相場どおりの価格 |
| 実際の売却価格 | 基本的に査定価格どおり | 売買が成立するまでわからない |
こうした違いを知らずに査定を受けると、「思ったより安い」「査定価格に納得できない」といった誤解が生じてしまうことになります。高く売りたいのか、早く・確実に売りたいのか、目的に応じて売却方法を選ぶことが大切です。
不動産買取と仲介の売却の違いと選ぶときのポイント

不動産買取のメリットとデメリットを把握したら、次は買取と仲介のどちらで不動産売却をするかを検討してみましょう。売主の事情や条件などによって、どちらが適しているかが異なるため、いくつかのポイントをもとに検討していくことが大切です。不動産買取と仲介のどちらがよいか、ポイントをひとつずつチェックして検討を進めていきましょう。
売却方法ごとの特徴と違いをわかりやすく比較
不動産買取と仲介には、それぞれ異なる特徴があります。売却価格、スピード、手間などの違いがあり、状況に応じてどちらを選ぶべきかが変わります。不動産買取と仲介の主な違いを、次の表にまとめました。
| 不動産買取 | 不動産仲介 | |
|---|---|---|
| 売却価格 | 市場価格の6~8割 | ほぼ市場価格 |
| 売却スピード | 1、2週間~1カ月 | 数カ月~1年以上 |
| 買主 | 不動産会社などの事業者 | 個人または事業者 |
| 仲介手数料 | 不要 | 必要 |
| 契約不適合責任 | 免除が一般的 | 売主が負う |
| 内覧対応 | 不要 | 一般的に複数回必要 |
| 売却できる不動産 | 不動産会社による | ほとんどの不動産が対象 |
不動産買取は短期間で現金化でき、手続きがシンプルな点もメリットです。ただし、買取価格は市場相場よりも価格が低くなるため、価格重視の人には向いていません。一方、仲介では高値で売れる可能性があるものの、買主に内覧などの手間もかかります。どちらの方法を選ぶかは、売却の目的や優先事項によって決めるとよいでしょう。
買取が向いているのは「早く・確実に売りたい人」
不動産買取が適しているのは、できるだけ早く確実に売却したいケースです。たとえば、急な転勤や住み替えで売却を急ぐ人、相続した不動産をすぐに現金化したい人には、買取のスピードが大きなメリットになります。
また、築年数が古い物件や、リフォームが必要な状態の不動産も買取向きです。仲介だと購入希望者があらわれるまで時間がかかりますが、買取ならそのままの状態で売却できます。さらに、売却後の契約不適合責任を負う必要がないため、物件の状態に不安がある人も安心して手放せます。
このように、早期売却や手間をかけずに売りたい人には、不動産買取が有力な選択肢となります。
仲介が向いているのは「少しでも高く売りたい人」
不動産仲介が適しているのは、できるだけ高く売りたいケースです。買取に比べて市場価格に近い値段で売却できるため、価格を重視する人には向いています。特に人気エリアの物件や築年数の浅い住宅は、購入希望者が見つかりやすく、仲介でもスピーディで高値の売却が期待できます。
また、売却を急いでいない人にも仲介が適しています。買取と違って仲介は買主を探すまでに時間がかかることもありますが、時間をかけて条件のよい買主を見つけられます。さらに、リフォームやホームステージング(家具や装飾で演出する方法)を活用することで、より有利な条件での売却が可能です。
このように、売却価格を優先したい人や、ある程度時間をかけられる人にとっては、仲介のメリットが大きいでしょう。
買取か仲介か、判断のポイントは「目的と状況」
不動産売却で買取と仲介のどちらを選ぶかは、売却の目的や状況によって異なります。次のポイントを参考に、自分に合った方法を選びましょう。
| 不動産買取が向いている | 不動産仲介が向いている | |
|---|---|---|
| 売却スピード | できるだけ早く売却したい | 時間に余裕がある |
| 売却価格 | 多少安くてもよい | できるだけ高く売りたい |
| 売主の手間 | 手間をかけたくない | 内覧対応や条件交渉ができる |
| 建物の状態 | 築年数が古くリフォームが必要 | 比較的きれいな状態 |
| 契約不適合責任 | 一般的に免除される | 一定期間は責任を負う |
不動産の売却方法を選ぶときは、目的といまの状況をもとに判断することが大切です。たとえば、売却代金の用途が明確で早く現金が必要な人は買取が向いています。一方で、できるだけ高い価格で売りたい、時間に余裕があるのなら仲介のほうが適しています。
どちらの売却方法が優れているということではなく、売却の目的、必要なタイミング、物件の状態などの要素を整理することで、自分にとって最適な方法を選べるようになるでしょう。
両方のメリットを得られる「買取保証」も検討を
不動産売却の方法に迷う場合、「買取保証」という選択肢もあります。買取保証とは最初は仲介で売りに出し、一定期間内に買主が見つからなかったら不動産会社があらかじめ決められた価格で買い取る仕組みです。仲介での高値売却を目指しつつ、最終的に売れ残るリスクを避けられるのが方法だといえます。
また、すぐに不動産を売却したい場合は、即時買取があります。これは仲介での買主探しをせず、最初から不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。不動産買取で一般的なのは、この即時買取です。
買取保証は「できれば高く売りたいが、確実に売れる保証もほしい」という人に適した方法です。買取と仲介のメリットを組み合わせた売却方法として、選択肢のひとつとして考えておくとよいでしょう。
よくあるトラブル!不動産買取の注意点

不動産買取はスムーズに売却できる方法ですが、契約後に「思っていた条件と違った」といったトラブルが発生することもあります。ここでは、不動産買取でよくあるトラブルを注意点として紹介します。
査定価格と実際の買取価格に差が出ることがある
不動産買取では、最初に提示された査定価格と、実際の買取価格が異なることがあります。この差が大きいと「思っていたより安く売ることになった」と感じ、トラブルに発展することがあります。
査定価格と買取価格が違う理由のひとつに、査定時に考慮されていなかった修繕費やリフォーム費用が挙げられます。不動産会社が買取後に再販売をする場合、物件の状態によってはリフォームが必要となり、その分が買取価格から差し引かれることがあります。また、売主が残置物(家具や不用品)を処分しないまま売却しようとすると、その撤去費用を負担することになり、結果的に買取価格が下がることもあります。
一方、一部の不動産会社では、最初に高めの査定価格を提示し、契約段階で「市場の変化」や「物件の調査結果」を理由に大幅な値下げを求めるケースもあります。こうした悪質な手口に引っかからないためには、複数の会社に査定を依頼し、価格の根拠を確認することが重要です。
契約後に追加費用を請求されることがある
不動産買取では、契約後に追加費用を請求されるケースがあります。買取は仲介と異なり手数料が発生しないことが一般的ですが、状況によっては思わぬ費用が発生することがあります。
よくあるケースのひとつが、不動産会社の説明不足による追加費用です。契約時に「この費用は売主負担」と伝えられていなかったものが、あとから請求されることがあります。たとえば、測量費、登記の手続き費用などが該当します。これを防ぐには契約前に発生する費用をすべて確認し、書面で明記してもらうことが重要です。
また、悪質な不動産会社は「物件の調査結果によって追加費用が必要になった」などと理由をつけ、契約後に費用を請求するケースもあります。契約時に細かい条件が曖昧な場合、後になって「想定より修繕費がかかる」として、買取価格を引き下げられることもあります。
強引に契約を進めようとする業者に注意
悪徳業者の場合、不動産会社が強引に契約を迫るケースがあるため、注意が必要です。たとえば、「いますぐ決めないと査定価格が下がる」「今日中に契約しないと他社ではもっと安くなる」といったプレッシャーをかけて、即決を促す手法があります。売主がじっくり考える時間を与えずに契約を結ばせることで、不利な条件のまま売却させられることもあります。
また、売主が契約を迷っていると「キャンセルすると違約金が発生する」など、根拠のない不安を煽る業者も存在します。こうしたケースでは、契約書の内容をよく確認せずにサインしてしまい、あとから悔やむことになりかねません。
このようなトラブルを防ぐには、複数の不動産会社に査定を依頼し、比較・検討することが大切です。1社だけの査定価格を鵜呑みにせず、ほかの会社の意見も聞くことで、適正な価格や条件を見極められます。また、契約を急かされてもその場で決断せず、一度持ち帰って冷静に判断しましょう。
不動産買取を進めるときのポイント

不動産買取を依頼するときに、あらかじめ知っておきたいポイントを解説します。知識不足のまま取引を進めてしまうと、理解が不十分なままに契約してしまうおそれがあり、結果的にトラブルの原因となります。トラブルなく、スムーズに不動産買取を進めるためのポイントを知っておきましょう。
まずは相場を調べて、買取価格の目安を把握しよう
不動産買取を依頼する前に、あらかじめ相場を調べておくことが重要です。買取は仲介と違い、市場価格よりも低めの金額になる傾向がありますが、適正な価格の範囲を知っておくことで、不当に安く買い取られるリスクを減らせます。
相場を把握するには不動産ポータルサイトで類似物件の売出価格を確認したり、国土交通省が公表している不動産情報ライブラリで不動産取引価格を参考にしたりする方法があります。不動産買取の価格は市場価格の6~8割程度になることが多いため、その範囲を大きく下回る場合は注意が必要です。
あらかじめ相場を知っていれば、「この査定額はおかしい」と判断できます。適正な価格で売却するためにも、事前の情報収集をしっかりと行いましょう。
査定は1社で決めず、複数の不動産会社に依頼する
不動産買取を依頼するときは、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。買取価格は不動産会社によって異なり、1社だけの査定価格では適正かどうかを判断しにくいためです。複数の査定結果を比較することで、より高い価格で売却できる可能性が高まります。
また、不動産会社ごとに得意分野が違う点にも注意しましょう。マンションに強い会社、戸建ての買取を多く扱う会社、土地の売却に精通している会社など、それぞれの専門性によって査定価格が変わることがあります。すでに購入希望者を抱えている会社なら、より高値での買取が期待できるでしょう。
さらに、査定を比較することで、不動産会社の対応や説明のていねいさも確認できます。強引な契約を迫る会社や、査定価格の根拠を明確に示さない不信感のある会社を避けられます。
口コミや評判を参考に信頼できる会社を選ぼう
不動産買取を依頼するときは、不動産会社の口コミを確認することも重要です。Googleマップや口コミサイトを活用すれば、実際に取引した人の評価を簡単にチェックできます。特に、対応の良し悪しや、契約後のトラブルの有無など、参考になる情報が含まれていることがあります。
ただし、口コミは悪い評価が目立ちやすい傾向があるため、内容を鵜呑みにするのは避けたほうがよいでしょう。会社自体の評判はよくても、担当者の対応が異なる場合もあります。また、買取価格の低さに不満を持ち、ネガティブな口コミを投稿するケースも少なくありません。
一方で、具体的な契約内容や対応の詳細が書かれた口コミは、有益な情報源になります。複数の口コミを比較し、総合的に判断することで、信頼できる不動産会社を選べるでしょう。
一括査定サイト「リビンマッチ」を活用して効率よく進める
不動産会社に買取を依頼するとき、複数の不動産会社に個別に連絡を取るのは手間がかかります。特に不動産買取に対応している会社は限られているため、適切な業者を探すだけでも時間がかかります。そういったときに便利なのが、一括査定サイト「リビンマッチ」です。
リビンマッチを利用すれば、一度の情報入力で複数の不動産会社に査定を依頼できます。買取に対応している会社だけを紹介するため、無駄なくスムーズに査定を進められます。また、各社の買取価格を比較できるため、より高く買い取ってくれる不動産会社を見つけやすいのもメリットです。
手間をかけずに効率的に買取査定を進めるには、一括査定サイトの活用が有効です。不動産会社選びの第一歩として、リビンマッチを活用してください。
不動産買取に関するよくある質問
- 不動産買取で査定と価格が違うのはなぜ?
- 実際の買取価格は査定時には考慮されていなかった修繕費、残置物の撤去費用などが差し引かれて変動することがあるためです。
- 不動産買取が向いている物件は?
- 相続物件や築古物件など、できるだけ早く現金化したいケースに向いています。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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