古家付きのまま土地売却できる?更地のほうが売れる?メリット・デメリットを解説!
古家(古屋)とは築年数の経った家のことで、ほぼ資産価値のない建物のことを指します。資産価値がないため、売却するときは「古家付き土地」と表記されていることが多いです。ほぼ土地にしか価値がないということです。
古家付きの土地を土地として利用するには、古家を解体する必要があるため、買主に負担がかかります。土地を購入する以外の費用が必要になるのです。
では、古家付きの土地は売れないのかというと、そんなことはありません。古家付きの土地を売却する方法などについて解説します。
もくじ
古家付きの土地を売るためのポイント
古家付き土地とは、古い建物が建っている状態で売り出される土地のことをいいます。建物は劣化が進んでいることが多く、土地以外に資産価値がないケースがほとんどです。
古家を解体しないで売却する理由としては、解体費用の捻出が難しい以外に、住宅用地に対する特例制度の適用を受けるため、というものがあります。建物を解体してしまうと住宅用地の特例が受けられず、翌年の固定資産税が現状から最大で6倍に跳ね上がってしまうのです。
建物の築年数が古くても十分住める状態であれば、中古戸建てとして売却することもできます。建物が評価されたら、高く売却できる可能性もあります。
売却するときに古家付き土地とするか、中古戸建てにするかの判断は基本的に売主へゆだねられており、明確なルールはありません。
古家付き土地を求めている人もいる
建物を新築したい人にとっては、解体費用がかかる古家付き土地は敬遠されるおそれがあります。一方で不動産の購入価格を抑え、自分の好きなように建物をリノベーションして使いたい人にとっては、建物があることでプラスになる可能性もあります。
不動産の条件や状態、需要を考慮する必要があるため、古家付き土地と中古戸建てのどちらにするか迷う場合は、実績が豊富な不動産会社に相談するとよいでしょう。
古家付きの土地を売却するときの注意点
古家付きの土地を売却するときには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。特に注意したいポイントを紹介しますので、売却を予定している方はぜひ参考にしてください。
土地の境界を明確にする
土地を売却する場合は、買主に境界を明示する必要があります。境界標や土地の測量図がない場合は、引き渡し後のトラブルを避けるためにも、土地境界確定測量をすることをおすすめします。
土地境界確定測量とは、土地家屋調査士に測量を依頼して境界を特定し、隣地の所有者とその境界を確認することをいいます。隣地所有者が多いときや、所有者が遠方に住んでいる場合は、想定以上に時間がかかることがあります。
土地の売却を決めたら、早めに測量をしておくとよいでしょう。
古家付きの土地の価格を決める方法
古家付きの土地は、一般的に土地の価格から建物を解体する費用を差し引いて、売却価格を設定します。解体費用がかからない更地に比べて需要が少ないため、割安感を出す必要もあるでしょう。
また庭木が多い場合や、カーポートやブロック塀などがある場合、伐採費用や建物以外の解体費用も考慮する必要があります。
契約不適合責任を免責にする
売主は売却する不動産を、契約で定めた内容に適合する状態で引き渡さなければなりません。契約不適合責任とは契約内容と異なる状態で引き渡した場合、売主は補修する義務や損害賠償責任を負うというものです。
つまり、建物に不具合があることを説明せずに売買契約を締結した場合、売主は補修して引き渡さなければならず、程度によっては損害賠償を請求されるおそれがあります。
古家付き土地として売り出す場合は、そもそも建物の価格が含まれない価格設定をしています。そういった背景もあるため、建物は契約不適合責任を免責とすることを売主へあらかじめ説明しておきましょう。売買契約書にも、契約不適合責任を免責することを明示しましょう。
再建築不可物件なら古家を解体しない
再建築不可物件とは、建物を解体してしまうと新しく建物を建てられない土地のことをいいます。
建築基準法により都市計画区域に建物を建築する場合は、原則幅員4m(もしくは6m)以上の道路に2m以上接しなければならないと定められています。この接道義務を果たしていない土地には、建物を建築できません。
古家付き土地が接道義務を果たしていない場合は、古家を取り壊してしまうと再建築できなくなるため、古家を解体しないで売却しましょう。
たとえば古い家でもリフォームして貸し出すことで家賃収入を得られれば、再建築不可物件であっても、資産価値を見い出すこともできます。
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所有する古家付きの土地の売却相場を知るには、不動産会社の査定が一番の近道です。リビンマッチなら一度の入力で、複数の不動産会社へ査定を依頼できます。
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古家付きの土地を売却する方法
古家付きの土地を売却する場合、大きく分けて2つの方法があります。それぞれの売却方法について、どういったニーズが考えられるのかを紹介します。
古家を残したままの売却
ほとんど価値がないと思われる古家ですが、必要としている人は少なくありません。そのため、古家のままでも売却できることがあります。
最近ではDIYブームもあり、安く購入した物件をDIYできれいに整えて、古民家カフェや民泊施設をオープンする人が増えています。
また、不動産投資家のなかには、税務上の価値が0円になった物件を安く購入し、自分できれいにリフォームをして、再販または賃貸に出すという投資方法で稼いでいる人も多いです。
つまり古家を求める人の特徴は「リフォームは自分でできるから、とにかく安く仕入れたい」と考える人たちです。
解体して更地で売却
古家を解体して不要なものを撤去し、更地として売却する方法です。古家を解体することで、買主は自由に土地を活用できます。購入したあとは、駐車場やアパート、マンションなど好きに利用できます。
土地によって制限はありますが、基本的につくりたいものを自由につくられるため、事業者のニーズが特に高いです。
古家を残したまま売却するよりも、更地にして売却するほうが圧倒的にニーズが高いため、金銭的に余裕がある場合は更地にすることが望ましいです。
古家付き土地売却のメリット、デメリット
古家付きの土地を売却する場合の、メリットとデメリットについて解説します。
古家付き土地売却のメリット
- 金銭的な恩恵が大きい
- 買主が住宅ローンを利用できる
金銭的な恩恵が大きい
古家付きの場合、解体費用が節約できるほか、固定資産税が安くなるといった金銭的な恩恵を受けられます。
固定資産税が安くなるのは「住宅用地軽減措置特例」という、住宅が建っている土地は固定資産税が軽減される制度があるためです。
住宅用地軽減措置特例では、200平方メートルまでは6分の1、200平方メートル以上は3分の1の評価額で査定されます。
買主が住宅ローンを利用できる
不動産を購入するときは、多額の資金が必要になるため、多くの人がローンを組みます。なかでも住宅ローンは、審査が通りやすいローンのひとつです。
土地だけを購入するときには、金融機関の審査が厳しくなるため、「買いたくてもローン審査が通らずに断念する」という事態が起こりやすいです。しかし、古家があることで住宅ローンとして資金提供してもらえます。これにより、比較的多くの人が購入できるようになります。
古家付き土地売却のデメリット
- 売却価格が安くなる
- ニーズが少ない
売却価格が安くなる
古家は基本的に使い物にならない家のことです。そのため、土地に価値があったとしても、古家を交渉材料として、値下げを強く求められるかもしれません。
古家付きのまま売る場合、解体費用を節約できる代わりに値下げ交渉がされやすいのです。そのため、解体費用と売却価格のバランスを十分に考える必要があります。解体費用の相場は、次のとおりです。
構造 | 1坪あたりの費用(万円) |
---|---|
木造住宅 | 3~5 |
鉄骨造 | 4~7 |
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造 | 6~8 |
ニーズが少ない
そもそも古家付きの土地のニーズは、決して多くはありません。古家の需要はカフェや民泊で増えてきているものの、土地だけの売却に比べたら少ないため注意が必要です。
更地売却のメリット、デメリット
古家を解体して更地で売却する場合の、メリットとデメリットについて解説します。
更地売却のメリット
- 土地を活用しやすい
- 土地調査がしやすい
土地を活用しやすい
更地になっていると、買主が土地を活用しやすいため、早く売れやすいというメリットがあります。更地であれば買主は、解体などの手間をかけることなくマンションやアパートを建設したり、駐車場にしたりと事業を展開できます。マイホームを建てて自分の住まいとして利用することも可能です。このように活用しやすい更地にすることで、購入希望者を増やせる可能性があります。
土地調査がしやすい
古家が残っているとボーリング調査などができないため、土地の地盤を調査できません。土地の調査ができないと「土地を購入したのはよいけれど、思っていたより地盤が軟弱で希望していた建物が建てられない」という事態もあり得ます。
更地での売却を検討している人は、更地にするだけでなく地質調査まで行って、売却時に情報提供することも上手に売却するコツです。
更地売却のデメリット
更地にして売却する場合、費用がかかることに注意しましょう。
金銭的な負担がある
更地で売るには解体費用がかかります。また更地になると、住宅用地軽減措置特例が受けられないため、固定資産税も高くなります。そのため、いつまでに土地を売りたいのか、どれくらいの価格で売りたいのかといった条件を整理したうえで、売却方法を選ぶことが大切です。
古家付き土地の売却は不動産会社に相談しよう
古家付きの家を売却する場合、解体費用や売却価格、固定資産税の計算も含めた資金計画のほか、建築基準法をはじめとする法律の問題があります。自分の判断だけで古家付きの土地を売却するのは、非常にリスクが高いといえます。
古家付きの土地を売却するときは、専門家へ相談するのが安全で確実です。
不動産会社は一括査定で選ぶのがおすすめ
古家付きの土地を売却するときは、複数の不動産会社に相談しましょう。不動産会社によって得意としている物件が異なるため、査定額も違います。複数社の話を聞いて、パートナーとなる不動産会社を選んでください。
複数の不動産会社に相談するときは、一括査定サイトの「リビンマッチ」が便利です。
リビンマッチで古家付きの土地の査定を依頼する
所有する古家付きの土地の売却相場を知るには、不動産会社の査定が一番の近道です。リビンマッチなら一度の入力で、複数の不動産会社へ査定を依頼できます。
リビンマッチのご利用方法
- 物件種別・都道府県を選択して「査定を依頼する」をクリック
- 必要項目を入力
- 査定を依頼する不動産会社を選択
古家付きの土地を早く売却するなら不動産買取
古家付きの土地は、決して売れやすい不動産ではありません。販売力のある不動産会社と契約したとしても、すぐに買主があらわれることはないでしょう。時間をかけて買主を見つけるのが、基本的な販売戦略になります。
できるだけ早く売却したい人には、買取による売却がおすすめです。買取は不動産会社が買主になって、不動産を買い取る売却方法です。買主を探す必要がないため、すぐに売却できます。
ただし、再販売するための費用が差し引かれるため、買取の売却価格は市場価格の約8割になるのが一般的です。
少しでも高く買い取ってもらうのであれば、リビンマッチで複数の不動産会社に査定をしてもらいましょう。あとはもっとも査定価格の高い不動産会社に売却するだけです。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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