不動産売却の内見・内覧のポイント|事前準備や掃除のコツを解説

不動産の販売活動を開始すると、物件に興味を持った購入希望者から内見(内覧)の申し込みが入ることがあります。購入希望者は積極的に買いたいと考えている人たちですから、内見をうまく進めることで、不動産売却を成功へと導けます。不動産を売却するときに知っておきたい、内見の基礎知識を解説します。
- 不動産売却における内見の目的と重要性
- 成約率を高めるための事前準備のコツ
- 内見者の好感度を上げるための掃除のポイント
- 内見当日に売主がやってはいけない行動や態度
もくじ
不動産売却における内見・内覧の重要性

不動産売却における内見(内覧)とは、購入希望者が実際に物件を訪れ、室内の状態や設備、住環境などを確認することです。なお、内見と内覧は同じ意味で使われているため、どちらの言葉も同じものと考えて問題ありません。
内見は購入希望者の意思決定に影響する重要な機会であり、売主は事前に準備を整えておくことが大切です。。
内見の意味と売却における重要性
購入希望者は内見を行うことで、写真や間取り図だけではわからない日当たりや風通し、室内の広さ、設備の状態などを確認できます。また、家具の配置や生活動線を確かめながら、購入後の暮らしを具体的にイメージします。
物件の立地や価格などに魅力を感じていても、実際に見学した際の印象によっては購入を見送られることも少なくありません。そのため、内見は物件の魅力を直接伝え、購入希望者の不安や疑問を解消する重要な機会といえます。
成約までに必要な内見回数の目安
内見をしていると「良い雰囲気だったのに成約できなかった」「もう6回目なのに全然成約しない…」といったことを思う方もいるかもしれません。
不動産売却では、5〜10回程度の内見が成約までのひとつの目安とされています。ただし、実際に成約まで至るまでの回数は、物件の立地や価格、築年数、地域の需要などによって異なります。
たとえば、人気エリアにある物件や建物の状態が良い物件であれば、1〜2回の内見で成約することもあるでしょう。一方、価格が相場より高い物件や旗竿地などの変形地では、10回以上の内見を経ても成約に至らないケースもあります。
売買契約につながる内見のポイント
不動産売却では、内見時の印象が購入希望者の判断に影響します。物件の立地や間取りが希望に合っていても、室内が暗かったり、不快なにおいがしたりすると、購入を見送られるおそれがあります。

売買契約につなげるためには、購入希望者が実際の暮らしをイメージしやすい環境を整えることが大切です。内見前に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
室内を明るくして開放感を演出する
内見時はできるだけ自然光を取り入れ、室内を明るく見せることが大切です。暗い部屋は実際よりも狭く感じられることがあり、購入希望者に与える印象にも影響します。
内見前にカーテンやブラインドを開け、日中でも照明をつけて室内全体を明るくしましょう。特に、日当たりの悪い部屋や窓の少ない廊下、玄関などは照明を活用すると効果的です。部屋を明るく・広く見せることで以下のようなメリットがあります。
- 清潔感のある印象を与えられる
- 家具の配置をイメージしやすくなる
- 部屋全体の広さや間取りを確認しやすくなる
- 壁や床の状態をしっかり確認できる
家具の配置によって窓からの光が遮られている場合は、可能な範囲で配置を見直すことで、部屋を広く感じてもらいやすくなります。
換気や消臭でにおい対策をする
室内のにおいは、住んでいる人が気づきにくい一方で、内見者には気になる場合があります。特に、料理やペット、たばこ、生活排水などのにおいには注意が必要です。
内見前には窓を開けて十分に換気し、室内にこもったにおいを取り除きましょう。キッチンの排水口や生ごみ、トイレなど、においが発生しやすい場所も確認しておくことが大切です。
また、芳香剤や香りの強い消臭スプレーはかえって不快に感じられる場合があるため、使用する際は注意しましょう。香りでごまかすのではなく、においの原因を取り除く対応が基本です。
事前にエアコンで室温を快適に保つ
内見時の室温も、購入希望者が物件に抱く印象を左右する要素のひとつです。夏場に室内が蒸し暑かったり、冬場に冷え込んでいたりすると、落ち着いて物件を見学できません。
内見が始まる前にエアコンを稼働させ、快適な温度に調整しておきましょう。 特に、長時間締め切っていた部屋は外気温の影響を受けやすいため、早めに冷暖房をつけておくと安心です。
以下は、季節に応じた温度設定の目安です。日当たりや外気温などを考慮して調節しましょう。
- 夏:25~27℃程度で涼しく爽やかに
- 冬:20~22℃程度で暖かく居心地よく
- 春・秋:外気温に合わせて微調整する
- 湿度が高い日:除湿機能を使用する
複数の部屋を案内する場合は、リビングだけでなく、寝室や子ども部屋なども適温に設定することも大切です。
必要に応じてホームステージングを活用する

ホームステージングとは、家具やインテリア、小物などを配置して、物件の魅力を引き立てる演出方法です。すでに引っ越した後の場合は、家具がないことで部屋の広さや使い方をイメージしにくいことがあります。ホームステージングを活用することで、購入希望者が家具の配置や生活動線を具体的に想像しやすくなります。
ホームステージングの効果は次のとおりです。
- 広告に掲載する写真の見栄えが良くなる
- 生活のイメージがわきやすくなる
- 物件の魅力や特徴を視覚的に伝えやすくなる
- 高級感や洗練された印象を演出できる
なお、日本ホームステージング協会が公表する「ホームステージング白書2025」によると、物件1件あたりのホームステージング費用は10万〜20万円未満が最も多くなっています。費用は家具のレンタル期間や演出内容、物件の広さなどによって異なります。
必ずしも実施する必要はないため、物件の価格帯や状態、売却活動の状況を踏まえて、不動産会社と相談しながら検討するとよいでしょう。
【場所別】内見者の好感度を上げる掃除・片付けの鉄則
内見前の清掃や片付けは、部屋の印象を大きく左右する重要なポイントです。どんなに立地や間取りがよくても、部屋の汚れや散らかりが目立つと「住みたい」という気持ちが薄れてしまうためです。
以下で挙げる場所は、購入希望者がチェックすることが多いため特に念入りに清掃しておきましょう。
| チェック場所 | 清掃のポイント |
|---|---|
| 玄関 | 靴を整理し、床を水拭きする |
| キッチン | コンロやシンク、換気扇の油汚れを除去する |
| 浴室 | カビや水あかを落とし、換気して乾燥させる |
| トイレ | 便器内外と床を清潔にし、におい対策をする |
| 窓ガラス | 両面を拭いて明るさを確保する |
| 床 | 掃除機をかけたあと、拭き掃除で仕上げる |
清掃する際、普段気づかないような細かな部分にも注意を払うことが大切です。たとえば、電気のスイッチプレートや扉の取っ手などは、意外と汚れが目立ちやすい箇所です。引っ越し前で荷物の撤去が難しい場合でも、せめて各部屋の中央部分は片付けて、購入希望者の動線を確保しておきましょう。
玄関|靴や傘を片付けて第一印象をよくする
玄関は、内見に訪れた購入希望者が最初に目にする場所です。第一印象を左右するため、清潔感があり、すっきりとした玄関を見せることが大切です。
内見前には、普段使わない靴や傘を収納し、玄関マットの砂ぼこりや汚れを取り除きましょう。靴箱の上に置いた小物や郵便物なども片付けておくと、玄関全体が整った印象になります。
また、購入希望者は玄関の広さだけでなく、靴箱の収納量や使い勝手も確認することがあります。購入希望者が玄関の広さや使いやすさを確認できるよう、玄関周りには余計な物を置かないことがポイントです。靴箱の中も整理しておけば、収納量や使い勝手を確認してもらいやすくなるでしょう。
リビング|不要な物を減らして広さを感じさせる
リビングは家族が長い時間を過ごす場所であり、内見でも購入希望者が注目する空間のひとつです。購入後の暮らしを具体的にイメージしてもらうためにも、部屋本来の広さや使いやすさが伝わる状態に整えましょう。
テーブルやソファの周囲に置いた雑誌、おもちゃ、日用品などを片付け、床が見える面積を広くすることが大切です。家具が多くて圧迫感がある場合は、配置を見直すことで室内をすっきりと見せられます。
また、購入希望者はリビングの広さに加えて、家具の配置や生活動線も確認します。室内を歩きやすくしておけば、手持ちの家具を置いたときのイメージや、家族で過ごす様子を具体的に想像してもらいやすくなります。
キッチン|油汚れや水垢を落として清潔感を出す
キッチンは毎日使用する場所だからこそ、内見時には清潔感が重視されます。コンロ周辺の油汚れやシンクの水垢が目立つと、購入希望者に管理状態が悪い印象を与える可能性があります。
内見前にはコンロや換気扇、シンクなどの目立つ汚れを落とし、調理器具や食器類を片付けておきましょう。作業台の上に物を置きすぎないことで、調理スペースの広さや使いやすさも伝わりやすくなります。
また、購入希望者はキッチンの見た目だけでなく、収納量や家事動線、設備の状態も確認します。シンク下や食器棚などを整理しておけば、収納スペースの使い勝手も確認してもらいやすくなるでしょう。
浴室・洗面所・トイレ|カビやにおいを徹底的に除去する
浴室・洗面所・トイレなどの水回りは、購入希望者が衛生面や設備の状態を確認する場所です。特に、カビや水垢、不快なにおいが残っていると、入居後に清掃や修繕が必要になるのではないかという懸念につながるおそれがあります。
内見前には浴室の壁や床、排水口、洗面台、便器などを丁寧に清掃し、できるだけ清潔な状態に整えましょう。また、洗面台の上に置いた歯ブラシや化粧品、浴室内のシャンプーボトルなどを整理すると、設備やスペースの状態が確認しやすくなります。
ただし、清掃では落とせないカビや設備の不具合がある場合は、無理に隠そうとせず、不動産会社に相談することが大切です。購入希望者が水回りの状態を正確に確認できるようにしておくことが、売却後のトラブル防止にもつながります。
収納スペース|整理整頓して収納力をアピールする
クローゼットや押し入れなどの収納スペースは、購入希望者が実際の収納量や使い勝手を確認する場所です。収納が充実している物件でも、荷物が詰め込まれていると、十分な広さが伝わらない場合があります。
内見前には不要な物を処分し、衣類や日用品を整理整頓しておきましょう。収納スペースにある程度の余裕を持たせることで、奥行きや棚の配置、収納できる量をイメージしやすくなります。
また、購入希望者が収納内部の確認を希望することもあるため、見せられる状態にしておくことが大切です。貴重品や個人情報が記載された書類などは、あらかじめ安全な場所に移しておきましょう。
収納内部を見せる範囲については、事前に不動産会社と相談しておくとスムーズに内見を行えます
内見当日に売主がやってはいけないNG行動
まず、内見当日に売主が過度なアピールを行うと、購入希望者にプレッシャーを与えてしまい、購入意欲を下げる原因になります。
物件の良いところを知ってもらいたいという思いから、聞かれていないことまで長々と説明したり、購入希望者の後をついて回ったりするのは避けましょう。購入希望者が自分のペースで室内を確認できるよう、不動産会社に案内を任せることが大切です。
また、不確実な情報を伝えたり、設備の不具合などを隠したりすることも避けるべき行動の一つです。たとえば、リフォーム費用や周辺施設の建設計画など、正確に把握していないことについて推測で答えると、後々のトラブルに発展するおそれがあります。
購入希望者から質問を受けてわからないことがあった場合は、その場で適当に答えず、不動産会社を通じて後日正確な情報を伝えるようにしましょう。
不動産売却の内見でよくある疑問

不動産売却で内見を行うとき、多くの売主が同じような疑問を抱えています。事前に疑問点を解消しておけば、安心して内見当日を迎えられるでしょう。ここでは特によく聞かれる質問を、具体的な対処法と併せて解説します。
購入希望者からよく聞かれる質問は?
購入希望者は「実際にここで暮らせるか」を、具体的にイメージしようとします。そのため、多くの人は生活に密着した情報を求めて、次のような質問を投げかけてきます。
- 「近所にどのようなスーパーや病院がありますか?」
- ⇒最寄りの施設名と距離を具体的に答える
- 「騒音はどの程度ありますか?」
- ⇒時間帯別にどの程度の騒音があるのかを正直に伝える
- 「修繕した箇所はありますか?」
- ⇒いつなにを修理したのかを正確な記録で示す
- 「町内会や自治会の活動はありますか?」
- ⇒参加の有無や活動内容を説明する
答えにくい質問でも、できるだけ正直に回答することで信頼関係を築けるでしょう。わからないことは「確認してからお答えします」と伝えて、後日回答するのも誠実な対応です。
壁紙の張り替えなどは必要になる?
壁紙の張り替えなどの対処が必要かどうかは、物件の状態と予算によって異なります。壁紙の張り替えが必要かどうかは、物件の状態や費用対効果によって異なります。
汚れや破れが目立つ場合、たばこのヤニによる黄ばみが激しい場合などは、張り替えを検討するとよいでしょう。ただし、購入後にリフォームすることを前提としている買主もいるため、必ずしも売却前に張り替える必要はありません。
内見時に値下げ交渉されたらどうする?
内見をしているときに、購入希望者から値下げ交渉をされることがあります。そういったときは、その場で即答する必要はなく、冷静に検討してから回答することが大切です。まず、値下げの理由をしっかり聞いて、正当な根拠があるかどうかを判断しましょう。
設備の不具合や修繕が必要な箇所を指摘された場合は、修理費用を踏まえて値下げに応じるか、売主側で修繕してから引き渡すかなど対応方法を検討します。
一方で、単に「安くしてほしい」という理由の場合は、市場価格との比較が重要です。また、実際に値下げに応じるかどうかは、売却の急ぎ具合やほかの購入希望者の有無も考慮しましょう。その際、最低限譲れない価格は、事前に決めておくことをおすすめします。
価格交渉は不動産会社を通じて行うことが一般的です。プロのアドバイスを参考にしながら判断しましょう。
内見の予約が入らない原因はなに?
内見の予約がなかなか入らない場合、いくつかの原因が考えられます。売主として改善できるポイントもあるため、ひとつずつ確認してみましょう。一般的に、内見の予約が入らない原因は次のとおりです。
- 市況の影響で不動産の需要が低下している
- 写真や物件情報の量が少なく、質も低い
- 売り出し価格が相場より高く設定されている
- 内見できる曜日や時間帯が限られている
- 周辺環境が購入希望者のニーズに合わない
- 築年数が古すぎて敬遠されている
- 間取りや広さが現在の需要とずれている
- 土砂災害警戒区域などの危険地域にある
- 近隣に墓地やゴミ焼却場などの嫌悪施設がある
まず、立地条件や築年数、地域の売却相場を踏まえて、適正な価格設定になっているかどうかの確認が第一です。並行して売主側で改善できる部分は、不動産会社と相談しながら優先順位をつけて対策していきましょう。変えられない条件は、それを補う魅力を前面にアピールすることが重要です。
内見(内覧)では不動産会社の対応も重要!
内見の希望者を集めるには、不動産会社の適切な販売活動が重要です。不動産ポータルサイトに魅力的な写真や情報を掲載したり、適切な売り出し価格を提案したり、内見の希望者を集めるのは不動産会社の能力が大きく影響します。どこの不動産会社に依頼しても同じ、というわけではないのです。
できるだけ多くの不動産会社に相談して、信頼して売却を任せられる会社を探しましょう。そのためには、複数の不動産会社に査定を依頼する必要があります。
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不動産を売るときの内見に関するよくある質問
- 内見に売主も立ち会った方がよい?
- 売主が立ち会うことで、生活の利便性や設備の使い方などを直接伝えられます。一方、売主がいると購入希望者が落ち着いて見学できない場合もあるため、必ずしも立ち会う必要はありません。
- 内見をしても成約に結びつかないのはなぜ?
- 成約に結びつかないのは、物件価格が相場より高い、清掃や片付けが不十分などが考えられます。不動産会社と相談して対応策を見直しましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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