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築30年のマンションが売れない理由と売却のポイント

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築30年のマンションが売れない理由と売却のポイント

レインズの調査によると、中古マンションのうち対新規登録成約率の最も高い築年数が築6~10年の32.1%です。そこから築年数が古くなるごとに下がっていき、築30年を超えると10%台にまで下がるため売却が難しくなる傾向があります。

しかし、昨今では中古マンションの価格が高騰していることから、築30年を超えたマンションの需要も高まっています。適切な対策をすることで売却できる可能性が十分にあるため、築30年のマンションが売れない理由と高く売るためのポイントを確認しておきましょう。

築30年マンションが売れないと言われる理由

築30年マンションが売れないと言われる理由
築30年を超えるマンションは、以下の理由から売却が難しいと言われています。

  • 建物や設備の老朽化
  • 住宅ローン控除が利用できないと思われている
  • 耐震性への不安
  • 修繕積立金の高騰
  • 立地や間取りなど競合物件が多い

以下、それぞれの点について詳しく見ていきましょう。

建物や設備の老朽化

築30年を超えるマンションでは、建物や設備の老朽化が進んでいることが多く、不具合や故障のリスクが高まります。

たとえば、築30年を超えたマンションの配管でよく使われている塩化ビニルライニング鋼管は、耐用年数が20~25年です。耐用年数を超えると配管の劣化が進行し、水漏れや詰まりのトラブルが発生しやすくなります。

また、電気系統も配線の劣化や絶縁不良などによって漏電などの問題が生じることがあるため、修繕工事を行わなければ建物の構造体に悪影響を及ぼしかねません。

屋上や外壁についても、経年劣化によって耐水性などが低下してきます。築30年を超えるマンションでは、こうした不安材料があるため、購入希望者の心理的な障壁となっているのです。

住宅ローン控除が利用できないと思われている

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して戸建てやマンションなどを購入した場合、年末時点のローン残高の0.7%を所得税から控除する制度です。

住宅ローン控除は、2022年以前は築20年以内の建物か築25年以内の住宅のみが対象でした。そのため、税制上のメリットが得られないことから買主の購入意欲が削がれ、売却が困難になる原因になっていました。

しかし、2022年に築年数の要件が撤廃されました。以降は、築30年のマンションであっても、住宅ローン控除が適用されるようになっています。

耐震性への不安

東日本大震災以降、建物の耐震性への関心が高まっており、古いマンションの耐震性能に不安を持つ人は少なくありません。そのため、築30年マンションは、地震に対する安全性の面で買主から敬遠されがちです。

しかし、築30年のマンションは、1981年に行われた建築基準法の改正で建物の構造計算や設計方法が大幅に見直された後の新耐震基準が導入されています。震度6強~7程度の揺れでも倒壊・崩壊しないように設計されているため、1981年以前に建てられたマンションよりも地震のリスクを抑えられます。

修繕積立金の高騰

築30年を超えるマンションでは、大規模修繕や設備の交換など、多額の修繕費用が必要になる場合があります。マンションの維持管理には、修繕積立金が不可欠ですが、築年数が経過するほど、修繕積立金の額が高騰する傾向にあるためです。

マンションの大規模修繕は、12年周期で行われるのが一般的です。築30年を超えるマンションでは、2回目以降の大規模修繕を迎える時期に差し掛かります。外壁や屋上の防水工事、設備の更新など、多岐にわたる工事が必要となり、修繕費用が数億円規模になることもあるでしょう。

修繕積立金の引き上げは避けられず、また場合によっては一時金が発生するケースもあります。こういった将来的な負担増への不安から、購入希望者が尻込みしてしまうことがあります。

加えて、修繕積立金の不足も大きな問題です。計画的な積み立てができていないマンションでは、大規模修繕の実施が困難になります。修繕工事の先送りは、建物の老朽化に拍車をかけ、資産価値の低下につながります。こうしたマンションは、購入希望者から敬遠されてしまうのです。

立地や間取りなど競合物件が多い

築30年マンションの立地や間取りは、現代の嗜好と合わない場合があります。バブル期に建てられたマンションの中には、都心から離れた郊外や、最寄り駅から遠い物件が少なくありません。利便性の低い立地は、現代の購入希望者のニーズと乖離しており、人気がない傾向にあります。

間取りも、現代の生活スタイルに適さないケースがあります。バブル期のマンションには、単身者向けの狭小な間取りや、開放感に欠ける細長いリビングルームなどが多く見られます。ファミリー向けの物件でも、収納スペースが十分でなかったり、家事動線が効率的でなかったりと、現代の暮らしに合わない間取りが目立ちます。

こうした立地や間取りの物件は、新しい分譲マンションとの競合に負けてしまうことが少なくありません。利便性や居住性に優れた新築マンションが数多く供給される中で、古いマンションは大きく見劣りしてしまいます。立地や間取りの改善が難しい以上、売却は容易ではありません。

築30年マンションを高く売るポイント

築30年マンションを高く売るポイント
以下のグラフは、中古マンションの築年数帯の平均価格を表したものです。

参考:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)│公益財団法人東日本不動産流通機構

中古マンションの平均価格は築年数が古くなるごとに減少し続け、築0~5年の6,638万円から築30年超えでは2,193万と、3分の1ほどまで下がってしまいます。

都心部の人気エリアにあるマンションなど一部例外はあるかもしれませんが、基本的には価値が下がり続けていくため、少しでも早く売る必要があります。

また、築30年のマンションを高く売るためのポイントがあるため確認しておきましょう。

リフォームせずに売却する

築30年マンションでは、購入後に買主がリフォームをするケースが多いため、売却前のリフォームは避けたほうがよいでしょう。高額な費用をかけてリフォームをしても、買主がリフォームを前提にしている場合、売却価格に代金を上乗せすることは難しくなります。リフォームを施した部分が、かえって買主の購買意欲を削ぐ結果になりかねません。

むしろ、現状のままで売却し、買主にリフォームを任せるのが得策と言えます。買主が自分の好みに合わせてリフォームができるよう、自由度を残しておくことが大切です。リフォーム前提の価格設定にすれば、買主の負担感を減らせます

ただし、著しく破損や汚損がある部分は、最低限の補修を行っておくことが望ましいでしょう。

専任媒介で信頼できる不動産会社に売却を依頼

築30年マンションの売却は難易度が高いため、信頼できる不動産会社に専任媒介で依頼するのがおすすめです。築30年マンションの販売実績が豊富な不動産会社なら、適切な価格設定やスムーズな売却を期待できます。

不動産会社の専門的なアドバイスは、売却戦略を練る上で欠かせません。物件の魅力を最大限に引き出す方法や、デメリットを緩和する方策など、プロの視点からの提案は売却を有利に進める助けになるはずです。

ただし、不動産会社の選定は慎重に行う必要があります。築30年マンションの売却経験が乏しい不動産会社では、適切な対応が期待できないおそれがあります。複数の不動産会社に相談し、実績や対応力を見極めることが大切です。

住宅ローン控除が使える物件であることをアピール

購入希望者の中には、住宅ローン控除の適用を気にして購入に踏み切れない人がいるかもしれません。法改正により2022年以降は、築30年マンションでも住宅ローン控除が適用されるため、内覧時などに伝えておきましょう。

築30年マンションのメリットを強調する

築30年マンションには、利便性や広さなど、新築マンションにはない魅力があります。こうした物件のメリットを最大限にアピールすることが、売却を有利に進める鍵となります。

たとえば、築30年マンションは、新築マンションに比べて部屋が広い傾向にあります。ゆとりある空間は、ファミリー層に特に評価されます。リビングダイニングの広さや、収納スペースの充実などをアピールすることで、買主の購買意欲を高められるはずです。

また、ペットの飼育が可能な点も、築30年マンションの魅力の一つです。ペット飼育可能物件は、ペットを飼いたい買主から人気があります。ペットとの暮らしを希望する買主をターゲットに売却活動をする上で有効な戦略と言えるでしょう。

さらに、コミュニティが成熟している点も、築30年マンションの大きな魅力です。長年にわたって築かれてきた住民同士のつながりは、暮らしやすさにもつながります。高齢者にとっては、地域のサポート体制が整っていることも重要なポイントとなります。

設備保証の付保で売却を有利に

給湯器や空調設備など、故障リスクの高い設備について、一定期間の補償を付けることで、買主の不安を和らげることができます。こうした不安を払拭できれば、買主の購買意欲を高める効果が期待できます。

設備保証は、住宅瑕疵担保責任保険などの保険商品を利用するのが一般的です。保険期間内に発生した設備の不具合を、保険でカバーするのです。保険料は売主が負担することになりますが、買主の不安を和らげ、売却を有利に進める上では効果的な投資と言えるでしょう。

設備補償の付保は、アフターサービスの充実をアピールする上でも重要です。住宅ローン控除の適用と並んで、買主の安心感を高める材料となります。保証内容を分かりやすく説明し、買主の理解を得ることが大切です。

ただし、設備保証の付保には一定のコストがかかります。費用対効果を見極め、補償内容や期間を適切に設定する必要があります。不動産会社の助言を参考に、最適な補償プランを選択しましょう。

売れない場合の対策

売れない場合の対策
築30年マンションの売却は容易ではありませんが、適切な対策を講じることで、望ましい条件での売却が可能となります。ただし、どうしても売却が難しい場合は別の対策をする必要があります。

買取での売却を検討する

築30年マンションの売却が難航する場合、不動産買取会社に売却するという選択肢も検討に値します。買取会社は、物件を一括で現金買取をするため、早期の売却が実現します。長期化する売却活動に区切りを付けたい場合、買取業者の利用は有効な選択肢となるでしょう。

ただし、買取会社への売却では、相場よりも低い価格になるのが一般的です。そのため、仲介などで販売活動をしてみて、売却が難しそうであれば買取を検討してみてもよいでしょう。

なお、買取会社の選定は、複数の会社に見積もりを依頼し、条件を比較検討することが大切です。買取価格だけでなく、買取までの期間や、必要書類などの条件面も確認しておきましょう。

賃貸に出して売却時期を待つ

すぐに売却する必要がない場合は、マンションを賃貸に出して売却時期を待つ方法もあります。賃料収入を得ながら、市況の回復や買主の現れるタイミングを待つことができます。空室のリスクはありますが、賃貸需要の見込める立地であれば、安定した収入を得られる可能性があります。

賃貸経営を行う場合、家賃設定が重要なポイントです。周辺の賃貸物件の家賃相場を調べ、適切な水準に設定する必要があります。家賃が高すぎると入居者が集まらず、低すぎると収益性が悪化してしまいます。

ただし、収益を求めなければ相場よりも低い家賃を設定しておけば入居者が見つかりやすくなる傾向があります。

また、賃貸管理の方法も検討しておく必要があります。自己管理をするか、管理会社に委託するかは、売主の事情に応じて選択するとよいでしょう。管理の手間を省きたい場合は、管理会社への委託が適しています。

複数の不動産会社に査定を依頼する

築30年のマンションは売却が難しいものの、少しでも有利な条件で進めるなら、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。不動産の価値は物件の状態や立地、市場の動向などによって大きく変動するため、適正な売却価格を把握することは容易ではありません。

また、不動産会社によっても査定内容が異なるため、比較検討することで、より客観的で適正な売却価格を知ることができます。

ただし、多くの不動産会社に個別に査定依頼をするのは、時間や手間がかかります。そんな時におすすめなのが、不動産一括査定サイトリビンマッチです。リビンマッチなら、一度の入力で複数の不動産会社から査定結果を得られるため、簡単に比較検討ができます。

また、査定を依頼できる不動産会社は厳しい審査を通過した優良企業ばかりなので、安心して任せられるのもポイントです。完全無料で依頼できるので、まずは気軽に利用してみましょう。

この記事の編集者

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