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アパート経営・マンション経営のための地震保険とは

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アパート経営・マンション経営のための地震保険とは

アパート経営マンション経営が持つリスクの中でも、日本だからこそ特に注意したいのが、地震災害リスクでしょう。
度重なる震災は、その地に住む人々だけでなく、その地にアパート・マンションを持つオーナーにとっても深刻な問題です。

アパート経営・マンション経営に必要な地震保険とは、どのようなものでしょう。

アパート経営・マンション経営における地震のリスク

地震は、建物の倒壊のみならず、二次災害、三次災害も発生する大きな天災です。

中でも、地域を問わず発生の可能性が高い二次災害の火災については、阪神淡路大震災では大きな問題となりました。

既にアパート経営・マンション経営をされている方なら常識かも知れませんが、この地震を原因とする火災による損害は、火災保険では補償されません。
「うちは耐震性抜群だから」「防火対策がしっかりしているから火災にはならない」と思っていても、開け放した窓・ドアなどから近隣の火災が移る可能性もあり、これもまた、火災保険の補償対象外です。

いち早い収益回復のためにも、火災保険ではカバーできない被害の対策のためにも、地震保険は重要な意味を持つのです。


地震保険の特徴は「公的性格が強い」こと

「地震保険に入っても、被害が大きすぎて保険会社が払えないかも…」
そんな不安から、割高とも思える地震保険に足踏みしている方も少なくないようですが、ここに、地震保険の大きな特徴があります。

それは公的性格が非常に強いということ。
地震保険は、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間保険会社が負う地震保険責任の一定額以上の巨額な地震損害を政府が再保険することにより成り立っています。
簡略すると、『地震被害の場合、国が民間保険会社とともに保険金を支払ってくれる』ということです。

平成28年4月現在、国会で議決された1回の地震における再保険金額は10兆9,902億円であり、民間保険責任額と合計した総支払限度額は11.3兆円です。
これは関東大震災クラスの地震と同等規模の巨大地震が発生した場合でも対応可能な範囲だとされています。

財務省においては、「地震保険に関する法律」に基づき地震再保険事業を運営しているところであるが、平成28年度においては、1回の地震等により政府が支払うべき再保険金の限度額を10兆9,902億円と定めて実施する。

平成28年版 防災白書|第3部 第4章 3 3-2 災害保険 : 防災情報のページ – 内閣府

確かに、記憶に新しい阪神淡路大震災でも、東日本大震災でも、地震保険が破綻したという話は聞きませんでしたね。

地震保険の補償内容と割引率

地震保険は、火災保険に付帯される方式で契約する保険です。
居住用建物と家財(生活用動産)に対してかけられるもので、火災保険金額の30%~50%の範囲内で地震保険金額を決めることが可能です。
前者は一戸あたり5,000万円、後者は1,000万円を限度としています。

補償範囲は、全壊の場合には保険金額の全額、半壊の時には50%、一部損壊の場合には5%がそれぞれ支払われます。

保険金額も制度によって細かく設定がなされていますが、割安にする方法が無いわけではありません。
長期契約による割引(年数による係数が下がる)や、「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」が設けられており、その対象有無で10%~50%の割引が適用されます。

アパート経営・マンション経営のための物件を購入する際には、築年数や耐震等級などを念頭におくことが重要となってくる訳です。
ちなみに、火災保険に付帯される地震保険には細かい金額設定がありますが、火災保険金額については保険会社によって幅がありますので、総合的に考えると良いでしょう。

こちらも合わせてご参照ください。

大家・オーナー側の賠償責任の範囲とは

地震による被害は、大家・オーナーだけに関わるものではありません。
被災した入居者にとっては、大きな地震であれば、住まいを奪われ、物理的に生活を壊されます。
その場合、大家・オーナーの賠償責任はどうなるのでしょうか。

賃貸経営は宅地建物取引業法(宅建業法)に基づいたビジネスのため、『賃貸借契約』についても細かく取り決められ、書面を交付する必要があります。
その宅建業法37条内に、『天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容』と記されています。
つまり、『予知できない災害時の被害・損害の責任について、細かく決めておいてください』ということです。

一般的な賃貸借契約書では、
「天災その他不可抗力による設備故障等の損害については、互いにその責を負わないものとする」
「本契約は、天災、地変、火災その他甲乙双方の責めに帰さない事由により、本物件が滅失した場合、当然に消滅する。」(国土交通省:賃貸住宅標準契約書より)
などの条項があり、地震による損害について、賠償責任がないことを明記します。

また「天災」は、不法行為による賠償責任を定めた民法709条の『故意・過失』にはあたらないため、その意味でも、賠償責任は負わないと解釈できます。
ただし、建築当時の耐震基準を満たしてない違法物件などの場合は、大家・オーナーの過失として賠償責任が生じる可能性はあります。

以上、地震のような天災において、大家・オーナーが賠償責任を負う必要がないことはわかりましたが、実際に大地震が発生した場合、被害に遭うのは入居者も同じです。
地震保険が被災者の生活の安定に寄与することを目的としている以上、入居者の地震保険加入も今後の課題となるところかもしれません。

ミドルリスクであっても…

アパート経営・マンション経営などの不動産投資は、いざとなったら物件を処分して、ある程度投資した金額を回収することができるため、ミドルリスクの投資方法と言われています。
しかし、災害が発生し、収益物件に大きな損害が発生すれば、家賃収入が見込めなくなるどころか、その資産価値が大きく失われてしまいます。

ミドルリスクだといわれている投資方法であっても、リスクヘッジの必要性はゼロではないのです。

実際に私達は、日本が地震と縁を切ることができない事実を、何度も体感しているはずです。
住居や収益物件を奪われ疲れ果てた心身を、保険金を得ることで一時的にでも休息させることができれば、今後を考える余裕も生まれるのではないでしょうか。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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