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- 生前贈与された土地をすぐに売却する方法!支払う税金は相続と違う?
両親や祖父母などといった被相続人の生前に財産の贈与を受けることを、生前贈与といいます。贈与の対象となる財産は、現金や株式、不動産など種類を問いません。
生前贈与された土地を売却したい場合、どのようなことに注意すればよいでしょうか。
今回は、土地の生前贈与について、売却時の注意点や流れと併せて詳しく解説します。
もくじ
まずは、土地の生前贈与について、贈与税やその特例を確認しておきましょう。
贈与税とは、財産を受け取った人に対してかかる税金です。
財産を受け取った人が支払うという点では相続税と同じです。しかし、贈与は血縁関係なくお互いの合意により行われるという特徴から、贈与税のほうが税率は相続税に比べて高い傾向にあります。
贈与税には年間110万円の非課税枠があり、その金額を超える金額に対して累進課税される仕組みです。
基礎控除後の課税価格 | 税率(%) | 控除額(円) |
---|---|---|
200万円以下 | 10 | – |
300万円以下 | 15 | 10万 |
400万円以下 | 20 | 25万 |
600万円以下 | 30 | 65万 |
1,000万円以下 | 40 | 125万 |
1,500万円以下 | 45 | 175万 |
3,000万円以下 | 50 | 250万 |
3,000万円超 | 55 | 400万 |
参考:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」
一般的には、110万円の非課税枠を利用して徐々に子孫に資産を移し、相続税がかかる資産を少なくする、暦年贈与という節税対策が主流です。
土地の生前贈与をすると、以下のようなメリットがあります。
反対に、デメリットもあります。
贈与と相続の不動産取得税や登録免許税の違いは、下記の表のとおりです。
不動産取得税 | 登録免許税 | |
---|---|---|
贈与 | 固定資産税評価額の3% (令和6年3月31日までの特例) |
固定資産税評価額の2% (令和5年3月31日までの特例) |
相続 | 非課税 | 固定資産税評価額の0.4% |
相続時精算課税制度は、相続人へ財産を贈与する際に本来であればかかる贈与税を、相続発生時まで繰り延べることができる制度です。
この制度を利用すれば、累計で2,500万円までの財産を贈与税なしで贈与できます。
しかし、この制度を利用して贈与した財産は、相続発生時に相続財産としてみなされます。そのため、贈与税ではなく相続税として税金を納めます。
適用される条件として、贈与をした年の1月1日において以下の条件に当てはまる必要があります。
贈与税なく財産を移せるというメリットがある一方、以下のデメリットがあります。
特に、暦年贈与や小規模宅地等の特例は、相続税対策として人気の手法です。安易にこの制度を選択して後悔しないよう、しっかり検討してから進めましょう。
その他、贈与税で利用できる控除として、配偶者控除の特例があります。
これは婚姻20年以上の夫婦間で居住用不動産やその建築資金を贈与する場合に、2,000万円まで非課税で贈与できるというものです。
この制度は暦年課税の110万円も併用可能なため、年間2,110万円まで非課税で贈与できます。
こういった特例があることによって、土地を生前贈与する事例が多々あるようです。
生前贈与で取得した土地の売却を検討したら、実際に売却する前に、ここで紹介する準備をしておきましょう。
土地などの不動産は所有しているだけでコストが発生する資産です。固定資産税や都市計画税などに加え、修繕費や管理するための諸費用もあるため、放っておくとお金が出ていくばかりです。
しかし、せっかく生前贈与した土地のため、手間がある程度かけられるなら、借地や借家により家賃収入を得るのもよいでしょう。
使い道がないからと容易に売却を選ぶのではなく、活用できる手段がないかを検討してみましょう。
土地の使い道を決める上では、贈与してくれた被相続人や、ほかの相続人にも相談するようにしましょう。
当然のことながら、被相続人があなたに生前贈与したということは、あなた自身にその土地を贈与したいという意思があって行われたものです。売却する場合は特に、被相続人の理解を得るようにしましょう。
また、自分以外に相続人がいる場合は、それらの方の理解も得ておくとよいでしょう。
理解を得ないで勝手に進めてしまうと、相続時にトラブルの原因になってしまうこともあります。遺産相続に関わる方々への配慮を忘れないようにしましょう。
生前贈与された土地の売却は実績が豊富な専門家に相談しましょう!複数の不動産会社に相談して提案を比較することが重要です。
生前贈与された土地を売却する際、どういった注意点があるのでしょうか。売却する具体的な手順に沿って説明します。
まずは、一括査定サイトなどを用いて、不動産会社に価格査定を依頼しましょう。
各社から査定結果と売却プランが提示されるため、内容を比較しましょう。信頼のおける会社を選んで、媒介契約書を締結します。
不動産会社に売却活動を依頼したら、進捗報告を都度確認しつつ、必要であれば売却価格の変更をします。
購入希望者が現れたら、購入申込書が提示されます。金額の交渉をして合意すれば、不動産会社が用意した売買契約書を締結します。
後日、代金の受け取りとともに不動産登記情報を買主に渡せば、無事取引完了です。
不動産譲渡所得がある場合は、確定申告の際に譲渡所得の申告を行いましょう。
売却にどの程度のコストが発生するのかも、きちんと把握しておきましょう。
贈与を受けた際に発生した不動産取得税や登録免許税のほかに、以下のコストが発生します。
売却が成功した際、不動産会社へ支払う仲介手数料です。宅地建物取引業法により、以下の金額が上限と定められています。
売買価格 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売買価格の5%+税 |
200万円超400万円以下の部分 | 売買価格の4%+税 |
400万円超の部分 | 売買価格の3%+税 |
不動産売買契約に貼る印紙税代が発生します。その金額は土地の売却金額により異なり、以下のとおりです。
契約金額 | 本則税率(円) | 軽減税率(円) (令和4年3月31日まで) |
---|---|---|
10万円を超え50万円以下 | 400 | 200 |
50万円を超え 100万円以下 | 1,000 | 500 |
100万円を超え 500万円以下 | 2,000 | 1,000 |
500万円を超え1,000万円以下 | 1万 | 5,000 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 2万 | 1万 |
5,000万円を超え1億円以下 | 6万 | 3万 |
1億円を超え5億円以下 | 10万 | 6万 |
5億円を超え10億円以下 | 20万 | 16万 |
10億円を超え50億円以下 | 40万 | 32万 |
50億円を超える | 60万 | 48万 |
参考:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
土地などの不動産を売却して利益が出た場合は、その利益(譲渡所得)に対して所得税と住民税が発生します。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
取得費とは、土地を購入する際に発生した本体価格や諸経費を指します。贈与で受け取った土地の場合でも、前の所有者が購入した際にかかった費用が取得費になります。
譲渡費用とは、売却する際に発生した諸費用を指します。
つまり、本体価格と諸費用以上の価格で売却できた時のみ、譲渡所得に対する税金も発生します。
いかがでしたでしょうか。
今回は、土地の生前贈与とその売却について説明しました。
土地の生前贈与は税金の面ではメリットが少ないながらも、特定の人に必ず渡すことができるというメリットがあります。さまざまな特例もあることから、活用すれば節税しながら子孫に資産を移すことができます。
生前贈与された土地を売却する場合には、まず贈与や相続に詳しい不動産会社に相談してみましょう。
複数の不動産会社から客観的な意見を集めることができるため、一括査定サイトを利用するのがよいでしょう。
贈与を受けた土地の売却を考えていない方でも、価値を知っておくことは重要です。今後の使い道を検討するためにも、まずは査定してみてはいかがでしょうか。
生前贈与された土地の売却は実績が豊富な専門家に相談しましょう!複数の不動産会社に相談して提案を比較することが重要です。
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