築30年マンションの売却相場は安い?資産価値と売るタイミングを解説

マンションでも築30年が経過すると、室内設備の古さや建物の劣化が目立ち始め、物件によっては売却までに時間がかかることがあります。一方で、築30年前後のマンションは中古市場で多数取引されており、資産価値を評価されている物件もあります。
この記事では、築30年のマンション売却相場や需要、売却価格に差がつく場所やスムーズに売却するためのコツも解説します。
- 築30年マンションの最新売却相場と市場での需要
- 築30年が経ったマンションの資産価値
- 築30年でもマンションが売れにくくなるケース
- 売却をスムーズに進めるための考え方
もくじ
築30年のマンションは売却価格が安くなる?
不動産は築年数が経過すると売却価格が下がる傾向にありますが、築30年になった途端に資産価値が大きく下がるわけではありません。
まずは、東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が公表している中古マンションの成約データから、築30年前後のマンションが実際にいくらで取引されているのかを確認してみましょう。
築26~30年の平均成約価格は5,211万円
公益財団法人 東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2026年04~06月】」をもとに自社で作成
2026年4~6月のデータでは、築26~30年の中古マンションの平均成約価格は5,211万円という結果でした。築6~10年の7,757万円、築16~20年の6,536万円と比べると価格は低くなっていますが、築30年前後でも5,000万円を超える水準で取引されていることがわかります。
ただし、あくまで首都圏全体の価格ですので、エリアによってはより高値であったり、平均より低い価格で取引されたりしています。
築30年を超えた途端に売却価格が急落するわけではない
上記の築年数別の平均成約価格をまとめたグラフでは、「築30年超」の平均成約価格が2,767万円となっています。そのため、築30年を境に価格が大きく下がったように見えるかもしれません。
しかし、グラフの「築30年超」は築31年以降の物件をまとめた区分であり、築31年の成約価格ではないので注意が必要です。築40年や築50年といった、さらに築年数が経過したマンションも含まれています。
このデータだけでは、「築30年を超えると売却価格が急落する」と断言することはできません。築年数の経過は価格に影響する要素のひとつですが、30年を境に資産価値が一律に大きく下がるわけではない、ということを理解しておきましょう。
築30年でも立地などの条件によっては高値で売れる
以下のグラフを見ると、築年数が同じマンションでも売却価格に差があるのがわかります。2026年4~6月のデータでは、築26~30年の平均成約価格が都区部では7,644万円であるのに対し、多摩は3,947万円、埼玉県は3,177万円、千葉県は3,284万円、神奈川県は3,967万円でした。
公益財団法人 東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2026年04~06月】」をもとに自社で作成
同じ築30年前後のマンションでも地域によって価格水準は異なります。そのため、「築30年だから○○万円」と考えるのではなく、同じ地域にあるマンションがいくらで成約しているかを確認することが重要です。
築30年前後のマンションも中古市場で取引されている

画像出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「季報Market Watchサマリーレポート2026年4~6月期」
グラフの推移から、成約した物件の築年数が年々上がっていることがわかります。マンションは築年数が古くても売却できる市場ではあるものの、売り出し価格が相場と釣り合っていなければ、売却が長期化するおそれがあります。
そのため周辺の販売価格だけでなく、立地や広さ、管理状態が近いマンションの成約事例を確認するようにしましょう。
築30年マンションの資産価値はどうなる?
築30年という年数だけを見て資産価値を判断するのではなく、物件ごとの特性を踏まえて考えることが大切です。資産価値の評価は物件によって異なるため、築30年マンションの資産価値を左右する主な要素について見ていきましょう。
築年数だけで資産価値が決まるわけではない
築年数はマンションの売却価格を左右する重要な要素ですが、マンションの所在地、専有面積、階数、管理状態などによっても差が出ます。
たとえば、駅から近く生活利便性に優れたマンションであれば、築30年が経過していても購入を希望する人が見つかる可能性があります。また、同じマンション内でも階数や向き、室内の状態などによって成約価格が異なるケースがあるでしょう。
築30年という築年数だけを見て資産価値が大きく下がったと判断するのではなく、さまざまな要素を考慮して判断することが大切です。
管理・修繕状態によって物件の評価に差が出る
築30年前後になると、これまで「どのように維持管理がされてきたか」によって、マンションの評価に差が出ます。国土交通省の資料でも、管理組合によって適切な管理が行われているマンションは、良好な居住環境が維持され、資産価値を高く維持できることが期待されています。
そのため、築30年マンションの資産価値を考える際、大規模修繕や設備更新が計画的に行われているか、将来の修繕に備えた管理体制が整っているかは重要な判断材料になります。
国土交通省:「マンション管理・再生ポータルサイト」
築30年のマンションが売れにくい理由
築30年を迎えたマンションは、将来の修繕負担や室内設備の古さなどを買主に不安視され、売却するまでに時間がかかることがあります。
以下は、購入希望者から敬遠されやすい主な理由です。
- 将来の修繕費が不安視されている
- 間取りがいまの需要に合っていない
- 建物の耐震性を心配する買主がいる
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
修繕積立金や今後の修繕費用を不安視される
マンションの大規模修繕や共用設備の更新は、管理組合が長期修繕計画にもとづいて実施します。工事費は、区分所有者から集めた修繕積立金などでまかなわれますが、不足している場合は、将来的に修繕積立金が値上げされたり、一時金が徴収されたりするおそれがあります。
また、売主が管理費や修繕積立金を滞納している場合は、新たにマンションの所有者となった買主が管理組合から滞納分が請求されることがあります。そのため、買主から現在の修繕積立金だけでなく、積立残高や今後の値上げ予定、滞納の有無などを確認されることがあります。
室内設備や間取りが需要とズレることがある
築30年のマンションでは、キッチンや浴室、給湯設備などが築浅物件と比べて古くなっている場合があります。また、収納の広さや部屋の配置などが、現在の購入希望者のニーズに合わないケースもあるでしょう。
設備の交換や内装のリフォームには費用がかかるため、負担を考えて購入を回避する買主もいます。一方で、自分好みにリノベーションすることを前提に中古マンションを探している人もいるため、設備や内装が古いからといって、売却できないわけではありません。
建物の耐震性を心配する買主がいる
築年数の経過したマンションの売却では、建物の耐震性を気にする買主への対応も必要です。2026年時点で築30年のマンションはおおむね1996年前後に建てられているため、一般的には新耐震基準が適用されています。新耐震基準かどうかは竣工年(工事が完了した年)ではなく、建築確認を受けた日付で判断されます。
ただし、新耐震基準で建てられていても、築年数の経過やこれまでの維持管理・修繕状況によって建物の状態は異なります。大規模修繕の履歴や管理状態に問題があると、築30年の物件であってもなかなか売れない場合があります。
築30年マンションで売却価格に差がつくポイント
同じ築30年でも、マンションによって売却価格には大きな差が生じます。不動産会社の査定では、周辺の成約相場だけでなく、立地や住戸ごとの条件、今後の修繕に備えた資金計画なども考慮されます。
ここでは、築30年のマンションで売却価格に差がつきやすい箇所を具体的に解説します。
立地と周辺の中古マンション需要
築年数が進んでも変わりにくいのが、駅までの距離や交通利便性、周辺施設などの立地条件です。駅から近い、複数路線を利用できる、スーパーや医療施設が徒歩圏内にあるといったマンションは、築30年でも一定の需要を見込めます。
ただし、単に「駅から近い」ということだけでなく、その地域でどのような中古マンションが求められているかも重要です。たとえば、ファミリー世帯が多い地域では広めの住戸、単身者や共働き世帯が多い地域ではコンパクトで交通利便性の高い住戸が選ばれやすい傾向があります。
大規模修繕の実施時期と工事内容
築30年前後のマンションでは、大規模修繕の実施の有無だけでなく、いつ、どのような工事を行ったかが売却価格に影響します。外壁塗装や屋上防水だけでなく、給排水設備やエレベーターの更新状況も、買主が安心して購入できるかを判断する材料です。
直近で大規模修繕が行われていても、最低限の補修のみにとどまっている場合は、買主から将来の費用負担を懸念されるおそれがあります。反対に、修繕履歴が明確で、建物の状態に合わせた工事が計画的に行われていれば、築年数が進んでいても評価されやすくなります。
売却時は、大規模修繕の実施時期だけでなく、工事内容や次回の予定がわかる資料を不動産会社へ提示できるよう準備しておきましょう。
修繕積立金の状況と長期修繕計画
築30年のマンションでは、今後必要となる修繕に備えた資金計画が適切に立てられているかが売却時の評価を左右します。
修繕積立金の金額だけで、マンションの管理状態は判断できるものではありません。長期修繕計画で予定されている工事に対して必要な資金を確保できる見込みがあるか、将来の修繕を見据えた積立額になっているかといった点も重要です。
また、物件が築30年前後になると、建物や設備の状態に応じて長期修繕計画の見直しが必要になることがあります。計画が定期的に見直され、工事内容や必要な費用が的確に整理されていれば、買主も購入後にかかる負担を把握しやすくなります。
専有面積・階数・向きなど住戸ごとの条件
同じマンション内でほかにも売却している物件がある場合、立地や築年数、建物の管理状態が共通しています。そのため、専有面積や階数、向きなど住戸ごとの違いが価格差として表れやすくなります。
専有面積が広い住戸は価格そのものが高くなる傾向があり、階数や向きによっては日当たりや眺望、周囲からの視線なども重要視されやすい部分です。ただし、高層階や南向きであれば必ず高く売れるわけではなく、マンションの立地や周辺環境によって評価は異なります。
築30年マンションはいつ売るべき?
築30年を迎えると、「これ以上古くなる前に売ったほうがよいのでは」と考える方もいるでしょう。しかし、築30年になったことだけを理由に、急いで売却する必要はありません。
売却するかどうかは築年数だけでなく、マンションの大規模修繕の予定、自身の住み替え時期なども踏まえて判断することが大切です。近いうちに売却する可能性がある場合は、いまの価値を把握して売るべきタイミングを検討しましょう。
築30年を迎えたことを理由に急いで売る必要はない
マンションの売却をタイミングを考えるうえで、今後予定されている大規模修繕の内容や売却相場の確認は非常に重要です。
まず、大規模修繕は完了を待てば必ず高く売れるとも限りません。工事を待っている間にも築年数は経過し、不動産市況や住宅ローン金利などが変化する可能性があるためです。
また、「これ以上古くなる前に売らなければ」と焦って売却すると、相場よりも高値に設定して売れ残ったり、安値に設定して手取り額が想定よりも少なくなったりするおそれがあります。築30年を売却の期限と考えるのではなく、マンションの修繕計画や今後の費用負担、自身がいつまでに売却したいのかを整理したうえで、適切なタイミングを判断することが大切です。
売却予定なら現在の査定価格を確認して検討する
数年以内に住み替えや売却を考えているのであれば、現在の査定価格を一度確認しておくと、売却時期を検討する材料になります。
また査定を受ける際は、1社だけで判断するのではなく、複数の不動産会社に依頼して査定価格とその根拠を比較しましょう。同じ物件でも、不動産会社によって査定方法や売却方針が異ります。
不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」を利用すれば、物件情報を一度入力するだけで最大6社の不動産会社へ査定を依頼できます。築30年マンションを今売るべきか迷っている方も、現在の価値を把握することで、売却のタイミングを逃しにくくなるでしょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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