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長期譲渡所得とは?10年超所有軽減税率の特例についても詳しく解説

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長期譲渡所得とは?10年超所有軽減税率の特例についても詳しく解説

マイホームを売却して利益がでると税金がかかります。
ただし、売却予定の家に5年を超えて所有している場合は税率が下がり、10年以上所有している場合、さらに税率を下げることが可能です。
この記事では5年を超えて住んだマイホームを売却したときの長期譲渡所得の仕組みと、10年超所有軽減税率の特例を適用するための条件について解説します。

長期譲渡所得とは

長期譲渡所得とは、譲渡所得の一種です。
譲渡所得とは、不動産売却時に生じる所得のことです。不動産の売却価格から、その不動産を購入したときの価格と売却にかかった経費を引いて求めます。
譲渡所得には短期と長期があり、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている不動産を売却して得た所得は、長期譲渡所得に分類されます。
譲渡所得にかかる税は、所得税と住民税です。2037年12月31日までは、これらに加え復興特別所得税が上乗せされます。復興特別所得税を含む所得税と住民税を合わせたものが、譲渡所得税です。
長期譲渡所得は短期譲渡所得に比べて税率が低く、一定の要件を満たせばさらに税率が軽減する特例を受けられるケースがあります。

所有期間の計算方法

所有期間を計算する際のポイントは、所有期間の終わりが「売却した日」ではなく「売却した年の1月1日」である点です。
例えば、次のようなケースが考えられます。

ここでは、2つの譲渡所得に関する税率の違いを説明します。

税率の違い

長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率を、表にまとめました。

譲渡所得と税率
  所得税 住民税 合計
長期譲渡所得 15.315%
(復興特別所得税0.315%を含む)
5% 20.315%
短期譲渡所得 30.63%
(復興特別所得税0.63%を含む)
9% 39.63%

表を見て分かる通り、長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率には約2倍の差があります。
不動産の売却を検討する際は、売却する年の1月1日時点での所有期間が5年を超えるかどうかを確認することが大切です。

10年超所有したときの軽減税率の特例とは

自分が居住していたマイホームを売却するとき、不動産の所有期間が10年を超えていれば税制上の特例が適用されます。
ここでは、10年以上所有したマイホームを売却する際の特例について解説します。

10年以上所有したマイホームを売却時にかかる税率が軽減される

この特例は一般に「10年超所有軽減税率の特例」と呼ばれ、正式には「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」といいます。
10年を超えて所有するマイホーム(居住用の不動産)を売却して譲渡所得が生じた場合、6,000万円までの所得について軽減税率の適用が受けられます。
この特例は、3,000万円特別控除との併用が可能です。

税率について

10年を超えて所有したマイホームを売却した際の税率を表にまとめました。
なお、所得税には2037年まで加算される復興特別所得税の2.1%が含まれています。

  譲渡所得が6,000万円以下 譲渡所得が6,000万円超
6,000万円以下の部分 6,000万円を超える部分
所得税 10.21% 10.21% 15.315%
住民税 4% 4% 5%
合計 14.21% 14.21% 20.32%

譲渡所得が6,000万円以下の部分には軽減税率が適用され、6,000万円を超えた部分には長期譲渡所得に対する通常の税率が適用されます。

特例を受けるための6つの要件

「10年超所有軽減税率の特例」を適用するためには以下6つの要件を満たす必要があります。
ひとつでも満たしていない要件があると、特例は適用されません。すべての要件について確認しておきましょう。

①日本国内にあり、居住している不動産を売却する

10年超所有軽減税率の特例を受けるには、日本国内にあり自分が居住している不動産の売却であることが要件です。
また現在は住んでいないが以前住んでいた不動産であれば、住まなくなった日から3年経過した年の12月31日までに売却する必要があります。

  • 日本国内にあり、居住している不動産を売却する
  • マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていない
  • 不動産の所有期間が10年を超えている
  • 売却した年の前年、および前々年に特例を適用していない
  • 売却した不動産について「マイホームの買換え・交換の特例」など、他の特例の適用を受けていない
  • 親子や夫婦など「特別の関係がある人」に対して売却したものではない

これらの家屋を災害で滅失した場合は、住まなくなった日から3年を経過した年の12月31日までにその敷地を売却することが求められます。

②マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていない

特例の適用には、売却した年の前年または前々年に「マイホームの譲渡損失についての損益通算、及び繰越控除の特例の適用」を受けていないことが求められます。
この特例は古いマイホームを売却し新しくマイホームを購入した際、譲渡損失が出ていればその年の給与所得や事業所得から控除できる特例です。

③不動産の所有期間が10年を超えている

売却した年の1月1日において、売却したマイホームの所有期間が10年を超えていることも、特例の適用に必要な条件の1つです。
居住していた家屋と敷地のどちらの所有期間も10年を超えていることと、所有期間の終わりがマイホームを売却した日ではないことがポイントです。
相続や贈与で取得した家を売却する場合、元の持ち主がその家を取得してから5年を超えていれば長期譲渡所得が適用されます。相続した日や贈与された日から5年ではありません。
しかし10年超所有軽減税率の特例は所有者自身の所有期間が対象であり、相続時・贈与時からの所有期間が10年を超えている必要があります。

④売却した年の前年、および前々年に、この特例の適用を受けていない

特例の適用には、マイホームを売却した年の前年および前々年に、同じ特例の適用を受けていないことが求められます。
ただし「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」により、この特例の適用を受けているケースは除きます。「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」とは、相続か遺贈で取得した家屋や家屋を含む土地を売却した際、一定の条件を満たせば譲渡所得から3,000万円控除できる制度です。

⑤売却した不動産について「マイホームの買換え・交換の特例」など、他の特例の適用を受けていない

特例の適用には、売却したマイホームについてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例の適用を受けていないことが求められます。
ただし前述した通り、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例とは併用が可能です。

⑥親子や夫婦など「特別の関係がある人」に対して売却したものではない

特別の関係とは、主に以下の条件を満たす人です。

  • 親子や夫婦の他、生計を一にする親族
  • 家屋を売った後にその家屋で同居する親族や内縁関係にある人
  • 特殊な関係のある法人

「特別の関係がある人」に当てはまることが後に判明すれば、大きなトラブルになる危険性があります。特別の関係がある人か否かの判断が困難なときは、専門家への確認をおすすめします。

その他の特例との併用について

併用可能な特例 併用不可能な特例
  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  • 住宅ローン控除
  • マイホームの交換・買換えに関する特例
  • その他、税が軽減される特例

10年超所有軽減税率の特例を受ける際は、これまでの不動産売買はもちろん今後の売買予定を含めて見直しましょう。

特例を受けるための手続き

この特例を受けるには、不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。
確定申告のために準備する書類には、次のようなものがあります。

  • 確定申告書付表兼計算明細書(譲渡所得の内訳書)
  • 売主が居住していたことを示す書類(住民票の住所と不動産の所在地が異なる場合)
  • 譲渡した不動産の全部事項証明書
  • 不動産売却時の売買契約書類
  • 不動産取得時の売買契約書類
  • 住民票の写しやマイナンバー

確定申告の経験がない会社員の方であれば、計算や手続きに時間がかかる可能性があります。自分自身での申告が不安であれば、専門家への依頼がおすすめです。

まとめ

長年住んだマイホームを売却する際、要件を満たせば税を軽くする特例が適用できます。
一方で所有期間の計算方法や特例を受ける際の要件は複雑で、自分自身での申請に不安を感じる方は多いでしょう。
手続きのミスや税制上のトラブルを避けるため、分からないことはそのままにせず専門家に確認することをおすすめします。
マイホーム売却時に頼れる専門家といえば、もちろん不動産会社です。不動産会社探しには、一括査定サイトのリビンマッチをぜひご利用ください。
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この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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