一戸建ての売却は難しい?「高く売る方法」を原因と対策から考える

不動産売却のなかでも、戸建て売却は少し難易度が高くなります。一戸建ては築年数が古くなるとマンションより価値が下がりやすく、外壁や屋根などの維持費がかかるなど、売却が難しい原因はいくつもあります。
スムーズに一戸建てを売却するには、知識と事前の対策が重要です。一戸建てを売却するために必要な情報をまとめていますので、ぜひチェックしてください。
リビンマッチのポイント
売りに出される一戸建ては基本的に築年数が古いため、リフォームなどの負担が買主にかかります。ほかにも間取りが特殊、維持費が高い、駅近物件が少ないなど、売れにくい要素が少なくありません。でも、売り出し方を工夫することで、一戸建てを高く売却することは可能です。
もくじ
一戸建ての売却が難しい7つの原因
一戸建ての売却は、マンションに比べて難しいといわれる場面が少なくありません。なぜ売却に苦労するケースが多いのでしょうか。

ここでは、一戸建ての売却が難しいとされる主な原因を7つに分けて解説します。
築年数が古くリフォームが必要なケースが多い
一戸建ての売却で大きな壁となるのが、築年数の古さです。築年数が経過すると、水回りの設備が劣化していたり、外装・内装にひび割れや傷が目立ったりなど、購入後すぐに住めないこともあります。
購入希望者の多くは「すぐに引っ越して暮らしたい」と考えるため、リフォームが必要な一戸建ては敬遠されがちです。さらに、リフォーム費用が100万円以上かかる可能性がある場合は、それを理由に購入を見送る人も出てくるでしょう。
築古の一戸建ては、購入後の手間とコストが購入者の心理的なハードルを高くしてしまうのです。
好みが反映された外観や間取りが敬遠されやすい
注文住宅で建てられた一戸建ては、元の所有者の好みや家族構成が色濃く反映されています。趣味の部屋を広くとった間取りや、特殊な外観デザインなど、個性的な造りになっているケースが珍しくありません。
以前の所有者には使いやすくても、新しい購入希望者にとっては使い勝手が悪いと感じられることも多いのです。間取りの変更には大規模な工事が必要になるため、購入をためらう要因になります。
「ライフスタイルに合わない」と判断されれば、どれだけ立地がよくても選ばれにくくなるでしょう。一戸建ての売却では、個性的すぎる間取りやデザインが売れにくさを招く原因のひとつといえます。
マンションと比較して資産価値が下がりやすい
日本の一戸建ては木造が主流のため、マンションに比べて経年による資産価値の減少が早い傾向にあります。建物部分の価値は築年数の経過とともに年々減少していき、木造住宅の場合は築20年を超えると評価がほぼゼロとされることが多いからです。これは、木造住宅の耐用年数が22年と定められているためです。耐用年数とは、国が定めた資産価値の期間のことであり、実際に使用できる寿命とは異なります。
マンションは鉄筋コンクリート造が多く、耐用年数が47年のため建物の評価期間は長めです。さらに、マンションは管理組合による定期的な修繕が行われているため、建物全体の状態が保たれやすいという特徴があります。
もちろん地域によりますが、将来的な売却を見越して購入を検討する層には、一戸建てよりマンションが魅力的に映るケースも少なくありません。
外壁や屋根など維持管理の負担とコストが大きい
一戸建ては、建物全体の維持管理を所有者自身が行わなければなりません。外壁の塗装や屋根の補修は10~15年ごとに必要になり、30坪の一戸建ての場合、1回あたり80万~150万円程度の費用がかかります。
マンションなら修繕積立金として毎月1万円程度を支払いますが、一戸建ては自分でまとまった金額を用意する必要があります。
そのため、購入希望者の中には「買ったあとに高額な修繕費がかかるのでは?」と不安を感じる方もいます。特に築年数が経過した一戸建ての場合は、購入後すぐに大規模な修繕が必要になるケースも多いからです。
維持管理の負担が大きいイメージにより、一戸建ての売却が難しい印象を与えています。
駅から遠いなど立地条件で劣る物件が多い
一戸建ては、マンションに比べて駅から離れた場所に建てられるケースが目立ちます。駅徒歩15分以上、バスを利用しなければアクセスできないエリアに位置する物件も少なくありません。通勤や通学の利便性を重視する購入層にとって、立地の悪さは大きなマイナスポイントです。
さらに、商業施設や病院、学校などが遠いと、日常生活の不便さが懸念されます。「車がないと生活できない…」と感じられる立地では、購入希望者の数が限られてしまうでしょう。立地条件の悪さは、一戸建ての売却が難しいといわれる、代表的な原因のひとつといえます。
中古より新築一戸建てを希望する購入層が多い
一戸建てを購入する人のなかには、「新築で自分好みの家を建てたい」と考える人が少なくありません。注文住宅として自分たちの理想を実現したいニーズは、年々高まっています。こうした人は、最初から中古の一戸建てを選択肢に入れていないため、どれだけ魅力的な物件でも検討されないでしょう。
また、新築分譲の一戸建ては、住宅ローンの金利優遇や税制面での優遇を受けやすいメリットがあります。中古と新築を比較したとき、新築のほうが総合的にお得だと判断される場面も少なくないでしょう。地域によっては新築志向の強い購入層が多く、中古一戸建ての売却が難しくなる場合があります。
売主が負う契約不適合責任のリスクが大きい
一戸建ての売却では、売主が契約不適合責任を負うリスクが重くのしかかります。契約不適合責任とは、売却後に欠陥や不具合が見つかった場合、売主が修繕費用を負担したり損害賠償を求められたりする責任のことです。
築年数が古い一戸建てほど、見えない部分に問題が潜んでいるリスクが高まります。たとえば、雨漏りやシロアリ被害、配管の劣化などは、売却時に気づかないこともあるでしょう。購入希望者にとっても「隠れた欠陥があるかもしれない」というのは不安材料になりやすく、慎重な検討が必要になるため売却が進みにくくなる要因のひとつになっています。
一戸建ての売却価格を左右する5つのポイント
一戸建ての売却価格は、複数の要因が絡み合って決まります。どのような要素が価格に影響を与えるのかを知っておくと、売却戦略を立てる際の参考になるでしょう。

ここでは価格を左右する、代表的な5つのポイントを紹介します。
不動産市場全体の動向
売却価格にもっとも大きな影響を与えるのが、不動産市場全体の動きです。たとえば、住宅ローンの金利が低い時期には、購入希望者が増えて物件の価格が上昇しやすくなるでしょう。
反対に金利が高くなると、月々の返済負担が重くなるため、購入をためらう人が増えて価格が下がる傾向にあります。また、景気の良し悪しや雇用の安定性なども、不動産市場に直接影響を及ぼす要因です。市場が活発な時期に売却できれば、同じ家でも高値で売れる可能性は高いでしょう。
自分ではコントロールできない要素ですが、市況を見極めることが一戸建ての売却では重要になります。
築年数による建物の価値
築年数は一戸建ての価格を決めるうえで、避けて通れない要素です。新築から年数が経過するほど建物の評価額は下がり、築10年で新築時の約半分、築20年以上では価値がほぼゼロになることも珍しくありません。ただし、築年数が古くても、適切なメンテナンスを行っていれば評価を維持できる場合もあります。
一方、築浅であれば、構造躯体や内装、設備が新しく、保証期間も残っていれば高値がつきやすいでしょう。また、木造と鉄骨造では耐用年数が異なり、一般的に鉄骨造のほうが価値の下落スピードは緩やかです。
築年数は変えられませんが、建物の状態次第で価格への影響を軽減することは可能です。
立地条件と土地の広さ
駅からの距離や周辺環境といった立地条件は、価格を大きく左右します。一般的に駅徒歩10分以内だと需要が高く、同じ間取りでも駅から遠い家より高値で売れる傾向があります。スーパーや学校、病院などの生活施設が近くにあるかどうかも、購入希望者が重視するポイントです。
土地の広さも価格に直結する要素で、原則として広いほど高値になりますが、エリアや購入層によっては広すぎると売れにくいこともあるでしょう。立地と土地の広さのバランスが、一戸建ての売却価格を決めるカギといえます。
建物の状態と修繕履歴
建物がどれだけよい状態に保たれているかが価格に直結します。定期的にメンテナンスを行い、修繕履歴をきちんと残している一戸建ては、購入希望者に安心感を与えられます。外壁の塗り替えや屋根の補修、給湯器の交換など、主要な設備の修繕履歴があれば「大切に使われていた家」という印象を持ってもらえるでしょう。
逆に、目に見える劣化が多かったり、雨漏りの跡があったりすると、修繕費用を懸念されて値下げ交渉の材料にされがちです。特に水回りの状態は購入判断に大きく影響するため、キッチンや浴室の清潔さは重要になります。日頃のメンテナンスが、一戸建ての売却時に価値となって返ってくるのです。
土地とエリアの建築制限
土地の建築制限も売却価格に影響を与える要素です。用途地域や建ぺい率、容積率などの規制によって、その土地にどのような建物を建てられるかが決まります。一般的に建ぺい率が高く、広い家を建てられる土地は、1坪あたりの単価も上がりやすくなります。
一方で、再建築不可の土地や、接道義務を満たしていない土地は、建て替えができないため大幅に価格が下がるでしょう。土地の法的な条件を把握しておくことが、適正な売却価格を設定する第一歩になります。
一戸建ての売却にかかる期間の目安
一戸建ての売却にかかる期間は、特徴や条件によって大きく変わります。そのため、スムーズに進む場合もあれば、なかなか買主が見つからずに長期化することもあるでしょう。売却期間の一般的な目安と、時間がかかりやすいケースについて解説します。
一般的に3~6カ月で売却できる
立地や築年数などの条件が平均的であれば、3~6カ月程度で売れるでしょう。スムーズに進む一戸建てには、次のような共通点があります。
- 駅から徒歩10分以内の好立地にある
- 建物の外観や内装の状態が比較的新しい
- 相場に合った適正価格で売り出している
- 3LDKや4LDKなどファミリー向けで使いやすい
これらの特徴以外にも、売却活動の工夫次第で、売却期間の短縮が見込めます。売り出す一戸建てがどの程度の期間で売れそうか、不動産会社に相談してみましょう。
特殊・条件が悪いと1年以上かかることも
特殊な造りや条件の悪い一戸建ては、買主が限られるため売却に時間がかかります。二世帯住宅や賃貸併用住宅の場合は、特定のニーズに応える物件は需要が少なく、1年以上かかることも珍しくありません。
立地や建物の状態によっても、売却の難易度は大きく変わります。売却期間が長くなりがちな一戸建てには、次のような特徴があります。
- 駅からバスを使わないとアクセスできない
- 築30年以上で大規模なリフォームが必要
- 周辺に商業施設や学校などの生活施設が少ない
- 土地の形が不整形で建て替えが難しい
- 再建築不可など法的な制限がある
こうした一戸建ては時間がかかるだけでなく、大幅な価格交渉を受けるケースも多いでしょう。まずは現実的な売却期間を把握したうえで、不動産会社とじっくり対策を立てることが大切です。
売却が難しい一戸建てを売る6つの対策
売却が難しい一戸建てでも、適切な対策を講じれば買主を見つけることは十分に可能です。売り出し前の段階から戦略的に取り組むことが、成功への近道になります。

一戸建ての売却を成功させる、6つの具体的な対策を紹介します。
写真や広告文の質を高めて集客力を上げる
購入希望者が最初に目にするのが、Webサイト上の写真と広告文です。ここで興味を持ってもらえなければ、内覧や資料請求につながりません。
特に写真は重要で、広角レンズを使った撮影、晴れた日の自然光を活かした写真は、家の印象を大きく変えるでしょう。資金に余裕があれば、プロのカメラマンに依頼することで、部屋の明るさや広さを最大限に引き出した魅力的な写真を掲載できます。
ただし、実際よりもよく見せすぎると、内覧時にがっかりされて成約につながらないリスクもあるため注意が必要です。不動産会社と相談しながら、魅力を正確に伝える工夫をしてみてください。
空き家状態×ハウスクリーニングで印象をよくする
内覧時の第一印象をよくするには、空き家状態にしてハウスクリーニングを実施するのが効果的です。生活感の残る家具や荷物が多数あると部屋が散らかって見え、全体的に
狭く見えてしまいます。空き家にしてから清掃することで、室内の広さと清潔感をアピールすることも可能です。
さらに、プロのハウスクリーニングで水回りや床などを徹底して綺麗にすれば「ていねいに使われていた家」という印象を与えられます。費用は5万~10万円程度かかりますが、清潔感が購入の判断に与える影響は大きいため、検討の価値は十分にあるでしょう。
ホームステージングで購入後の暮らしを想像させる
何もない空間では「実際に住むイメージが湧かない」という方もいるため、近年ホームステージングが注目されています。
ホームステージングとは、モデルルームのように家具やインテリア小物を配置して、購入後の暮らしを具体的にイメージしてもらう方法です。生活感を排除しつつ、魅力的な空間に演出できます。
リビングに見栄え良くソファやテーブルを置いたり、寝室にベッドを配置したりして「ここで暮らしたい」という感情を引き出します。観葉植物や照明、カーテンなども工夫すれば、おしゃれで温かみのある空間を演出できるでしょう。
費用と契約期間の目安
ホームステージング会社に依頼すると、15万〜30万円程度の費用がかかります。契約期間は通常1〜3カ月程度で、販売状況に応じて延長も可能です。高額に感じるかもしれませんが、早期売却や値引き交渉の回避につながれば、結果的にプラスになる可能性も十分にあるでしょう。
ちなみに、家具のグレードや期間、会社によって大きく異なるため、正式な見積もりが必要です。
予算を抑えたい場合の選択肢
予算が限られている場合は、ポイントを絞った簡易的な演出でも効果が期待できます。近年注目されているのが「バーチャルステージング」で、販売資料やWebサイト掲載用に写真をCG加工して家具を配置する方法です。
実物の家具レンタルより大幅に低コストで、魅力的な物件写真を作成できます。
リフォームや設備交換で価値を向上させる
築年数が古い一戸建てでは、リフォームや設備交換が売却を後押しすることがあります。水回りの設備が古いと、購入後の費用負担を懸念されて敬遠されがちです。キッチンや浴室、トイレなど、どこかひとつでも新設していれば、内覧時の印象も大きく変わるでしょう。
壁紙の張り替えやフローリングの補修といった小規模なリフォームでは、清潔感を演出できます。
ただし、リフォーム費用をすべて売却価格に上乗せできるとは限りません。数百万円かけてリフォームしても、費用を回収できずに損をするリスクも考えておく必要があります。
不動産会社に相談して「この家ならどこをリフォームすれば売れやすくなるか」を見極めることが重要です。
ホームインスペクションの実施で安心感を与える
ホームインスペクションとは、専門家が建物の劣化状況や欠陥の有無を調査する住宅診断のことです。古い一戸建ての場合、購入希望者は「見えない部分に問題があるのでは?」と不安を感じることがあります。事前にインスペクションを実施し、第三者による報告書を提示すれば安心感を与えられるでしょう。調査では、屋根や外壁のひび割れ、床下の状態、雨漏りの痕跡などがチェックされます。
費用は6万~10万円程度で、調査時間は2~3時間ほどです。問題が見つかった場合は、修繕してから売り出すか、価格を下げてそのまま売り出すかを判断できます。契約不適合責任のリスクも減らせるため、売主にとってもメリットがある対策といえます。
大手と地元を含む複数の不動産会社に査定依頼する
一戸建ての売却を成功させるには、信頼できる不動産会社選びが欠かせません。1社だけに相談するのではなく、大手と地元密着型の複数社に査定を依頼することをおすすめします。
- 大手不動産会社
- 全国ネットワークの知名度、豊富な広告予算を活用して、幅広い層に情報を届けられる強みがある
- 地元密着型の不動産会社
- エリアの特性や地域住民のニーズを熟知しており、ストックしている顧客への紹介から、早期に成約につながることも多い
複数社に査定を依頼すれば、査定価格の相場感がわかるだけでなく、各社の販売戦略や対応の質も比較できるでしょう。ただし、査定価格が高いからといって、その会社が優れているとは限りません。売却実績や提案、営業担当者の経験などを総合的に判断して、パートナーを選ぶことが大切です。
一戸建てを高く売るための売り出し価格戦略
一戸建てを高く売るには、売り出し価格の設定が重要なポイントのひとつです。戦略的な価格設定の考え方と、状況に応じた柔軟な対応方法を解説します。
売り出し価格の設定が成約価格を左右する理由
売り出し価格は、問い合わせ・資料請求・内覧予約の数を左右します。インターネットで物件を探す購入希望者は、予算の上限を設定して検索するため、高すぎる価格で出すと、検索結果に表示されず反響が得られません。
売り出し直後は物件情報が新鮮で注目を集めやすいため、このタイミングを逃すのは大きな損失です。あとから値下げしても「売れ残り」の印象を持たれてしまうため、最初から適正な価格の範囲で売り出すことが、売却を成功させる第一歩です。
値引き交渉を見越して価格に余裕を持たせる
一戸建てを含む不動産の売却では、購入希望者から値引き交渉を受けるケースが少なくありません。そのため、最初から希望価格で売り出すと、交渉後に想定より安く売ることになってしまいます。
一般的には、希望する価格の5~10%程度を上乗せして売り出すのが目安です。3,000万円で売りたい場合、3,150万円~3,300万円程度でスタートするイメージになります。
売却価格は、地域の購入需要を考えること、周辺相場から大きく外れない範囲で設定することが大切です。値引き交渉に応じると、買主にも「お得に買えた!」という満足感を与えられるメリットもあります。
周辺の競合物件の価格設定と特徴を調査する
自身の一戸建てを魅力的に見せるには、周辺で売り出し中の競合物件と過去の売却事例のリサーチが欠かせません。同じエリアで似た条件の一戸建てが「いくらで売られているか」「実際にいくらで成約したか」を把握することで、現実的な適正価格が見えてきます。
競合物件は、不動産ポータルサイトで築年数や間取り、駅からの距離などが近しい物件を複数チェックしてみてください。
過去の売却事例は、不動産情報ライブラリやレインズマーケットインフォメーションなどで調べることもできますが、不動産会社に情報提供を依頼すると手間が省けます。
細かな特徴や条件を比較して、優っていれば少し高めに、劣っていれば低めに設定するのが基本的な考え方です。市場の動きを把握しながら価格を決めることで、売却の難しい一戸建てでも購入希望者の検索条件にマッチしやすく、目に留まりやすくなるでしょう。
反響状況を見ながら計画的な値下げを実施する
売り出し後は、問い合わせや内覧の反響をチェックして、値下げのタイミングを見極めます。売り出し後の反響としては、次の件数が目安になります。
- 問い合わせが週に2件以上→適正価格
- 問い合わせが月に1件程度→やや高め
- 1カ月以上問い合わせゼロ→価格見直しが必要
このとき、少額の値下げの繰り返しは「まだ下がるかも」と様子見されるリスクがあるため、一度にまとめて下げるほうが効果的です。不動産会社と相談しながら、計画的に調整を進めていくことが大切です。
一方で、内覧には来るものの申し込みに至らない場合は、価格以外の問題も考えられるでしょう。不動産会社の担当者に詳細なフィードバックをもらい、対策を行うと効果的です。
築古「古家付き土地」での売り方も検討する
特に築年数の古い一戸建ては、建物の価値をゼロと考えて「古家付き土地」で売る方法もあります。広さや立地、周辺環境が魅力的であれば、建物が古くても土地目当ての新築購入層に「建て替え用地」としてアプローチできます。
古い建物の評価に引きずられにくく、土地の価値で勝負できるため、周辺の更地と同等かそれに近い価格での売却も狙えるでしょう。ただし、建物に資産価値が残っている場合は、建物分の価値を無視する方法のため、かえって損をすることもあります。
不動産会社と相談しながら、どちらの売り方が有利か判断してください。
どうやっても売れない一戸建ての最終手段4選
通常の売却活動を続けても買主が見つからない場合、別の方法を検討する必要があります。すぐに手放したい事情がある人や、維持管理の負担から解放されたい人にとって、選択肢を知っておくことは大切です。
どうやっても売れない一戸建てを処分する、最終手段を4つ紹介します。
建物を解体して買主の負担を軽減する
築古で老朽化している、修繕箇所が多すぎるなど、売れない原因が建物にあるなら、解体して更地にする方法があります。新築希望の買主にとって、更地はすぐに建築できるメリットがあるためです。
解体費用は、木造で1坪あたり3万~5万円程度が目安で、30坪の建物なら90万~150万円ほどかかります。ただし、解体費用の坪単価は、建物の構造や道路状況、地域などによって異なるので注意してください。
不動産会社と相談のうえで、更地で売却できる見込みがある場合には、有効な選択肢のひとつになるでしょう。
買取業者に直接買い取ってもらう
個人の買主には売れない一戸建てでも、買取業者になら売却できる場合があります。事業者は買い取ったあとに一定の利益が見込めれば、築年数や立地にかかわらず買い取ってくれる可能性があるのです。買取業者の主な活用は次のとおりです。
- リフォームして再販
- 新築に建て替えて再販
- 収益用の土地として活用
ただし、買取価格は市場相場の60~80%程度になることが一般的です。通常の売却活動で売ることが難しく、安くなってでも早く現金化したい場合に検討する価値があるでしょう。
親族や知人への無償譲渡で手放す
地方や田舎の一戸建てなど、市場ではどうしても買主が見つからない場合、親族や知人に無償で譲ることもひとつの方法です。不動産を所有し続けると、固定資産税や火災保険料などの維持費が毎年かかるため、無償でも手放したい人は多いでしょう。
ただし、無償譲渡は贈与とみなされ、土地や建物の評価額に応じて贈与税が課されるため注意が必要です。また、所有権移転の登記費用や不動産取得税などの諸費用も発生するため、事前に税理士などへ相談することをおすすめします。
親族や知人であっても一方的に押しつけるのではなく、税金や維持費の負担について十分に説明して理解を得ることが大切です。土地の利用価値が少しでもあれば、受け取る側も快く承諾してくれるかもしれません。
空き家バンクに登録する
空き家バンクは、自治体が運営する空き家情報の登録制度です(登録は無料)。通常の売却市場では埋もれてしまう地方の一戸建てでも、空き家バンクなら明確なニーズを持つ層にアピールできます。
ただし、空き家バンクに登録したからといって、必ず買主が見つかるわけではありません。登録件数に対して成約件数は少なく、数年間売れないままのケースも珍しくないのが現実です。
とはいえ、費用をかけずに売却ルートを開拓できるメリットがあるため、検討の価値はあるでしょう。空き家バンクは、自治体によって運用方法が異なるため、不動産会社と併用できる場合とできない場合があります。登録する前に必ず自治体へ確認してください。
一戸建てが得意な不動産会社を見つけることがポイント
一戸建ての売却は価値のわかりやすい土地やマンションと比べると難しく、ときには時間がかかることもあります。ただし、売り方次第では、思いのほかスムーズに売却することも可能です。一戸建てのように売却が難しい物件ほど、不動産会社の販売力や戦略の差が結果に大きく影響します。
一戸建てを任せる不動産会社を選ぶときは、一括査定サイトの「リビンマッチ」が便利です。リビンマッチであれば一度の入力で複数の不動産会社へ査定を依頼できます。
リビンマッチには約2,100社もの不動産会社が参加しているため、高く、早く売ってくれる会社を見つけられるでしょう。東証に上場するリビン・テクノロジーズ株式会社が運営しているため、大切な個人情報を安心して任せられるのもポイントです。

2022年からリビンマッチのコラム記事の執筆・編集を担当しています。不動産の財産分与に関する記事執筆が得意です。住宅設備機器の専門商社に6年間従事した知識と経験を活かして、不動産に関する知りたかったこと、知っておいた方がいいことをわかりやすく伝えられるように心がけています。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
老後の住まい (21) 離婚で家を財産分与 (18) 一括査定サイト (11) 海外移住 (11) 売れないマンション (10) 離婚と住宅ローン (9) 家の後悔 (8) 家の売却 (8) マンション価格推移 (7) 移住 (7) 実家売却 (7) 訳あり物件 (6) 離婚と家 (6) 売れない家 (5) 不動産高く売る (5) 家の価値 (5) 離婚準備 (5) 不動産会社の選び方 (4) 農地売却 (4) サブリース (3) お金がない (3) イエウール (3) マンション売却の内覧 (3) 近隣トラブル (3) マンションの相続 (3) 空き家売却 (3) マンション買取 (3) 不動産価格推移 (3) 家の解体費用 (3) 離婚と家売却 (3) 売れない土地 (2) マンションか戸建てか (2) リビンマッチ評判 (2) シンガポール移住 (2) アパート売却 (1)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。
引用ルールについて












