マンション売却で売れない場合の10の原因とその解決策!

マンションが売れない原因は、物件そのものだけではありません。価格設定や広告の出し方、売却戦略など、さまざまな要素が影響しています。
そこで、長年不動産会社でマンション売却の営業に従事してきた経験をもとに、売れない原因を10項目に整理し、それぞれに対する実践的な解決策をわかりやすく紹介します。
自分の物件がなぜ売れないのか、原因を正しく把握し、適切な対策を取ることで、売却の成功にぐっと近づけます。まずは原因を知ることから始めて、スムーズな売却への第一歩を踏み出しましょう。
もくじ
マンションが売れない?3カ月間まったく問い合わせがないなら、危険信号
中古マンションの売却では、首都圏の場合「売り出しから成約までの期間」は約3カ月が目安とされています。
これは、不動産会社と結ぶ媒介契約の期間が3カ月であることからもわかります。この3カ月を過ぎても問い合わせや内覧の申し込みがまったくない場合は、価格設定や販売方法、広告の見せ方などに問題がある確率が高いといえるでしょう。
さらに、そのまま放置すると「長く売れていない売れ残り物件」という悪い印象がつきます。不動産もスーパーの商品と同じで、出たばかりの新鮮な物件のほうが買い手に魅力的に映ります。
一方、売れ残っている物件は敬遠されやすくなり、売却がますます難しくなる負の連鎖に陥ってしまうリスクがあります。
マンション売却が売れない場合に多いケースとその解決策
適正な価格設定と効果的な販売戦略があれば、本来「売れない中古マンション」はありません。ここでは、中古マンションが売れないときによくある原因を取り上げ、それぞれの具体的な解決策もあわせて紹介します。
売却が思うように進まず、お悩みの方は参考にしてください。
当て物件にされている
周辺に似た条件のマンションや、同じ建物内で複数の部屋が売り出されている場合、自分の物件が「当て物件」になっているかもしれません。
当て物件とは、他の物件をより魅力的に見せるための比較対象として利用される物件のことです。問い合わせや内覧はあるのに契約に結びつかない場合は、この「当て物件」として扱われてしまっているおそれがあります。
解決策
物件の立地や間取り、階数は変えられませんが、改善できるポイントは2つあります。1つ目は価格設定です。
当て物件にされている場合の多くは、競合物件よりも割高になっています。競合に勝つためには、相場や周辺物件の状況を踏まえ、割安感のある価格に見直すことが有効です。
2つ目は室内の印象改善です。内覧時に少しでも魅力的に感じてもらうため、部屋は清潔で明るく見える状態に整えましょう。
散らかっていたり汚れていたりすると、購入希望者の印象が悪くなり、成約のチャンスを逃してしまいます。
騒音など物件、立地以外の周辺環境が悪い
幹線道路沿いで車の通行量が多いマンションや、線路近くのマンションは、騒音や振動への不安から購入を敬遠されるケースが少なくありません。
広告を見た段階で場所を調べられ、「車や電車の音がうるさそう」と判断されてしまうと、問い合わせにすらつながらないこともあります。
価格が適正にもかかわらず問い合わせがほとんどない場合は、周辺環境にマイナスの印象をもたれていないか、疑ってみましょう。
解決策
周辺環境そのものを変えることはできませんが、工夫次第で物件の印象を改善することは可能です。
例えば、防音ガラスや二重サッシなどの騒音対策が施されている場合は、その点を広告や案内資料でしっかりアピールしましょう。
また、騒音が懸念される物件は、駅や大通り、繁華街など利便性の高い場所に立地しているケースも多く、周辺環境のデメリットよりも交通アクセスや生活の便利さといったプラス要素を強調することが重要です。
「静かさ」と「便利さ」はトレードオフになりやすいため、騒音の有無よりも「駅やバス停が近い」「買い物や外食がしやすい」などの利便性を重視する人には大きな魅力となります。
さらに、実際に内覧してみると想像よりも騒音が気にならない場合もあります。まずは物件を直接見てもらえるよう、積極的に内覧を促しましょう。
知らずに囲い込みをされていた
「囲い込み」とは不動産会社が自社の利益を優先して、売主にとって最適な売却機会を妨げる行為のことです。具体的には、売主と買主の双方から仲介手数料を得られる「両手仲介」を狙い、他社の仲介会社からの問い合わせを断ったり、自社の顧客に優先的に販売したりすることを指します。
専任媒介や専属専任媒介では、レインズ(不動産流通機構)への登録が義務付けられているため、情報を隠すことはできません(一般媒介契約の場合はレインズへの登録義務はありません)。
しかし、他社の問い合わせを「すでに商談中です」と断るなど、自社顧客へ優先的に売るケースがあります。
行政の監督強化により件数は減少していますが、問い合わせや内覧希望が極端に少ない場合は、囲い込みの可能性を疑う必要があります。
解決策
以下のチェックリストを参考に、囲い込みのリスクを減らし、より多くの買主に物件を見てもらいましょう。
- 契約内容を確認する(媒介契約で情報公開や報告義務がどこまで定められているかを把握する)
- 問い合わせや内覧の状況を確認する(反応が少ない場合は、遠慮せず不動産会社に状況報告を求める)
- 他社にも相談する(売却の進み具合が不安な場合は、他の不動産会社に相談して意見をもらう)
- 契約の見直しを検討する(囲い込みの疑いがある場合は、契約の更新を控えたり、別の会社に切り替えたりを検討する)
1社のみと契約する専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社同士で物件情報を共有する「レインズ」というシステムに登録されます(一般媒介契約の場合はレインズへの登録義務はありません)。
レインズは不動産会社専用のデータベースで、一般の方は直接閲覧できませんが、売主であれば自分の物件がどのように登録されているかを確認できます。
売却を依頼している不動産会社に依頼すれば、専用のIDを発行してもらえるので、そのIDを使って物件情報が正しく掲載されているかを確認しましょう。
レインズに物件情報が登録されていない場合は、宅地建物取引業法違反なので不動産会社の変更を検討してください。
家の魅力より欠点が目立ってしまっている
不動産広告には、法律や業界ルールによって記載が義務付けられている項目があります。なかには、購入検討者にマイナスの印象を与えかねない情報も含まれます。
例えば築年数が古い、修繕積立金が高額といった点は、広告を見る段階で敬遠される要因となりやすいでしょう。とはいえ、これらの情報は意図的に隠せません。
したがって、売却活動ではマイナス面を上回る魅力や付加価値を丁寧にアピールし、買主の関心を引く工夫が不可欠です。
解決策
広告に掲載されていない情報のなかでも、特に重要なのがリフォーム履歴です。過去にリフォームを行っている場合は、その内容を必ず広告に明記しましょう。
築年数が古くても、設備が新しくなっていればマイナス要素にはなりません。
また、修繕積立金が高額であっても、管理体制がしっかりしていることをアピールするなど、欠点を補う魅力を強調することが大切です。
さらに、周辺環境については、「部屋からきれいな桜が見える」「近くのパン屋さんがおいしい」など、実際に住んでいる人だからこそわかる魅力的な情報を伝えることも効果的です。
半年など引き渡し時期が長い
引き渡し時期が長すぎる場合、ほとんど成約に至りません。購入を検討している人の多くは、基本的に数カ月以内に引っ越しを希望しています。
よほどの人気物件で、購入希望者が多く待っているようなマンションではない限り、引き渡し時期が半年以上先だと購入候補から外されてしまいます。
解決策
引き渡し時期は、契約から長くても3カ月程度が一般的です。引き渡しがまだ先になる場合は、引き渡しの約3カ月前から売却活動を始めるようにしましょう。
また、マンションが売れてから新居を探すなど、引き渡し時期がはっきりしないケースもあります。この場合は買主とよく相談し、売主の状況を丁寧に説明しながら引き渡し時期を調整することが大切です。
逆に、引き渡し時期が具体的に決まっている場合は、「〇月中旬以降引き渡し可能」など明確に示すと、買主も検討しやすくなります。
休日など売主が売却活動に割く時間をもてない
居住しながら売却する場合、買主の内覧には売主の協力が欠かせません。内覧の希望日は多くの場合、土日に集中しますが、売主が土日に仕事などで対応できないケースがよく見られます。
そのため、内覧の日程がなかなか調整できず、購入をあきらめてしまう買主も少なくありません。
内覧なしで購入することはほとんどないため、できる限り買主の内覧希望に応じることが重要です。
解決策
空室の状態で売却できるのが理想的ですが、居住しながら売却する場合は、土日の内覧対応を信頼できる家族や友人、不動産会社の担当者に任せるのが最も効果的な解決策です。
自分が不在の間に他人が自宅に入るのは抵抗があるかもしれませんが、売却のチャンスを逃すと、売れるはずの物件もなかなか売れなくなってしまいます。
また、平日の夜や朝の出勤前など、曜日や時間帯を柔軟に設定して内覧に対応することも検討しましょう。居住中の売却活動は売主にとって大きな負担やストレスとなりますが、早期売却を目指すには売主自身の努力も欠かせません。
近い時期に大規模修繕工事を予定している
近い将来に大規模修繕工事が予定されている場合、購入を見送られることがあります。
大規模修繕工事では、これまで積み立てていた修繕費用の多くが使われ、修繕積立金の値上げや一時金の徴収が検討されることがあります。
具体的な値上げや一時金の決定があればまだ検討しやすいですが、未確定の場合は将来の費用負担が不透明なため、購入検討者にとって不安材料となり、購入をためらう原因になります。
また、売却期間中に実際に大規模修繕工事が行われている場合も、売りにくくなる傾向があります。工事中は足場やネットが設置されるため外観の見栄えが悪くなり、さらに日当たりが悪くなることで室内の印象も悪化してしまいます。
解決策
マンションの修繕積立金の状況や長期修繕計画は、購入希望者にとって重要な情報です。
管理会社や管理組合に問い合わせれば、現在の修繕積立金の残高を確認できます。また、多くのマンションでは将来の修繕を見据えた長期修繕計画を作成しています。
買主が大規模修繕工事を懸念するのは、資金計画が不透明な場合が多いため、問い合わせがあった際には現状を包み隠さず、正直にオープンに説明することが重要です。
また、すでに大規模修繕工事が始まっている場合は、工事前の外観や室内の日当たり、眺望がわかる写真を用意し、買主に見てもらえるように準備しておくと安心感を与えられます。
担当者に売却優先度を下げられている・実力がない
中古マンションの売却には、不動産担当者のやる気と実力が大きく影響します。担当者に経験やスキルが不足していると、適切な対応ができず、成約に至らないことがあります。
また、実力のある担当者でも、あなたの物件の優先度が低く、対応が後回しにされると、売却がなかなか進まなくなることもあります。
解決策
担当者とのこまめな連絡や信頼関係の構築は、売却を成功させるために欠かせません。定期的に状況を確認し、販売戦略の見直しを相談することで、担当者の意識も高まります。
売主が積極的に関わることで、「しっかり対応しなければ」と思われ、物件の優先度も上がります。
担当者に売却力が感じられない、または信頼できないと感じた場合は、担当者の変更や不動産会社の乗り換えも視野に入れましょう。
灯台下暗しで近隣の購入希望者への宣伝が不足している
中古マンションの買主は、近隣に住んでいる方であることが多く、同じマンション内の住人や親族が購入するケースも珍しくありません。
物件情報は通常、不動産ポータルサイトで広く宣伝され、遠方の人にも届くメリットがありますが、意外にも物件のすぐそばに住む人には情報が届いていないこともよくあります。
解決策
近隣への宣伝には、紙媒体の広告が非常に効果的です。チラシのポスティングや新聞折込、ダイレクトメールを活用することで、周辺の住民に確実に物件情報を届けられます。
特に高齢の方はインターネットでの物件検索に不慣れな場合も多く、ネット広告が主流となっている今でも、紙媒体の広告は高い効果を発揮します。
売却期間が長引いた末に、最終的にすぐ近くの方が購入するケースも多いため、近隣へのアプローチは最初に取り組むべき販売活動といえます。
定期的に値下げの広告を出していた(値下げ待ち)
売れない焦りから、少しずつ価格を下げ続けるケースがよく見られます。値下げは早く売却するために非常に有効な方法ですが、タイミングや下げ幅を誤ると逆効果になることがあります。
中古マンションを購入検討している人は日々物件情報をチェックしているため、値下げが繰り返されると「このマンションはどんどん価格が下がっているから、もっと下がるのを待とう」と考える人が増え、かえって動きが鈍くなってしまうことがあります。
解決策
初期価格は、最初から市場の相場に合った適正な価格に設定することが大切です。相場よりも大幅に高い価格をつけると、購入希望者からは敬遠され、「いずれ値下げするだろう」と値下げを待たれてしまいます。
また、物件の価格帯にもよりますが、不動産の値下げは基本的に100万円単位で行うのが効果的です。10万円や20万円の値下げでは、ほとんど値下げ効果は得られません。
値下げのタイミングも重要で、夏季や年末は不動産の動きが鈍くなる時期のため、この時期の値下げは効果が薄いことが多いです。年度末や、秋から冬にかけての需要が高まるタイミングに合わせて、値下げを検討しましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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