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どのような物件が売却するべきで、賃貸にするべきなのか

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どのような物件が売却するべきで、賃貸にするべきなのか

所有している不動産の有効活用を考え、売却するか・賃貸にして貸すかということで悩む方は多いのではないでしょうか。リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ 小川様に、どういった不動産が売却・賃貸に適しているのか、そういった相談があった場合どんなアドバイスをしているのかをお伺いしました!

不動産の売却か賃貸にするかの判断方法とは

―――― 不動産を売却するか、賃貸にするかはどのような部分で判断されますか?

まず必ず聞くのが、「なぜ売却するのか」「なぜ賃貸にするのか」というその不動産を手放す理由です。「住み替えの人」「不動産をいくつか所有していて、資産処分する人」「相続した不動産を現金化したい人」さまざまだと思うのですが、それらを踏まえた上で、賃貸・売買のそれぞれのメリット・デメリットをきちんと説明して、お客様に判断して頂きます。

賃貸のメリットとしては毎月単位で収入が入ってくることです。それと、所有権を保有しているので、いずれ売却や相続することが可能です。

賃貸のデメリットとしては、空室のリスク。その物件の住宅ローンの残債があれば、その支払いもしなくてはならず、空室の場合賃料との相殺もできません。

10戸20戸と細かくワンルーム等を保有している不動産投資家であれば、リスクを把握しているので賃貸を運用していくというのも良いと思いますが、1つだけの資産で賃貸に出すというのは、高いリスクを伴うと考えます。10戸所有している人の1戸と、1戸だけの人の1戸ではリスクの大きさが全然違うと思います。

また、今の不動産市況であればインカムゲインよりキャピタルゲインの方が優遇されているので、毎月の収入だけのために貸すというのは、確定申告などの手間も考えるとメリットは少ないのではないでしょうか。

―――― 賃貸の場合は面倒なことが多いですか。

賃貸にすることのデメリット

面倒と言ってしまうと身も蓋もないのですが、賃貸にしたオーナー様の中でも後々「やはり売っておけば良かった」という声が多いのは事実です。

―――― なるほど。売却を考えられている方の中にも、一定期間賃貸で貸してから売却しようと予定を立てている方が結構いらっしゃると思います。しかし、ある程度の期間を賃貸で貸してしまうと、売却時の特例を受けられないケースがあったと思うのですが。

「居住用財産の3,000万円の控除」というものがあるのですが、賃貸として貸してから3年の年末までが期限です。

例えば、2015年の9月ですと2018年の年末までに売却が終わっていれば良いのですが、それ以降になると「事業用」と判断されてしまい、税金の控除が受けられません。

以前タワーマンションのオーナー様から売却の依頼があり、その方は賃貸も考えたいということで、売却・賃料2つの査定をしました。そのオーナー様は不動産にあまり詳しい方ではなかったので、しっかりと売却・賃貸のそれぞれのメリット・デメリットをお伝えしたところ、「長い目で見ると、今はキャピタルゲインもあるし、事故が起きたら大変だ」ということで売却を選ばれました。

オーナー様としては、不動産の勉強をする機会もないので、「とりあえず」という方がとても多いのです。それを、我々プロの不動産会社が取引で失敗しないようサポートすることが重要だと思います。

―――― 小川様の話を聞いていると、売却の方が間違いなく良いのではないかと思いますね。

必ずしも売却が正しい訳ではありません。例えば「2年だけ海外出張に行かなくてはならない」という方には定期借家や定期借地のご相談に乗り、無理に売却をすすめることはしません。

―――― 確かに「とりあえず賃貸に」という方は多そうですね。物件を持っておきたいからとりあえず貸して、という方。

明確な目的があれば良いのですが、実際はそのような方は多くありません。気持ちの部分が大きいように感じます。「自分のものが他人のものになってしまう」確かに愛着もあると思いますが、それだけのためにリスクを負うのはどうなのでしょう。

―――― 自分のものが他人のものになるという言葉は悲しい感じがしますね。

でも、例えばその方の目的が住み替えの場合、住宅ローンが二重になるリスクは想定しているのか。それを払えるのか。となると厳しい方がほとんどです。さらにはサブリースや賃貸管理にすると相場はどんどん下がります。

実際に今売却の依頼を受けている方で、毎月単位で赤字になっている人もいらっしゃいます。

大事なことは、もし賃貸にするとすれば、遅くとも20年で回収ができ、月単位で必ず黒字になることです。

リスト小川様

リスト小川様

―――― なるほど。では、どういった方がどのような手法で賃貸に出せばいいのでしょうか。

賃貸経営で成功させる方法

そうですね、先ほど申し上げたように「黒字であること」は絶対条件ですし、いろいろな不動産を複数所有している人の方が、リスクヘッジを取りやすく計画も立てやすいと思います。一戸がダメになってしまって生活に影響を与えるレベルですと本末転倒になってしまいますからね。

―――― ありがとうございます。ケースは少し変わってくると思うのですが、不動産投資を始めようという方が、まず投資用の区分マンション1室から始めるケースがあると思うのですが、貴社ではそういった投資用の区分マンションの取り扱いはあるのですか。

あります。1戸の1Kのオーナーチェンジ物件を売買したり、「初めて投資しようと思っているんですが」というお問い合わせをいただいたりもします。キャッシュで購入される方もいますし、ローンを組まれる方もいらっしゃいます。

投資の場合、住宅ローンとは違い「投資ローン」を組むので、金利なども多少違います。短期的にローンを返せるのであれば良いと思いますが、ギャンブル感覚で始めることは避けた方が良いかと思います。

―――― なるほど。今不動産投資がアツいといった話を良く聞きますが、何も考えずに始めるのは危険なのですね。

「とりあえず」はやめた方が良いですね。「投資」も「賃貸」も。

―――― あとは、今、全国的な「空き家問題」について伺いたいと思います。空き家対策の方法として「賃貸にしたい」「売りたい」といった話が出てくると思います。田舎に誰も住んでいない空き家があって、でも代々住んでいたところで「お墓」があったりするケースは多いと思うのですが、そうなると「売るのはちょっと避けたい」という考えになって「賃貸」にされる方も多いのではないかと思います。

それこそ残債がないとか、ゆかりがあって売る必要もないケースであれば、賃貸で貸しても良いと思います。ただ、賃貸で貸すにしてもリフォームしなければいけない場合もあるので、そこは計画を練ってどこを修繕する必要があるのか、どれぐらい費用がかかるのか、利益目的なのか、単純にマイナスを失くしたいのかといった「税金が高いから貸す」という目的で、計画をしっかり練ることができれば、地方の空き家を貸す、というのは問題ないと思います。

―――― そうですか。他にも空き家問題の対策として、簡易的な管理を管理会社に任せるというケースがあると思うのですが 、毎月の管理費を払った方が、固定資産税よりも安くなるということはあり得るのでしょうか。

ケースバイケースですが十分あり得ます。

―――― 田舎や地方の空き家を売りに出しても買主が現れるのか、という心配もありますよね。

不動産買取など他の選択肢もあります

築50年の物件で立地が駅から徒歩10分以上のものに借り手や買い手が付くのかという相談を受けることがありますが、もしそのオーナー様が急いで売る理由がある場合や所有していると税金のリスクがある場合は、買取業者様に査定してもらい、「買取」をしてもらう場合もあります。

―――― 仲介ではなく買取にするケースですね。

弊社では、基本的に売主様の仲介として買取業者様を見つけるお手伝いをしております。

―――― なるほど。仲介としてお手伝いする理由としては、公平な取引きを進めるためですか。

そうです。売主様の意見、買取業者様の意見を釣り合わせるようにします。売主様にとって買取業者様はプロです。素人対プロではリスクが高いので、我々が間に入る必要があると思いますし、「重要事項説明書」の内容がリスクを伴う様な内容になることを避けることも必要です。

―――― なるほど、仲介会社さんと上手に買取を進めるということですね。

そうですね。信頼できる仲介会社や担当営業マンを売主様に決めてもらい、その担当者が提案してくれる買取のプランであれば、お客様も安心だと思います。

仲介で何カ月も売却活動をして、本当に売らなければいけない時期に買取を選択される方もいらっしゃいますし、買取業者様数社に査定してもらい、一番価格が高い業者様に決める方もいらっしゃいます。

―――― ありがとうございます。では結論の部分なのですが、基本的には売却か賃貸かを考えた場合、売却した方が良いのでしょうか。

市況によっても変化すると思いますが、現時点では売却が良いかと思います。「賃貸にした方が良いですよ」と提案することもありますが、賃貸にする場合は定期借家を提案しています。

―――― 2~3年といった定期の賃貸ですね。

そうです。また、今の法律だと『貸主より借主保護』という関係性も注意しなくてはなりません。正当な理由がない限り、貸主が退去を申し出た場合、お金を払うなど便宜を図らないと借主を退去させることもできません。貸主は立場が弱くなるので、その部分もきちんとリスクとして考える必要がありますね。

―――― ありがとうございました。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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