親の死後、家が売れないときはどうする?実家を処分する方法

親の死後に実家を売りに出したものの、買い手がまったく見つからず「このまま処分できないのではないか」と不安を感じている方もいるでしょう。築年数の経過による建物の老朽化や、エリアによる一戸建て需要の低さ、さらには法的制限など、売れない原因は多岐にわたります。
本記事では、売れない物件をどのように手放すべきか、具体的な対処法について詳しく解説します。最適な方法を見つけるための判断材料としてぜひご活用ください。
- 売り出している家がなかなか売却できない主な原因
- 売れないまま家を放置した場合のリスク
- 親の死後に売れない家を処分・活用する方法
- 売れない家を売却につなげるための具体的な工夫
もくじ
親の死後、売れない家はどうすればいい?
親の死後に実家を売り出した際、なかなか売れない場合でも、すぐに解体をする必要はありません。まずは現在の家の状況を整理し、状況に合った処分方法を選択することが大切です。
主な方法について、下表にまとめました。
| 現在の状況 | まず確認したいこと | 向いている対応 |
|---|---|---|
| まだ家を売り出していない | 相続登記が済んでいるか、実家の共有者は売却に同意しているか | 複数の不動産会社に査定を依頼 |
| 売り出したが反響が少ない | 家の売り出し価格、立地、建物状態、不動産会社が適しているか | 価格見直し、不動産会社の変更 |
| 数カ月経っても売れない | 価格や販売方法を見直しても仲介での売却が難しいか | 空き家バンクへ登録、隣地所有者へ売却 |
| できるだけ早く手放したい | 価格よりも売却までの早さを優先して問題ないか | 不動産買取、古家付き土地での売却 |
両親が存命のうちに対応すべきことについては、以下の記事で詳しく解説しています。
親の死後に売り出した家が売却できない原因
実家を売りに出しても長期間売れない場合、売却条件や権利関係、物件の状態などに売れにくい要因が潜んでいる可能性があります。ここでは、実家が売れ残ってしまう代表的な原因について解説します。
築年数が古く建物の状態が悪い
家が売れない大きな原因として、築年数が古く、修繕や改修に費用がかかることが挙げられます。両親が長年住んでいた家は、旧耐震基準で建てられているなど、耐震性に不安があるケースが少なくありません。
購入後に大規模なリフォームが必要になると多額のコストがかかるため、買い手が購入をためらうことが考えられます。また、雨漏りやシロアリ被害などがある場合は、買主が修繕費を見込むため、購入を見送られたり値下げを求められたりすることがあります。
相続登記が済んでいない
相続登記が済んでいない場合は別途対応が必要です。2024年4月から相続登記は義務化され、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請しなければ、10万円以下の過料が科されるおそれがあります。
そもそも不動産を売却する際、亡くなった親の名義のままでは、売却を完了させることができません。相続登記を放置していると、いざ買い手が見つかったとしても契約を進めることができず、売却するまでに時間がかかってしまいます。
再建築不可物件で建て替えできない
実家の土地が「再建築不可物件」に該当する場合も、売却のハードルが大きく上がります。再建築不可物件とは、建築基準法における接道義務を満たしていないなどの理由で、現在の建物を取り壊したあと、原則として新たな建物を建てられない物件のことです。
買主にとっては、将来的に建て替えができず活用方法が制限されてしまうため、購入候補から外されやすくなります。実家が該当する場合は、通常の物件と比べて評価が低くなりやすいため、一般的な仲介では買い手がつきにくいでしょう。
親の死後に家が売れずに放置した場合のリスク
実家が売れないからといって、誰も住まないまま空き家として放置し続けるのは危険です。建物の劣化が進むだけでなく、所有者にはさまざまな経済的・法的リスクがあるためです。
ここでは、人が住まなくなった実家を放置することで生じるリスクについて解説します。
建物の倒壊や景観悪化で近隣トラブルになる
人が住まなくなった家は、換気や通水(水道管や排水管などに水を通すこと)が行われないため、急速に劣化が進んでいきます。そのまま放置すると、建物が倒壊する危険性があるだけでなく、周囲の景観や衛生環境を悪化させるおそれがあります。
さらに、建物の腐朽が進み台風や地震によって屋根が飛んだり家屋が倒壊したりすれば、近隣の住宅や通行人に被害を及ぼすことが考えられます。万が一、家の倒壊などが原因で他人に損害を与えた場合、所有者は管理責任を問われ、損害賠償を請求されることもあるため放置するのは避けましょう。
特定空家等に指定されると固定資産税が高くなる
適切に管理されていない実家は、自治体から「管理不全空家等」や「特定空家等」として指導を受けることがあります。指導を受けても状況が改善せず、自治体から勧告を受けると、固定資産税等の住宅用地特例の対象外となるおそれがあります。
除外されると、土地の固定資産税が跳ね上がります。売れないからと家を放置をし続けることで、税金の負担が大きく膨らんでしまうのです。
親の死後に売れない実家を処分・活用する方法
相続した実家は仲介での売却する以外にも、状況に応じて複数の選択肢が存在します。まずは各方法の特徴を理解し、自身の希望や物件の状態に最適なものを選ぶことが大切です。
選択肢によって、現金化できる可能性や将来的な管理責任の有無が異なります。以下の小見出しでは、各手法の具体的な内容や注意点について詳しく解説します。
身内のだれかが家を引き継ぐ
実家をどうしても売却したくない場合は、ほかの相続人に住んでもらうのも選択肢のひとつです。ただし、遺産分割協議で相続人の合意が必要になりますし、家の所有権や管理責任がなくなるわけではありません。
また、不動産以外の遺産をどう分けるかや、必要に応じて代償金の支払いなどの調整が必須です。不公平感が出るとトラブルになりやすいため、慎重に決断しましょう。
賃貸として貸し出す
家の処分に困ったら、賃貸として貸し出すのもおすすめです。賃貸物件として活用することで、家賃収入を得られれば、固定資産税や修繕費などの維持費の一部に充てられます。
また、思い出の詰まった家を手放す必要もありません。ただし、賃貸需要がない場所では入居者が見つからない可能性があります。実家が老朽化している場合は、修繕費が必要になりコストがかかります。
古家付き土地として売却する
実家の築年数が古く、建物としての価値がほとんど認められない場合は、古家付き土地として売り出すのも一つの方法です。この方法は、建物を解体して更地にするのではなく、中古住宅が残った状態のまま「土地」として販売します。
メリットとしては、売主が解体費用を負担しなくて済む点です。一般的な木造住宅の解体には100万円前後のコストがかかるといわれていますが、現状のまま売り出せるので支出を抑えられます。買い手にとっても、リフォームして住むか、解体して新築を建てるかを選択できる自由度があるため、ターゲット層が広がるでしょう。
一方、買い手から解体費用分を差し引いた値引き交渉を受けやすいことがデメリットです。まずは古家付き土地として市場の反応を見ながら、反響が少ない場合に更地化を検討するといった売却戦略を立てることも可能です。
不動産会社に買取を依頼する
一般的に不動産を売却する際は仲介を利用しますが、長期間買主が見つからない場合は、不動産会社に直接買い取ってもらう「不動産買取」も有効な選択肢です。買取であれば、立地条件が悪かったり築年数が古かったりする物件でも、リノベーションや再販を前提として買い取ってくれる可能性があります。
内見対応などの手間がかからず、最短で数日から数週間で現金化できるため、早く家を処分したい方に適している方法です。ただし、不動産会社による買い取りは相場よりも売却価格が安くなる傾向があるため、家の処分と売却価格のどちらを優先するかで判断しましょう。
自治体に寄付をする
不動産会社を通じた売却が難しい場合、自治体へ寄付を申し出る方法もあります。自治体の寄付が受理されれば、家の所有権が移転するため、翌年以降の固定資産税や都市計画税の支払い義務がなくなります。
また、空き家の所有者として管理負担がなくなる点は大きなメリットです。ただし、自治体への寄付はハードルが高いのが実情です。自治体にとって明確な利用価値がある土地でなければ、寄付の成立は難しいでしょう。
もしも自治体への寄付が断られた場合は、隣地の所有者に無償譲渡を打診する、あるいは建物を解体して「相続土地国庫帰属制度」の利用を検討するなど、ほかの処分方法も視野に入れて動くことが大切です。
親の死後に売れない実家を売却するコツ
売り出した実家が需要の低い物件であっても、戦略を見直すことで買い手が見つかる可能性は十分にあります。以下では、実家を売却するために有効なアプローチ方法を解説します。
家の売却価格を見直す
なかなか買い手が見つからず売却できないときは、売却価格を下げることを検討してみましょう。
特に相続した実家の場合、以下のようなケースが多いです。
- 老朽化している
- 立地条件が悪い
相続した実家は、築年数や立地条件などによっては、周辺の物件と同じ価格水準では反響を得にくくなります。査定結果や問い合わせ状況を踏まえ、売り出し価格を適正にすることで、買主が見つかる可能性を高められます。
売却価格は安くなってしまいますが、長期間売却できないときは売れることを優先することで、維持費や管理費を支払い続けることを防げます。
更地にして売る
「建物が老朽化している」「間取りが特殊」などの理由で、買主がなかなか見つからないケースでは、土地を更地にすることで売却できる可能性があります。
老朽化した建物がなくなることで、新築を建てるために土地の購入を検討している買主など、買いたいと考える方が増えるためです。ただし、更地にするには建物の解体費用がかかります。
具体的な家の解体費用の目安は以下のとおりです。
| 1坪あたりの解体費用の目安 | |
|---|---|
| 木造住宅 | 約3万〜5万円 |
| 鉄骨造住宅 | 約4〜7万円 |
たとえば、30坪の木造住宅のケースでは、約90万〜150万円の解体費用がかかります。また、更地にしても必ず売却できるわけではなく、解体費用が無駄になってしまうおそれもあるため注意が必要です。
更地にして得られるであろうメリットとデメリットを不動産会社に相談したうえで判断しましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産会社に仲介を依頼してから数カ月が経過しても実家が売れない場合、物件そのものよりも不動産会社の販売活動や担当者の力量に問題がある可能性があります。不動産売却の成否は、不動産会社が該当のエリアや物件種別の売却を得意としているか、そして広告戦略を適切に実行しているかにより左右されます。
1社のみの意見を鵜呑みにせず、複数の不動産会社に査定を依頼して客観的な視点を取り入れることも重要です。複数の会社を比較することで、提示された査定価格の妥当性だけでなく、売却に向けた具体的な提案内容が明確になります。
効率的に複数社を比較するなら、不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」の活用が便利です。一度の入力で最大6社の査定結果を比較できるため、手間をかけずに信頼できるパートナーを探せます。リビンマッチの利用者限定で、家の価格の目安がわかる簡易査定書を提供しています。
実家の処分に関するよくある質問
- 親の死後、実家がなかなか売れない場合どうしたらいい?
- 売却価格を下げたり、販売方法を見た直したりすることが有効です。また、不動産会社が原因で売れない場合もあるため、複数の業者に査定を依頼してみましょう。
- 実家を売却する以外に選択肢はある?
- どうしても売却したくない場合は、ほかの相続人に住んでもらう方法があります。また、賃貸物件として第三者に貸し出せば、家賃収入を得ることもできます。
- 家が売れない場合、相続放棄すれば手放せる?
- 相続放棄は、実家だけを選んで放棄する制度ではないため、預貯金などを含む財産全体を放棄しなくてはいけません。原則として相続を知った日から3カ月以内の対応が必要です。
- 売れない実家は解体したほうがいい?
- 売れないからといって、すぐに解体するのはおすすめできません。古家付き土地として売れる可能性があるほか、解体後は固定資産税等の特例が受けられなくなります。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
老後の住まい (21) 離婚で家を財産分与 (18) 売れないマンション (12) 一括査定サイト (11) 海外移住 (11) マンション価格推移 (11) 実家売却 (10) 家の売却 (10) 離婚と住宅ローン (9) 家の後悔 (8) 移住 (7) 訳あり物件 (6) 家を売りたい (6) 家の価値 (6) 離婚と家 (6) 売れない家 (5) 不動産高く売る (5) 離婚準備 (5) 不動産会社の選び方 (4) 農地売却 (4) サブリース (3) お金がない (3) イエウール (3) マンション売却の内覧 (3) 近隣トラブル (3) マンションの相続 (3) 空き家売却 (3) 不動産価格推移 (3) 離婚と家売却 (3) マンション買取 (3) 売れない土地 (2) マンションか戸建てか (2) リビンマッチ評判 (2) シンガポール移住 (2) 家の解体費用 (2) アパート売却 (1)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。
引用ルールについて















