離婚したいのに家が売れない。早く売却するにはどうする?

離婚したいのに持ち家が売れない場合、まず確認したいのは「なぜ売れないのか」です。売り出し価格や需要、不動産会社の販売活動に原因があることもあれば、住宅ローンや共有名義の問題で、そもそも売却を進められないこともあります。
本記事では、家が売れない原因と早く売るための方法、離婚前・離婚後のどちらで売るべきかを解説します。
リビンマッチのポイント
離婚したいのに家が売れないときは、価格だけでなく、需要や広告、内覧、不動産会社の販売活動まで確認しましょう。住宅ローンや共有名義が原因で売却できないケースもあります。早く売るなら売却期限や優先順位を夫婦で決め、必要に応じて価格の見直しや買取も検討します。家が売れるまで離婚を待つ必要はありません。
離婚したいのに家が売れない原因は?
離婚そのものよりも、売り出し価格や物件の需要、広告、内覧、不動産会社の販売活動などに原因があるケースが一般的です。まずは、売却のどの段階で止まっているのかを確認してみましょう。
| 売却の状況 | 考えられる主な原因 |
|---|---|
| 問い合わせがほとんどない | 売り出し価格が高い、購入需要が少ない、広告で魅力が伝わっていない |
| 問い合わせはあるが内覧が少ない | 写真や広告内容、内覧できる日時などに問題がある |
| 内覧はあるが購入申込みがない | 室内の印象、価格、物件条件、引き渡し条件などが競合物件と比べて見劣りしている |
| 長期間売り出しても状況が変わらない | 販売計画や不動産会社の販売活動に問題がある可能性がある |
離婚に伴う売却では、転居や財産分与などの事情が重なり、売却条件が複雑になることもあります。「売れないなら値下げする」とすぐに決めず、問い合わせや内覧がどこで止まっているのかを確認することが大切です。
売り出し価格が相場と合っていない
売り出し価格を決めるときに注意したいのが、売主側の事情を基準にしてしまうことです。
- 住宅ローンがこれだけ残っているから
- 購入時にこれだけ支払ったから
- 売却後にこれだけ手元へ残したいから
- 離婚後の生活資金として一定額を確保したいから
- 不動産会社から高い査定価格を提示されたから
こうした事情は売主にとって重要ですが、購入希望者がその家にいくら支払うかとは別の問題です。
特に離婚に伴う売却では、財産分与や住宅ローン、転居後の生活費などを考えて「この金額以上で売りたい」と考えることもあるでしょう。しかし、売主が必要とする金額だけを基準にすると、相場より高い売り出し価格になり、問い合わせが入りにくくなることがあります。
物件を探している人が少ない
売り出し価格が相場に合っていても、その家を探している人が少なければ、売却まで時間がかかります。
家の売れやすさに影響する条件には、次のようなものがあります。
- 駅や商業施設までの距離
- 築年数
- 間取りや広さ
- 建物や設備の状態
- 日照や眺望
- 駐車場の有無
- 前面道路の幅や敷地条件
- マンションの管理費・修繕積立金
- 周辺で売り出されている競合物件
こうした条件の多くは、売主が変えられるものではありません。そのため、「売れない=価格が高い」と決めつけず、その家を探している人がどの程度いるのかを不動産会社に確認しましょう。
需要が限られる場合は、売却期間を長めに見込む、購入しそうな人に合わせて広告内容を見直すなど、物件に合った販売方法を考える必要があります。
離婚に伴って「○月までに売りたい」と期限がある場合は、そのことを早めに不動産会社へ伝え、価格と売却時期のどちらを優先するのか相談しておきましょう。
広告で家の魅力が十分に伝わっていない
購入希望者が物件を知るきっかけのひとつが、不動産ポータルサイトなどに掲載される広告です。写真や説明が十分でなければ、物件そのものに問題がなくても問い合わせにつながらないことがあります。
売り出しているのに問い合わせが少ない場合は、次の点を確認してみましょう。
- 写真が暗い、少ない、古い
- 室内写真がほとんど掲載されていない
- 間取りや設備の説明がわかりにくい
- 周辺環境の情報が少ない
- 物件の特徴が十分に説明されていない
「収納が多い」「朝は室内が明るい」「スーパーまで歩きやすい」など、実際に暮らしたからこそわかる情報も、不動産会社へ伝えておくと広告や内覧時の説明に使えます。
離婚の手続きや転居準備に追われていると、販売活動を不動産会社へ任せきりにしてしまうこともあるでしょう。問い合わせが少ない場合は、自分の家がどのような写真や文章で掲載されているのかを一度確認してみてください。
内覧後に購入申込みにつながっていない
問い合わせや内覧はあるのに購入申込みにつながらない場合は、実際に家を見たときの印象が影響している可能性があります。
たとえば、次のような状態です。
- 室内に物が多く、広さがわかりにくい
- 水回りなどの汚れが目立つ
- においや湿気が気になる
- 照明が暗い
- 修繕が必要な箇所について説明がない
大がかりなリフォームが必要とは限りません。掃除や整理、換気をするだけでも、購入希望者が家の広さや状態を確認しやすくなります。
離婚に伴って別居や引っ越しの準備を進めていると、段ボールや家財が増え、実際より室内が狭く見えることもあります。すべてを片付ける必要はありませんが、内覧する人が部屋の広さや状態を確認しやすいようにしておきましょう。
内覧はあるのに成約しない場合は、購入を見送った理由を不動産会社に確認すると、次の内覧で改善すべき点が見えてきます。
売主が設定している条件が厳しい
離婚に伴う売却では、「離婚成立までに売りたい」「転居日が決まっている」「売却代金を財産分与に充てたい」など、売却期限や条件がはっきりしていることがあります。
ただし、売却価格、引き渡し時期、内覧日時、価格交渉への対応などを細かく固定すると、購入希望者との調整が難しくなり、売買契約まで進みにくくなることがあります。
また、夫婦の一方は「できるだけ高く売りたい」、もう一方は「多少安くても早く売りたい」と考えていると、購入申込みが入っても判断に時間がかかります。
価格と早さのどちらを優先するのか、どこまで条件を調整できるのかを夫婦で決め、不動産会社へ伝えておきましょう。
不動産会社の販売活動が十分でない
家が売れない原因は、物件や売主だけにあるとは限りません。不動産会社の販売活動が十分に行われているか、売主へ適切に報告されているかを確認することも大切です。
次のような状態が続いている場合は、販売活動を確認してみましょう。
- 問い合わせ数や内覧数を具体的に説明してくれない
- 競合物件との比較や改善案がない
- 売れない理由を聞いても値下げしか提案されない
- 他社からの問い合わせ状況がわからない
専任媒介契約や専属専任媒介契約では、売主専用画面からREINS(レインズ)への登録内容や取引状況を確認できます。
また、他社から購入希望者の紹介があっても正当な理由なく断るなど、物件情報を実質的に自社だけで抱え込む「囲い込み」が行われると、売却の機会を逃すおそれがあります。
離婚に伴って売却期限がある場合は、期限から逆算した販売計画が示されているかも確認しましょう。長期間売れないときは、値下げをする前に、どのような販売活動を行い、どの程度の反響があったのかを確認することが大切です。
そもそも家を売りたくても売れないケース
買い手が見つからないのではなく、住宅ローンや権利関係の問題によって、売却そのものを進めにくいこともあります。
代表的なのは、次のようなケースです。
- 売却代金と自己資金を合わせても住宅ローンを完済できない
- 共有名義の家について共有者の同意を得られない
- 所有権や抵当権など、売却に必要な権利関係を整理できていない
特に、売却代金で住宅ローンを完済できず、不足分も用意できない「オーバーローン」の状態では、通常の方法での売却が難しくなります。
また、共有名義の家全体を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。
このような場合は販売方法を見直す前に、住宅ローン残高、所有名義、売却に必要な同意がそろっているかを確認しましょう。
売れない家を売って早く離婚する方法
家が売れないままでは、財産分与や転居など、離婚後の生活について決めにくいことがあります。早く売却したい場合は、単純に値下げするのではなく、売却条件や販売方法、不動産会社の活動を順番に見直しましょう。
売却の期限と優先順位を夫婦で決める
まず、「いつまでに売りたいのか」「価格と早さのどちらを優先するのか」を夫婦で決めておきましょう。
一方ができるだけ高く売りたいと考え、もう一方が早く離婚するために売却を急いでいると、値下げや購入申込みへの判断が遅れることがあります。
たとえば、「○月までの売却を優先する」「この価格までは交渉に応じる」など、売却期限と条件をあらかじめ共有しておくと、不動産会社も販売計画を立てやすくなります。
売り出し価格と販売計画を見直す
問い合わせが少ない場合は、売り出し価格が現在の相場や競合物件と合っているかを確認しましょう。
ただし、売れないからといって、すぐに値下げすればよいわけではありません。広告内容や販売方法に原因があれば、価格を下げても状況が変わらないことがあります。
不動産会社に問い合わせ数や内覧数、競合物件の販売状況を確認し、価格を変えるのか、広告を改善するのかなど、次に何を変えるのかを具体的に決めることが大切です。
内覧しやすい状態と日程を整える
購入希望者がいても、内覧できる日時が少なければ売却の機会を逃すことがあります。
離婚の話し合いや転居準備で忙しい時期でも、対応できる曜日や時間帯を不動産会社へ伝え、できる範囲で内覧を受け入れられるようにしておきましょう。
また、室内に荷物や段ボールが多い場合は、部屋の広さや状態がわかるように整理しておくことも大切です。内覧後に購入を見送られた場合は、その理由を不動産会社に確認し、次の内覧へ生かしましょう。
不動産会社の販売活動を確認する
長期間売れない場合は、不動産会社がどのような販売活動をしているのか確認しましょう。
確認したいのは、問い合わせ数や内覧数だけではありません。
- どのような広告を出しているか
- 競合物件と比べてどこが不利なのか
- 内覧後にどのような反応があったか
- 今後どのように販売方法を変える予定なのか
離婚に伴って売却期限があるなら、その期限から逆算した販売計画があるかも確認しましょう。具体的な改善案がなく、値下げだけを繰り返し提案される場合は、ほかの不動産会社への相談も検討します。
売却の早さを優先するなら買取も検討する
仲介でなかなか買主が見つからず、売却までの早さを優先したい場合は、不動産会社による買取も選択肢です。
買取では不動産会社が直接買主になるため、一般の購入希望者を探す販売活動が必要ありません。そのため、仲介より短期間で売却できる可能性があります。
一方で、買取価格は仲介で売却する場合の成約価格より低くなる傾向があります。離婚後の生活資金として必要な金額や住宅ローン残高を確認したうえで、価格と早さのどちらを優先するのかを決めましょう。
家は離婚前・離婚後のどちらで売る?
家を売る時期は、離婚前と離婚後のどちらが必ずよいとは限りません。住宅ローンの状況や、いつまでに離婚したいのか、夫婦が売却にどこまで協力できるのかによって判断が変わります。
大きな違いは、家の売却が終わるまで離婚を待つのか、先に離婚してから売却を続けるのかです。
| 売却時期 | 向いているケース |
|---|---|
| 離婚前 | 売却代金を確認してから財産について話し合いたい、離婚後のやり取りを減らしたい |
| 離婚後 | 家が売れるのを待たずに離婚したい、離婚と売却の時期を切り分けたい |
なお、2026年4月1日以後に離婚した場合、財産分与を請求できる期間は原則として離婚後5年です。2026年3月31日以前に離婚した場合は2年のため、離婚した時期にも注意してください。
売却代金を確定してから離婚したいなら離婚前
離婚前に家を売れば、売却代金や住宅ローンを返済したあとの金額を確認してから、財産について話し合えます。
次のような場合は、離婚前の売却を検討しやすいでしょう。
- 売却代金を確認してから財産について話し合いたい
- 夫婦双方が売却に協力できる
- 離婚後に元配偶者との連絡をできるだけ残したくない
- 家が売れるまで待っても離婚時期に大きな支障がない
ただし、家がいつ売れるかは確定できません。家を売ってから離婚すると決めてしまうと、買主が見つからない間は離婚も進めにくくなります。
家が売れるのを待たずに離婚したいなら離婚後
家が売れるまで離婚できないという決まりはありません。売却に時間がかかりそうで、離婚を先に進めたい場合は、離婚後も販売活動を続ける方法があります。
たとえば、次のような場合です。
- できるだけ早く離婚したい
- 家の売却を待たずに離婚手続きを進めたい
- 離婚協議と売却活動を同時に進める負担を減らしたい
一方で、共有名義の家などでは、離婚後も売り出し価格や値下げ、購入申込みへの対応について元配偶者との調整が必要になることがあります。
離婚後に売却を続ける場合は、価格変更をどのように判断するのか、売却代金をどう扱うのかなどを事前に決めておくと、離婚後のやり取りを減らせます。
迷ったら住宅ローン・名義・売却期限を確認する
離婚前と離婚後のどちらで売るか迷ったら、次の点を整理してみましょう。
- 家の所有名義は誰になっているか
- 住宅ローンは誰が契約しているか
- 売却代金で住宅ローンを完済できそうか
- いつまでに離婚したいか
- いつまでに家を売りたいか
- 離婚後も売却について連絡を取り合えるか
「家が売れないために離婚できない」と考えている場合は、家の売却と離婚を同じ時期に終わらせる必要があるのかを一度整理してみましょう。
なお、離婚に伴う財産分与で不動産そのものを相手へ渡す場合は、通常の売却とは税務上の扱いが異なります。財産分与を受けた側には通常は贈与税がかかりませんが、分与した側には譲渡所得税がかかることがあります。また、財産分与として受け取る財産が過大な場合などは、贈与税がかかることがあります。
家を売らずに離婚する選択肢
家がすぐに売却できないからといって、家が売れるまで離婚できないわけではありません。売却が難しい場合は、夫婦の一方が住み続ける、売却する時期を先送りするなどの方法も考えられます。
ただし、住宅ローンが残っている場合は、不動産の所有名義と住宅ローンの契約者をそれぞれ確認しておきましょう。離婚しても、住宅ローンの返済義務や連帯保証などの関係が自動的になくなるわけではありません。
家を賃貸に出す方法もありますが、住宅ローンの契約によっては第三者への賃貸が認められないことがあります。賃貸を考えている場合は、事前に金融機関へ確認してください。
家を売却しない場合は、「誰が住むのか」「住宅ローンを誰が返済するのか」「将来いつ売却するのか」まで夫婦で決めておくことが大切です。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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