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不動産売却の決済・引き渡しの流れを解説|当日の手順・必要書類・注意点

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不動産売却の決済・引き渡しの流れを解説|当日の手順・必要書類・注意点

不動産売却のクライマックスは、売買契約後にある決済・引き渡しです。決済では、売却代金が売主へ支払われます。非常に重要なプロセスのため、絶対に失敗したくない人がほとんどでしょう。

決済・引き渡しで失敗しないために、どういった流れで進んでいくのかをあらかじめ確かめておきましょう。必要書類のリスト、トラブル対策なども用意していますので、決済・引き渡し前にぜひチェックしておいてください。

不動産売却の「決済」とは?

不動産を売却するときの最終段階が「決済」です。売買契約を交わしたあと、所有権が売主から買主へと移る重要な日になります。多くの書類手続きや金銭のやり取りが発生するため、事前に詳しく把握しておきましょう。

決済は何をする日?

不動産売却の決済を簡単にいうと「売買契約で合意した内容を実行する日」のことです。この日に売買代金の受け取りと物件の引き渡しが行われ、売却が正式に完了します。

また、司法書士による所有権移転登記の申請手続きも、同時に行われるのが一般的です。

不動産の物理的な引き渡しと法的な所有権の移転が同時に進むことで、売主としての義務が完了します。住宅ローンが残っている不動産の売却では、決済時に残債の返済も行われます。

「決済」と「引き渡し」の違い

「決済」と「引き渡し」は不動産取引のなかでよく混同される言葉ですが、厳密には意味が異なります。決済は主に金銭的な取り引きを指し、売買代金の支払いや諸費用の精算などの金銭授受が中心となります。

一方で引き渡しは、物件の鍵や権利書類などの物理的な受け渡しを意味します。

実務における決済と引き渡しは同じ日、同じ場所で行われることがほとんどです。そのため、決済・引き渡しと合わせて呼ばれることが多く、不動産売却の最終手続きを指す言葉として使われています。

簡単にまとめると、決済日に買主から売却代金を受け取り(決済)、同時に鍵を渡して物件を明け渡す(引き渡し)という流れです。

不動産売却の決済準備と必要書類

決済の準備

不動産売却の決済日をスムーズに進めるには、事前の準備が欠かせません。売主として何を準備すべきか、どのような書類が必要か、事前に確認しておくことで安心して決済日を迎えられます。

準備不足によるトラブルは、売却完了の遅れにつながるため、しっかりチェックしてください。

売主が用意する書類リスト

不動産売却では、次の書類を決済日までに用意しておく必要があります。

売主が決済日までに用意する書類

必要書類

説明

入手方法

登記識別情報(権利証)

不動産の所有権を証明する書類

すでに所持しているもの(紛失した場合は司法書士を通じて再発行の手続きが必要)

住民票

現住所を証明する書類(発行から3カ月以内のもの)

お住まいの市区町村役場で取得

印鑑証明書

実印の証明書(発行から3カ月以内のもの)

お住まいの市区町村役場で取得

本人確認書類

運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど

すでに所持しているもの(原則、顔写真付き)

固定資産税納税通知書

固定資産税の金額確認と精算のため(直近分)

市役所の税務課などから、毎年送付されるもの

これらの書類がないと決済が進められないこともあるため、早めに準備しておきましょう。もし、登記識別情報を紛失した場合は、代わりに司法書士などの有資格者が本人確認情報を作成し、所有権移転登記を行えるようにします。

また、印鑑証明書や住民票は発行から日数が経過すると使用できないため、決済日の2週間前を目安に取得するとよいでしょう。

当日の持ち物リスト

決済当日に持参するものも、事前に確認しておきましょう。書類だけでなく、次の持ち物も忘れずに準備しておくことが重要です。

決済日の持ち物

持ち物

説明

備考

認印

軽微な書類への押印用

シャチハタは不可

実印

重要書類に押印するために必要

印鑑証明書と同じもの

銀行印

売却代金を受け取る口座の届出印(即出金する場合に必要)

通帳と同じもの

通帳

売却代金の振込先口座

残高記帳を済ませておく

引き渡し時に買主に渡すもの

玄関、勝手口、物置などすべての鍵

諸費用分の現金

仲介手数料や登記手続き費用など

必要額を事前に確認する

携帯電話

緊急連絡用

充電を確認する

特に、鍵は合鍵も含めて、すべて用意しなくてはなりません。遠方の親族に預けている場合などは、早めに集めておきましょう。

司法書士への事前連絡

司法書士は所有権移転登記を担当する専門家で、決済の流れに関わる重要な役割を果たします。事前に打ち合わせを行い、登記申請に必要な手続きや準備すべきものについて詳しく聞いておきましょう。

また、登記費用の金額と支払い方法の確認も必要です。当日、現金で支払う場合は準備が必要になるため、金額は必ず確認してください。

金融機関への事前連絡(住宅ローン残債がある場合)

住宅ローンの残債がある場合は、事前に金融機関へ連絡する必要があります。まず借入先の金融機関に、不動産売却による住宅ローン一括返済の予定を伝えて、必要な手続きの案内を受けてください。住宅ローン返済に必要な正確な残高を確認するため、ローン残高証明書の発行も依頼しましょう。

次に、抵当権抹消登記に必要な書類を確認します。抵当権抹消には、金融機関が準備する抹消登記の承諾書や委任状などが必要です。これらの書類は、当日に金融機関の担当者が持参するか、事前に受け取っておく必要があるため、どちらの方法になるか確認しておきましょう。多くのケースでは、司法書士が代理で確認します。

住宅ローンの一括返済に伴う、手数料の有無も重要なチェックポイントです。金融機関によっては、期限前の返済に対して手数料が発生する場合があるため、あらかじめ金額を把握しておくことをおすすめします。

また、住宅ローンの残債が売却代金を上回る、「オーバーローン」のときの対応についても金融機関へ相談が必要です。不足分をどのように補填するか、事前に金融機関と調整しておくことで、決済当日のトラブルを防ぎます。

引き渡しの最終確認と掃除をする

不動産売却の決済直前には、物件の最終確認と清掃を行うことも重要です。買主に気持ちよく引き渡しすための準備であり、トラブル防止にもつながります。

まず、残置物を確認しましょう。売買契約で「残置物なし」となっている場合は、家具や家電、生活用品などすべてを撤去する必要があります。反対に「付帯設備として残す」と合意したもの(エアコンや照明器具など)は、正常に動作するか確認しておきましょう。

次に、清掃をていねいに行います。キッチンやお風呂、トイレなどの水回りは特に念入りに掃除しておくと、好印象になります。引っ越し後の掃除は思った以上に大変なため、時間に余裕をもって計画するとよいでしょう。

また、そのほかに不具合がないか最終チェックを行います。ドアや窓の開閉、水道・ガス・電気の使用確認など、気になる箇所がないか確認しておきましょう。

万が一、修繕が必要な箇所を見つけた場合は、担当の不動産会社に早めに相談することが大切です。

公共料金などの解約手続きをする

決済前には、各種公共料金やサービスの解約・名義変更の手続きが必要です。この手続きを忘れると、引き渡し後も料金が発生するため注意しましょう。

まず、電気・ガス・水道の解約手続きを行います。一般的に、使用停止の連絡は引っ越し予定日の1週間前までに行うことが理想です。電話1本で手続きできることが多いのですが、お住まいの地域によっては手続き方法が異なるため確認が必要です。

次に、インターネットやケーブルテレビ回線などの解約も忘れずに行いましょう。解約金が発生する場合があるため、契約書を確認のうえ、早めに連絡することが大事です。

新聞や宅配サービス(Amazon・楽天市場など)で定期的な配達物がある場合も、解約または住所変更の手続きが必要になります。

郵便物の転送届も重要な手続きの1つです。郵便局窓口での手続き、またはオンラインで簡単に申請でき、最長1年間の転送が可能です。

不動産売却の決済当日の流れ

不動産売却の決済日は、売買契約で合意した内容を実行に移す重要な日です。手続きを失敗なく進めるためにも、当日の一連の手順とポイントを理解しておくと安心です。

決済の流れ

売主として無事に決済を完了させるため、流れを確認しましょう。

決済の集合場所と参加者

不動産売却の決済は、買主が住宅ローンを利用している場合、融資をしている金融機関で行われることが一般的です。

現金での決済であれば、売主または買主が取り引きに利用している金融機関の部屋を借ります。小額の現金決済であれば、仲介をした不動産会社や司法書士事務所で行われることもあります。

決済に参加する主な関係者は次の通りです。

  • 売主(所有者)
  • 買主(購入者)
  • 不動産会社の担当者(売主側・買主側)
  • 司法書士(登記手続きを担当)
  • 金融機関の担当者(買主が住宅ローンを利用する場合)
  • 売主側の金融機関担当者(住宅ローンの残債がある場合)

決済にかかる時間は、一般的に1〜2時間程度です。しかし、万が一のトラブルに備えて、少なくとも半日は予定を空けておくと安全です。

司法書士による各登記書類の確認

決済当日の流れで最初に行われるのが、司法書士による登記関係書類の確認です。売主が準備した登記識別情報(権利証)や印鑑証明書、住民票などの書類に不備がないかチェックします。

書類の記載内容と本人確認を行い、登記申請書の内容と相違がないかをていねいに確認します。

また、対象不動産の表示に関する登記情報と、実際の物件情報に相違がないかについても確認があります。

売主は司法書士からの質問に答え、必要に応じて書類への署名捺印も行います。登記関係の確認が済まないと次の手続きへ進めないため、書類不備がないように準備しておきましょう。

住宅ローン完済と抵当権抹消の書類確認

売却する不動産に住宅ローンの残債がある場合は、決済当日にローン完済と抵当権抹消の手続きも行われます。原則として、抵当権が残ったままだと買主に所有権を渡せないため、この手続きは非常に重要です。

住宅ローン残債の完済は、一般的に売却代金から直接金融機関に支払う形式を取ります。その準備として、金融機関の担当者と司法書士の連携で、抵当権抹消に必要な書類確認が行われます。

固定資産税や管理費などの精算確認

続いて、固定資産税の日割り精算が行われます。これは売主が前払いしている費用を、買主と公平に分担するための手続きです。

固定資産税は1月1日時点の所有者に1年分が課税されるため、売主がすでに納付している場合は、引き渡し日以降の分を買主から返金してもらう流れになります。

1月1日(契約内容によっては4月1日)が起算日となり、仮に9月15日に引き渡しす場合、その当日から12月31日(または翌年3月31日)までを買主から受け取る計算です。

なお、マンションの売却では、管理費や修繕積立金の前払い分も、精算対象となることがあります。原則として、引き渡しし前日までは売主が負担し、引き渡し日以降は買主負担です。

残代金の受け取りと諸費用の支払い

決済のメインは、残代金(手付金を除いた売買代金)の受け取りです。現金または小切手で支払われることもありますが、一般的には銀行振込になります。残代金を受け取る際に、精算書の内容に沿って仲介手数料や登記費用などの諸費用の支払いも行われます。

住宅ローンの残債がある場合は、売却代金を受け取ったあと、その場で金融機関に対して住宅ローン残債の返済が行われるのが一般的な流れです。

鍵の引き渡しと決済終了後の対応

すべての書類確認と、残代金・諸費用の精算が完了すると、いよいよ鍵の引き渡しです。この瞬間、所有者が買主に変わります。感慨深い瞬間といえるでしょう。

鍵の引き渡しでは、どの鍵がどの開閉に使用するものかを説明するとていねいです。また、セキュリティやオートロックのカードキー、駐車場のリモコンなども忘れずに渡しましょう。

これで引き渡しは完了しますが、その後も手続きはあり、所有権移転登記は通常、司法書士によって当日または翌営業日に申請されます。登記の完了までは1〜2週間程度かかることが一般的です。

不動産売却の決済後に行う手続き・注意点

不動産の売却の手続きは、引き渡しが1つの区切りとなります。しかし、売主には売却後にもさまざまな手続きあるため、忘れずに行っておきましょう。売主が決済後に行う手続きや注意点について解説します。

譲渡所得が生じたら確定申告の準備

不動産を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合は、確定申告が必要です。決済が終わったら、できるだけ早く管轄の税務署に確認のうえ、確定申告に必要な書類を整理しておきましょう。

確定申告の期限は、売却した年の翌年2月中旬から3月中旬までです。期限を過ぎると加算税や延滞税が課されることがあるため、余裕をもって準備を進めましょう。

マイナンバーカードや免許証などの住所変更

不動産の売却に伴って引っ越しをした場合は、各種身分証明書の住所変更手続きが必要です。住民票の異動をはじめ、マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証なども忘れずに手続きをしましょう。

それぞれの書類には定められた期限がありますので、日数に余裕をもって手続きを行うことが大切です。

新居の購入決済を進める(買い替えの場合)

不動産の売却と購入を同時に行う「買い替え」の場合は、売却後すぐに購入の決済準備に移ります。売却で得た資金を新居の購入資金に充てるケースが多いため、資金計画を改めて確認しましょう。

新居の購入決済では、今度は買主の立場として必要書類や流れを把握することが重要です。売却物件からの退去日と新居への入居日を、不動産会社と調整し、無理のないスケジュールを組んでおきましょう。

不動産売却の決済でよくあるトラブルと対策

トラブル

決済は不動産売却の大詰めという場面だけに、何ごともなくスムーズに進めばよいですが、ときにトラブルが発生してしまうことがあります。しかし、どのようなトラブルが起こるのかを知っておくことで、もしもの事態にも落ち着いて対応できるでしょう。不動産売却の決済でよくあるトラブルと、対策方法を紹介します。

必要書類の不足や忘れ物

決済当日にもっとも多いトラブルが、登記識別情報(権利証)や印鑑証明書などの重要書類の不足や忘れ物です。重要書類が1つでも不足していると、決済自体が進められなくなり、日程の延期が必要になることもあります。

このトラブルを防ぐには、決済の1週間前に必要書類の最終確認としてリストと照らし合わせるとよいでしょう。当日持参する書類と持ち物は前日にカバンにまとめておき、重要書類は専用のファイルに整理しておくことが大切です。

振込や送金の遅延・誤送金

決済当日に起こる、重大なトラブルには振込や送金に関する問題があります。金融機関の処理の遅れ、システムの混み具合などにより、売却代金の入金が遅延してしまうのです。また、送金額の誤りや振込先口座の間違いなどが発生すると、決済の完了が予定より大幅に遅れることも考えられます。

金融機関の問題は対策が難しいのですが、トラブルに備えて口座情報を複数回確認し、不動産会社とダブルチェックをしながら進めましょう。

買主の都合による延期

不動産売却の決済では、買主の手続きの遅れや当日キャンセルのトラブルなどもあり得ます。当日になって必要書類の準備ができていない、買主の住宅ローン手続きに不備があったなどの理由で、直前になって延期になることも実際に起こります。

こういったトラブルが起こらないようにするには、売買契約時に違約金条項をしっかり読み合わせて、互いが責任をもって決済に臨む自覚をもつことが重要です。そうすれば、買主も安易な延期やキャンセルを避け、計画的に準備を進める意識が高まるでしょう。

不動産会社選びが重要なポイント

決済を終えてしまえば、不動産売却で感じるさまざまな重圧から解放されて、晴れ晴れとした気持ちになれます。そのためには、トラブルなく決済を進められる、サポートの手厚い不動産会社との契約がおすすめです。

不動産会社を選ぶときは複数社に声をかけて、売却する物件の査定を受けましょう。売主への対応、査定の説明、売却にあたっての戦略など、不動産会社によってさまざまです。複数の不動産会社から査定を受けて、各社の特徴をチェックしましょう。

一括査定サイトのリビンマッチを利用すれば、一度の入力で複数の不動産会社へ査定を依頼することが可能です。複数社へ査定を申し込む手間をかけることなく、自分にぴったりの不動産会社を見つけられます。まずは査定を受けて、どれくらいで売れるのか確かめてみましょう。

不動産売却のクライマックスは、売買契約後にある決済・引き渡しです。決済では、売却代金が売主へ支払われます。非常に重要なプロセスのため、絶対に失敗したくない人がほとんどでしょう。

決済・引き渡しで失敗しないために、どういった流れで進んでいくのかをあらかじめ確かめておきましょう。必要書類のリスト、トラブル対策なども用意していますので、決済・引き渡し前にぜひチェックしておいてください。

決済に関するよくある質問

決済当日は何を持っていけばいいですか?
権利証や印鑑証明書、実印、通帳、鍵など大切なものばかりです。前日までに一式そろえて、忘れ物のないようにしましょう。
決済でトラブルになるのはどんなとき?
書類の不足や送金ミスなどがよくあります。あらかじめ準備を整え、当日は余裕を持って行動することが大切です。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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