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実家を誰も継がないとどうなる?将来の明暗を分ける5つの事前対策

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実家を誰も継がないとどうなる?将来の明暗を分ける5つの事前対策

親が亡くなったあと、誰も住まない実家がぽつんと残る。そんな光景は、今や珍しいものではなくなりました。

「この家、いずれ誰が管理するのだろう?」「自分が引き取るべきなのか?」“まだ先の話”だと思っていたのに、気づけば自分が判断を迫られる当事者になっている。そんなケースが増えているのです。

実家を放置すれば空き家となり、固定資産税や管理の手間、近隣トラブル、さらには兄弟間の相続争いなど、思いがけない問題を招くこともあります。

思い出の詰まった大切な家が、将来「重荷」になってしまうのは避けたいもの。実家を誰も継がないことで起こる問題と、それを未然に防ぐ5つの具体的な対策をわかりやすく解説します。

将来の自分と家族のために、「備えておいてよかった」と思える選択を、今から始めてみませんか。

実家を誰も継がなかったら、どうなる?

近年、少子化や都市部への人口集中といった社会的変化を背景に、「誰も継がない実家」が急増し、深刻な社会問題となりつつあります。

この章では、実家を誰も継がなかったときに起きやすい3つの問題と、それぞれがもたらす影響について解説します。

ダメージレベル1:管理されず空き家化する

誰も住まなくなった実家は、あっという間に傷み始めます。風を通さないと湿気がこもり、カビや腐食の原因になります。

また、掃除が行き届かないと、ホコリや汚れが蓄積して建物の劣化が進みます。劣化が進むと、倒壊の危険があり近隣トラブルの原因になることもあるでしょう。

さらに庭木が伸び放題になったり、ポストにチラシがあふれたりすると、空き家であることが知られやすくなり、空き巣や不審者の侵入リスクも高まります。近年では、空き家となっている家を犯罪のアジトにするケースもニュースで報道されています。

さらに、一定の基準で放置された空き家は、地方公共団体(自治体)から「特定空き家」に指定されることもあるので注意が必要です。

特定空き家とは「周辺環境に悪影響を与えている」と判断された空き家のことで、行政から指導が入り、改善命令や罰金、強制解体の対象になる場合があります。

特定空き家に指定されると、これまで受けられていた固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、税額が最大6倍に跳ね上がるリスクまであります。

ダメージレベル2:固定資産税や維持費が家計を圧迫

実家が空き家になっても、土地と家屋を所有している限り固定資産税は毎年かかります。さらに、税金だけではなく、庭の手入れや雨漏り修理、シロアリ対策といったメンテナンス費用も必要です。

こうした費用は、実際に住んでいなくとも所有者に支払い義務があります。

また、管理が行き届かずに特定空き家に指定されてしまうと、固定資産税の軽減措置が解除されてしまうリスクもあります。税金や維持費が何年もかかり続ければ、家計や相続人の資産を大きく圧迫することになるでしょう。

ダメージレベル3:老朽化による近隣被害で損害賠償請求リスクも

空き家を長く放置すると、建物の老朽化が進み、周囲への被害につながるリスクも高まります。

たとえば、台風で屋根や外壁が飛ばされ、近隣の家や車を傷つけるケースや、傾いたブロック塀が通行人に倒れてケガをさせてしまうかもしれません。

空き家が原因のトラブルが発生した場合、所有者に管理責任があるとされ、損害賠償を請求されることもあるので注意が必要です。「もう住んでいないから関係ない」という認識では済まされず、法的責任を問われるおそれがあります。

実家を誰も継がないとわかったら?将来の明暗を分ける5つの事前対策

将来的に実家の活用で後悔しないためには、誰も実家を継がないとわかったときに備えて、早めに準備を進めておくことが大切です。

放置すればコストやトラブルが増えていきますが、事前に対策を取ることで資産として有効活用できる可能性もあります。

ここでは、失敗や後悔を防ぐために実践したい5つの対策を紹介します。

1:実家の「市場価値」を正しく見極める

実家を活用するにも手放すにも、まずはその「市場価値」を知ることが最初の一歩です。

立地や築年数、間取り、接道状況、地域の需要などによって、売れる価格や貸せる条件は大きく変わってきます。たとえ地方の物件でも、近年はインバウンド需要やリモートワークの普及などで、想定以上の価格で取引されるケースもあります。

「田舎だから売れないだろう」などと思い込まず、不動産会社に査定を依頼して正確な情報を得ましょう。不動産の一括査定サイトを利用すると、複数社から無料で相見積もりを取ることができ、比較・検討がしやすくなります。

相場を事前に知っておくことで、実家の活用法や売却の方向性を考える土台になり、トラブルや金銭的な損失も防ぎやすくなります。査定は無料で行えることが多いため、早い段階で動き出すことが重要です。

2:今後の維持費・手間がどれくらいかかるか把握する

実家を残す場合、固定資産税や修繕費、管理費用が毎年発生します。草刈りや清掃、寒冷地では雪かきなどの作業も必要になり、遠方に住んでいれば移動や立ち会いの負担も加わります。

こうしたコストと手間が、今後何年続くのかをシミュレーションしておくと、実家を「残すか」「手放すか」の判断材料になります。兄弟で管理を分担するのか、業者に依頼するのかなど、現実的な選択肢も合わせて検討しましょう。

3:売る?貸す?残す?活用方法の方向性を決める

実家の方向性を決めるには、早めの意思決定が重要です。たとえば、次のようなさまざまな選択肢が考えられます。

  • 売却して現金化する
  • リフォームして賃貸に出す
  • 残しておきセカンドハウスにする

一時的にでも実家を放置することは、結果的に資産価値の下落や特定空き家指定のリスクを高めます。家族や兄弟としっかり話し合い、「いつまでに」「どのように」活用または処分するかの方針を固めましょう。

売却する場合の注意点

築年数が古くなると買い手がつきづらくなり、価格も下がる傾向にあります。また、家屋を残す「古家付き土地売却」にするか、更地にして売るかによっても必要な準備や費用が異なります。

貸し出すなら修繕と管理体制が鍵

実家を賃貸物件として運用する場合、水回りの修繕や清掃など最低限のリフォームが必要です。また、管理を不動産会社に任せるか、自主管理するかも含めて検討しましょう。

残すなら将来の使い道を明確に

思い出があるからと実家を残しても、実際に使わなければ劣化が進みます。将来的に住む予定があるか、相続後の用途はあるかなど、具体的な使い道を見据えることが不可欠です。

4:リフォーム・解体・古家付き土地売却の中から最適な処分方法を考える

実家の状態に応じて、次のような処分方法から選ぶことになります。

  • 手を加えて活用する
  • 解体して土地を売却する
  • 現況のまま売る
  • それぞれにかかる費用が異なり、メリット・デメリットがあるため、実家の老朽度や立地を見極めて最適な方法を選びましょう。

    リフォームして活用すれば、条件次第で高値売却も可能

    リフォームして売却や賃貸に出すことで、高値がつく可能性もあります。自治体によっては空き家活用の補助制度があり、リフォーム費用を抑えられる場合も。

    ただし、買主の趣味やライフスタイルに合わない内容でリフォームすると、かえって評価が下がるので、どこまでリフォームすべきかは慎重に判断しましょう。

    近年は「自分たちでリフォーム・リノベーションしたい」という需要も増えており、リフォーム済みの物件よりも自由に手を加えられる状態を好む買主もいます。

    リフォームによって高値で売却できるかは、エリアの需要や物件の特徴をよく見極めて判断することが大切です。

    老朽化が激しければ解体して更地売却を検討

    建物が住めないほど劣化している場合は、解体して更地にするほうが買い手がつきやすくなります。

    解体費用は自治体の補助や助成制度で一部負担が軽減されることもありますが、全額をまかなえるわけではないため、自己負担分が発生することを念頭に置いておきましょう。

    一般的に、木造住宅(30〜40坪程度)の解体費用は約100〜200万円かかります。 ただし、解体費用を売却価格にそのまま上乗せできるとは限らないため、費用対効果をよく検討することが大切です。

    また、解体後は固定資産税が上がるケースもあるため、税負担の変化にも注意しましょう。

    費用をかけずに売りたいなら古家付き土地売却

    解体費用をかけたくない場合は、現況のまま売る方法もあります。買主にとっては、自由にリフォーム・建て替えができるというメリットがあり、立地や土地の条件が良ければ、売却できる可能性は十分にあります。

    ただし、建物の老朽化や、雨漏りや倒壊のリスクがある場合は、「いずれ解体する前提」であっても買主が見つかりにくくなる傾向があります。

    というのも、見た目の印象が悪いと現地を見に来てもらえなかったり、「解体や片づけに余計な費用がかかりそう」と敬遠されたりすることがあるからです。

    また、あまりに老朽化が進んでいると、解体費用が高額になるケースや、住宅ローンが通らないといった問題も出てきます。

    買主から見ると「費用・手間・リスク」が増えるため、同じエリア内でより条件のよい土地があれば、そちらに流れてしまうおそれもあるのです。

    このように、実家の売り方に迷った場合は不動産会社に相談してみましょう。

    物件の状態や立地条件、相続の状況によって最適な売却方法は異なります。経験豊富な不動産会社であれば、「現状のまま売るべきか」「リフォームすべきか」「解体したほうがよいか」など、状況に応じた的確なアドバイスをもらえます。

    5:感情かコストか、思い入れと現実のバランスを整理する

    実家には家族の思い出や両親の想いが詰まっているため、冷静に処分を決めるのは難しいものです。しかし、感情だけで残しておくと、将来的な負担が膨らむこともあるので冷静に考える必要があります。

    家族で気持ちを共有する時間を持つ

    状況的に売却などで実家を処分したほうが良いとわかっていても、思い入れがあって売却に踏み切れないケースはよくあります。

    その際は一度実家に足を運び、写真を撮ったり、思い出の品を整理したりすることで、気持ちに区切りをつけられることもあります。兄弟で気持ちを共有しながら、将来的に納得できる選択を目指しましょう。

    現実的な費用と手間も忘れずに

    固定資産税や修繕費、定期的なメンテナンスなど、実家の維持にはお金も労力もかかります。「思い出は大切にする」が「無理はしない」という、バランスを取る視点が大切です。

    誰も住まない実家をどうするかの判断は、先延ばしにするほど選択肢が限られ、費用負担も増えがちです。 気が重くなるテーマではありますが、どこかで期限を決めて、家族で話し合いながら方向性を定めていくことが、後悔しないための第一歩になります。

    話し合いの際は物件の市場価値をもとに、現実的な選択肢を共有することが大切です。感情だけでなく、資産としての価値や維持にかかる費用も踏まえることで、家族間で納得のいく判断がしやすくなります。

    まずは査定を通じて、実家が「いま、いくらで売れる可能性があるのか」を把握するところから始めてみませんか。


    この記事の編集者

    リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

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