マンションを買取で売却する方法|売るときの注意点やデメリットを解説

不動産買取によるマンション売却は不動産会社が買主になるため、売却活動が不要で、早く取引を終えられるメリットがあります。マンションの売却に時間をかけられない人にとって、有力な売却方法といえるでしょう。
マンションを買取で売却するときに知っておきたい、基本的な仕組みや注意点を解説します。少しでも高くマンションを売りたい人は、ぜひチェックしてください。
リビンマッチのポイント
マンション売却を買取で行うには、まず不動産会社への査定が必要です。買取価格を比較するため、複数社へ査定を依頼しましょう。買取で売却すると早く現金化できるメリットがありますが、仲介よりも売却価格が安浮くなることに注意が必要です。
もくじ
買取とはマンションを売却する方法のひとつ
マンション売却を検討している人のなかには「できるだけ早く現金化したい」「売却活動に時間をかけられない」といった事情を抱えている人も少なくないでしょう。そんなときにおすすめなのが「買取」という売却方法です。買取の基本を解説します。
マンションの買取を基本から解説
マンション買取とは、不動産会社が買主となってマンションを買い取る売却方法です。一般的な仲介では不動産会社がマンションを売り出して買主を探しますが、買取では不動産会社が買主となるため探す手間が省けます。
また、仲介では売却するまでに数カ月以上かかったり、購入希望者から価格交渉をされたりすることがあります。部屋に傷や汚れのある箇所があれば、修善を求められることもあるでしょう。それに対し買取は、そういった手間をかけることなく、不動産会社に売ることが可能です。
ただし、仲介と比べて売却価格が低い傾向があるなどデメリットもあるため、基本をしっかりと理解したうえで判断することが大切です。
買取と仲介の違い
マンションを売却するうえで主な選択肢である、買取と仲介の違いを表にまとめると次のようになります。
| 買取 | 仲介 | |
|---|---|---|
| 買主 | 不動産会社 | 主に個人 |
| 売却期間 | 数週間~1カ月程度 | 3~6カ月程度 |
| 売却価格 | 市場価格の60~80% | ほぼ市場価格と同等 |
| 内覧対応 | 不要 | 必要 |
| 仲介手数料 | 不要 | 必要 |
| 契約不適合責任 | 免責されることが多い | 売主が負担 |
| 売却の確実性 | 確実性が高い | 買主が見つからないことがある |
このように、買取は「早さ」「確実性」「手間の少なさ」に優れている一方で、売却価格が仲介より安くなる傾向があります。どちらの売却方法がよいかは、売主の事情や優先したいポイントによって変わってきます。
マンション買取で得られる4つのメリット
マンションを買取で売却する大きな魅力は「スピード」と「手間の少なさ」、さらに「安心感」です。この魅力をメリットとしてまとめると、次のようになります。
- マンションを早く現金化できる
- 内覧や売却活動が不要で手間を省ける
- 周囲に知られずに売却できる
- 契約不適合責任を免責されるケースが多い
それぞれの買取のメリットを見ていきましょう。
マンションを早く現金化できる
買取の最大のメリットは、売却スピードの早さです。仲介では買主を探すために数カ月かかることが一般的ですが、買取なら不動産会社への相談から決済まで早ければ1~2週間、長くても1カ月程度で完了できます。
これは、不動産会社が買主になるため、買主を探す時間が不要だからです。査定後に条件が合えばすぐに契約に進められ、決済日も双方の都合に合わせて調整可能なので、資金計画が立てやすいというメリットもあります。
「住み替えで新居の購入資金が必要」「相続税の納付期限が迫っている」「転勤までに売却を完了させたい」といった明確な期限がある場合には、買取の早さが大きな魅力となるでしょう。
内覧や売却活動が不要で手間を省ける
仲介でマンションを売却する場合、購入希望者への内覧対応が必要です。週末ごとに部屋を片づけて見学者を迎えたり、急な内覧希望に対応したりするのは、特に働いている人や高齢者の大きな負担となります。
それに対して買取なら不動産会社の査定が1~2回あるだけで、一般の購入希望者への内覧対応は一切不要です。また、広告の掲載やチラシの配布といった売却活動も行わないため、売主の負担を最小限に抑えられます。
仕事が忙しい人や、遠方にあるマンションを売却したい人にとって、買取の手間の少なさは大きなメリットです。
周囲に知られずに売却できる
マンションを売却する理由は人それぞれです。仕事上の立場や家庭の事情、経済的理由など、周囲には知られたくない理由で売却を検討している人もいるでしょう。買取では広告やチラシを使った宣伝活動を行わないため、近隣住民や知人に売却の事実を知られる心配がありません。プライバシーを守りながら、静かに売却手続きを進められるのです。
内覧希望者の出入りもないため、マンションの住民から「売りに出している」ことを気づかれにくいという点も買取を利用する理由になるでしょう。
契約不適合責任を免責されるケースが多い
通常の不動産売買では、売主が契約不適合責任を負います。マンションの売却後に物件の欠陥(雨漏り、給排水設備の故障、シロアリ被害など)が発見された場合、売主は修繕費用の負担や損害賠償をしなくてはなりません。これは売主にとって、大きなリスクといえるでしょう。
しかし、買取では不動産会社が物件の状況を把握したうえで購入するため、契約不適合責任を免責する特約がつくケースが一般的です。これにより、売却後に予期しない費用負担が発生するリスクを避けられます。
築年数が古くて設備の不具合に不安を感じるマンションを売却する場合は、この契約不適合責任の免責は大きな安心材料となるでしょう。
マンション買取で注意すべき3つのデメリット
マンションの買取には多くのメリットがあるものの、事前に把握しておくべきデメリットがあります。特に「売却価格」「業者選び」「悪質業者への対策」の3つのポイントは、契約前にしっかりと理解しておきましょう。
- 仲介より売却価格が安くなりやすい
- 買取に対応できる不動産会社が限られる
- 悪質な買取業者に注意が必要
それぞれのデメリットを解説します。
仲介より売却価格が安くなりやすい
買取でもっとも注意すべきポイントは、売却価格が仲介より安くなることです。一般的に買取価格は、仲介で売却する市場価格の60~80%になるといわれています。
たとえば、仲介なら3,000万円で売れる可能性があるマンションでも、買取では2,100万円~2,400万円程度になるのです。これは不動産会社がリノベーションの費用や、再販売を行うときのコスト、さらに自社の利益を見込んで価格を設定するためです。
仲介と買取の価格差は決して小さくありません。売却で得た資金を次の住居購入に充てる場合や、老後資金として活用する場合は、数百万円の違いが将来の生活に大きく影響する可能性があります。買取を検討するときは、この価格差を十分に理解したうえで判断することが重要です。
買取に対応できる不動産会社が限られる
買取を依頼するうえで重要なのは、すべての不動産会社が買取サービスを行っているわけではないことです。買取には資金力と再販のノウハウが必要なため、対応できる不動産会社は仲介専門の会社と比べて限られています。
買取に対応できる不動産会社でも、利回りが低い投資用マンションや築年数の古い物件、立地条件が悪い物件などは、再販が難しいために買取を断られることがあります。地方では買取に対応している不動産会社自体が少ないので注意が必要です。
そのため、買取を検討する際は、複数の不動産会社に相談して、実際に買取が可能なのかを確認する必要があります。選択肢が限られることで、価格交渉の余地が少なくなることも理解しておきましょう。
悪質な買取業者に注意が必要
残念なことに、不動産業界には一部ですが、悪質な買取業者が存在します。相場よりも著しく安い価格を提示したり、契約を急かして冷静な判断を妨げたりする業者には注意が必要です。
悪質業者の典型的な手口としては、「いますぐ決めてくれたら、高く買い取ります」といって契約を急かしたり、査定時に物件の問題点を大げさに指摘して価格を下げようとしたりすることが挙げられます。
また、コンサルティング料として高額な手数料を請求してくる業者や、手付金を支払ったあとに買取をキャンセルしてくる業者もいます。こうした被害を避けるには、業者の実績や評判をしっかりと調べ、複数社で査定を取ることが重要です。
マンションを買取で売却する5つのステップで解説
マンションを買取で売却するには、査定依頼から契約、代金受領まで一連の流れがあります。はじめてでも迷わないよう、5つのステップに分けて解説します。
- 不動産会社に相談・査定を依頼する
- 査定を受けて買取価格を提示される
- 複数社の価格や条件を比較して契約を結ぶ
- 決済(代金受領)とマンションの引き渡しを行う
- 売却後に確定申告を行う
それぞれのステップを解説します。
不動産会社に相談・査定を依頼する
まず、不動産買取を行っている不動産会社を探し、相談・査定を依頼します。インターネットで「マンション買取」と検索したり、一括査定サイトを利用したりして、複数の会社に連絡を取りましょう。
最初の相談では、マンションの基本情報(所在地、築年数、面積、現在の状況など)を伝えます。この段階で、おおよその査定価格を教えてもらえる場合もあります。急いでいる場合は、希望する売却時期も併せて伝えておくとスムーズです。なお、査定は基本的に無料で行っています。
査定を受けて買取価格を提示される
不動産会社の担当者が実際にマンションを訪問して、詳細な査定を行います。室内の状況、設備の具合、管理状況、周辺環境などを総合的にチェックして、正式な買取価格を算出します。査定には、通常1~2時間程度かかります。査定では物件のよい点と併せて、価格に影響するマイナス要因の説明も受けられます。疑問に思ったことは遠慮なく担当者に質問して、納得のいく説明を求めましょう。
査定結果は当日、もしくは数日以内に提示されることが一般的です。価格だけでなく、決済時期や引き渡し条件の確認もしておくことが大切です。
複数社の価格や条件を比較して契約を結ぶ
マンションを売却するときは、複数の不動産会社から査定を受けて、価格や条件を比較しましょう。単純に買取価格だけでなく、契約条件や支払いスケジュール、引き渡し時のサポート体制なども大切な比較ポイントです。
たとえば、ある不動産会社では価格がやや低めでも「即日入金可能」や「残置物処分費用を負担」など、総合的に見ればメリットが大きい場合があります。逆に高い査定価格を出しても契約段階で金額が変わるような不動産会社は要注意です。
最終的に納得できる不動産会社と契約書を交わし、売買契約を締結します。契約内容は十分に確認してください。特に契約不適合責任の免責条項や手付金の取り扱いなどを理解したうえで、署名・押印をしましょう。
決済(代金受領)とマンションの引き渡しを行う
契約で定めた日程に従い、決済と引き渡しが実施されます。決済日には、売却代金の受領や鍵・関係書類の受け渡し、住宅ローンが残っている場合は抵当権抹消の手続きなどを行うことが一般的です。
場所は銀行などの金融機関で行われることが多く、司法書士が立ち会って登記関係の手続きも同時に進めます。決済をした日にマンションの所有権が不動産会社に移り、売却は正式に完了です。
なお、引き渡し前には室内の荷物を撤去し、簡単な清掃を済ませておくことが求められます。引き渡し条件は、必ず契約時点で確認しておきましょう。
売却後に確定申告を行う
マンションの売却で利益が出た場合は、翌年に確定申告を行う必要があります。売却価格から購入時の費用や諸経費を差し引いた金額が課税対象となり、利益が出なければ課税されません。最近はマンションの価格が高騰していることもあり、購入時より高く売れるケースも多いため注意しましょう。
ただし、3,000万円特別控除、所有期間による税率の違いなど、節税に役立つ国の制度も用意されています。必要書類(売買契約書や領収書など)をきちんと保管し、税理士や専門家に相談しながら適切に確定申告を行うことで、大きく節税することが可能です。
マンション買取の必要書類について
マンションをスムーズに買取してもらうには、事前に必要書類を揃えておくことが重要です。マンション買取で必要な書類は、次のとおりです。
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 登記済権利証または登記識別情報
- マンションの管理規約・使用細則
- 印鑑証明書・実印
- 固定資産税評価証明書
住宅ローンの残債がある場合は、住宅ローンの残高証明書などの提出が求められることがあります。売却するマンションによっても必要な書類に多少の違いはありますが、ここでは代表的な5つの書類とその役割を解説します。
本人確認書類(運転免許証など)
売主の本人確認のために必要です。運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、健康保険証などが使用できます。有効期限が切れていないか確認し、住所に変更がある場合は最新のものを用意しておきましょう。紛失している場合は、各発行機関で再発行の手続きを行ってください。
登記済権利証または登記識別情報
マンションの所有権を証明する重要な書類です。平成17年以前に取得した物件では「登記済権利証」、それ以降では「登記識別情報」という名称になっています。法務局で発行されたもので、通常は物件購入時に受け取っています。紛失した場合は司法書士に相談して、本人確認情報の作成などの手続きが必要です。
マンションの管理規約・使用細則
マンションのルールを記載した書類で、物件購入時に管理組合から受け取ります。「ペットの飼育可否」「リフォームの制限」「専有部分の使用方法」などが記載されており、査定価格にも影響します。紛失した場合は、管理組合や管理会社に連絡して再発行を依頼しましょう。通常は有償で再発行が可能です。
印鑑証明書・実印
契約書や登記関係の書類に押印するために必要です。印鑑証明書は発行から3カ月以内のものを用意してください。市区町村役場で発行できますが、最近はマイナンバーカードを利用すればコンビニエンスストアでも取得可能な自治体が増えています。実印を登録していない場合は、印鑑登録の手続きも合わせて行っておきましょう。
固定資産税評価証明書
マンションの固定資産税や都市計画税の金額を示す書類です。不動産会社はこれをもとに精算金額を計算します。売却した年の固定資産税は、売主と買主の間で日割り精算することが一般的です。そのため、最新の納税通知書や評価証明書を準備しておく必要があります。市区町村役場で発行できますので、紛失している場合は早めに再発行しておきましょう。
マンション買取で売主が負担する費用
マンションを買取で売却するときでも、売主に費用の負担が生じます。内訳を把握しておくと、手取り額の見通しが立ちます。ここでは代表的な項目と注意点を簡潔に整理します。
印紙税
売買契約書に貼付する収入印紙の費用です。契約金額に応じて税額が決まり、1,000万円を超え5,000万円以下の場合は1万円、5,000万円を超え1億円以下の場合は3万円となります。なお、電子契約であれば印紙税が不要となるケースが一般的です。
令和9年3月31日までに作成された売買契約書には、次の表のとおり軽減措置が適用されます。
| 契約金額 | 本則税率 | 軽減後の税率 |
|---|---|---|
| 100万円を超え500万円以下のもの | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下のもの | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円を超え1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
| 1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
抵当権抹消登記費用
住宅ローンが残っている場合、決済と同時に抵当権を抹消する登記手続きが必要です。登録免許税として不動産1個につき1,000円かかります。マンションの場合、土地と建物で2,000円となります。
司法書士に手続きを依頼する場合は、別途報酬(1万~2万円程度)が必要です。金融機関によっては、抵当権抹消の手続き費用を別途請求される場合もあります。
諸費用(残置物の処分費など)
マンション内に残っている家具や家電などの処分費用です。買取業者によっては残置物をそのまま引き取ってくれる場合もありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
自分で処分する場合は、粗大ごみの処分費用や廃品回収業者への支払いが発生します。処分するものの量によって費用は変わりますが、数万円から数十万円程度を見込んでおきましょう。
譲渡所得税・住民税(利益が出た場合)
マンションの売却で利益(譲渡所得)が出た場合に課税される税金です。所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得として、それぞれ異なる税率が適用されます。
ただし、マイホームの売却では3,000万円の特別控除が利用できるため、実際に税金を負担するケースは少ないでしょう。3,000万円の特別控除を利用する場合は、確定申告が必要となります。詳しくは、税理士や税務署に相談してください。
買取では仲介手数料が不要
買取の魅力のひとつが、仲介手数料がないところです。仲介での売却では売却価格400万円を超える場合、売却価格×3%+6万円+消費税の手数料が発生しますが、買取では不動産会社が直接買主となるため、この費用はかかりません。
たとえば3,000万円で売却するケースでは、仲介手数料は105万6,000円(消費税込み)となります。これだけの出費を抑えられるのは、売主にとって大きなメリットといえるでしょう。
マンションを買取で売却するときの注意点4つ
買取は便利な売却方法ですが、油断は禁物です。査定内容や契約条件をしっかり確認しないと、あとからトラブルや思わぬ失敗につながるおそれがあります。
- 査定価格の根拠を必ず確認する
- 契約不適合責任免責の特約を確認する
- 複数の不動産会社を比較・検討する
- 引き渡しのスケジュールを明確にする
それぞれの注意点を詳しく解説します。
査定価格の根拠を必ず確認する
不動産会社から査定価格を提示されたら、必ずその根拠を説明してもらいましょう。「なぜその価格になったのか」「どの部分がプラス評価で、どの部分がマイナス評価なのか」などを具体的に聞くことが大切です。
明確な根拠を示してくれる不動産会社は信頼できる可能性が高く、逆に曖昧な説明しかできない会社は避けたほうが安全です。査定価格が相場と大きくかけ離れている場合は、その理由も確認しておきましょう。納得できる説明が得られない場合は、こちらも避けたほうが安心です。
契約不適合責任免責の特約を確認する
買取のメリットとして挙げられることが多い「契約不適合責任の免責」ですが、これがきちんと契約書の特約として明記されているかを必ず確認してください。特約の範囲が不明確だと、あとから設備不良や欠陥について責任を問われるリスクもゼロではありません。契約書に免責条項が記載されていない場合は、追加してもらうよう交渉しましょう。
ただし、売主が故意に隠していた欠陥は免責の対象外となる場合がありますので、知っている不具合は事前に申告することが大切です。
複数の不動産会社を比較・検討する
「すぐに売れるから」と1社だけで決めてしまうのは危険です。会社ごとに得意なエリアや物件タイプが異なり、査定価格にも数百万円の差が出ることがあります。最低でも2~3社には査定を依頼し、提示条件を比較するのが鉄則です。
比較するときは価格だけでなく、決済までのスケジュール、契約条件、担当者の対応なども総合的に判断することが大切です。極端に高い価格を提示したり、逆に相場より大幅に安い価格を提示したりする不動産会社には注意が必要です。価格の根拠を明確にしてもらい、納得のできる不動産会社を選びましょう。
多少の手間はかかりますが、複数の不動産会社の比較検討は欠かせません。一括査定サイトを利用して、効率的に複数社から査定を受けることをおすすめします。
引き渡しのスケジュールを明確にする
売却を急いでいる場合でも、引き渡しのスケジュールは余裕を持って設定することをおすすめします。引っ越しの準備、次の住まいの確保、残置物の処分など、やるべきことは意外に多いものです。
契約時に引き渡し日を決める際は、これらの準備期間を十分に考慮して、無理のないスケジュールを組みましょう。また、引き渡し条件(残置物の取り扱い、修繕の必要性など)についても事前にしっかりと確認し、あとでトラブルにならないよう書面で合意しておくことが大切です。
買取でのマンション売却が向いている5つのケース
マンション買取は、早く、手間なく売却したい人に有効な売却方法です。ここでは買取が適している代表的なケースを紹介します。
とにかく早く現金化したい
転勤や転職、子どもの進学などで急な住み替えが必要になった場合など、明確な期限があるときには買取で対応するほうがスムーズです。また、事業資金が急に必要になった場合など、スピードを重視する状況では多少価格が安くなっても買取を選ぶメリットは大きいでしょう。
時間をかけて高く売ることよりも、確実に期限内に現金を手にすることが優先される場合は、買取が最適な選択肢となります。
内覧対応などの手間をかけたくない
仕事が忙しくて内覧対応の時間が取れない場合や、遠方にあるマンションを売却する場合、高齢で内覧対応が負担に感じる場合などは、買取の手間の少なさが大きなメリットとなります。
特に現在も住んでいるマンションを売却する場合、内覧のたびに部屋を片づけて購入希望者を迎えるのは大きなストレスになることがあります。小さな子どもがいる家庭や、在宅ワークをしている人にとっても、頻繁な内覧は困りものです。このような場合は、多少価格が下がっても手間をかけずに売却できる買取を選ぶことで、ストレスを大幅に軽減できるでしょう。
近所に知られずに売却したい
離婚や転職、経済的な事情など、あまり周囲に知られたくない理由で売却する場合は、買取であれば広告を出さずに済むので安心です。また、近隣住民との関係がよくない場合や、近隣に詮索好きな方がいる場合も、静かに売却を進められる買取は適しているといえるでしょう。
ただし、完全に秘密にできるわけではなく、最終的には登記情報の変更によって所有者の変更が公示されることは理解しておきましょう。それでも、マンションの売却に取り組んでいる間のプライバシーは十分に守られます。
築古や事故物件など売れにくいマンション
築30年を超えるマンションや、室内で事故があった物件、近隣に嫌悪施設があるマンションなど、一般的に売却が困難とされる物件は、仲介では長期間売れ残るリスクがあります。このような物件の場合、仲介で1年以上売却活動を続けても買主が見つからず、結果的に大幅な値下げが必要になることがあります。そういった売れにくいマンションであれば、最初から買取を選択して確実に売却することを考えるのもひとつの手です。
不動産会社はリノベーションや再生のノウハウを持っているため、一般の購入者が敬遠するような物件でも積極的に買い取ってくれる場合があります。
相続したマンションを早く処分したい
相続で取得したマンションに誰も住む予定がない場合、管理費や固定資産税といった費用だけがかかる状況になります。そうした負担から早めに解放されたいときは、買取での早期売却が有効な選択肢となります。
また、相続人が複数いる場合、売却価格を現金で分割するために早期の現金化が必要になることもあります。相続税の納付期限(相続開始から10カ月以内)を考慮すると、スピードを重視した売却方法の選択が重要です。遺産分割協議がまとまらずに時間がかかっている場合でも、買取なら協議がまとまり次第すぐに売却を進められるため、時間のロスを最小限に抑えられます。
買取を断られてしまうマンションの特徴
すべてのマンションが、必ず買い取ってもらえるわけではありません。なかには買取を断られてしまうこともあります。どのようなマンションだと買取を断られてしまうのか、代表的なケースを紹介します。
複数の所有権者がいて権利関係が複雑
共有名義のマンションで所有者同士の意見がまとまらない場合や、相続が発生しているのに登記が済んでいない場合などは、手続きがややこしいため買取を断られるケースもあります。不動産会社としては、売買契約後にトラブルが発生するリスクを避けたいため、権利関係が明確でない物件の買取は控える傾向があるからです。このような場合は、まず権利関係を整理してから買取を依頼する必要があります。
司法書士や弁護士に相談して、権利関係を明確にする手続きを行ってから改めて買取を検討しましょう。
管理状態が悪すぎて再販売が困難
マンション全体の管理状態があまりにも悪く、修繕積立金が不足していたり、大規模修繕が長期間実施されていなかったりする場合は、買取を断られてしまうことがあります。外壁の劣化、エレベーターの故障、共用部分の破損などが深刻な状態で、修繕に多額の費用がかかると予想される場合、不動産会社は再販売による利益を見込めないため買取を控えることがあります。
このような物件を売却したい場合は、管理組合に依頼して大規模修繕の計画を立ててもらうなど、管理状態の改善を図ってから買取を依頼することを検討しましょう。
不動産会社の不得意なタイプのマンション
不動産会社にはそれぞれ得意な分野があります。たとえば、ファミリー向けマンションを主に扱う不動産会社に投資用ワンルームマンションの買取を持ちかけても、販売ルートがなく対応してもらえないケースも少なくありません。同じように、高級マンションを専門とする会社に築年数の古い一般的な物件を依頼したり、都心部に強い会社に郊外のマンションを持ち込んだりしても、対象外とされてしまうことがあります。
そのため、買取を依頼するときは、売却したいマンションを得意とする不動産会社を見極めて相談することが大切です。
マンション買取の不動産会社選びのポイント
安心してマンションを売却するには、信頼できる不動産会社を選ぶことが欠かせません。ここでは、不動産会社選びでチェックすべきポイントを解説します。
豊富なマンション買取実績がある
不動産会社を選ぶときは、Webサイトなどに買取実績を明示しているかどうかを確認しましょう。年間でどれくらいの件数を取り扱っているのか、累計実績や具体的な事例を公開している会社は、信頼できる可能性が高いといえます。
豊富な実績を持つ不動産会社は査定の精度も高く、手続きもスピーディに対応してくれるケースが多いでしょう。反対に、実績を開示していなかったり、設立から間もなかったりする不動産会社の場合は注意が必要です。できれば自分のマンションと条件が近い物件の買取実績があるかどうかも、チェックしておくと安心です。
マンションのあるエリアに精通している
地域の相場や特性を熟知している不動産会社のほうが、より適正な査定価格を提示してくれる可能性が高いです。マンションがあるエリアでの取引実績が豊富な不動産会社や、営業拠点がある会社を選ぶことをおすすめします。
地域に詳しい会社は、近隣の開発予定や交通アクセスの改善計画なども把握しており、将来性を加味した査定を行ってくれることがあります。ただし、売却したいマンションから離れた地域の会社でもよい条件を提示してくれる場合もあるため、地域密着型の不動産会社と比較したうえで判断することが大切です。
査定価格の根拠を明確に説明できる
信頼できる不動産会社は、なぜその価格になったのかを論理的に説明できます。「周辺の取引事例」「物件の築年数や管理状態」「再販売時の需要予測」など、根拠のある査定を行っている会社を選びましょう。
「相場より高く買い取ります」といった甘い言葉で契約を迫る不動産会社や、査定の根拠を明確に示せない会社は避けたほうが無難です。また、査定時に物件のよい点と改善点の両方を指摘してくれる不動産会社は、公正な評価を行っている可能性が高いといえるでしょう。
担当者の対応が誠実で信頼できる
担当者の人柄や対応も重要な判断材料です。質問に対してていねいに答えてくれる、連絡が迅速で正確、約束を守るといった基本的な対応ができている担当者であれば、安心して取引を進められます。逆に、「連絡が遅い」「質問をはぐらかす」「契約を急かす」といった対応をする担当者には注意が必要です。大きな取引になるため、人として信頼できる担当者かどうかをしっかりと見極めましょう。
担当者との相性も大切です。話しやすく、安心して相談できる担当者がいる不動産会社を選ぶことで、売却の手続きを円滑に進められるでしょう。
マンション買取のよくある疑問
何度もマンションを売却し、買取も利用したことがあるという人はほとんどいません。多くの人ははじめての体験となりますから、さまざまな疑問を抱えているでしょう。マンション買取のよくある疑問には、次のものがあります。
- 買取価格が相場より安いのはなぜ?
- 住宅ローンが残っているマンションでも買い取れる?
- 住んだままでもマンションは売却できる?
- 買取価格が安かった場合は交渉できる?
不動産会社に査定を依頼する前に、それぞれの疑問の答えを確かめておきましょう。
買取価格が相場より安いのはなぜ?
買取価格が相場より低くなるのは、不動産会社がさまざまなコストと利益を見込んで価格を設定するためです。代表的なのがリフォームやリノベーションにかかる費用です。買い取った物件は、そのままでは再販売が難しいケースが多く、改装工事を行ってから売り出すため、そのコストが差し引かれます。さらに、再販売までに発生する管理費や固定資産税といった維持費用、加えて売れ残りや価格下落のリスクも考慮されています。
こうした要素を合計すると、どうしても市場価格よりも低い買取価格になってしまうのです。
住宅ローンが残っているマンションでも買い取れる?
住宅ローンが残っているマンションでも、買取価格でローンを完済できる場合は問題なく買取が可能です。住宅ローンが残っている場合は、決済日に売却した代金でローンを一括返済し、同時に抵当権の抹消手続きを行います。
ただし、買取価格がローン残高を下回る場合(オーバーローン)は、不足分を自己資金で補填する必要があるため、その費用の準備ができない限り売却は難しいでしょう。
オーバーローンの状況で売却を検討している場合は、金融機関に相談して任意売却などの方法を検討する必要があります。まずは住宅ローンの残高と、提案された買取価格を比較して、売却可能かどうかを確認しましょう。
住んだままでもマンションは売却できる?
住んだままでもマンションを売却することはできます。仲介のように内覧の対応が必要ないため、普段の生活を続けながら手続きを進められるのが買取の特徴です。査定時には室内を見せる必要がありますが、家具や荷物があっても評価に支障はありません。むしろ、実際の暮らしぶりがわかることで、より現実的な査定が行われることもあります。
引き渡し日までに荷物を片づければよいため、新居が決まってから引っ越しをするといったスケジュール調整もスムーズに行えます。ただし、引き渡し条件をきちんと確認しておくことが大切です。
買取価格が安かった場合は交渉できる?
買取価格の交渉はできますが、大幅な値上げは難しいケースが多いでしょう。不動産会社もさまざまなコストを計算して価格を出しているため、そう簡単に価格を上げられないのが現実です。それでも交渉を少しでも有利に進めたいなら、マンションのよいところをしっかりアピールしてみましょう。「去年キッチンをリフォームした」「管理組合がきちんと機能している」「駅から近くて便利」など、具体的な魅力を伝えることが大切です。
他社でもっと高い査定価格が出ている場合は、それを材料にするのもひとつの手です。ただし、あまり強気に交渉すると印象が悪くなるおそれがあるため、穏やかな姿勢で臨むことを心がけてください。
マンション買取で後悔しない3つのポイント
マンション買取は売却スピードと手間のかからなさが魅力ですが、安易に契約すると後悔することがあります。そのため、スピーディに取引を進めつつも、慎重さが求められます。マンション買取で後悔しないために、重要な3つのポイントを解説します。
マンションの市場価格をあらかじめ調べておく
買取価格が妥当かどうかを判断するには、まず自分で相場を調べておくことが大切です。インターネットを活用し、不動産ポータルサイトで、同じマンションや近隣の類似物件の売り出し価格をチェックしてみましょう。SUUMOやHOME’S、athomeなどの大手不動産ポータルサイトなら、築年数や面積、階数といった条件を絞って検索できます。過去の成約事例が見られるサイトもあるので、実際の取引価格も確認しておくとよいでしょう。
相場を把握していれば、極端に安い買取価格を出されても「安すぎるかも」と気づけますし、適切な交渉や不動産会社選びにもつながります。「知らないと損をする」と考え、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。
売却期間に余裕があるなら「買取保証」を検討
急いで売却する必要がない場合は、「買取保証」という選択肢も検討してみましょう。買取保証とは、一定期間を仲介で売却活動を行い、売れなかった場合に事前に約束した価格で買取に切り替える取引方法です。買取保証を利用することで、仲介で高値売却のチャンスを追いつつ、最終的な売却も保証されるという「いいとこ取り」ができます。
保証価格は最初から買取を依頼したときよりも、やや安く設定されることが一般的です。それでも高値売却の可能性があるのですから、選択肢として検討する価値があります。ただし、すべての不動産会社で買取保証を行っているわけではないため、利用したい場合は対応できる会社を探しましょう。
一括査定サイトで買取価格を比較して高額売却を目指す
マンションの買取でもっとも重要なのは、複数の不動産会社から査定を受けて比較、検討することです。1社だけの査定で決めてしまうと、本来より安い価格で売却してしまうなどのリスクがあります。しかし、一括査定サイトの「リビンマッチ」を利用すれば、一度の申し込みで複数の不動産会社から買取の査定を受けられるため、効率的に比較、検討が可能です。
査定価格だけでなく、担当者の対応、会社の信頼性、決済条件なども総合的に判断して、もっとも条件のよい不動産会社を選ぶことが、後悔しないマンション買取につながります。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
老後の住まい (21) 離婚で家を財産分与 (18) 一括査定サイト (11) 海外移住 (11) 売れないマンション (10) 離婚と住宅ローン (9) 家の後悔 (8) 家の売却 (8) マンション価格推移 (7) 移住 (7) 実家売却 (7) 訳あり物件 (6) 離婚と家 (6) 売れない家 (5) 不動産高く売る (5) 家の価値 (5) 離婚準備 (5) 不動産会社の選び方 (4) 農地売却 (4) サブリース (3) お金がない (3) イエウール (3) マンション売却の内覧 (3) 近隣トラブル (3) マンションの相続 (3) 空き家売却 (3) マンション買取 (3) 不動産価格推移 (3) 家の解体費用 (3) 離婚と家売却 (3) 売れない土地 (2) マンションか戸建てか (2) リビンマッチ評判 (2) シンガポール移住 (2) アパート売却 (1)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。
引用ルールについて
















