マンション売却と築年数の関係|築年数別の相場と売り時の目安

マンションを売るときの価格は、築年数に大きく左右されます。さらに、売却時に確認したいポイントは、築年数によって異なるため注意が必要です。たとえば、築浅マンションでは新築時の購入価格と現在の相場との差、築年数が進んだマンションでは設備の状態や修繕履歴、長期修繕計画、耐震性などです。売却価格に影響する要素を確認することで、的確な価格で売り出すことができるでしょう。
もくじ
マンション売却は築年数によって成約率と売却価格が異なる
マンションは築年数によって価値が変わります。需要と供給の関係以外に、物理的な理由や、法律による影響もあります。
築25年以下でも需要は低くない
東日本不動産流通機構によると、築年数が古くても一定の需要があることがわかります。
新規登録物件とは、東日本不動産流通機構において当月に新規で登録された物件(新たに売り出された物件)を集計したものです。2025年のデータにおいては、築年数が経つにつれて下落しているわけではなく、築11~15年が登録数がもっとも多いという結果になりました。

参考:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」
一般的なマンションの耐用年数は47年?
鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造のマンションは、減価償却資産の耐用年数が47年です。ただし、マンションの価値が47年でなくなるのではなく、税務上の減価償却期間においては価値がなくなるということです。
ただし、この耐用年数は住宅ローンの借入期間にも影響します。ローンは借入期間が短いと月々の支払いが増える傾向にあり、購入したい人が減ってしまうおそれがあります。
参考:国土交通省「主な減価償却資産の耐用年数表」(PDF)
マンションを売却するのは築何年が目安?
基本的に築年数が新しい物件のほうが需要が高くなるため、より高値で売却できる可能性は高くなります。よって、売却を決めたら可能な限り早期に売却することをおすすめです。
しかし、すでに築年数がある程度経っている場合、どのタイミングで売却するかの判断のひとつとして、価格の下落率があります。
首都圏では築25年超の物件でも需要がある
以下は、東日本不動産流通機構が2026年7月に公表した、首都圏における中古マンションの成約件数と平均成約価格をまとめた資料をもとに作成した表です。
| 築年帯 | 成約件数 | 平均成約価格 | 1㎡当たりの成約単価 |
|---|---|---|---|
| 築5年以下 | 706件 | 9,448万円 | 153.1万円 |
| 築6~10年 | 1,197件 | 7,757万円 | 130.9万円 |
| 築11~15年 | 994件 | 7,916万円 | 124.4万円 |
| 築16~20年 | 1,202件 | 6,536万円 | 97.7万円 |
| 築21~25年 | 1,407件 | 6,512万円 | 93.1万円 |
| 築26~30年 | 1,327件 | 5,211万円 | 76.7万円 |
| 築30年超 | 5,016件 | 2,767万円 | 47.1万円 |
| 全体 | 1万1,849件 | 5,202万円 | 83.1万円 |
2026年4~6月に首都圏で成約した中古マンションのデータを確認すると、築25年超の成約件数が全体の50%以上を占めていることから、築30年を超ても一定の需要があるといえます。
一方で、平均成約価格と1㎡当たりの成約単価は、築年数が古くなるほど低くなっているのがわかります。築5年以下の成約価格は平均9,448万円、1㎡当たりの成約単価は平均153.1万円ですが、築30年超になると平均2,767万円、1㎡当たり平均47.1万円となっています。
ただし、平均成約価格は専有面積やエリアなどによって金額が左右されるため、この表だけで築年数による値下がり幅や売れやすさを判断することはできません。売却する際は、所有するマンションと条件の近い成約事例を確認することが大切です。
参考:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2026年04~06月】」
大規模修繕が行われたタイミング
中古マンションの築年帯別の平均価格を見てみると、築30年以上になると価格の下落が落ち着いてきます。これは大規模修繕をしてから売却する人が増えるからだと考えられます。
ちなみに、大規模修繕後に売却をしても必ず高く売れるとは限りません。待っている間に物件の築年数が進んだり、市況が変化したりする可能性もあるため慎重に判断しましょう。
築40年以上の物件は売れない?
築40年以上のマンションでも売却は可能ですが、建物の耐震性や管理状態によっては買主から敬遠されるおそれがあります。旧耐震基準か新耐震基準かで耐震性が異なるため、完成年月だけでなく、建築確認を受けた時期を確認することが大切です。
耐震基準は1981年6月に変更となっており、1981年6月以前に建てられたマンションは、それ以降に建てられたマンションより耐震強度が低いことが考えられます。
旧耐震基準に該当する可能性がある場合は、耐震診断や耐震改修の実施状況、耐震基準適合証明書などの資料を確認してください。なお、耐震改修は大規模修繕のなかに含まれるケースもありますが、別々に実施されている可能性があるため、大規模修繕が実施されているだけでは建物の耐震性が改善しているか判断できません。
中古マンションを購入・売却する築年数の目安は、ダイヤモンド不動産研究所でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
【築年数別】マンション売却の相場と注意点
マンションは一般的に、築年数が浅いほど高く評価されやすく、築年数の経過とともに売却価格が下がる傾向があります。ただし、価格を左右するのは築年数だけではありません。立地、専有面積や室内の設備、リフォームの有無などによって同じ築年帯でも売却価格には差が生じます。
築年帯ごとの一般的な評価と、売却前に注意しておきたいポイントについて見ていきましょう。
築5年以内|築浅として高く評価されやすい
築5年以内のマンションは、建物や住宅設備の劣化が少なく、築浅物件を希望する買主からの需要が見込めます。新築時に近い内装や設備が保たれていれば、周辺の築古マンションよりも高く評価されるでしょう。
ただし、新築時の購入価格と中古マンションを売却するときの価格は、同じ基準で決まるわけではありません。中古市場では、売却時点の市況や周辺の成約事例、室内の状態などをもとに価格が判断されます。そのため、築浅であっても購入価格を下回るケースがあれば、市況や立地によっては中古でも購入価格を上回るケースもあります。
マンション売却では、購入時の価格を基準にするのではなく、現在の相場と査定価格を確認しましょう。
築6~10年|価格と需要のバランスを取りやすい
築6~10年のマンションは、築浅としての印象を保ちながら、新築よりも価格を抑えて購入できる物件として買主から検討されることがあります。建物や共用部分の状態が良好であれば、設備の新しさや住みやすさをアピールポイントにできます。
一方、実際の売却価格は最寄り駅からの距離や所在階、眺望などを考慮されます。また、室内の使い方によって壁紙や床、設備に劣化が見られると、相場よりも価格が低くなる場合もあるでしょう。売却前に不具合の有無を確認し、同じ築年数だけでなく、条件の近い住戸と比較して売出価格(広告などに掲載する売り出すときの価格)を決定することが大切です。
築11~15年|管理状態や修繕計画も確認される
築11~15年になると、築年数だけでなく、建物が適切に維持管理されているかも買主の判断材料になります。共用部分であるエントランスや廊下、エレベーターが清潔に保たれ、管理組合が適切に運営されているマンションは、築年数が進んでいても評価されやすい傾向です。
マンションによっては、大規模修繕を実施している、または実施時期が近づいている場合があります。長期修繕計画、工事の実施履歴、今後の修繕予定、修繕積立金の改定予定などを確認し、不動産会社へ説明できるようにしておきましょう。
築16~20年|設備の状態と修繕履歴が重視される
築16~20年のマンションは、専有部分の設備や内装の状態によって価格差が生じやすくなります。キッチン、浴室、トイレなど水回りの設備が新築時のままの場合、買主が購入後の交換費用を見込んで見送るケースがあります。
売却前に、設備の故障や不具合、過去の修繕履歴がわかる資料を用意しておきましょう。大規模なリフォームを行っても、その費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。自己判断で工事を行うのではなく、現状のまま売却しても問題ないか、事前に不動産会社へ相談することが重要です。
築21~30年|住宅ローンの利用条件が影響することがある
築21~30年のマンションは、買主が住宅ローンを利用する際、建物の劣化状況や耐震性などの物件要件を確認されるケースがあります。築年数だけで住宅ローンの審査可否が決まるわけではなく、買主の収入や年齢、金融機関の審査基準なども影響します。適切に修繕・管理され、長期修繕計画や管理規約などが整備されているマンションであれば、買主が住宅ローンを利用することは十分可能です。
売却前に、長期修繕計画や大規模修繕の履歴を確認できる資料を用意しておきます。所有する物件で利用できる住宅ローン商品について、不動産会社に確認しておくことも有効です。
築31~40年|設備更新と修繕費の負担を確認する
築31~40年のマンションでは、大規模修繕を複数回実施している物件もあるため、給排水管やエレベーターなどの設備更新が注目されることがあります。過去にどのような工事が行われ、今後どの程度の修繕費が見込まれているかが、買主の判断材料になるでしょう。
売却前に大規模修繕や設備更新の履歴、長期修繕計画、修繕積立金の残高、値上げや一時金の徴収予定を確認しましょう。将来の負担に関する情報を正確に提示できれば、買主が購入後の資金計画を立てやすくなります。
築41年以上|立地・管理・耐震性を個別に評価する
築41年以上のマンションは、築年数だけで一律に相場を判断することが難しく、物件ごとの個別性が強くなります。駅前や都心部など需要の高い立地で、建物の維持管理が適切に行われていれば、築年数が古くても売却できる可能性はあります。
一方、旧耐震基準に該当する物件は、耐震診断や耐震改修の有無が重要です。築年数が古い物件は、建替えや敷地売却に関する検討状況なども確認されるでしょう。そのため、立地や管理状態が近い成約事例をもとに価格を決めることが重要です。
マンションの築年数だけで判断せず現在の査定額を確認しよう
マンションは一般的に築年数が浅いほど高く評価されやすい一方、築30年を超えた物件でも数多く取引されています。実際の売却価格は、築年数だけでなく、立地や専有面積、所在階、室内の状態、修繕計画などによって異なります。
売却を検討するときは、同じマンションや条件の近い物件の成約事例を確認したうえで、不動産会社の査定を受けましょう。不動産会社によって査定に使用する事例や販売方針が異なるため、1社だけで判断せず、複数社の査定額と根拠を比較することが大切です。 「リビンマッチ」では、一度の入力で最大6社に査定を依頼できるためぜひご活用ください。
マンション売却と築年数に関するよくある質問
- マンションはいつまでに売却するとよい?
- 築21年以降は価格が下落するおそれがあるので、築20年を目安に売却を検討するよいでしょう
- 築年数は浅ければ浅い方がいいの?
- 物件の条件にもよりますが、築年数が浅いほど高値で売却されている傾向です
- マンションの売り時は所有期間も関係する?
- 所有期間5年を超えると長期譲渡所得となり、10年超の場合は軽減税率の特例を利用できる場合があります。

大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
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