東証上場 リビン・テクノロジーズ株式会社(東証グロース上場)が運営するサービスです  証券コード:4445

借地に建てた家の処分方法は?解体費用と売却の選択肢

更新日:
借地に建てた家の処分方法は?解体費用と売却の選択肢

借地に建てた家を処分する場合、必ずしも建物を解体して土地を返還する必要はありません。地主に買い取ってもらうほか、借地権と建物を第三者に売却する方法などもあります。ただし、処分方法によっては、地主の承諾が必要になります。

この記事では、借地に建てた家の処分方法と費用負担、地主との交渉や売却時の注意点を解説します。

この記事でわかること

  • 借地に建てた家を解体せずに処分する4つの方法と条件
  • 誰が解体費用を負担するのか
  • 相続した家を処分する場合の対処法

借地に建てた家を処分する方法

借地に建てた家が不要になったら、必ずしも建物を解体して土地を返還する必要はありません。地主に買い取ってもらうほか、借地権と建物を第三者に売却する方法などもあります。

ただし、借地契約の内容や建物の状態、地主の意向によって選べる方法は異なります。主な処分方法は、次の4つです。

借地に建てた家の主な処分方法
処分方法建物の解体主な条件・注意点
地主に建物の引き取りを相談する原則不要地主の合意が必要。条件によっては建物買取請求権を行使できる
借地権と建物を第三者に売却する原則不要土地の賃借権を譲渡する場合、原則として地主の承諾が必要
地主と協力して土地・建物を一括売却する原則不要地主の協力と売却代金の配分について合意が必要
建物を解体して土地を返還する必要借地契約の終了と解体費用の負担の確認が必要

地主に建物の引き取りを相談する

借地に建てた家が不要になった場合は、地主に建物を引き取ってもらえないか相談する方法があります。地主が建物を利用する予定があれば、解体せずに土地を返還できる可能性があります。

ただし、地主に建物を引き取る義務はありません。引き取りに応じてもらえる場合でも、有償で買い取ってもらうのか、無償で譲渡するのかなど、条件について協議する必要があります。

また、地主との交渉によって、借地権の価値を考慮した対価を受け取れる場合もありますが、必ずしも認められるものではありません。建物の扱いや費用負担、借地契約の終了条件を確認しておきましょう。

なお、普通借地権では、契約期間が満了し、更新されない場合に、法律にもとづいて建物の買い取りを請求できることがあります。これを建物買取請求権といい、借地人の都合で家を処分する場合に自由に行使できるものではありません。

借地権と建物を第三者に売却する

地主が買い取りに応じない場合でも、借地権と建物をセットにして第三者へ売却する方法があります。建物を解体せずに売却代金を得られるという、メリットのある処分方法です。

ただし、土地を借りる権利が賃借権の場合、第三者への譲渡には原則として地主の承諾が必要です。承諾の条件として、譲渡承諾料(名義書換料)の支払いを求められることもあります。

また、借地権付き建物は、借地契約の残存期間や地代、更新条件などが購入希望者の判断に影響します。通常の所有権付き住宅とは売却条件が異なるため、借地権の取引に詳しい不動産会社へ相談するとよいでしょう。

なお、地主が譲渡を承諾しない場合でも、一定の要件を満たせば裁判所に承諾に代わる許可を申し立てることができます。

地主と協力して土地・建物を一括売却する

地主が土地の売却にも応じる場合は、地主の所有する土地(底地)と、借地人の所有する借地権付き建物を第三者へ同時に売却する方法もあります。

この方法では、買主は土地と建物の両方を所有できるため、借地権付き建物だけを売却する場合よりも、購入希望者の幅が広がる可能性があります。

ただし、地主と借地人の双方が売却に合意することが前提です。また、土地と借地権付き建物はそれぞれ別の財産であるため、売却代金をどのように分けるか、事前に決める必要があります。

地主との関係が良好で、双方が不動産を手放したいと考えている場合に検討したい方法です。

建物を解体して土地を返還する

地主への売却や第三者への譲渡が難しい場合は、建物を解体し、更地に戻して土地を返還する方法があります。

借地契約が終了したときは、原則として建物を撤去して土地を返還する必要があります。解体費用は通常、借地人が負担しますが、契約内容や地主との合意によって取り扱いが異なる場合があります。

注意したいのは、建物を解体しただけでは借地契約が終了するとは限らないことです。契約期間の途中で土地を返還したい場合は、中途解約に関する特約の有無を確認し、必要に応じて地主と合意する必要があります。

また、建物を解体した場合は、原則として建物が滅失した日から1カ月以内に、建物滅失登記を申請する必要があります。

解体にはまとまった費用がかかるため、まずは地主への売却や第三者への譲渡ができないか確認し、それらが難しい場合に解体・返還を検討するとよいでしょう。

借地に建てた家の解体費用は誰が負担する?

借地契約が終了し、建物を解体して土地を返還する場合、解体費用は原則として借地人が負担します。ただし、地主との合意や建物買取請求権の行使などによって、解体せずに土地を返還できる場合もあります。

解体費用を負担する前に、借地契約の内容と建物を残せる可能性を確認しておきましょう。

更地返還する場合は原則として借地人が負担する

借地契約が終了したときは、原則として借地人が建物を撤去し、更地に戻して地主へ返還する必要があります。建物は借地人の所有物であるため、解体費用も通常は借地人が負担します。

解体費用は建物の構造や大きさ、立地条件によって異なります。たとえば、重機が入りにくい場所や、アスベストを含む建材が使用されている建物では、追加費用がかかることがあります。

ただし、契約期間の途中で家が不要になったとしても、解体すれば自由に借地契約を終了できるわけではありません。中途解約に関する特約がない場合などは、地主との合意が必要になります。

解体工事を依頼する前に、契約の終了時期、建物の撤去範囲、費用負担について地主と確認しておきましょう。

解体しなくてもよい場合がある

借地契約を終了する場合でも、地主が建物を引き取ることに合意すれば、解体せずに土地を返還できます。建物が使用できる状態であれば、地主に買い取ってもらう方法も考えられます。

また、普通借地権では、契約期間が満了し、更新されない場合に、地主へ建物の買い取りを請求できることがあります。これを「建物買取請求権」といい、借地借家法第13条などに定められています。

ただし、借地人の都合による中途解約や合意解約の場合には、原則として建物買取請求権は認められません。契約期間の満了時に借地人が更新を希望しない場合は、契約終了の経緯などによって取り扱いが異なるため、個別の確認が必要です。

また、一般定期借地権では、法律で定められた方式により、契約の更新や建物買取請求をしない旨の特約を設けることができます。契約書の内容を確認しましょう。

建物を解体すると、解体費用が発生するだけでなく、建物を買い取ってもらう選択肢も失われます。処分を急いでいる場合でも、解体前に地主との協議や借地権付き建物の売却を検討しましょう。

借地に建てた家を処分するときの注意点

借地に建てた家を処分するときは、建物だけでなく、土地を借りる権利である「借地権」の扱いにも注意が必要です。通常の持ち家とは異なり、契約内容によって処分方法が制限されることがあります。

特に、借地契約の内容、地主の承諾の必要性、契約終了の条件を事前に確認しておきましょう。

借地契約の内容を確認する

借地に建てた家を処分する前に、まず土地の賃貸借契約書などで借地契約の内容を確認しましょう。特に重要なのは、次の項目です。

  • 契約期間と満了日
  • 普通借地権か定期借地権か
  • 借地権の譲渡に関する条件
  • 中途解約や土地返還に関する条件
  • 建物の解体や原状回復に関する取り決め

普通借地権では一定の条件のもとで契約の更新が認められますが、定期借地権は原則として更新がありません。また、1992年7月31日以前に設定された借地権には、旧借地法が適用される場合があります。

契約期間が満了するからといって、必ず借地契約が終了するわけではありません。適用される法律や契約内容によって取り扱いが異なるため、古い借地契約ほど慎重な確認が必要です。

契約書が見つからない場合は、地主に契約内容を確認し、必要に応じて借地問題に詳しい専門家へ相談しましょう。

地主の承諾が必要な場合を確認する

借地権には、土地を借りる「賃借権」と、土地を使用する物権である「地上権」があります。一般的な住宅の借地契約では賃借権が多く、第三者へ借地権を譲渡する場合は原則として地主の承諾が必要です。

地主の承諾を得ずに借地権を譲渡すると、契約解除などのトラブルにつながるおそれがあります。

また、譲渡の承諾を得る際には、譲渡承諾料(名義書換料)の支払いを求められることがあります。ただし、承諾料の金額や負担方法は一律に決められているわけではありません。地主との協議や売買条件に応じて確認する必要があります。

なお、地上権は原則として地主の承諾なく譲渡できますが、権利の設定内容などを確認しておくことが重要です。

借地権の譲渡を検討する場合は、売却活動を始める前に、地主の意向を確認しておくとよいでしょう。

契約期間中の解約は地主と協議する

借地に建てた家が不要になっても、借地契約を自由に中途解約できるとは限りません。

契約期間の定めがあり、中途解約を認める特約がない場合は、原則として地主との合意が必要です。建物の老朽化や転居などで住まなくなったとしても、それだけで借地契約が終了するわけではありません。

地主と中途解約について協議するときは、主に次の点を確認しましょう。

  • 借地契約を終了する日
  • 建物を解体するか、そのまま引き渡すか
  • 解体費用や土地返還に伴う費用の負担
  • 未払いの地代や保証金などの精算

特に、建物を解体してから地主に契約終了を申し出ることは避けましょう。解体しても契約が終了せず、地代の支払いが続くおそれがあります。

地主と合意できた場合は、後日のトラブルを防ぐため、解約日や返還条件などを書面に残しておくことが大切です。

相続した家は名義と契約内容を確認する

親などから借地に建てた家を相続した場合は、建物の所有者と借地契約の内容を確認しましょう。

借地権は相続できる財産であり、相続による承継には原則として地主の承諾は必要ありません。ただし、地代の支払いなどの契約上の義務も引き継ぐため、相続したことを地主に連絡しておくとよいでしょう。

また、相続した建物の所有権については、相続登記が必要です。2024年4月1日から相続登記が義務化され、原則として不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。2024年4月1日より前に相続したことを知っていた未登記の不動産については、原則として2027年3月31日が申請期限です。

相続人が複数いる場合は、誰が借地権と建物を引き継ぐのかを確認する必要があります。遺産分割が終わっていない場合は、処分について相続人間で話し合いましょう。

なお、相続による借地権の承継には地主の承諾が不要でも、相続した借地権を第三者へ売却する際には、原則として地主の承諾が必要です。相続した家を処分したい場合は、権利関係を確認したうえで地主に相談しましょう。

借地に建てた家を売却するコツ

借地に建てた家を売却する場合は、借地権と建物をセットにして売却するのが一般的です。ただし、通常の所有権付き住宅とは異なり、地主との調整や借地契約の条件確認が必要になります。

借地権の取引に詳しい不動産会社へ相談し、売却できる条件と見込まれる価格を確認することが重要です。また、地主から譲渡の承諾を得られない場合でも、売却を進められる可能性があります。

借地権の売却に詳しい不動産会社に相談する

借地権付き建物の売却では、建物の状態だけでなく、借地契約の内容も売却価格に影響します。特に、次のような条件が重要です。

  • 借地契約の残存期間や更新条件
  • 地代の金額や改定条件
  • 建物の築年数や状態
  • 建て替えや借地権の譲渡に関する条件
  • 地主への譲渡承諾料などの費用

借地権の価値を考える際には、国税庁が公表している借地権割合が参考になることもあります。ただし、借地権割合を使った評価額は相続税・贈与税の計算に用いるものであり、その金額で売却できるわけではありません。

実際の売却価格は、借地契約の条件や購入需要などによって異なります。そのため、借地権付き建物の売却実績がある複数の不動産会社に査定を依頼し、査定価格だけでなく、売却方法や地主との調整方針も比較しましょう。

借地権の売却に詳しい会社であれば、通常の仲介だけでなく、地主への売却や底地との一括売却など、物件の状況に合った方法を提案してもらえる可能性があります。

地主の承諾が得られない場合は裁判所への申立ても検討する

借地権が土地の賃借権である場合、第三者への譲渡には原則として地主の承諾が必要です。しかし、地主が承諾しない場合でも、一定の条件を満たせば裁判所に承諾に代わる許可を申し立てることができます。

借地借家法第19条では、借地権を取得する第三者によって地主に不利益が生じるおそれがないにもかかわらず、地主が譲渡を承諾しない場合、裁判所が代わりに許可を与えられると定めています。

ただし、申し立てれば必ず許可されるわけではありません。裁判所は借地契約の残存期間やこれまでの経緯、譲渡が必要な事情などを考慮して判断します。また、許可にあたって地主への金銭の支払いなどが条件となることもあります。

なお、借地人が裁判所へ譲渡許可を申し立てた場合、地主が自ら借地権と建物を買い受けることを申し立てる場合もあります。裁判所が認めれば、相当の対価などを定めて地主への譲渡を命じることがあります。

なお、古い借地契約では旧借地法が適用される場合があるため、適用される法律の確認も必要です。

借地に建てた家の処分に関するよくある質問

借地に建てた家の処分について、よくある質問に回答します。

借地権とは何ですか?
建物を所有する目的で、他人の土地を借りる権利のことです。主に賃借権と地上権があり、契約内容によって建物の売却や土地の返還に関する条件が異なります。借地権は建物とは別の財産的価値を持つため、処分するときは両方の権利を確認する必要があります。
借地に建てた家も地主に返したいときはどうすればよいですか?
まず借地契約の内容を確認し、地主に返還を希望することを伝えましょう。契約期間の途中では、地主との合意が必要になる場合があります。また、建物の解体や費用負担についても協議が必要です。解体する前に返還条件を決めておくことが重要です。
地主に建物の買い取りを断られたらどうすればよいですか?
地主との任意の交渉で買い取りが成立しない場合は、借地権と建物を第三者へ売却する方法があります。一定の条件を満たせば、地主の承諾に代わる裁判所の許可を得られる場合もあります。また、契約期間満了時などに建物買取請求権が認められる場合は、任意の買い取りとは扱いが異なります。
相続した借地に建てた家も処分できますか?
相続した借地権と建物も売却や返還によって処分できます。借地権の相続自体には原則として地主の承諾は必要ありませんが、第三者への売却には原則として承諾が必要です。まずは相続人や建物の名義、借地契約の内容を確認し、地主と処分方法を相談しましょう。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。

コンテンツの引用ルール

運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)

カテゴリー
不動産売却コラム
タグ

リビンマッチコラムを引用される際のルール

当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。

引用ルールについて

カテゴリー一覧

Copyright © Living Technologies Inc. All rights reserved.
トップへ