不動産一括査定のデメリットを検証!失敗しない活用法とは?
不動産の売却を検討したら、できるだけ高く売るために複数の不動産会社に査定を依頼して、価格を比較するのが一般的です。
その簡単な方法として、不動産一括査定があります。不動産一括査定は、1回の入力で複数の不動産会社に物件の査定をしてもらえるインターネットサービスです。
便利なサービスですが、利用したことがない人にとってはデメリットがないのか不安でしょう。しかし、仕組みを理解すればメリットも多いため、うまく活用しましょう。
もくじ
不動産一括査定の仕組み
不動産一括査定の仕組みや利用方法を紹介します。
不動産一括査定とは
不動産一括査定とは、インターネット上で物件情報を入力し、複数の不動産会社へ同時に査定依頼ができるサービスです。手数料は発生せず、無料で査定結果を受け取れます。
不動産売却では、査定価格と不動産会社を比較することが何よりも重要ですが、10年程前までは何社もの会社に実際に足を運ぶしか方法がありませんでした。
昨今では、パソコンやスマートフォンからたった1回入力するだけで依頼できる、不動産一括査定を利用する人が増えています。急速に利用が拡大しましたが、メリットとデメリットを理解して賢く利用しましょう。
査定方法は2種類ある
不動産一括査定で依頼を受けた不動産会社が査定する方法は、「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
机上査定 | 訪問査定 | |
---|---|---|
メリット | 結果が早く出る |
|
デメリット | 比較的精度が低い | 結果が出るまで時間がかかる |
机上査定
実際に現地を見ずに、立地や面積、築年数などの情報と路線価などの市場データを照合し、簡易的に査定価格を算出します。
結果が即日~3日以内を目安に、早く出るのがメリットですが、個々の状況は加味されていないので比較的精度の低い方法です。最終的な売却価格と差が生じる可能性が高いため、あくまでも相場を知る目的で利用するとよいでしょう。
訪問査定
不動産会社の担当者が実際に現地を見て査定します。
戸建てなら、まずは以下のような項目を外から確認します。
- 土地の形状
- 接地する道路の状況
- 境界
- 外壁の状態
室内では、以下などがチェック対象です。
- 使われている建材
- 電気やガスなどの設備
- 間取りの使いやすさ
また、駅までの道のりや周辺の商業施設、治安も重要な要素です。
机上査定で出た査定価格にこれらを加味して、より売却価格に近い査定価格が算出されます。
訪問の対応に手間と時間がかかり、担当者とも詳しい打ち合わせをするため、机上査定で検討対象に残った不動産会社に依頼しましょう。
不動産一括査定の利用の流れ
不動産一括査定は、以下のような流れで利用します。
- 物件情報・依頼者の連絡先入力
- 査定依頼する不動産会社を選択
- 受け取った査定結果を比較
- 訪問査定
- 媒介契約を結び売却スタート
もちろん、不動産一括査定を利用したからといって、必ずしも不動産を売却する必要があるわけではありません。査定結果を確認した結果、今は売却のタイミングではない、となるかもしれません。
1:物件情報・依頼者の連絡先入力
まず、以下のような項目を入力します。
- 依頼者の連絡先
- 物件の所在地
- 物件種別(戸建て・マンション・土地)
- 築年数
- 面積(土地面積・建物面積・専有面積)
- 間取り
たとえば、リビンマッチの場合はチャット形式のため、最短45秒で入力が完了します。
この段階では、詳細な物件情報はなくても依頼できます。また、売却の理由など細かい事情を知らせる必要もありません。
2:査定依頼する不動産会社を選択
不動産の種類や地域により対応できる不動産会社の候補が提示されるので、依頼先を選択します。選択できる会社はサイトごとに異なり、たとえばリビンマッチの場合は、大手から地元密着型まで選べて、最大6社です。
この際、依頼先を1社だけに絞ると査定結果を比較できません。一般的には、現実に対応することを考え、5社前後を選んで依頼するケースが多いようです。
3:受け取った査定結果を比較
依頼後、数日から約1週間で、価格と算出根拠が記載されている査定結果がメールや郵送で届きます。
ほかに、会社案内や売却の流れ、諸費用などの資料が同封されていることもあるようです。比較して訪問査定に来てもらう不動産会社を選び、アポイントを取ります。
不動産会社によっては、精度が高い訪問査定を実施するために、早い段階でスケジュールを確認してくれます。
4:訪問査定
不動産会社の担当者が実際に訪問し、建物や設備の状態を見て、より精度の高い査定を行います。
リフォームや修繕の履歴、雨漏りや給排水管の不具合など、気になる箇所があれば担当者へ伝えましょう。
売却の理由や希望金額、希望売却時期が明確にある場合は、相談しながら最適な売却方法とスケジュールを考えていきます。
5:媒介契約を結び売却スタート
訪問査定の結果を検討して売却を決めたら、媒介契約を結ぶ不動産会社を決定します。
媒介契約とは、物件の売却依頼をする不動産会社と結ぶ契約です。不動産会社は、売主にとってよりよい条件で物件を売るために、宣伝して買主を見つけます。
媒介契約に手数料はありません。売買契約が成立したあとに、成功報酬として仲介手数料を支払います。
媒介契約は、以下の3種類あります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
依頼できる不動産会社 | 複数社可能 | 1社のみ | 1社のみ |
買主・売主の直接契約 | 可 | 可 | 不可 |
契約期間 | 法律上定めなし | 3カ月以内 | 3カ月以内 |
レインズ※への登録義務 | 任意 | 必須 | 必須 |
たとえば最終候補が3社残った場合、3社全部と媒介契約を結ぶのが一般媒介契約、1社だけに絞るのが専任媒介契約や専属専任媒介契約です。
また、直接契約とは、不動産会社の仲介なく売主と買主間で売買契約を結ぶことです。たとえば親が子どもに売ることになった場合です。自分で買主を見つける可能性があるなら、直接契約ができる一般媒介契約か専任媒介契約を検討するとよいでしょう。
とにかく広く買主を探したい人は一般媒介契約、窓口を1社にしてすべて任せたい人は、専任媒介契約と専属専任媒介契約のどちらかを選択しましょう。
不動産一括査定のデメリット
不動産一括査定を利用するうえで注意するべきデメリットと、それに対する解消方法を紹介します。
デメリット1:どのサービスを選べばよいかわからない
不動産一括査定のサービスは数多くあります。登録されている不動産会社も、大手のみに絞っているサイトから、全国数千社が登録されているサイトまでさまざまです。
迷ったときは、まずは売却物件の所在地とサイトの登録社数で判断するとよいでしょう。
物件数が多い都市部ならば、大手・準大手・地域密着型それぞれの不動産会社をバランスよく選べるサイトがおすすめです。
逆に物件数自体が少ない地方部や、査定したい物件が住んでいる場所から離れており土地勘がない場合は、地元密着型の不動産会社を選べるサイトが最適です。
また、中小規模の不動産会社に売却を依頼しても物件情報を広く知ってもらえないのでは、と心配かもしれません。しかし、現在では物件を探している人のほとんどがSUUMOやLIFULL HOME’Sなどのポータルサイトで物件情報にたどり着くため、大きな不利にはなりません。
デメリット2:詳しい物件情報がわからない・入力の手間がかかる
査定価格を算出するためには正確な物件情報が必要ですが、調べる方法がわからず、面倒になって先送りするケースもあります。
しかし、不動産一括査定では、所在地、間取り、物件の種類(マンション・戸建て)がわかれば利用できます。より正確な情報は訪問査定の段階で確認するので、面積や築年数はおおよその数字で入力します。「固定資産税・都市計画税納税通知書」があれば、記載事項を参考にしてもよいでしょう。
査定のあと、媒介契約から成約までにはさまざまな書類が必要ですが、用意するタイミングや取得先はその都度で教えてもらえるので、最初は何もなくて問題はありません。
デメリット3:個人情報を入力しなければならない
ほとんどの不動産一括査定のサービスでは、依頼者の名前や連絡先の入力が求められます。個人情報の入力に抵抗感があり、利用を途中で断念する人も少なくありません。
しかし、個人情報の入力は、依頼者と不動産会社の双方にとって不可欠な理由があります。
まず不動産会社は、売却依頼をもらい成約の結果、仲介手数料を得ることを目的に無料査定しています。そのため、依頼者の身元を明らかにし、売却の権限を持っているかを確認するために個人情報が必要です。
一方、依頼者にとっては、他人が匿名で自分の不動産の査定を依頼する「なりすまし」を回避するメリットがあります。
それでも個人情報の開示に不安がある人は、匿名で査定価格を検索できるサイトを利用する方法もあります。ただし、実際の価格と差がある可能性が高く、対象物件も少ないため、あくまで不動産一括査定の前の下見と考えましょう。
リビンマッチの運営企業は、外部機関が認める個人情報保護規定に合格し、プライバシーマークを取得しています。また、相談窓口もあるため、安心して利用できます。
デメリット4:査定価格に差があり、どれが正しいかわからない
大前提として、査定価格と実際の売却価格は必ずしも一致しない、と認識しましょう。したがって、一番高い価格を提示した不動産会社に売却を依頼するのが必ずしもよいとは限りません。
各社の平均価格を目安に、極端に高いまたは低い金額を提示する会社には、必ず根拠を確認しましょう。
早期の成約を狙って低い価格で売り出せば、当然売主の利益が減ってしまいます。
逆に、競合他社を出し抜いて契約を結びたいために、高い金額を提示している可能性もあります。相場とかけ離れた価格で売り出せば、長期間にわたり成約できず値下げをする事態になりかねません。
このようなリスクを避けるために、事前に自分で類似物件の相場価格を調べておけば、各社を比較しやすくなります。
成約実績価格は、以下のサイトなどで調べられます。
- 不動産流通機構「REINS Matket Information」
- 国土交通省「土地総合情報システム」
また、現在の売り出し価格は不動産検索サイトで確認できます。
デメリット5:営業電話の対応に困る
不動産一括査定を利用すると、不動産会社から営業電話が来て対応に困ることがあります。
対策として「メールや郵送で結果を受け取りたい」「急ぎの売却ではない」などの要望をはっきりと伝えておきましょう。電話連絡の時間帯を指定したり、一括査定用のフリーアドレスを取得したりしておくのも有効です。
これらの対策をしても希望を無視して一方的な連絡をする不動産会社は契約対象から外し、あまりにもしつこい場合は不動産一括査定のサービス運営会社に相談してみてもよいでしょう。
査定したからといって必ず売却依頼するわけではないことは、不動産会社もよく理解しています。「違うな」と思った段階ではっきりと断ってもまったく問題ありません。
しかし、煩わしいからと、担当者とまったく話さずに決めるのは危険です。査定結果にある程度納得したら、担当者との相性を判断するためにも一度は直接話すことをおすすめします。
デメリット6:どの不動産会社に売却依頼すればよいかわからない
各社の査定結果を確認して売却の意思が固まったら、どの不動産会社に依頼するかを決めます。迷ったときは、ここで紹介する2点に注目しましょう。
査定価格の根拠が説明されているか
自社での類似物件の取引実績や周辺地域の売買傾向、市場の状況が説明されていて、提示価格に納得できるかを判断します。
売却プランを提示しているか
売り出し価格により成約時期が変わってくるので、いくつかのパターンを示して売主の希望に対応できる柔軟性があるか確認しましょう。
無料査定だからといって、フォーマットを埋めただけの内容の薄い査定書を出す不動産会社は除外してよいでしょう。
うまく活用すれば一括査定にもメリットがある
不動産一括査定をうまく活用すれば、前述したようなデメリットを十分にカバーして、多くのメリットを得られます。
メリット1:何社もまわる手間と時間が省ける
不動産一括査定の最大のメリットは、1回のインターネット申込みで複数の不動産会社に査定依頼を出せることです。1社ずつ依頼する場合のように、物件情報を各社のフォーマットに合わせて何度も入力する必要はありません。
また、査定価格に納得できなかったのに断るタイミングを逸して時間を無駄にしたり、そもそも自分の物件に対応していなかったりといったリスクを最小限に抑えられます。
不動産一括査定なら、1社ごとに問い合わせる手間と時間を大幅に省いて、査定結果を見てからじっくり不動産会社選びをスタートできます。
メリット2:気軽に始められる
「家族構成が変わったので住み替えをしたい」「実家の処分をしなければならない」など考えていても、何から手を付けてよいのかがわからないときは不動産一括査定を利用するのが最適です。
その場でインターネット上に情報入力をするだけ、時間もお金もかからないのでノーリスクで気軽に始められるというメリットがあります。
査定結果を元にライフプランに合わせた不動産売却を始める第一歩になります。
メリット3:信頼できる営業担当者を選べる
不動産一括査定を利用すれば、最低限の手間と時間で複数の営業担当者を比較できます。
直接会う前から、メールなどで担当者の知識量や礼儀、対応の速さを見ることができるのは大きな利点です。
売却経験者に満足いく取引ができた理由を聞くと「信頼できる担当さんだったから」と答える人も多く、不動産の売却には担当者との相性は重要なポイントです。
値下げ交渉を想定して売り出し価格を決定するのも、担当者との信頼関係があるからこそできることです。希望や事情に寄り添いつつ、物件の価値を下げない営業スキルを持っている担当者が理想的といえるでしょう。
不動産一括査定をやってみた人による評判
実際に不動産一括査定をやってみた人の口コミをいくつか紹介します。
必要な不動産業者への問い合わせがすぐできるサイトなので、1つ1つ不動産業者を探す手間が省けました。問い合わせした後は営業電話などかかってきますが、きっぱりお断りすればしつこくないので変な不動産業者は出てこないので安心です。
いくつかの不動産業者の見積もりが欲しいと思っていたところこちらのホームページでいくつかの不動産業者の見積もりがもらえました。いくつかの項目に必要事項を入力するだけだったので非常に簡単でした。
いろいろなところと比較したいけど足を運ぶのは時間がなかったので、一括で不動産の見積もり依頼ができるのは良かった
このように、インターネット上で手軽に複数社の査定結果を比較したい方に向いているといえます。
おすすめの不動産一括査定サービスは?
よく使われている不動産一括査定サービスについては、以下の記事でそれぞれ解説しています。
それぞれの評判をみると、よい口コミと悪い口コミがあるため、比較してみましょう。
おすすめは、リビン・テクノロジーズ株式会社(証券コード 4445)が運営している日本最大級の一括査定サイト「リビンマッチ」です。
リビンマッチは2006年からの運営実績があり、全国の優良不動産会社が多数加盟しています。もちろん無料ですし、最短45秒で査定依頼が完了するため、ぜひ利用してみましょう。
不動産一括査定のデメリットに関するよくある質問
- 不動産一括査定はどういう仕組み?
- インターネット上で物件情報を入力し、複数の不動産会社へ同時に査定依頼ができるサービスです。手数料は発生せず、無料で査定結果を受け取れます。
- 不動産一括査定のデメリットは?
- 「どのサービスを選べばよいかわからない」「詳しい物件情報がわからない・入力の手間がかかる」「個人情報を入力しなければならない」「査定価格に差があり、どれが正しいかわからない」「営業電話の対応に困る」「どの不動産会社に売却依頼すればよいかわからない」といったデメリットがあります。しかし、うまく活用すればデメリットを十分にカバーして、多くのメリットを得られます。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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