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インバウンド需要増で不動産価格は上昇?投資・売買をする際の注意点

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インバウンド需要増で不動産価格は上昇?投資・売買をする際の注意点

新型コロナウイルス感染症の影響で、インバウンド需要は一時的に低下しました。しかし、収束に向かっている今日では回復傾向にあります。

その結果、外国人観光客や海外からの投資家など、日本に来る外国人の不動産需要が増加しています。特に外国人投資家は、日本の不動産に対して高い関心を持っており、賃貸や購入、投資などの需要を生み出しています。

現在、不動産価格は上昇傾向にありますが、その原因はインバウンドによるものでしょうか。また、インバウンド需要に期待して不動産投資や売買をする際には、どのような注意点があるでしょうか。詳しく見ていきましょう。

【基礎知識】インバウンドとは

インバウンドとは、旅行業界で外国人の日本旅行のことを指します。反対に、日本人が海外旅行することをアウトバウンドといいます。

また、インバウンド需要とは、海外在住の外国人が日本に来てモノやサービスを購入する消費活動のことです。中国人観光客が日本国内のモノを買い占める「爆買い」は、インバウンド需要があることを示しています

新型コロナウイルス感染症の影響で、インバウンド需要は大きく低下していました。しかし、渡航制限が緩和され、徐々に盛り返しを見せています。そのため、インバウンドは回復傾向にあり、旅行・観光業界では巻き返しが期待されることでしょう。

インバウンド投資とは

インバウンド投資とは、外国人投資家による、日本国内の不動産物件への投資・購入のことを言います。もとより外国人には日本らしさが感じられる日本旅館や民泊も人気を集めており、それらもインバウンド投資先として注目されていました。

新型コロナウイルス感染症による訪日外国人数の推移

日本政府観光局の訪日外国人数の推移を見ると、新型コロナウイルス感染症の影響で一時低迷していた訪日外国人数は大きく盛り返していることがうかがえます。

2019~2023年7月時点における訪日外国人の推移
西暦(年) 累計(人) 前年同月比(伸び率)
2019 31,882,049 2.2%
2020 4,115,828 ‐87.1%
2021 245,862 ‐94.0%
2022 3,832,110 1,456.6%
2023年7月時点 13,032,900 1,898.3%

参考:日本政府観光局(JNTO)「国籍/月別 訪日外客数(2003年~2023年)(PDF)

訪日外国人の消費動向の推移

観光庁によると、2023年4~6月期において訪日外国人(外国人観光客)が日本旅行で消費した額は1兆2,052億円でした。日本旅行でもっとも多くの額を消費しているのは台湾人で、次いで米国人、中国人、韓国人です。

2023年4~6月期の訪日外国人の消費動向

2023年4~6月期の訪日外国人の消費動向

画像引用:観光庁「【訪日外国人消費動向調査】2023年4-6月期の全国調査結果(1次速報)の概要

新型コロナウイルス感染症の影響により、2019年をピークに2020・2021年は訪日外国人の消費額が大きく下降しました。しかし、規制緩和された2022年4‐5月期、7‐9月期以降は大きな回復を見せています。今後も訪日外国人の消費は、回復していくことが見込まれます。

インバウンド回復で不動産価格は上昇する可能性がある

現在、日本の不動産価格は住宅ローンの低金利や、円安、ウッドショックなどの要因により上昇傾向にあります。

さらに今後、インバウンド需要が回復することで、不動産価格を押し上げる可能性があります。

【前提】日本の不動産価格は上昇傾向にある

下記は、国土交通省が公表している令和5年4月分の不動産価格指数です。

令和5年4月分の不動産価格指数

令和5年4月分の不動産価格指数

画僧引用:国土交通省「不 動 産 価 格 指 数 ( 令 和 5 年 4 月 ・ 令 和 5 年 第 1 四 半 期 分 )

2020年下半期あたりから、不動産価格は「住宅総合」「住宅地」「戸建て住宅」「マンション」すべての区分で上昇傾向にあります。元来から大きな伸びを見せていたマンション(区分所有)を含めて、不動産価値が上昇しているのです。

ただし、上昇には地域差があります。国土交通省の「【報道発表】不動産価格指数(令和5年4月・令和5年第1四半期分)の公表」によると、令和5年第1四半期で住宅総合の不動産価格で上昇が見られるのは、東京都の対前月比1.9%、愛知県の対前月比6.0%です。反対に、大阪府では対前月比-4.2%で地域ごとに差があります。

不動産価格指数(令和5年4月・令和5年第1四半期分)

不動産価格指数(令和5年4月・令和5年第1四半期分)

画像引用:国土交通省「【報道発表】不動産価格指数(令和5年4月・令和5年第1四半期分)の公表」

不動産価格が高騰している要因はいくつかありますが、特に建築コストの高騰と日銀が進める低金利政策の影響が強いです。どちらの要因もしばらく継続する可能性が高いことから、上昇傾向は今後も続くことが予想されます。

インバウンド投資も不動産価格の上昇要因になっている

不動産価格が上昇する要因として無視できないのが、インバウンド投資です。円安や低金利政策の影響によって、外国人投資家が日本の不動産を購入する動きが加速してます。

特に、首都圏などの人気エリアは、今後も価格の高止まりが続く可能性があるでしょう。元来、日本の不動産は割安感が強いとされていますから、投資においては魅力が大きいです。

それに対し、アメリカやイギリスなど世界的な住宅価格は今後、低下傾向になっていくとされています。これは、住宅ローンの金利上昇が要因として挙げられます。金利の上昇はローンを組むうえで、負担の大きいものになることが理由でしょう。


OECD(経済協力開発機構)の調査でも日本の不動産価格は急上昇

OECDは経済協力開発機構の略で、日本を含む38カ国が加盟しています。フランスのパリに本部があり、先進国間の自由な意見・情報交換をつうじて「経済成長」「貿易自由化」「途上国支援」に貢献することを目的に設立されました。

下記は、OECDによる2018~2022年における日本の実質住宅価格指数の推移です。なお、OECD Dataによると、2023年1期における、日本の実質住宅価格指数は128です。

OECDによる2018~2022年における日本の実質住宅価格指数の推移

OECDによる2018~2022年における日本の実質住宅価格指数の推移

画像引用:OECD「Housing prices

2020年は2019年と比べ実質住宅価格指数はほぼ同じですが、2021年以降急上昇しています。2021年は訪日外国人数が24万5,862人と前年に比べ‐94%の伸び率だったことからも、過去のインバウンド需要の落ち込みによる影響はあまり受けていないといえます。

インバウンド需要が回復すると、不動産投資が活性化する

インバウンド需要が回復・増加することで、いまより不動産価格が上がる可能性は十分にあります。なぜなら、外国人投資家が日本に来日し、実際の物件を内見しやすくなるためです。

実際の物件を直接確認できるため、日本の不動産を購入する意欲はより高まりやすくなります。その結果、外国人投資家による不動産投資が活性化し、不動産価格の上昇につながります。

たとえば、「国際不動産価格賃料指数」(2023 年 4 月現在)の調査結果によると、東京にある最上位クラスのオフィス価格の平均は世界2位です。香港の次に、高い数値を示しています。

東京にある最上位クラスのオフィス価格の平均

東京にある最上位クラスのオフィス価格の平均

画像引用:日本不動産研究所「国際不動産価格賃料指数」(2023 年 4 月現在)

なお、国際不動産価格賃料指数とは、世界の主要都市における不動産価格や賃料を指数化したものです。この指数は、各国や地域の不動産の制度や慣習について、統一目線で横並びでの比較検討を行うために作成されています。

また、賃料で見ても香港、ロンドン、ニューヨークの次に高いのが、東京都の最上位のオフィスです。

東京にある最上位のオフィス賃料の平均

東京にある最上位のオフィス賃料の平均

東京にある最上位のオフィス賃料の平均

画像引用:日本不動産研究所「国際不動産価格賃料指数」(2023 年 4 月現在)

商業施設やホテルの需要も増える見込み

インバウンド需要が増加することで、旅行・観光の活性化が見込まれます。これにより、旅行・観光業界の雇用が拡大し、その分野で働く人が増えていきます。

住居は勤務先に近いところにする人が多いため、観光地・商業施設の近くにある賃貸マンションへの入居が増えるでしょう。それらのマンションに投資すると、空室リスクが小さく安定した収益が見込まれます。

また、旅行・観光が活性化し観光客が増加することで近隣のホテルや民泊などの宿泊施設も需要が高まり、賃貸マンションを宿泊施設として利用することも予想されます。そのため、旅行・観光業での雇用が拡大すると、賃貸マンションへの入居が増える可能性が出てきます。

ホテルも同様で、観光・旅行で利用する人が増えていくでしょう。人気の立地であれば空室リスクも小さく、高い利回りが期待できます。

以上の理由から、インバウンド回復による日本の不動産投資は追い風といえます。投資としての見通しは、明るいのではないでしょうか。


2022年のインバウンドによる不動産投資額は99.6億ドル

100カ国以上で事業を展開するCBREの「Japan Investment Major Report- In_and_Out_2022_JP」によると、2022年のインバウンドによる海外からの不動産投資額は99.6億ドルでした。

外国人投資家によるインバウンド投資

外国人投資家によるインバウンド投資

画像引用:CBRE「Japan Investment Major Report- In_and_Out_2022_JP」

また、不動産の種類別に見ると2022年度はオフィスへの投資額が1番高く、2番目に高いのが住宅でした。

主要不動産の投資額

主要不動産の投資額

画像引用:CBRE「Japan Investment Major Report- In_and_Out_2022_JP」

東京のオフィスビルの利回りは依然として高い

不動産を買うかどうかを決めるのによく使われる指標が、イールドスプレッドです。イールドスプレッドとは、投資物件を購入する際の住宅ローンの金利と利回りの差のことです。金利の%より利回りの%が上回っていれば、利益の期待値が高いことになります。

たとえば、5,000万円の不動産を購入するとします。年間の利回りが5%で金利が2%なら、3%がイールドスプレッドです。つまり3%と4%のイールドスプレッドなら、4%のほうが利益の期待値が高く、3%のほうが低くなります。

また、同じ5,000万円の不動産の年間利回りが1%だとします。金利が2%なら、イールドスプレッドは-1%とマイナスになりますので、利益の見込みは低く購入には適さないと判断できます。

以下は世界の主要都市における、グレードの高いオフィスビルの利回りデータです。イールドスプレッドをもとにしています。

世界の主要都市における、グレードの高いオフィスビルの利回りデータ

世界の主要都市における、グレードの高いオフィスビルの利回りデータ

画像引用:CBRE「Japan Investment Major Report- In_and_Out_Japan H1 2022」

上海やシドニー、シンガポールといった海外の主要都市と比べても、東京オフィスビルのイールドスプレッドの値がもっとも大きいことがわかります。値が大きいほど利益の期待値が高いことを示すのがイールドスプレッドですので、金利に対し、東京オフィスビルの利回りがもっとも高いことを示しています。

ただし、今後も日本で低金利の状態が続くとは限りません。金利は景気や物価、為替変動などの影響を受けるため、低金利のうちに不動産売買できるよう、金利の動向にも注目しておきましょう。


不動産投資・売買をする際の注意点

不動産投資・売買を行うには、いくつの注意点があります。

購入競争に勝つ

海外の主要都市と比較すると、東京の物件は比較的割安感があります。その分、不動産取得の競争が高まり価格が高騰し、高騰してしまったがゆえに、物件の取得が難しくなるおそれがあります。

購入競争に負けてしまうと、リサーチなどの時間が無駄になってしまうことは、リスクとして認識しておきましょう。

流動性リスクを加味する

流動性リスクとは、売買のしやすさです。不動産は簡単に売買ができるわけではなく、買い手を探すことはもちろん、手続きなどにも時間がかかります。

スピーディーに売買できないことは、注意点として抑えておきましょう。不動産投資は長期的な運用を見越して、売却に時間がかかっても問題がないような資金を確保し、投資することが重要です。

立地とアクセスのよさは妥協しない

不動産投資をするなら、立地とアクセスのよさは、とても重要です。不動産の価値に直結します。

投資に当たっては、以下のようなエリアに気を付けましょう。

  • 人口が減少している
  • 駅までの距離が遠い
  • 交通の利便性が低い
  • 自然災害が想定される
  • コンビニエンスストアなどが撤退
  • 治安が悪い
  • ひとつの施設に依存している

これらのエリアは、不動産投資において注意すべき立地・アクセスの注意点ですので、しっかり押さえておきましょう。

不動産会社選びを間違えない

投資物件を購入・売買する際には、以下の重要ポイントを考慮する必要があります。

  • どのエリアのどんな不動産を選ぶか
  • 必要な頭金と住宅ローンの金額
  • 最適な購入のタイミング
  • リフォームの必要性と程度
  • 売却価格の設定と売却のタイミング


投資の成果を出すためには、海外の不動産投資家との競争を勝ち抜く戦略が重要です。不動産価格の上昇により、都心部など需要の高い不動産などは資金力の低い一般の人では手が出しにくくなります。

現在は、日本の低金利や円安が資金力の高い外国人投資家の関心を引き、億超えマンションなどの大規模な物件をキャッシュで購入するケースが増えています。今後は、このような資金力のある投資家に先駆けて、早めに低価格で購入することが重要になってくるでしょう。

利回りの高い不動産を購入し、絶好のタイミングで売却するには、信頼性のある不動産会社の選択が必須です

そのため、インバウンド不動産投資に精通した、信頼できる不動産会社を選ぶことが望ましいです。以下のポイントに留意し、どの会社に売買を依頼するか絞り込みましょう。

  • 物件のあるエリアに精通している
  • 多数の営業店舗を展開している
  • 対応がスピーディー
  • 適切な価格設定や売却のタイミングなど、提案力がある
  • 対象不動産の売却実績が豊富
  • 外国人投資家とのコネクションがある
  • 熱心な相談対応がある

なお、当メディアのリビンマッチでは、信用調査をクリアした会社のみから、不動産を査定してもらえます。信頼できる会社から、最大6社の査定価格を確認できるので、不動産を売買予定の方はぜひ参考にしてください。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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