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インバウンド需要増で不動産価格は上昇?投資・売買をする際の注意点

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インバウンド需要増で不動産価格は上昇?投資・売買をする際の注意点

近年、外国人観光客や海外からの投資家など、日本に来る外国人の不動産需要が増加しています。特に外国人投資家は、日本の不動産に対して高い関心を持っており、賃貸や購入、投資などを行っています。

現在、日本の不動産市場は政府の金融政策や円安の進行により、大きな転換期を迎えているといえるでしょう。外国人観光客や海外投資家によるインバウンド需要が、実際の不動産価格や取引にどのような影響を与えているのか、最新の動向を踏まえて解説します。

【基礎知識】インバウンドと不動産市場の関係性

「インバウンド」とは、外国人が日本へ旅行することです。インバウンド需要は、滞在中の外国人が日本のモノやサービスを購入することを指します。

2020年の新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に需要は落ち込みましたが、2024年以降は訪日外客数が過去最高を更新し続けています。最近は単なる観光消費に留まらず、日本の不動産を資産として購入する動きが活発化しています。

インバウンド投資とは

インバウンド投資とは、外国人投資家が日本国内の不動産を購入・運用することです。2025年はドル=140円後半〜150円台という記録的な円安を背景に、海外投資家から見た日本の不動産は「極めて割安な優良資産」として映っています。

また、訪日外国人の増加により、宿泊施設や商業施設などの需要拡大が期待されています。もとより外国人には日本らしさが感じられる日本旅館や民泊が人気を集めており、それらもインバウンド投資先として注目を集めているのです。

一方で、最近は都心の超高層マンションや物流施設など、投資対象が多角化している傾向があります。

新型コロナウイルス感染症による訪日外国人数の推移

日本政府観光局の訪日外国人数の推移を見ると、新型コロナウイルス感染症の影響で一時低迷していた訪日外国人数ですが、2023年に大きく盛り返していることがうかがえます。それ以降も伸び率は低いですが、堅調に増加しているのがわかります。

2019~2023年7月時点における訪日外国人の推移
西暦(年)累計(人)前年同月比(伸び率)
201931,882,0492.2%
20204,115,828‐87.1%
2021245,862‐94.0%
20223,832,1101,456.6%
202325,066,350554.1%
2024年36,870,14847.1%
2025年42,683,83715.8%

参考:日本政府観光局(JNTO)「国籍/月別 訪日外客数(2003年~2026年)(PDF)

訪日外国人の消費動向の推移

観光庁の「インバウンド消費動向調査(2025年 1次速報)」では、2025年の訪日外国人の旅行消費額は過去最高となる9兆4,559億円となりました。消費額では中国が復調しつつあり、台湾、米国、韓国が上位を占めています。

この旅行消費額は、観光地の地価押し上げ要因の一つとなっています。

国籍別の訪日外国人旅行消費額と構成比

画像引用:観光庁「インバウンド消費動向調査2025年暦年(速報)及び10-12月期(1次速報)の結果について

新型コロナウイルス感染症の影響により、2019年をピークに2020・2021年は訪日外国人の消費額が大きく下降しました。しかし、規制緩和された2022年4‐5月期、7‐9月期以降は大きな回復を見せています。今後も訪日外国人の消費は、回復していくことが見込まれます。

最新の不動産市況とインバウンドによる価格上昇の可能性

ここでは、現在の不動産価格の推移と、金利上昇や円安が投資判断に与える影響について解説します。

インバウンドが不動産にどのような影響を与えるのか詳しく見ていきましょう。

【前提】日本の不動産価格は上昇傾向にある

国土交通省が公表している「不動産価格指数」によると、依然として価格は高値で推移しています。

不動産価格指数2025/01

画僧引用:国土交通省「不動産価格指数(令和7年11月・令和7年第3四半期分)

同資料によると、特に都市部のマンション価格の上昇が著しく、区分所有マンションの指数は2010年比で約2倍の水準に達しています。

ただし、すべての地域で不動産価格が上がっているわけではありません。上昇には地域差があるため注意が必要です。最新の調査では、北海道地方や中部地方の一部は横ばい、あるいはわずかに減少を見せているエリアもあり、二極化が進んでいるといえます。

不動産価格指数(令和7年11月・令和7年第3四半期分)

画像引用:国土交通省「不動産価格指数(令和7年11月・令和7年第3四半期分)

不動産価格が高騰している要因は複数ありますが、深刻な人手不足による建築コストの高騰と長引く低金利政策の影響が強いといわれています。2024年から2025年にかけて、政府は段階的な利上げに踏み切ったものの、実質賃金や物価動向などを背景に、不動産需要は堅実に推移しているのがわかります。

インバウンド投資も不動産価格の上昇要因になっている

不動産価格が上昇する要因として無視できないのが、インバウンド投資です。円安や低金利政策の影響によって、外国人投資家が日本の不動産を購入する動きが加速しています。

特に、首都圏などの人気エリアは、今後も価格の高止まりが続く可能性があるでしょう。元来、日本の不動産は割安感が強いというイメージがあり、投資においては魅力が大きいのです。

それに対し、アメリカやイギリスなど世界的な住宅価格は今後、低下傾向になっていくと予想されています。これは、住宅ローンの金利上昇が要因として挙げられます。金利の上昇はローンを組むうえで、負担が大きいことも理由のひとつでしょう。

それに対し、アメリカやイギリスなど世界的な住宅価格は今後、低下傾向になっていくと予想されています。これは、住宅ローンの金利上昇が要因として挙げられます。金利の上昇はローンを組むうえで、負担が大きいことも理由のひとつでしょう。

金融政策の変更とインバウンド投資への影響

不動産市場において現在最も注視されているのが、日本銀行の金融政策です。日銀は2025年12月の金融政策決定会合において、政策金利を0.5%程度に引き上げる決定を下しました。

金利の上昇は、国内の住宅ローン利用者にとっては負担増となりますが、海外投資家にとっては「円の価値が正常化に向かう」というポジティブな側面もあります。極端な円安が修正される過程で、資産価値の目減りを防ぐための駆け込み需要が発生するケースも見られます。

特に、首都圏などの人気エリアは、今後も価格の高止まりが続く可能性があるでしょう。欧米諸国と比較して、日本の不動産は依然として高い「キャップレート(還元利回り)」を維持しており、世界的な投資マネーの流入が続いています。

OECD(経済協力開発機構)の調査でも日本の不動産価格は急上昇

OECDは経済協力開発機構の略で、日本を含む38カ国が加盟しています。

下記の図は、OECDによる2018〜2022年における日本の名目住宅価格指数の推移を示したものです。2015年を100としているため、バブル崩壊後の長期下落からスタートしていますが、直近数年間における住宅価格の上昇傾向を確認できます。

なお、OECD Dataによると、2025年第3四半期における、日本の名目住宅価格指数は118です。

OECDによる2018~2022年における日本の名目住宅価格指数の推移

OECDによる2018~2022年における日本の名目住宅価格指数の推移

画像引用:OECD「Housing prices

名目住宅価格指数は、バブル崩壊後は100を切っていったものの、2025年時点で回復してきています。これはインバウンド需要に加え、国内のインフレ期待が不動産市場に波及しているためと考えられます。

インバウンド需要が回復すると、不動産投資が活性化する

インバウンド需要が回復・増加することで、いまより不動産価格が上がる可能性は十分にあります。なぜなら、外国人投資家が来日し、実際の物件を内見しやすくなるためです。

実際の物件を直接確認できるため、日本の不動産を購入する意欲はより高まることが考えられます。その結果、外国人投資家による不動産投資が活性化し、不動産価格の上昇につながるのです。

令和2年のデータですが、国土交通省「建設産業・不動産業:海外投資家アンケート調査」の調査結果によると、海外投資家による日本への投資は拡大傾向にあるとの記載が見られました。以下は、不動産投資が行われている物件の用途をまとめた図です。

日本における主要な不動産投資用途

画像引用:国土交通省「令和2年度 海外投資家アンケート調査業務

用途別ではオフィスと商業施設への関心が高くなっています。ただし、上記のデータはコロナ禍の最中に行われた調査のため、ホテルやレジデンスに関しては慎重姿勢が目立っているといえるでしょう。

2025年時点では、東京のオフィスやマンションの価格は、世界的に見ても高い競争力を保っています。賃料水準も安定しており、インカムゲインを重視する海外ファンドにとって、東京は魅力的なマーケットといえるでしょう。

商業施設やホテルの需要も増える見込み

インバウンド需要が増加することで、旅行・観光の活性化が見込まれます。特にホテルは、コロナ禍で慎重な見方が多かった一方で、海外投資家は長期的なインバウンド需要の回復を見込み、取得機会と捉えている方もいました。

近年は、訪日外国人の増加にともない、宿泊施設そのものだけでなく、人気のエリアにある商業施設や住宅需要も高まっています。観光地では民泊の空室リスクが低く、安定した収益が見込まれるでしょう。

ホテルも同様で、観光や旅行で利用する人が今後増えていくでしょう。立地が良ければ空室リスクも小さく、高い利回りが期待できます。

以上の理由から、インバウンド需要の回復は、商業施設やホテルを中心に、日本の不動産投資には追い風といえます。

インバウンドによる不動産投資額は増加傾向

CBREの「不動産マーケットアウトルック2026」によれば、日本の事業用不動産投資額が2025年に6兆円超で過去最大となったため、2026年も同水準が見込まれています。

海外投資家における投資額

画像引用:CBRE「不動産マーケットアウトルック2026

海外投資家の投資額は前年期と比べると約3倍となりましたが、複数の外資系ファンドが今後も継続して日本に投資する方針のため、投資額は増加していく可能性が高いでしょう。さらに、金融政策によって利上げを行ったことにより、「金利の先行きが不透明な時期」から「安定した金利による安定成長期」へと移行したと捉える投資家が増えています。

また、同社の「2026 アジア太平洋地域の投資家意識調査」によると、アジア太平洋地域内で魅力的な投資先として、7年連続で日本が1位にランクインしています。

魅力的な海外投資先ランキング

画像引用:CBRE「2026アジア太平洋地域の投資家意識調査:日本

東京のオフィスビルの利回りは依然として高い

不動産を買うかどうかを決めるのによく使われる指標が、イールドスプレッドです。イールドスプレッドとは、投資物件を購入する際の住宅ローンの金利と利回りの差のことです。金利の%より利回りの%が上回っていれば、利益の期待値が高いといえます。

たとえば、5,000万円の不動産を購入するとします。年間の利回りが5%で金利が2%なら、イールドスプレッドは3%です。つまり3%と4%のイールドスプレッドなら、4%のほうが利益の期待値が高く、3%のほうが低くなります。

また、同じ5,000万円の不動産で年間利回りが1%だとします。金利が2%なら、イールドスプレッドは-1%とマイナスになりますので、利益の見込みは低く購入には適さないと判断できます。

以下は世界の主要都市における、グレードの高いオフィスビルの利回りデータです。イールドスプレッドをもとにしています。

主要都市のプライムオフィスの推定イールドスプレッド

画像引用:CBRE「不動産マーケットアウトルック2026

上記の図を見ると、東京にあるプライムオフィスは、世界の主要都市の中ではイールドスプレッドが低い部類に入るといえます。

ただし、イールドスプレッドが大きい都市ほど「国債に対して高い上乗せ利回りが求められる市場」、小さい都市ほど「国債に対して求められる上乗せ利回りが小さい市場」と考えられています。

東京は上海やマンハッタン、シドニーなどよりスプレッドが小さいため、市場の安定性や賃貸需要、流動性の高さが評価されていると読み取れます。つまり、東京は世界的に見ても「安全性や信頼性が高い一方、利回り面では攻めにくい市場」といえるのです。

不動産投資・売買をする際の注意点

金利が上昇局面にある場合は、一般的な不動産投資・売買とは異なる注意点があるため、詳しく解説します。

金利上昇リスクの織り込み

政府による2025年12月の追加利上げにより、変動金利・固定金利ともに上昇傾向にあります。

そのため、不動産投資や売買する際は今後の追加利上げの可能性を考慮し、収支シミュレーションを行う必要があります。イールドスプレッド(利回りと借入金利の差)が縮小することも考えて判断しましょう。

円安・円高による為替変動

2026年4月時点で1ドル=150円前後の円安水準ですが、日米の金利差縮小により円高方向に振れる場合があります。海外投資家との取引においては、為替変動が不動産の成約価格に大きな影響を与えることを理解しておく必要があります。

購入競争に勝つ

海外の主要都市と比較すると、東京の物件は比較的割安感があるのが現実です。不動産取得の競争が高まると価格が高騰し、物件の取得が難しくなるおそれがあります。

購入競争に負けてしまうと、リサーチや内見対応などの時間が無駄になってしまうことは、リスクとして認識しておきましょう。

流動性リスクを加味する

流動性リスクとは、売買のしやすさのことです。不動産は簡単に売買ができるわけではなく、買い手を探すことはもちろん、手続きなどにも時間がかかります。

基本的には、スピーディーに売買できないと考えておきましょう。不動産投資では長期的な運用を見越して、売却に時間がかかっても問題がないよう資金を確保し、投資することが重要です。

立地とアクセスのよさは妥協しない

金利が上がっている局面では、資産価値が落ちにくい物件への「選別」が不可欠です。

投資に当たっては、以下のようなエリアに気を付けましょう。

  • 人口が減少している
  • 駅までの距離が遠い
  • 交通の利便性が低い
  • 自然災害が想定される
  • コンビニエンスストアなどが撤退
  • 治安が悪い
  • ひとつの施設に依存している
  • 災害リスク(ハザードマップ)が高いエリア

これらのエリアは、不動産投資において注意すべき立地・アクセスの注意点ですので、しっかり押さえておきましょう。

不動産会社選びを間違えない

投資物件を購入・売買する際は、以下のポイントを考慮する必要があります。

  • どのエリアの物件を選ぶか
  • 必要な頭金と住宅ローンの返済額
  • 最適な購入のタイミング
  • リフォームの必要性と費用
  • 売却価格の設定と売却のタイミング

インバウンド需要や金利動向を正確に把握するためには、最新の市場データに基づいて的確に提案ができるパートナーが必要です。

現在は、資金力のある外国人投資家が、都心の優良物件をキャッシュ(現金)で購入するケースが目立っています。こうした動きをこまめに確認し、適切な売却タイミングをアドバイスできる会社を選びましょう。

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この記事の編集者

リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

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