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円安時代の不動産!価格は上がるが低金利で買いどき?高値で売りやすい?

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円安時代の不動産!価格は上がるが低金利で買いどき?高値で売りやすい?

日本では2022年3月以降、急速な円安の進行が見られます。円安が進むと外貨との交換時に円の価値が低下するため、食品、衣類、エネルギーなど多くを輸入に頼っている日本では、あらゆるものの価格が上昇しやすくなります。

円安の影響は、不動産市場においても例外ではありません。

では、円安は不動産市場にどのような影響を及ぼすのでしょうか。本記事では円安が進行しているいま知っておきたい、円安による不動産売買の影響や住宅価格の変動についてわかりやすく解説します。

【事前知識】円安とは?円安になる要因

円安になる主な要因は以下の3つです。

  • 他国との金利差が広がる
  • 非常事態時は、米ドルの価値が上がり円の価値が下がりやすい
  • 日本の国力が落ちる

以下では、円安になる主な要因についてそれぞれ解説します。

他国との金利差が広がる

日本はマイナス金利を2015年から続けているため、日本の普通預金の金利平均は現在0.001%と円で預金しても金利がほとんどつきません。

しかし、アメリカなどの主要国は近年大きく金利を上げています。特にアメリカに関しては、2023年現在5%を超える政策金利になっています。

米(アメリカ)ドルの外貨預金の場合は、為替手数料はかかるものの日本円での預金に比べ高い金利を享受できることから、日本円が売られて円安になっているのです。

非常事態時は、米ドルの価値が上がり円の価値が下がりやすい

投資家は国際的な緊張状態が高まると、リスクを避けるため自国通貨からより安定した通貨に資金移動する傾向があります。

近年において安定した通貨として挙げられやすいのは、米ドルです。なぜなら、戦争などで国が緊張状態になると、「流動性のあるドルを買っておけば安心」という経験則から、基軸通貨である米ドルが購入される傾向にあるからです。

たとえば、ロシアによるウクライナ侵攻が起きた際、価値が下落するおそれのある資産を売却し米ドルを購入してリスクを回避しようとします。

米ドルの購入数が増えることで、ほかの通貨の需要が低下します。その結果、自国通貨の需要が低下し、その通貨の価値が下落します。これが、非常事態時に円安になる一因といえます。

外国為替市場において現時点での米ドルの取引高は全体の約44%以上で、2位のユーロの約15%より29%上回っています。米ドルの取引高が高いことから、災害や戦争などの非常事態時には、積極的に米ドルが購入される傾向にあるのです。

日本は世界最大の対外純資産国!なぜ円が購入されにくくなったのか

2011年10月末、1ドル約75円と日本は過去最大の円高でした。また、コロナショック時やリーマンショック時などの有事の際も円高となり日本円が購入されていました。そのもっとも大きな要因が、日本が世界最大の対外純資産国であることです。

対外純資産とは、日本が海外に保有している資産から、借金などの負債を差し引いたものです。では、有事の際に対外純資産が多い国の貨幣が購入されやすい理由は何でしょうか。

海外に貯めた資産を無駄にしないために、売却して国内資産を購入する動きが加速するためです。それにより自国通貨の価値が上がる(円高となる)のです。

財務省が2023年5月に公表した「主要国(地域)の対外純資産、為替相場の推移」によると、2022年末時点の日本の対外純資産は418兆6,285億円と、2位のドイツの389兆509億円を大きくリードして世界最大です。また、日本の対外純資産は32年連続世界1位で、2022年は過去最高を記録しています。

しかし、なぜ世界最大の対外純資産国なのに、今日のウクライナ侵攻などの有事の際に以前より日本円が購入されず円安になっているのでしょうか。

海外にこれだけ多くの資産があることは日本がお金持ちではあるものの、国内に多くの資産を投資する需要が少ないことの裏返しでもあるからです。

たとえば、あなたが米アップル社の株を購入し、利益を得たとしましょう。外国株を購入して利益を得たので、対外純資産は上がります。このように、日本ではなく海外に投資して利益を得た人が多数派を占めているのが、大きな要因です。

日本に投資したい人が多くいれば、そもそも海外に多くの資産を持つ必要性がないのです。

また、中国などの海外に直接工場を持ち、支払いや購入も海外の通貨でそのままやり取りする企業が増加したことも理由のひとつです。つまり、日本円を海外に貯めこむ企業が少なくなったため、有事の際に日本円に戻すお金も少なくなっているということです。

さらに、ドルとの金利差が大きいことや原油などの価格高騰により、日本はいずれ恒常的な赤字体質に転落するとの見方が大きくなっています。

そのため、以前のように有事の際に日本円が購入されることが少なくなったのです。

日本の国力が落ちる

日本は超高齢化社会に突入しており、15歳から64歳までの生産年齢人口は年々減少しています。生産年齢人口とは15〜64歳の主に労働の中核を担う人口のことです。生産年齢人口が少なくなると働き手が少なくなり、製品やサービスの供給が不足しやすくなります。

さらに、税収の減少や社会保障負担の増加など、経済も低迷しやすくなるでしょう。

経済の低迷は国力の低下につながります。為替レートは総じて各国の国力を反映するとされていますから、国力の低下は円安の要因といえるでしょう。

政府は出生率を上げるため、さまざまな政策を掲げていますが、政策が功を奏しない限り今後さらに国力が落ち、円安になる悪循環になるおそれがあります。

不動産価格は上昇傾向!日本の不動産は割安で売り手市場?

国土交通省が2023年9月29日に公表した「不動産価格指数(令和5年6月・令和5年第2四半期分)」によると、日本の不動産価格はマンションをはじめ、年々上昇傾向です。

不動産価格指数(住宅)(令和5年6月分・季節調整値)

不動産価格指数(住宅)(令和5年6月分・季節調整値)

画像引用:国土交通省「不動産価格指数(住宅)(令和5年6月分・季節調整値)

この不動産価格の上昇も円安が影響しています。円安が進んだ日本の不動産は、海外から見ると割安で購入できるため、東アジア圏のみならず、英語圏からの不動産購入検討者が増加しました。

結果、不動産価格が高騰して国内での購入者が減ったとしても、海外の富裕層が日本の不動産を購入しているため、不動産の価格は年々上昇しているのです。

円安の状況は所有する不動産を売却する際に買い手が見つかりやすく、売却価格も高くなる傾向があります。そのため、不動産の売却を検討している場合は、円安の時期に見積もりするとよいでしょう。


感染症流行で世界は大混乱だったが不動産価格は上昇

2020年の初頭から大流行した新型コロナウイルス感染症によって、日本では外出が規制され、多くの商品やサービスの需要が低下しました。しかし、そのなかでも、日本の不動産価格は上昇を続けていました。

不動産価格上昇の理由はさまざまですが、行動が制限されたことにより、富裕層を中心にお金が余る状態になり、不動産投資にお金が向かったという意見が多数派を占めています。

以下は、2012~2022年における中古マンション、新築・中古戸建ての成約価格の推移です。

2012~2022年の中古マンションの成約価格

2012~2022年の中古マンションの成約価格

画像引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)

2020~2021年の新型コロナウイルス流行時も、中古マンションの成約価格は上昇していることがわかります。

さらに中古戸建て住宅においても、2020~2021年にかけて成約価格は上昇しています。

2012~2022年の中古戸建て住宅の成約価格

2012~2022年の中古戸建て住宅の成約価格

画像引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)

同様に、新築戸建て住宅においても2020~2021年、成約価格が上昇しています。

2012~2022年の新築戸建て住宅の成約価格

2012~2022年の新築戸建て住宅の成約価格

画像引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)

このように中古マンション、新築・中古戸建ての成約価格は、新型コロナウイルス流行という世界が大混乱に陥っている中でも、上昇していたのです。

需要が増えると売却価格は高くなる

日本の不動産は円安が進んだことで、海外の人が購入しやすくなりました。

その結果、海外の富裕層を中心に需要が増え、価格がさらに上昇したのです。その循環により、今後ますます不動産価格が上昇する可能性があります。


低金利で住宅を購入しやすい(日本の約70%が変動金利型を選択)

国土交通省の「令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、2021(令和3)年に住宅ローンを借りた方のうち、変動金利型を選択している人の割合は76.2%でした。以下のように、変動金利型を選択する人の割合は年々増えています。

変動金利型を選択している人の割合推移
西暦 割合
2017年 50.7%
2018年 60.5%
2019年 63.1%
2020年 70.0%
2021年 76.2%

変動金利型は景気変動の影響を受け、約半年に1回金利が見直されるのが一般的です。景気が悪い円安のときは低金利になり、景気が良い円高のときは高金利になります。

景気が悪い円安時は低金利になりやすい

景気が悪いときは、多くの人が出費を抑えようとするため、銀行からお金を借りる人が減ります。お金を借りたい人が減れば、銀行がお金を貸す額も減ります。

お金を貸す額が減るということは、その分銀行の利益になる利息が減るため、多くの人にお金を借りてもらおうとお金を借りるための利子、つまり金利を下げるのが一般的です。そのため、景気が悪い円安時は低金利になりやすいのです。

反対に景気がよいときは、それだけお金を使いたい人も増えるので、銀行からお金を借りたい人が増えます。お金を借りたい人が増えれば、銀行はそれだけ多くのお金を貸すことになるため、それを抑制しようと金利を上げる、という仕組みです。

また、景気をよくしたいとき、銀行は意図的に金利を上げることもできます。金利が上がれば、銀行に預けたお金の利子が高くなりますから、日本の銀行に預金する海外投資家や外国のお金を日本円に換算する人が増え、円の価値が高まり円高になるためです。

低金利からの急な金利上昇はしにくいため円安が長期化

金利が上昇し円高になると、変動金利型の住宅ローンを選択していた人たちは返済すべき返済利子が高くなり、返済負担が増えます。

住宅ローンの返済利子が急に増えると、返済できない人も出てくるでしょう。変動金利型を選択している人が多く、住宅ローンの支払いで困る人が増えるため、政府は金利を上げにくく、円安の状態が長く続いている状況です。

円安時の固定金利は損?変動金利型を選択した人が恩恵を受ける理由

金利が上昇しても返済利子が変わらないのは、固定金利型の住宅ローンですが、固定金利は景気の影響を受けないため、その分高く設定されています。そのため、固定金利を選択したものの、低金利の状態が長く続いた場合は、変動金利型よりも返済額が増えてしまいます。

低金利の状態が続くほど景気にも影響するため、政府は徐々に金利を上げる可能性もあります。金利が高くなると住宅ローンを組む方の出費も多くなるため、不動産は売れにくくなるでしょう。

そのため不動産を高値で売りたい方や早く売りたい方は、なるべく低金利のうちの売却がおすすめです。


円安を理由に不動産売買する際の注意点

円安を理由に不動産売買をする際の主な注意点は2つです。それぞれの注意点を説明します。

価格は上がるが低金利で買いどき?購入時の注意点

不動産価格の上昇は、東京都心部などを中心に続いていますが、住宅ローンの金利は低い状態が続いています。低金利であれば住宅ローンの総返済額は少なくなるため、住宅の購入はしやすくなります。住宅ローンの金利推移は以下のとおりです。

住宅ローンの金利推移

住宅ローンの金利推移

画像引用:一般社団法人住宅金融普及協会「金利について

変動金利はここ数年2.475%となっていますが、実際に多いのは優遇金利が適用されるケースです。1%を切る水準で住宅ローンの借り入れができるのが一般的です。

参考までに、1983年からの変動金利の平均の3.8%と0.5%で住宅ローン5,000万円を35年で借りた場合の毎月の返済額と総返済額をシミュレーションしてみました。(ボーナス払いはなし)(元利返済)

金利3.8%で住宅ローン5,000万円を35年で借りた場合の毎月の返済額と総返済額のシミュレーション結果

金利3.8%で住宅ローン5,000万円を35年で借りた場合の毎月の返済額と総返済額のシミュレーション結果

金利0.5%で住宅ローン5,000万円を35年で借りた場合の毎月の返済額と総返済額のシミュレーション結果

金利0.5%で住宅ローン5,000万円を35年で借りた場合の毎月の返済額と総返済額のシミュレーション結果

画像引用:一般社団法人住宅金融普及協会「金利について

毎月の返済額と総返済額のシミュレーション結果
金利 3.8% 0.5%
毎月の返済額 21万5,429円 12万9,792円
総返済額 9,048万28円 5,451万2,740円

シミュレーションによると、返済総額は金利3.8%だと9,048万28円、0.5%では5,451万2,740円となり、差額は3,596万7,288円でした。

このように金利が低いと、毎月の返済額も総返済額も少ない金額で抑えられます。金利が低い現在は、住宅を購入するには良いタイミングであるといえるでしょう。

ただし、購入価格が高いと返済が大変です。低金利時にローンを組んで住宅を購入するのは正しい判断ですが、あまりにも無理しすぎると円高になったとき、返済が困難になるおそれがあります。

価格とのバランスを考慮して、購入しましょう。

高値で売却しやすい?売却時の注意点

以下は、2013〜2022年における三大都市圏の中古マンション、70㎡あたりの価格推移です。中部圏、近畿圏、首都圏において、2013年当時と比べ2022年の年間平均価格がすべて上昇していることがわかります。

2013年~2022年における三大都市圏の中古マンション、70㎡あたりの価格推移

2013年~2022年における三大都市圏の中古マンション、70㎡あたりの価格推移

画像引用:東京カンテイプレスリリース「中古マンション価格(年間版)

具体的には首都圏における、70㎡あたりの中古マンションの平均価格は2013年が 2,791万円なのに対して、2022年は4,716万円と9年間で1,925万円上昇しています。


また、戸建て住宅においても近年、価格は上昇傾向です。

不動産価格指数(住宅)(令和5年6月分・季節調整値)

不動産価格指数(住宅)(令和5年6月分・季節調整値)

画像引用:国土交通省「不動産価格指数(住宅)(令和5年6月分・季節調整値)

このような状況を見ると現在は高値で売却しやすい状況であるといえます。

しかし、1990年代の不動産バブル崩壊のように、今後も不動産価格が上昇し続けるとは限りません。複数の要素が重なり合うことで不動産価格は上昇しているため、金利上昇などひとつの変化をきっかけに、今後価格が下落するリスクは否定できないでしょう。

「今後も価格が上昇する可能性があるから、もう少し待ってから売却したい」という考えも一理ありますが、待っている間に経済状況が変わり、不動産価格が下がってしまうおそれがあります。

また、経済状況に関係なく、不動産価格は築年数が浅いほど高値で売却しやすくなります。つまり、築2年目より1年目のほうが高値で売却できる可能性が高いため、売却時期は築年数を考慮すると、できるだけ早めがおすすめです。

売却に失敗しないためには、円安などの経済状況に注力しつつも、築年数など不動産の価値に直結する要素についても正確に把握することが大切です。

不動産の価値を確認し、仮に円高であっても築年数が古くなることで価格が下がってしまうのであれば、相対的に見て円高時に売却したほうがよいこともあります。

いつ売却するか判断するには、まず不動産の価値を把握しましょう。一括査定サイトのリビンマッチでは、最大6社の不動産会社に家の価値を無料診断してもらえます。

会社によって査定価格が異なりますので、できるだけ複数社に査定依頼してベストタイミングで売却に踏み切りましょう。

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