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【Q&A】不動産売却の注意点をまとめて紹介!失敗しないためのポイントを解説

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【Q&A】不動産売却の注意点をまとめて紹介!失敗しないためのポイントを解説

不動産売却では数百万円、数千万円という大金を取引するため、ちょっとしたミスが大きな損失につながることもあります。そのため、わからないことがあれば、積極的に調べたり、質問をしたりすることが大切です。

マンションや戸建て、土地といった不動産を売るときに知識不足から損をしないよう、知っておきたい注意点をまとめて紹介します。この記事で気になるところだけでも、チェックしておきましょう。

リビンマッチのポイント

不動産を売却するときは、契約をはじめとする重要なポイントがいくつもあります。わからないまま進めてしまうと、思わぬトラブルになるため注意しましょう。特に住宅ローンの残債の確認、売り出し価格の決定、購入希望者との価格交渉は重要です。スケジュールにも注意しましょう。

もくじ

不動産売却の注意点をしっかり確認しよう!

不動産売却は、次のようにいくつかの段階に分けられます。

  • 不動産の売却を検討する
  • 媒介契約を結ぶ
  • 不動産を売り出す
  • 買主と不動産売買契約を結ぶ
  • 引き渡し・決済を行う

段階ごとに注意点があるため、不動産を売却するときはよく確認しておきましょう。ほとんどの人は不動産の知識を持っていないため、プロである不動産会社のサポートが必要です。

しかし、不動産会社にとっては数多くの売主のひとりに過ぎないため、常に万全のサポートを受けられるとは限りません。自分でも最低限の注意点を把握しておくことが、不動産売却の成功には必要です。

不動産売却を検討するときの注意点

売却の検討段階

不動産売却を成功させるには、検討段階での準備が大切です。売却方法の選択や相場の把握、住宅ローンの残債確認など、事前に調べておくべきポイントがいくつもあります。これらの注意点を理解してから売却活動をはじめることで、スムーズで満足のいく取引につながります。

Q:不動産の売却方法にはどんなものがありますか?

A:大きく分けて、仲介、買取、個人売買の3つがあります。もっとも一般的な方法は、仲介による売却です

売却方法には次の3つがあり、それぞれにメリット、デメリットがあります。

  • 仲介
  • 買取
  • 個人売買

もっとも一般的なのは仲介で、不動産会社に依頼して買主を探してもらう方法です。市場価格に近い金額で売却できる可能性が高いものの、売り出した物件によっては売却するまで時間がかかることがあります。買取は不動産会社が物件を直接購入する方法です。短期間で不動産を売却できるものの、仲介より価格が低くなる傾向があります。目安は市場価格の60~80%程度です。

個人売買は不動産会社を通さずに買主と直接取引する方法です。不動産会社へ支払う仲介手数料がかからないものの、不動産売買には専門知識が必要でトラブルのリスクも高いため、初心者にはおすすめできません。

仲介のメリットとデメリット
 メリットデメリット
仲介市場価格に近い金額で売却できる物件によっては売却に時間がかかる
買取短期間で売却できる市場価格より安く売却することになる
個人売買不動産会社へ支払う仲介手数料がかからないトラブルのリスクが高い

買い取り希望はここから申し込めます!

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Q:どれくらいの価格で売れるのか調べる方法を教えてください

A:複数の不動産会社に査定を依頼して、査定価格を比較する方法が確実です

売却を検討している不動産がいくら売れるのかを調べるのなら、不動産会社に査定を依頼する方法があります。1社だけでなく、複数の不動産会社の査定価格を比較すれば、より確実な価格がわかります。

査定の方法には「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」があり、売却の検討段階なら査定の早い机上査定がおすすめです。

不動産会社への査定依頼にハードルの高さを感じるのであれば、個人でもある程度の相場価格を調べる方法があります。代表的な方法には、次の2つがあります。

  • 不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME’Sなど)で類似物件の価格を調べる
  • 国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で取引事例を調べる

ほかにも、リビンマッチが提供する「家の査定シミュレーション」で調べることが可能です。

家の査定シミュレーション

ただし、インターネットの情報だけでは正確な価格がわからないため、実際に売却するときは不動産会社の査定が必要です。

Q:住宅ローンがあっても売却して大丈夫ですか?

A:売却代金で住宅ローンを完済できるのなら、不動産の売却は可能です

住宅ローンを返済中の不動産には、金融機関の抵当権が設定されているため、自由に売却することは困難です。しかし、不動産を売却した金額が住宅ローンの残債を上回る「アンダーローン」であれば、金融機関の承諾を得て売却することが可能です。しかし、売却価格が住宅ローンの残債に足らない「オーバーローン」の場合は、金融機関の承諾が得られません。

オーバーローンの状態で不動産を売却する方法には、次のものがあります。

  • 自己資金で差額を補填する
  • 住み替えローンを利用する
  • 任意売却の相談をする

どれも売主の負担が大きい方法のため、不動産会社に相談して最適な方法を検討しましょう。

Q:売却にかかる期間はどれくらいですか?

A:仲介による不動産売却では、媒介契約から引き渡しまで3~6カ月程度かかります

不動産を売却するときは、一般的な仲介であれば媒介契約で売却活動を開始してから、物件を買主へ引き渡すまでに3~6カ月程度かかります。ただしこれは物件の価格や立地、市場の状況などによって変わるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

売却にかかる期間に影響する要因には次のものがあります。

  • 物件の立地や築年数
  • 売り出し価格の設定
  • 市場の需要と供給のバランス
  • 地域の競合物件の有無

つまり、多くの人がほしいと思う物件が納得感のある価格であれば早く売れますが、そうではない物件の場合は時間がかかるというわけです。また、競合する物件があると注目が分散してしまい、売却までに時間がかかる要因となります。

早期売却が最優先であれば、買取を依頼することで、1週間~2カ月程度で売却することが可能です。ただし、買取価格は市場価格の60~80%程度になります。

Q:売却に必要な諸費用はいくらぐらいですか?

A:不動産売却でかかる費用は、売却価格の3~6%が目安です

不動産を売却するときは、さまざまな費用がかかります。費用の合計は、売却価格の3~6%程度が目安です。主な費用の内訳は、次の表のとおりです。

不動産売却でかかる費用
 内容金額の目安備考
仲介手数料不動産会社への成果報酬売却価格×3%+6万円+消費税金額目安は売却価格が400万円以上の場合
印紙税売買契約書に貼る印紙5,000円〜3万円 売却価格によって異なる
ローン返済手数料住宅ローンを繰り上げ返済するときの手数料3,000円~1万円程度 無料の場合もある金融機関によって異なる
登記関連費用抵当権抹消、登記原因証書の作成、司法書士報酬などにかかる数万円〜15万円程度必要な登記の種類によって異なる
その他土地測量費、修繕費、引っ越し費用など内容によって異なる 

仮に物件を3,000万円で売却した場合、諸費用は90〜180万円程度です。ただし、土地の測量や建物の修繕などを行うと、さらに費用がかかります。これらの費用を事前に把握しておかないと、手元に残る金額が想定より少ないということが起こります。そのため、売却前に資金計画をしっかりと立てておくことが重要です。

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税や住民税を支払う必要があります。納税のために、売却した翌年に確定申告が必要になります。

媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶときの注意点

不動産会社を選ぶ

不動産売却の成功には、信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。不動産会社選びを間違えると売却期間が長引いたり、希望価格で売れなかったりといったトラブルが起こることがあります。不動産会社選び、媒介契約ではどのようなことに注意すればよいのでしょうか。Q&A形式でまとめましたので、参考にしてください。

Q:避けたほうがいい不動産会社の特徴を教えてください

A:査定価格が極端に高い不動産会社は要注意です

査定を依頼して、極端に高い査定価格を提示した不動産会社には注意しましょう。媒介契約を結ぶために、高い査定価格を提示しているかもしれません。契約を取るために高い査定価格を提示しているだけなので、その価格で売れることはないでしょう。

そういった不誠実な不動産会社に引っかかってしまうと、無駄な期間を過ごす羽目になってしまうので注意が必要です。

そのほかに避けたほうがよい不動産会社の特徴には、次のものがあります。

  • 強引に媒介契約を急かしてくる
  • 査定価格の根拠を明確に説明できない
  • 広告や販売活動の具体的な提案がない
  • インターネットの口コミや評判が極端に悪い
  • 事務所が汚れていて雰囲気が悪い
  • 担当者の連絡が遅い、または連絡が取れない

このように、あまり売主に対して思いやりのない態度であれば、避けたほうがよいでしょう。数カ月にもわたってつき合うことになるので、不動産売却がストレスになってしまいます。また、インターネットの口コミは低評価が目立つものですが、あまりにも量が多い場合は何らかの原因があると思われます。

不動産の売却では、担当者とのコミュニケーションが非常に重要です。質問に対して誠実に答えてくれる、ていねいに連絡してくれるなど、信頼関係を築けそうな不動産会社を選びましょう。

Q:3種類の媒介契約はどれを選べばいいですか?

A:人気の高い物件なら一般媒介契約、時間のかかる物件なら専任媒介・専属専任媒介契約が適しています

不動産会社と結ぶ媒介契約には、次の3種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

主な特徴は次の表のとおりです。

媒介契約の違い
 一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
契約できる社数制限なし1社
契約期間制限なし最長3カ月
自己発見取引可能不可
レインズへの登録義務なし契約から7日以内契約から5日以内
報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上

売却する不動産の特徴や売却の背景などによって、適している媒介契約は異なります。たとえば、駅近や人気エリアなど条件のよい物件であれば、複数社と依頼できる一般媒介契約を検討しましょう。複数の不動産会社が同時に営業活動を行うことで競争が生まれ、結果として高額売却や短期での成約を期待できます。

買い替えを検討中であれば専属専任媒介契約、または専任媒介契約がよいでしょう。買い替えでは現在の家の売却時期と新居の購入時期を合わせる必要があり、ひとりの担当者が管理したほうがスムーズに進められます。築年数の経った物件や郊外の物件など売却に時間がかかりそうな場合も、専任媒介・専属専任媒介契約にすることで、担当者が諦めずに買主探しに取り組んでくれる傾向があります。

媒介契約を基本から知りたい人には、次の記事が参考になります。媒介契約の種類、違い、契約に必要な準備まで丸ごと解説しています。

Q:仲介手数料を値切ることはできますか?

A:仲介手数料の値引きは可能です。ただし、慎重に判断しましょう

不動産会社に売却を依頼して売買契約が成立すると、成功報酬として仲介手数料を支払います。不動産会社への仲介手数料は、法律で上限が定められていますが、上限以下であれば仲介手数料の金額は自由に設定できるため、値引き交渉は可能です。

しかし、仲介手数料の値引き交渉は、スムーズな売却活動に影響を与えるおそれがあるため、リスクを考えてから行いましょう。不動産会社の営業や広告活動にはコストがかかるため、大きく値引きするとモチベーションが失われてしまうためです。

また、仲介手数料を値切れる不動産会社より、値切れなくてもしっかりと売却活動を行ってくれる会社を選ぶほうが、高額売却につながりやすいといわれています。

Q:複数社に査定してもらったほうがいいですか?

A:不動産の売却では、複数の不動産会社への査定依頼を強くおすすめします

不動産会社へ査定を依頼して、査定価格を受け取ったとしてもその金額か高いのか安いのか、相場と比べてどうなのかを判断するのは困難です。契約ほしさに査定価格を極端に高くしているのかもしれません。妥当な査定価格を知るには、複数の不動産会社へ査定を依頼しましょう。

一般的には3〜5社程度に依頼するのが適切であり、価格だけでなく担当者の対応、提案内容なども比較することが大切です。複数の不動産会社に査定を依頼するメリットには、次のものがあります。

  • 交渉の余地ができる
  • 査定価格の根拠を比較できる
  • 売却価格の相場が把握できる
  • 戦略や担当者の質を比較できる

査定価格がもっとも高い不動産会社を選ぶのではなく、査定価格の根拠が明確で、信頼できる会社を選ぶことが重要です。不動産の一括査定サイトを利用すれば、一度の入力で複数の不動産会社へ依頼できるので、手間をかけずに比較ができます。

リビンマッチは不動産を売却するときに、一括で査定を依頼できるサービスです。不動産の売却を検討している人は、ぜひご利用ください

Q:大手と地元の不動産会社はどちらがいいですか?

A:どちらにもメリットがあるので、両方へ査定を依頼して比較しましょう

不動産会社は大手と地元の会社にそれぞれ異なるメリットがあるため、物件の特性や状況に応じて選ぶことが大切です。一概にどちらがよいとはいえませんが、両方に査定を依頼して比較すると検討しやすいでしょう。大手と地元の不動産会社のメリットとデメリットは、次のとおりです。

大手不動産会社のメリット、デメリット
メリット
  • 抱えている顧客が多い
  • 高い知名度と信頼性がある
  • 資金力があるため、充実した広告宣伝活動を期待できる
デメリット
  • 従業員数が多いため、担当者の能力差が大きい
  • 地方のエリアは消極的、または対応不可が多い
地元の不動産会社のメリット、デメリット
メリット
  • 地域を熟知した売却活動ができる
  • 物件の取扱いが少ない会社は対応が手厚い
  • 地元の知名度が大手より高いことも多い
デメリット
  • 広告力や集客力に限界がある
  • 会社によって売却活動の質にばらつきが多い

不動産売却では、不動産会社の規模より担当者の専門知識や熱意、コミュニケーション能力を重視しながら選ぶことが成功の鍵といえるでしょう。

不動産を売り出したときの注意点

不動産を売り出す

不動産を売り出すときは適切な価格設定や購入希望者への対応、内覧の印象づくりなど、売主として気をつけるべきポイントがたくさんあります。

不動産売却の結果は売り出してからの対応が大きく左右しますので、どのようなことに注意すればよいのか、売り出したときの注意点を見ていきましょう。

Q:売り出し価格の決め方を教えてください

A:売却期間に余裕があるなら査定価格より5~10%高く、余裕がないなら少し安い価格で売り出してみましょう

不動産の売り出し価格は査定価格を基準に、市場状況と売却希望時期を考慮して決めることが基本です。売却の期限に余裕がある場合は査定価格より5〜10%高く売り出し、逆に期限が短い場合は査定価格より少し安い金額を検討しましょう。また、次のポイントも意識してみてください。

  • 競合物件の価格をチェックする
  • 値引き交渉を想定した価格設定にする

不動産売却では、最初の価格設定がとても重要です。高すぎると購入希望者からの関心を集められず、安すぎると高く売れる可能性を逃してしまいます。迷ったときは担当者と相談して、「少し高めで現実的な価格」を探ってみましょう。

Q:反響が多い・少ないはどう判断しますか?

A:売り出してから2~3週間の反響数で判断します

一般的に物件の売り出し開始から2〜3週間の問い合わせ件数で、反響の多さを判断します。不動産ポータルサイトや不動産会社のWebサイトへの掲載直後がもっとも注目度が高く、この期間の反応が今後の売却活動の指標となるためです。反響が多い、少ないの判断の目安は次のとおりです。

反響が多い

  • 複数の内覧予約が入る
  • 週に3〜5件以上の問い合わせがある

反響が少ない

  • 内覧の申し込みがない
  • Webサイトでの閲覧数が増えない
  • 週に1件以下の問い合わせしかない

売り出しから2~3週間しても反響が少なければ、注目を集められるように対策が必要です。

Q:反響が少ないときの対応方法を教えてください

A:競合を比較して値下げや紹介文の見直しなどを行います

反響が少ない状況を放置しているとそのまま状況が改善されないため、売却活動が長期化します。不動産会社の担当者と相談して原因をつきとめ、早めに対策することが大切です。

反響数が少ないときの具体的な対応方法は次のとおりです。

  • 競合物件との比較分析を行う
  • 5〜10%程度の値下げ
  • 写真の撮り直しや紹介文の見直し
  • 露出を増やすため広告媒体を追加
  • オープンハウスの実施

競合と比較してどこを改善できるのかを考え、複数の対応方法のなかから検討します。担当者と密にコミュニケーションを取り、ときには厳しい現実を受け入れて、問題点を洗い出すことからはじめましょう。

Q:価格を下げるときはどんな点に気をつけるべきですか?

A:問題がある物件と思われないよう、下げ幅とタイミングに注意が必要です

不動産の価格を下げるときは、下げ幅とタイミングを慎重に検討することが重要です。一度に大幅な値下げを行うと、買主に「何か問題がある物件では?」という印象を与えることがあります。

購入希望者に不審に思われないよう、不動産の価格変更を行うときは、次のことに注意しましょう。

  • 値下げの理由を明確にする
  • 競合物件との価格差を意識する
  • 1回の値下げ幅を5〜10%に抑える

不動産売却では、価格変更の履歴も購入希望者に知られることがあります。頻繁に値下げをすると物件の魅力を下げる要因になるため、計画的に行うことが大切です。

また、値下げをする前に写真の変更や追加、物件の魅力を伝える文章の改善など、価格以外の改善も試してみることをおすすめします。

Q:内覧前にやっておいたほうがいいことはありますか?

A:購入希望者の印象をよくできるよう、清掃・整理整頓を徹底しましょう

内覧(内見)の前に室内の清掃と整理整頓を徹底し、物件の魅力を最大限に伝えられる状態にすることが重要です。第一印象が購入意欲に大きく影響するため、できる限りの準備をしておきましょう。内覧前に準備することは次のとおりです。

  • 水回りを徹底的に清掃する
  • 電球を明るいものに交換する
  • におい対策を行う(消臭・換気)
  • 不要なものを片づけて部屋を広く見せる

内覧時の印象は成約に直結します。過度に生活感が出ないよう私物は可能な限り片づけ、清潔感を演出することを心がけましょう。修繕の必要な箇所があれば、内覧前に直しておくことで物件への信頼感も高まります。

不動産売買契約を結ぶときの注意点

不動産売買契約を結ぶ

不動産の売買契約は売却手続きのなかでも、特に注意を払って進める必要があります。契約内容や条件の確認、購入希望者との交渉、必要な検査の実施など確認すべき事項が数多くあります。

この段階でのミスは大きなトラブルにつながるおそれがあるため、一つひとつの手続きを慎重に進めることが大切です。不動産売買契約のときに知っておくべき注意点を、Q&A形式でまとめました。

Q:複数の購入申込書が提出されたらどうしますか?

A:希望価格や複数の条件を比較して、誰に売却するかを決定しましょう

購入申込書(買付証明書)は購入したいという意思を、購入希望者から売主へと伝える書類です。購入申込書には購入希望価格、住宅ローンの利用予定、引き渡しの希望日など、さまざまな条件が記載されています。複数の購入申込書が再出されたら、売主は不動産の価格だけでなく、そのほかの条件を総合的に判断する必要があります。

なぜなら、最高価格を提示した人が、最良の買い手とは限らないためです。購入希望者の引き渡し希望日や資金計画などが、売主にとって不利に働く場合もあるので注意しましょう。買主を判断するポイントには、次のものがあります。

  • 希望価格が適正または高い
  • 資金計画が明確になっている
  • 住宅ローンの事前審査を通過している
  • 購入申込書の提出などレスポンスが早い
  • 無理のない特約条件を希望している
  • 契約希望日や引き渡し希望日に柔軟に対応できる

不動産売却では確実に取引を完了できる買主を選ばないと、あとからトラブルに発展することがあるため注意点が必要です。提示価格が希望より少し低くても、資金力のある条件のよい買主のほうが、結果的にスムーズな売却が期待できます。不動産会社の担当者と相談して、総合的に条件のよい人を選びましょう。

Q:購入希望者の値引きは断っても大丈夫ですか?

A:値引きを断ることは可能です。ほかのポイントも考慮して判断しましょう

購入希望者の多くは売り出し価格での購入を決めず、いくらかの値引きを求めてきます。こういった値引きは断ることもできますが、現在の売却状況と引き渡し期限を考慮して判断することが大切です。値引き交渉への対応方法は次のとおりです。

  • 相場価格と比較して値引きの妥当性を判断する
  • 売却期間に余裕があれば、高く買う購入希望者を待つなど柔軟に対応する
  • 値引きに代わる案を提案する(家具や家電の譲渡など)

注意するポイントとしては、値引き要求を感情的に拒否するのは避けるべきです。市場価格と照らし合わせて、合理的な範囲であれば応じることも検討しましょう。もちろん、相場から大きく外れた要求は、理由を説明してていねいにお断りすることをおすすめします。

Q:ホームインスペクションはやらないとダメですか?

A:ホームインスペクションは義務ではないので、必ずしも実施する必要はありません

ホームインスペクション(既存住宅状況調査)は、専門知識を持った検査員が行う、建物の現況調査のことです。義務ではないためホームインスペクションを実施する必要はありませんが、建物の不具合を事前に把握できることは売主にとってメリットとなります。

ホームインスペクションを実施することで、契約後のクレームや責任問題を避けられるためです。ホームインスペクションのメリットには、次のものがあります。

  • 売却価格の根拠になる
  • 建物の現状を客観的に把握できる
  • 購入希望者に安心感を与えられる
  • 売却後の契約不適合責任を軽減できる

不動産を売却するときは、築年数の古い物件ほどインスペクションをおすすめします。費用として5〜10万円ほどかかりますが、契約後のトラブルを防げると考えれば、決して高い投資ではありません。

ただし、検査で重大な不具合が見つかった場合は、修繕するか価格に反映させるかの判断が必要になるでしょう。

Q:契約書で特に注意して見る箇所はどこですか?

A:不動産売買契約書は、売却価格や引き渡し日、特約条件をよく確認しておきましょう

買主と条件のすり合わせができたら、いよいよ不動産売買契約を締結することになります。契約書を締結するときは、売却価格や引き渡し日、特約条件を慎重に確認してください。

売買契約書の項目に間違いがあると、大きな損失につながるおそれがあります。売買契約書で重点的にチェックすべき項目は次のとおりです。

  • 売却価格と支払い方法
  • 契約解除の条件(違約金の金額や手付け解除の条件)
  • 住宅ローン特約の内容と期限
  • 付帯設備や引き渡しの状態
  • 引き渡し日と登記名義を変更するタイミング
  • 契約不適合責任の範囲と期間

契約書の内容で疑問点や不明点があったら、署名は絶対に避けてください。わからない専門用語や条項があれば、必ず担当者に確認して詳しく説明してもらうことが大切です。

売買契約書に署名すると、売主が本当に知らなかったとしても不具合や不備の責任が問われます。一方、不具合について契約書に記載していれば請求されない可能性が高いため、時間をかけて内容をしっかりと確認しましょう。

Q:契約後にキャンセルされることはありますか?

A:不動産売買契約の締結後もキャンセルされることはあります。ただし、ペナルティがあります

不動産売買契約を締結してからも、買主からキャンセルされることがあります。また、売主からキャンセルすることも可能です。ただし、キャンセルをすると、ペナルティがあるので注意が必要です。ペナルティは不動産売買契約時に受け取った手付金を返還しない、または倍額を支払うといったものです。

不動産売買契約をキャンセルするパターンには、次のものがあります。

  • 住宅ローン特約によるキャンセル(手付金は買主に返還する)
  • 買主の都合によるキャンセル(買主は手付金を放棄、売主は返還しない)
  • 売主の都合によるキャンセル(売主は受け取った手付金の倍額を買主に返還する)
  • 買主または売主の契約違反によるキャンセル(手付金+違約金、損害賠償が発生することもある)

不動産売却では、キャンセルのリスクを最小限に抑えることが重要です。契約前に買主の資金計画を確認し、住宅ローン特約の期限を適切に設定することでリスクを軽減できるでしょう。

不動産の引き渡しの注意点

不動産の引き渡し・決済

不動産の引き渡しは売却手続きの最終段階で、ここでのミスは大きなトラブルの原因となり得ます。ミスのないよう慎重に進めることが大切です。

売買契約が済んでいるから油断せずに、確認しながら進めましょう。引き渡しで注意することを紹介します。

Q:瑕疵が見つかったらどうすればいいですか?

A:引き渡し前の瑕疵の発覚は、修繕、価格調整、契約解除で対処します

もし、引き渡す前に建物に瑕疵が見つかった場合は、一般的に修繕、価格調整、契約解除のいずれかで対処することになります。発見された瑕疵の程度によっては買主と交渉が必要で、対応を誤ると契約解除になってしまうため要注意です。買主が瑕疵を報告してきたときの対応例は、次のとおりです。

  • 軽微な瑕疵:引き渡し前に売主負担で修繕する
  • 重大な瑕疵:売却価格を下げるなどして現状のまま引き渡し
  • 修繕不可能:買主と相談のうえ、契約解除も検討する
  • 買主が納得しない:第三者の専門家に相談する

決して感情的にならず、修繕費用と売却価格を比較してもっとも合理的な選択肢を検討しましょう。買主と冷静に話し合うことが解決への近道です。

Q:引き渡しが間に合わなかったらどうなりますか?

A:遅延の程度や買主の事情によっては、違約金、契約解除などもありえます

期日までに不動産の引き渡しができない場合、違約金の支払いや契約解除が発生することがあります。売主都合での遅延は契約違反となり、買主に損害を与えてしまうおそれがあるためです。

引き渡しの遅延による契約違反の対応には、次のようなものが考えられます。

  • 軽微な遅延:買主と日程を相談、または遅延損害金の支払い
  • 長期の遅延:買主と日程を相談、または違約金の支払い
  • 買主の同意が得られない:契約解除を検討する。最終的に民事調停や訴訟などの法的手続きを実行
  • 売主に責任がない遅延:買主に違約金や損害賠償の請求

引き渡しの準備は、余裕を持って進めることが大切です。また、買主の契約違反が原因で契約解除に同意してもらえない場合は、口頭や書面で催促します。それでも解決しない場合は、法的措置を検討しましょう。

買い替えの場合は新居の完成が遅れるリスクなども考慮し、契約時に現実的な引き渡し日を設定しておくことが重要です。もし、引き渡しが遅延しそうな場合は、早めに不動産会社へ相談してください。

Q:引き渡し前の最終確認で何をチェックしますか?

A:引き渡し前に建物が売買契約を締結したときと変わりないかを確認しましょう

引き渡し前にはまず、建物が売買契約を締結したときと同じ状態か確認しましょう。付帯設備の故障、水回り設備の動作、壁や床の傷、汚れなども確認してください。主なチェック項目は次のとおりです。

  • 付帯設備の確認
  • 水回り設備の動作確認
  • 水道、電気、ガスの動作確認
  • エアコンや給湯器などの設備点検
  • 壁や床の傷、汚れの確認
  • 残置物の撤去状況

可能であれば買主の立会いのもとで確認を行い、問題があればその場で解決策を話し合うとトラブルの防止にもつながります。付帯設備表など確認内容を書面に記録し、双方で署名しておくと安心です。小さな不具合でも隠さずに伝えることで、信頼関係を保ちながら引き渡しができます。

Q:残代金の受け取りはどうやって行いますか?

A:現金での取引はリスクがあるため、残代金の受け取りは金融機関を通じて行います

不動産の売買では、金融機関を通じての振り込みが一般的です。高額な取引になるため、現金での受け渡しはリスクが高く、安全な形で進める必要があるためです。異なる銀行間での振り込みには時間がかかるため、引き渡し当日に着金確認を行う場合は、午前中の早い時間に振り込みをしてもらうとよいでしょう。

Q:引き渡し当日の流れを教えてください

A:登記書類の確認、残代金の確認、鍵・関係書類の引き渡しなど2時間程度かけて行います

引き渡しの当日は、登記手続きを行う司法書士に立会ってもらい、必要な手続きを進めます。不動産の引き渡しをするときの流れは次のとおりです。全体にかかる時間は、2時間前後が目安です。

  1. 司法書士による登記書類の確認
  2. 住宅ローンの融資手続きの実行
  3. 売主の口座で残代金の振り込みを確認
  4. 鍵と関連書類を買主へ引き渡し
  5. 司法書士による登記の申請手続き 

平日は銀行の営業時間内に行う必要があり、どれかひとつでも問題が発生すると、その日の決済が中止になってしまいます。必要書類は事前にそろえておき、不動産会社と司法書士の指示に従って慎重に進めることが大切です。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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