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土地売却の注意点18選|売却前から契約後まで段階別に解説

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土地売却の注意点18選|売却前から契約後まで段階別に解説

土地売却は、不動産会社選びや契約書の確認といった手続きだけでなく、準備段階から注意すべきポイントが多数あります。この記事では、「トラブルを防ぐために何をすべきか」を具体的に解説しています。

土地の売却を検討している人や、すでに動き出している人も、今一度基本を確認してみましょう。後悔のない取引の第一歩は、“注意すべきポイント”を正しく理解することです。

【段階別】土地売却で注意すべきこと

土地売却は数百万円から数千万円が動く高額な取引です。戸建てやマンション売却とは異なる特有のトラブルもあるため、主な注意点をわかりやすくまとめました。

土地売却の主な注意点
売却段階主な注意点
売却前名義、共有者、境界、借地権、古家、地中埋設物
査定・売却活動相場、査定根拠、不動産会社、売り出し価格、諸費用、媒介契約
契約・引き渡し告知事項、契約条件、手付金、ローン完済、必要書類
売却後譲渡所得と確定申告

土地売却の注意点を「売却前」「査定・売却活動」「契約・引き渡し」の3段階に分けて詳しく解説します。

土地を売却する前に確認したい注意点

売却活動を始める「前」の段階では、準備不足によるトラブルが少なくありません。この時点でつまずくと、売却自体ができなくなったり、大幅な減額につながったりすることもあります。

土地の権利関係や物理的な状態を確認しないまま売却を進めると、取り返しのつかない事態になりかねません。事前にしっかり調査することで、スムーズな売却が可能になります。

①相続した土地は相続登記を済ませる

相続登記後の流れ

相続登記後の流れ

不動産を売却するには、売主本人の名義になっている必要があります。よくあるのが、土地の名義が亡くなった親のままだったため、売却できなかったケースです。

相続した土地でも、相続登記をして名義変更をしなければ法的に売却できません。2024年4月からは相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しない場合、10万円以下の過料が科されるおそれがあります。

相続登記は完了するまでに数週間から数カ月かかることもあるため、「売れたときに登記変更すればいい」と考えていると、売却のチャンスを逃してしまうでしょう。

予防策

売却を検討した時点で、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得し、現在の名義人を確認します。登記簿謄本はオンラインで郵送も請求できるので、遠方の土地でも簡単に気軽に確認できるでしょう。

名義人が故人のままであれば、司法書士に相談して相続登記を進めます。相続人が複数いる場合は遺産分割協議が必要になるため、早めに行動することが大切です。

登記費用は司法書士への依頼内容によって異なりますが、一般的には10〜20万円程度が目安となります。

②共有名義の土地は共有者全員から同意を得る

兄弟や姉妹など、複数の共有者がいる土地を売却する場合は全員の同意が必要です。

一人でも反対する人がいれば売却ができず、売却活動にかけた時間や費用が無駄になってしまいます。共有者の中に連絡が取れない人がいたり、意見が対立したりすると、問題は長期化するケースもあるでしょう。

「自分の持分だけなら売れる」と考える方もいますが、持分のみの売却は買主が見つかりにくく、大幅な値下げを迫られることがあります。

予防策

土地の売却活動を始める前に、できるだけすべての共有者と話し合いましょう。売却するかどうかの意思確認に加え、売却条件(希望価格や時期)についても事前に協議しておくことが大切です。

共有者全員の同意が得られたら、その内容を書面に残しておきます。売却時には全員の実印と印鑑証明書が必要になるため、スケジュールの調整は早めに行うと焦らずに済むでしょう。

意見がまとまらない場合は、弁護士や司法書士に相談し、共有物分割請求などの法的手続きを検討してください。

③土地の境界標や境界資料を確認する

住宅地で確定測量している男性

確定測量している男性

境界標がなかったり、ブロック塀の位置が実際の境界と異なったりすることがあります。土地の境界が不明瞭な場合、売却活動中や契約後に隣地所有者とトラブルになるおそれがあるため注意が必要です。

境界が不明の場合、買主のなかには「購入後に隣人と揉めるかもしれない」と不安を感じる人もいます。その結果、買主が見つからなかったり、値下げ交渉の材料にされたりすることも少なくありません。

特に古い土地では境界が曖昧なケースが多く、「今まで問題が起きていないから大丈夫」という思い込みは危険です。

また、新たに測量が必要になると想定外の出費となることがあります。測量費用は土地の面積や形状、隣地所有者の数によって異なり、土地の状況によっては高額になるケースがあります。

予防策

現地で、境界標(コンクリート杭や金属プレートなど)の有無を確認してください。境界標がない場合や位置が不明確な場合は、境界確認書、確定測量図などがあるか確認しましょう。

より確実な方法は、土地家屋調査士に依頼して「確定測量」を実施することですが、高額な費用がかかるため、まずは資料を探しましょう。

現況測量の概要
項目現況測量確定測量
目的おおまかな面積確認法的な境界の確定
費用約10〜20万円(50~100坪)約40〜100万円(50~100坪)
関係者立ち合いは基本不要隣地所有者・役所立ち会いあり

地積測量図は法務局の窓口であれば1筆につき450円で取得できます。ただし、すべての土地の情報が確認できるわけではありません。分筆や土地の面積(地積)の修正が行われていない土地などでは、地積測量図がない場合があります。

隣地所有者が複数いる場合や、境界について揉めそうな場合は、売却前に測量しておくとトラブルを防げるでしょう。

④借地権が設定されている土地は売却方法を決める

借地権が設定されている土地は、買主が利用できる範囲が限られるため、一般的な土地より売却が難しくなります。底地のみを売る方法のほか、借地人への売却や、借地権と底地を同時に売却する方法もあります。

売却方法によっては、借地人(借地に建物を建てている人)の承諾が必要です。底地のみを第三者に売却する場合は、相場の10〜30%程度の価格になることも珍しくありません。

退去してもらえば更地として売れる」と考える方もいるかもしれませんが、借地権は法律で借地人側が強く保護されており、正当な事由がなければ退去を求めることはできないのです。

予防策

最もスムーズな方法は、借地人に土地を購入してもらうことです。借地人が購入すれば土地の所有権を得られるメリットがあります。

借地人に購入してもらえない場合は、「底地と借地権の同時売却」を検討するとよいでしょう。底地の売却実績がある不動産会社に依頼し、借地人と協力して第三者に売却します。

底地のみの売却は最終手段として考え、複数の専門の業者に査定を依頼して条件を比較してください。

⑤接道状況や再建築の可否を確認する

接道義務のセットバック部分について説明

接道義務を説明するイラスト

建築基準法の接道義務(道幅4m以上の道路に敷地が2m以上接していること)を満たしていない土地は、原則として再建築不可となります。

「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。 建築基準法「第四十二条」

再建築不可の土地は住宅ローンが利用できないため、現金購入できる買主に限られます。さらに、新築住宅が建てられないので、市場価格の30〜50%程度まで下がることがあるため注意が必要です。建築基準法の改正により、現在は建築できないケースも少なくありません。

予防策

見た目では道路に接していたとしても、売却前に市役所(役場)の建築指導課や都市計画課で、土地の用途地域、建ぺい率、容積率、接道状況などを確認しておきましょう。

不動産会社に査定を依頼する際は、法令上の制限について担当者に共有しておきます。契約時に買主へ説明される重要事項説明書でも、土地の制限についての記載を事前に依頼しておくと安心です。

再建築不可の土地だとわかったときは、隣地所有者への売却や駐車場としての活用など、別の選択肢を検討するとよいでしょう。前面道路が狭いことが原因であれば、セットバックを行うことで建築が可能になるケースがあります。

⑥土地の形状や高低差を確認する

土地の形状や高低差によっては、建物の配置や大きさが制限され、売却しにくくなることがあります。たとえば、三角形や旗竿地、細長い形をした不整形地は、建物を建てられる範囲が限られ、土地全体を有効に使えないことがあるのです。

また、周辺の道路や隣地との高低差が大きい土地では、擁壁の補修や造成工事が必要になり、買主の負担が増えるため敬遠されることがあります。

予防策

公図や測量図、または現地で土地の状況を確認し、土地の形状や高低差、擁壁の状態を把握しておきましょう。建築できる範囲や造成工事の必要性がわからない場合は、不動産会社や建築士などに確認してください。査定価格への影響も含めて売却方法を検討することが大切です。

⑦古家付き土地は空き家のまま放置しない

相続した土地に古い家屋が残っていた場合、築年数が経過した空き家は見た目の印象が悪く、買主から敬遠されがちです。

古家が残っていると「解体費用は誰が負担するのか」という点で、買主と揉めることもあります。さらに、管理が行き届いていない空き家は、国の特定空き家に指定され、固定資産税が増加するリスクもあるのです。

予防策

相続したらすぐに不動産会社へ相談し、古家付きと更地のどちらで売却すべきか判断しましょう。放置期間が長くなるほど、建物の劣化が進んで売却が困難になります。

売却方針が決まるまでの間も、最低限の管理は欠かせません。定期的な換気、雑草の除去、郵便物の整理など、空き家を放置しない工夫が必要です。

遠方に住んでいる場合は、管理会社や不動産会社の巡回サービスを利用するとよいでしょう。

⑧古家を解体するか残したまま売るか決める

「古家付きのまま売るか」「更地にして売るか」の判断を誤ると、売却した際に赤字になるおそれがあります。解体費用は坪数にもよりますが、30坪の木造住宅では100〜150万円程度かかります。

「更地の方が売れやすいだろう」と安易に解体しても、その分の費用を回収できないケースも多いのです。解体後は固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1に減額)も適用されなくなり、税負担が増える点にも注意が必要です。

予防策

古家付き土地・更地で売る場合のそれぞれのメリット・デメリット
項目古家付き土地で売る場合更地で売る場合
メリット
  • 解体費用が不要
  • 買主が自由にリフォームできる
  • 建物付きのため固定資産税が低い場合もある
  • 建物の印象に左右されない
  • 建築計画を立てやすい
  • 即建築可能で活用の幅が広い
デメリット
  • 老朽化が進むと印象が悪い
  • 建物の解体を買主が負担した場合、値下げを要求されやすい
  • 解体費用が発生する
  • 解体工事により、売却が遅れる
  • 固定資産税が上がる可能性がある

解体する前に不動産会社へ相談し、古家付きのまま売るメリットと更地にするメリットを比較検討しましょう。

エリアの需要も重要な判断材料です。新築志向が強いエリアや、土地の形状・立地がよい場合は更地のほうが有利です。一方、リフォーム需要がある場合や、解体費用が高額になる場合は古家付きで販売したほうがよい場合もあります。

⑨地中埋設物や土壌汚染がないか確認する

売却後に買主が土地を掘削した際、過去の建物の基礎やコンクリートガラ、廃棄物などが見つかることがあります。また、以前に工場やガソリンスタンドなどとして利用されていた土地では、土壌汚染が発覚するおそれもあります。

地中埋設物や土壌汚染が契約内容に含まれていない場合、売主が契約不適合責任を問われ、撤去や浄化にかかる費用を請求されるケースもあるため注意しましょう。事実を知りながら伝えなかった場合だけでなく、契約内容によっては、売主に責任が生じる可能性があります。

撤去費用や土壌の調査・浄化費用は、埋設物の量や汚染の範囲によって高額になることがあります。

予防策

過去の建物の解体状況や土地の利用履歴を確認し、把握している地中埋設物や土壌汚染のおそれがあるときは、不動産会社へ伝えましょう。工場やガソリンスタンドなどとして使われていた場合は、必要に応じて専門業者による調査を検討します。

また、売買契約書には、地中埋設物や土壌汚染が見つかった場合の対応や契約不適合責任の範囲を明記することが大切です。どこまで調査するかも含め、不動産会社と相談しながら進めましょう。

⑩売買に必要な書類は早めに準備する

売却に必要な書類がそろっておらず、買主が不安を感じて契約が遅れたケースです。特に権利証(登記済証または登記識別情報)が見つからない場合、買主は「本当に所有者なのか」と疑念を抱くでしょう。

権利証以外にも印鑑証明書、固定資産税納税通知書、測量図、建築確認済証(古家がある場合)など、土地の売却には多くの書類が必要です。書類がそろっていないと、決済が延期されたり、最悪の場合は契約解除になったりすることもあります。

また、相続した土地の場合、過去の書類を探す必要もあるでしょう。

予防策

売却活動を始める前に、必要書類のチェックリストを作成してください。不動産会社によっては、リストを提供してくれるところがあります。

権利証が見つからない場合でも売却は可能です。司法書士による本人確認情報の作成(費用5万〜10万円程度)や、事前通知制度を利用する方法があるため、早めに相談しましょう。

測量図や境界確認書がない場合は、土地家屋調査士に相談して再作成する必要があります。書類の準備には時間がかかるため、売却を決めたら早めに行動することが大切です。

土地の査定・売却活動における注意点

不動産会社の一括査定における価格の差

不動産会社の一括査定の価格差

土地売却の「進め方」や「お金」に関するトラブルも、気をつける必要があります。手元に残る金額に直結するため、事前の準備と情報収集が欠かせません。

ここでの判断ミスは、数十から数百万円の損失につながります。特に査定や不動産会社選びは、売却成功の鍵を握る重要なポイントです。

⑪売却する前にいまの価格を確認する

不動産会社の査定額を1社だけで判断して契約した結果、「もっと高く売れたのでは」と後悔するケースです。土地は戸建てやマンション売却と比べて相場がわかりにくく、同じエリアでも形状や接道状況で価格が大きく変わります

不動産会社の中には、契約を取るために相場より高い価格を提示するところもあります。売主が相場を知らないと、適正価格かどうか判断できません。

「査定額が高いから」と安易に決めてしまうと、数百万円単位で損するおそれがあるのです。

予防策

相場を知るためには、必ず複数社(最低3社以上)に査定を依頼します。一括査定サービスを活用すれば、一度の情報入力で複数社に依頼できるので効率的です。

また、査定額だけでなく、金額の「根拠」を各社に確認することが重要です。近隣の取引事例、土地の特性(形状、接道、法規制)を踏まえた説明があるか、しっかりチェックしましょう。

査定額が他社より極端に高い、または低い場合は、その理由を納得できるまで質問してください。適正価格を知ることが損をしない売却の第一歩です。

⑫土地の売却実績がある不動産会社に依頼する

土地売却は専門性が求められます。「囲い込み」をされたり、土地の特性に合わない販売活動をされたりして、長期化するケースが少なくありません。

囲い込みとは、不動産会社が両手仲介(売主と買主の両方から仲介手数料を得ること)を狙って、他社に物件情報を公開しない行為です。結果として買主候補が限られ、売却チャンスを逃してしまいます。

また、土地の法規制や特性を理解していない担当者では、適切な買主層にアプローチできません。

予防策

複数社に査定を依頼する際、土地売却の実績を必ず確認してください。特に、同じエリアや類似した土地の売却経験があるかどうかが重要になります。

媒介契約の種類(専任媒介、専属専任媒介、一般媒介)の違いも理解しておきましょう。専任の名前がつく契約は、積極的な販売活動が期待できる一方で囲い込みのリスクもあります。

一方、一般媒介は複数社に依頼できますが、販売活動の優先順位が下がることがあります。担当者の対応や提案内容を見て、信頼できる業者かどうか判断することも大切です。

⑬媒介契約の違いを理解してから選ぶ

各媒介契約の概要
契約の種類依頼可能な会社数レインズ登録報告義務メリットデメリット
一般媒介複数社任意なし競争原理が働く各社の販売意欲が低くなることがある
専任媒介1社のみ義務(7日以内)2週間に1回以上積極的な販売活動担当者のスキルに影響されやすい
専属専任媒介1社のみ義務(5日以内)1週間に1回以上最も積極的な活動担当者のスキルに依存、自己発見取引できない

媒介契約の違いを理解せずに契約し、思うような販売活動をしてもらえなかったケースです。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

専任と名前がつく契約は1社のみに依頼する代わりに、レインズ(不動産情報ネットワーク)への登録義務や定期報告義務があります。一方、一般媒介は複数社に依頼できますが、報告義務がないため各社の販売意欲が低くなりがちです。

それぞれの特徴を理解しないまま選ぶと、期待した販売活動が行われず、納得のいく売却ができないことがあります。

予防策

媒介契約のメリット・デメリットを理解したうえで選ぶことが重要です。専任媒介・専属専任媒介は、不動産会社が積極的に販売活動を行う義務がある一方、1社のみに依頼するため囲い込みのリスクもあります。一般媒介は競争原理が働く反面、各社の本気度が下がるおそれがあるでしょう。

土地の特性によっても最適な契約は変わります。人気エリアで需要が高い土地なら一般媒介でも売れる可能性は高いでしょう。しかし、旗竿地のように売却が難しい土地は専任で1社に担当してもらったほうが、売れやすくなります。

契約期間は3カ月が一般的です。成果が出ない場合は更新せずに別の会社に変更するのも一つの方法です。

⑭価格を下げるときはタイミングを見極める

相場より高い価格で売り出したため、問い合わせがなく売れ残ってしまったケースです。売主は「少しでも高く売りたい」と考えますが、相場から大きく外れた価格では買主が見向きもしません。

土地は築年数という概念がないため、値下げせずに高値で長期間放置されがちです。しかし、売却するまで固定資産税や管理費用がかかり続けます。

また、売り出してから時間がたつと「売れ残り」というイメージがつき、さらに売りにくくなる悪循環に陥ることがあります。

予防策

複数社の査定結果と周辺の成約事例を参考に、適正な価格帯を見極めてください。希望価格と査定価格に大きな開きがある場合は、その差の理由を確認する必要があります。

売り出し価格の設定では、「強気価格」「適正価格」「早期売却価格」の3段階を考えておきましょう。最初は適正価格よりやや高めで様子を見て、反応が悪ければ3カ月程度で価格を見直す戦略が一般的です。

不動産会社と相談しながら、市場の反応を見て柔軟に価格調整していくことが、早期売却のポイントになります。

⑮土地の草刈りやゴミの撤去を定期的に行う

遠方に住んでいるなどの理由で土地の管理を怠り、雑草が生い茂り、不法投棄をされるなどして、買主の印象が悪くなったケースです。土地は現地を見て購入を判断するケースが多いため、第一印象が重要です。

土地が荒れていると、買主は「管理が大変そう」「近隣住民との関係が不安」といった、マイナスイメージを持たれてしまうでしょう。結果として購入意欲が下がり、値下げ交渉の材料になってしまいます。

予防策

売却活動を始める前に、一度土地の様子を見に行きましょう。場合によっては雑草の刈り取り、ゴミの撤去、境界付近の清掃などを実施してください。

遠方に住んでいて定期的な管理が難しい場合は、管理会社や不動産会社の巡回サービスを利用する方法もあります。月額数千円〜1万円程度で、草刈りや見回りを依頼できるサービスです。

内覧前にはできるだけ現地を確認し、印象を良くする工夫を行うことが大切です。わずかな費用で見た目を改善するだけで、スムーズな売却につながります。

売買契約・引き渡し時の注意点

契約時や売却が完了後に発生する、最も深刻なトラブルです。契約書の不備や告知義務違反は、損害賠償に発展する可能性があります。

特に地中埋設物や契約不適合責任に関するトラブルは、数百万円単位の出費につながることも珍しくありません。また、税金の計算ミスや必要書類の不備も、手取りが減少する原因となります。

このステップで紹介するトラブルは売却後も続く可能性があるため、契約前の慎重な準備と専門家への相談が欠かせません。

⑯売却代金でローンを完済できるか確認する

売却代金がローン残高(残債)を下回り、売却代金だけではローンを完済できなかったケースです。

不動産を売却するには、抵当権(金融機関が設定している担保権)を抹消する必要があります。抹消にはローンの完済が必須なため、売却価格が残債を上回るか、不足分を自己資金で補うことになります。

売却価格が残債を下回る状態を「オーバーローン」と呼び、この状態では通常の売却ができません。ローン残債を事前に把握していないばかりに、売却計画が頓挫しないように注意しましょう。

予防策

売却活動を始める前に、金融機関に連絡してローン残高を正確に把握してください。返済予定表だけでなく、売却後の正確な残高を確認しましょう。さらに、売却の諸費用も事前に把握しておくことが重要です。主な諸費用は以下のとおりです。

諸費用の内訳表
費用項目内容金額の目安
仲介手数料不動産会社に支払う手数料(売却価格が400万円超の場合:売却価格×3%+6万円+消費税)2,000万円で売却した場合は約72万円(税込)
測量費用境界確定測量の費用(土地の面積や隣地所有者の数で変動)50〜100万円程度
登記費用抵当権抹消登記や所有権移転登記の費用(司法書士報酬含む)2〜10万円程度
解体費用古家の解体費用(該当する場合)木造で坪2~4万円程度
その他土地の清掃・草刈り、各種証明書の取得、引っ越し費用など必要に応じて発生

オーバーローンの場合でも売却する方法は、あります。自己資金で不足分を補う任意売却(金融機関の同意を得て売却する方法)を検討する住み替えの場合は住み替えローンを利用するなどです。

早めに金融機関や不動産会社に相談することで、解決策が見つかる可能性が高まります。抵当権抹消の手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、費用は2〜10万円程度です。

⑰売買契約書の内容を細かく確認する

知人や親族との個人間取引で、契約書の内容が不十分だったケースです。不動産会社を通さずに取引をすれば仲介手数料を節約できますが、契約書の抜け漏れが大きなリスクを生みます。

例えば、重要事項の記載漏れ、契約不適合責任の範囲が不明確、支払い条件や引渡し時期の曖昧さなど、トラブルにつながりやすいポイントは多くあります。不動産会社によるサポートがないと、トラブルが起きた際に責任の所在が不明確になり、裁判に発展することもあるでしょう。

「知り合いだから大丈夫」という考えは非常に危険です。むしろ知り合いだからこそ、詳細な契約書を作成し、トラブルにならないよう注意しましょう。

予防策

個人間取引でも、必ず専門家に契約書の作成を依頼してください。司法書士や行政書士に依頼すれば、法的に有効な契約書を作成してもらえます。

可能であれば、不動産会社に仲介を依頼することをおすすめします。仲介手数料はかかりますが、重要事項説明書の作成、契約書の作成、トラブル時の対応など、安心して取引できることは大きなメリットです。

最低限、売買契約書には不動産の種類や面積、売買代金と支払い方法、引渡し時期、契約不適合責任の範囲、特約事項などを明記する必要があります。

⑱土地の所有期間が5年を超えてから売却する

譲渡所得税の概要
所有期間区分所得税住民税合計税率
5年以下短期譲渡所得30%9%39.63%
5年超長期譲渡所得15%5%20.315%

※復興特別所得税を含む

土地売却で利益が出た際に「譲渡所得税」がかかることを知らず、納税資金を準備していなかったケースです。譲渡所得税は売却価格から、購入時の費用と売却時の諸経費を差し引いた利益(譲渡所得)に対して課税されます。

税率は所有期間によって異なり、5年以下(短期譲渡所得)は39.63%、5年超(長期譲渡所得)は20.315%です。数百万円の利益が出れば、税金も数十万円から百万円以上になることがあります。

また、特例(3,000万円控除など)が使えるかどうかも重要です。自宅の売却では3,000万円の特別控除が適用できる場合がありますが、土地のみの売却では適用条件が厳しくなります

予防策

売却前に概算の税金を計算しておきましょう。計算式は「譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)」です。取得費が不明な場合は、売却価格の5%を取得費とみなす概算取得費で計算します。

税理士や不動産会社に相談すれば、より正確な税額を試算してもらえます。特に相続した土地や、購入時の書類が残っていない場合は、専門家のアドバイスが欠かせません。

土地を売却した翌年には確定申告が必要です。申告期限は翌年の2月16日〜3月15日頃なので、早めに準備を始めておくと安心です。申告を忘れると、無申告加算税として追加で課税される可能性があります。

【まとめ】土地売却の注意点を確認してから査定依頼しよう

土地売却では、名義人や共有関係、境界、接道状況などを確認したうえで、適正価格や売却方法を検討することが大切です。売却前から契約後までの注意点を把握し、信頼できる不動産会社選びに相談しましょう。

特に土地売却は専門性が高く、経験豊富な不動産会社に依頼するかどうかで売却価格が大きく変わることがあります。複数社に査定を依頼し、土地売却の実績や対応の丁寧さを比較検討してください。

売却を始める前に、以下のポイントを確認しておきましょう。

土地を売却する前の最終チェックリスト

  • 登記簿謄本で名義人を確認する(相続登記は完了しているか)
  • 共有者全員の同意を得ておく(相続・共有の場合)
  • 境界標の有無と、隣地所有者の認識を確認する
  • 住宅ローン残高を正確に把握する
  • 必要書類(権利証、測量図など)を準備する
  • 複数社へ査定を依頼する(最低3社以上)
  • 売却にかかる諸費用と税金の概算を計算する

売却前に確認することで、スムーズな売却が実現できます。まずは信頼できる不動産会社に相談し、あなたの土地に合った売却戦略を立てましょう。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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