土地のみの固定資産税はいくら?計算方法や負担を抑える方法

土地のみを所有している場合、住宅が建っている土地よりも固定資産税が高くなる傾向があります。住宅用地は国の特例制度が適用されることで軽減されますが、建物がない場合は原則としてこの特例が適用されないためです。
この記事では、土地のみの場合と住宅用地の場合とで固定資産税はどの程度の差があるのか、計算方法や負担を抑える方法とあわせて土地活用のコツも解説します。
- 土地のみの固定資産税を計算する方法
- 「住宅用地の特例」の対象外となると固定資産税が高くなる仕組み
- 税負担を軽減するための土地活用の具体的な方法
土地のみの固定資産税を計算する方法
土地のみの固定資産税は、原則として「課税標準額×税率」で計算することができます。固定資産税の標準税率は1.4%ですが、土地に住宅が建っている場合は特例制度により課税標準額が最大1/6になります。
一方、更地・空き地など住宅がない土地では原則としてこの特例が適用されません。そのため、同じ評価額の土地でも、住宅の有無によって固定資産税額が大きく変わることがあります。まずは、土地の固定資産税を計算する方法について見ていきましょう。
土地の固定資産税とは
不動産を所有していると固定資産税が課税され、さらに市街化区域の不動産に対しては都市計画税も課税されます。固定資産税と都市計画税は、所有する不動産の所在地を管轄する市町村に納税します。
土地や家屋などの固定資産が所在する市町村に、市町村税として納税します。ただし、東京都23区内の場合は、東京都に対して、都税として納税することになります。
納税義務者は、毎年1月1日付けで土地の所有者となっている人です。不動産には土地と建物があり、どちらも不動産の課税標準額に対し、決められている税率をかけて課税額を計算します。
固定資産税は、固定資産税評価額をもとに算出された「課税標準額」に税率を掛けて計算します。ただし、土地の場合は負担調整措置(税負担が急激に上昇するのを避け、一定の水準に抑える仕組み)により、土地の場合は固定資産税評価額と課税標準額が異なることがあります。
固定資産税と都市計画税の計算式
土地の固定資産税は次の式により計算できます。
また、固定資産税とともに課税される都市計画税は、次の式で求められます。
課税標準額は固定資産税評価額をもとに算定されます。土地の場合は、住宅用地の特例や負担調整措置などによって、固定資産税評価額と課税標準額が異なることがあります。
土地のみの場合は原則として特例が使えませんが、その理由については後ほど詳しく解説します。
固定資産税評価額の調べ方
宅地の固定資産税評価額は、公示価格の7割程度が目安とされていますが、正式な金額は市町村が決定します。原則として3年ごとに評価の見直しが行われるため、評価額は変わることを覚えておきましょう。
固定資産税評価額は、毎年送付される納税通知書の課税明細書で確認できます。また、市町村の担当部署(税務課など)で取得できる評価証明書で確認することも可能です。
固定資産税の金額別早見表
下記は、固定資産税評価額をもとに池さんした固定資産税額の目安です。実際の税額は課税標準額や負担調整措置などにより異なりますので、あくまで目安としてお考えください。
| 固定資産税評価額 | 土地のみの場合※単純計算 | 小規模住宅用地が適用された場合 |
|---|---|---|
| 500万円 | 約7万円 | 約1.2万円 |
| 1,000万円 | 約14万円 | 約2.3万円 |
| 1,500万円 | 約21万円 | 約3.5万円 |
| 2,000万円 | 約28万円 | 約4.7万円 |
| 3,000万円 | 約42万円 | 約7万円 |
住宅がある土地には「住宅用地の特例」が適用される
土地に住宅が建っている場合は、税負担を軽減するための住宅用地の特例が適用されます。土地のみを所有している場合には受けられないメリットであるため、土地の維持コストを検討する際は、この特例の内容を正しく理解しておくことが重要です。
小規模住宅用地の特例
住宅・アパートなどの居住用建物の敷地であり、200㎡以下の部分については、固定資産税評価額の課税標準額が評価額の6分の1(都市計画税は3分の1)に軽減されます。
アパートなどの場合は、戸数 × 200㎡が小規模住宅用地です。たとえば、4戸建てのアパート敷地は、800㎡までが小規模住宅用地として適用されます。
一般住宅用地の特例
住宅・アパートなどの居住用建物の敷地であり、200㎡を超える部分については、固定資産税評価額の課税標準額が評価額の3分の1(都市計画税は3分の2)に軽減されます。
店舗併用住宅など、住宅とほかの用途を兼ねている場合は、居住部分の割合などによって適用される範囲などが変わります。
| 敷地 | 固定資産税 | 都市計画税 | |
|---|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 6分の1 | 3分の1 |
| 一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 3分の1 | 3分の2 |
なお、住宅用地の特例が適用される土地の範囲は、原則として住宅の床面積の10倍までです。
土地のみだと固定資産税が高くなる理由
所有する不動産の活用方法として、土地を更地にする選択肢があります。固定資産税の説明において、「家を解体して更地にすると固定資産税の負担が最大6倍まで高くなる」といった記載を見かけることがあるかもしれません。
実際は小規模住宅用地の特例措置で固定資産税が1/6となり、特例が外れると軽減されなくなるため高くなるということです。税額が必ず6倍になる、というわけではありません。
ここでは、固定資産税が高くなる理由や土地のみの場合と軽減された場合の固定資産税をシミュレーションし、その金額差を具体的に説明します。
土地のみでは「住宅用地の特例」が適用されない
住宅用地の特例は、住宅の敷地にかかる固定資産税の負担を軽減する制度です。住宅が建っていない更地や空き地は、原則として住宅用地に該当しないため、この特例を受けられません。
そのため、住宅を取り壊して土地のみの状態になると、小規模住宅用地の6分の1や一般住宅用地の3分の1といった軽減が適用されなくなり、土地の固定資産税が高くなる場合があるのです。
ただし、住宅の建て替え中など一定の要件を満たす場合は、住宅がない状態でも住宅用地として扱われることがあります。
住宅を建築中・建て替え中でも特例の対象外になる場合がある
東京都主税局では、住宅を建設中または建設予定の土地で1月1日時点に住宅が存在しない場合、原則として住宅用地にはならないとしています。そのため、土地の固定資産税が高くなるケースがあります。
ただし、建て替え前後の所有者が同一の人物であることや、既存の住宅の建て替えに着手していることなど一定の要件を満たせば、建築中でも住宅用地の特例が継続して適用される場合があります。要件や申告方法は自治体によって異なるため、建て替えを予定している場合は、事前に市区町村へ確認しておきましょう。
参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」
土地のみの場合と住宅用地の場合で固定資産税をシミュレーション
住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が適用される場合と、建物がなく特例が適用されない場合の税額を比較します。計算条件は以下のとおりです。
- 土地面積:300㎡
- 固定資産税評価額:2,100万円(7万円/㎡)
- 固定資産税率:1.4%
| 土地の状態 | 課税標準額 | 固定資産税の目安 |
|---|---|---|
| 特例が適用される土地 | 約467万円 | 約6万5,000円 |
| 特例が適用されない土地 | 2,100万円 | 約29万4,000円 |
住宅用地の場合、200㎡までの部分には小規模住宅用地の特例が適用され、課税標準額は評価額の6分の1になります。今回は土地面積が300㎡のため、残りの100㎡には一般住宅用地の特例が適用され、課税標準額は評価額の3分の1になります。
その結果、住宅用地の課税標準額は約466万円、固定資産税は約6万5,000円です。一方、建物がなく住宅用地の特例が適用されない場合は、単純計算で約29万4,000円となります。そのため、土地のみの場合は、軽減措置が適用される場合と比較すると負担が大きいことがわかります。
ただし、実際の税額には土地の負担調整措置などが影響するため、必ずしも固定資産税評価額に税率を掛けた金額と一致するわけではありません。
土地のみの固定資産税負担を抑える方法
土地の固定資産税をできるだけ安くするには、住宅用地として活用して特例の適用を受ける方法と、土地活用による収益で税負担をまかなう方法があります。税額だけでなく、初期費用や収益性、管理負担を含めて判断することが大切です。
土地活用を行った場合の固定資産税に関するメリット
固定資産税は遊休地や未利用地であっても課税され、住宅用地と比較すると何倍もの税金を支払うことになります。また、土地の立地条件によっては評価額が高い場合もあり、固定資産税は大きな負担です。
土地活用のうち、アパートや賃貸住宅など居住用建物の敷地として活用する場合は、固定資産税の負担を軽減できる可能性があります。
- 土地の有効活用により収益を上げ、税負担をまかなえる
- 土地活用によって固定資産税の負担を軽減できる可能性がある
土地活用で収益を生むことで、固定資産税の負担をまかない、なおかつ手取り収入を増やして将来のための資産形成ができるでしょう。一方、駐車場など住宅以外の用途では、住宅用地の特例は適用されないため注意が必要です。
具体的な土地の活用方法
土地の具体的な活用方法としては、次のようなものがあります。自分の条件や状況に合わせた方法を選びましょう。
| 活用方法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 借地 | 土地を利用したい個人や企業に土地を貸す | 自分で建物を建てる方法より初期費用を抑えやすい |
| 駐車場 | 月極や時間貸しの駐車場を経営する | 比較的少ない初期費用で始められ、用途変更もしやすい |
| トランクルーム | コンテナを設置し収納スペースを貸す | 狭小地や変形地でも活用可能で、運営を委託する方法もある |
| アパート経営 | アパートを建築し、複数の住戸を貸し出す | 初期投資はかかるが安定した収益が狙え、土地の固定資産税が軽減される |
| マンション経営 | 共同住宅を建築して住戸を貸し出す | 多額の初期費用がかかる一方、戸数を確保しやすく、長期的な運用を検討できる |
固定資産税が高い土地は「所有・活用・売却」を比較しよう
土地を今後も所有するべきか判断する際は、固定資産税だけでなく、現在の土地の価値や活用した場合の収益性も確認することが大切です。特に利用する予定がなければ売却を検討し、活用を考えている場合は活用方法を比較することで、どちらが自分に合うか判断しやすくなります。
何から始めたらよいかわからない方は、まず「リビンマッチ」を利用してみましょう。リビンマッチは、複数の土地活用プランを一括で比較できる無料のインターネットサービスです。
固定資産税の負担を軽減するために賃貸住宅事業を行いたいと考えても、立地条件や土地の規模などによっては、商業系や事業系の用途に使うほうが収益性を高く見込める可能性もあります。また、実際に運営を始める際は、建物管理や契約管理などマネジメントを含めた総合的な提案が欠かせません。
リビンマッチでは、土地の特性に応じて的確な土地活用プランを提案しています。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
老後の住まい (21) 離婚で家を財産分与 (18) 売れないマンション (12) 一括査定サイト (11) 海外移住 (11) マンション価格推移 (11) 実家売却 (10) 家の売却 (10) 離婚と住宅ローン (9) 家の後悔 (8) 移住 (7) 訳あり物件 (6) 家を売りたい (6) 家の価値 (6) 離婚と家 (6) 売れない家 (5) 不動産高く売る (5) 離婚準備 (5) 不動産会社の選び方 (4) 農地売却 (4) サブリース (3) お金がない (3) イエウール (3) マンション売却の内覧 (3) 近隣トラブル (3) マンションの相続 (3) 空き家売却 (3) 不動産価格推移 (3) 離婚と家売却 (3) マンション買取 (3) 売れない土地 (2) マンションか戸建てか (2) リビンマッチ評判 (2) シンガポール移住 (2) 家の解体費用 (2) アパート売却 (1)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。
引用ルールについて














